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途上国のスイカが先進国で美容液に変身?

日本で、様々な植物の持つ機能を探り、医薬品や化粧品、健康食品に応用しようというユニークな研究が進んでいるのをご存知でしょうか?場所は、奈良先端科学技術大学院大学。

昨年ノーベル生理・医学賞を受賞した山中伸弥教授がかの有名なiPS細胞の研究を始めたところとしても知られています。

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アフリカでスイカを収穫、日本へ

今回紹介するのは、化粧品業界から今最も注目を集めるのが、アフリカ・カラハリ砂漠で穫れる紫外線に負けず育つ「カラハリスイカ」です。

アフリカ・ボツワナ共和国からスイカの種子を日本に持ち込み約7年前から栽培を行なっています。カラハリスイカは私たちが普段食べているスイカの様な甘みは無く、実も小さく、そして赤い果肉もありません。

ではなぜこのほど遠いアフリカの砂漠でしか穫れず、なおかつ味もおいしくない野生スイカの「カラハリスイカ」が注目されているのでしょうか?

カラハリスイカでお肌ツルツル!

この強烈な日差しが降り注ぐ砂漠で、みずみずしく育つ「カラハリスイカ」には、有効成分の「シトルリン」というアミノ酸の一種が豊富に含まれています。

実はこの「シトルリン」をカハラスイカは葉の部分に蓄積する事で紫外線から身を守り、砂漠の過酷な環境で育ち、自らの保水力を保っているのです。このシトルリンと他の他糖類の相互作用により優れた美白効果を発揮します。

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アフリカ産スイカ美容液、発売中

このカラハリスイカの大いなる可能性に期待する奈良先端技術大学院大は約1万キロ以上離れたアフリカ・カラハリ砂漠で収獲したカラハリスイカで2010年7月にジェル状の美容液「美WhitePro」(30グラム入り6300円)を発売しました。

一般的なスイカに比べて収穫量が0.1%以下、きめ細かな水分管理など、困難な問題はまだあります。しかし、徹底した管理で2009年には毎年10トン程度を安定して収獲できるようになりました。

このカラハリスイカの美白効果もそうですが、やはりここで一番注目したいのは’この製品の元は全て途上国、それもアフリカのカラハリ砂漠から収獲されている’というところだと思います。

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カラハリスイカでアフリカ・ボツワナを活気付ける!

最も収獲の多いボツワナ共和国の土地70%がこのカラハリ砂漠に覆われています。このアフリカの中でも特に餓死、紛争という貧困層から生まれる社会問題で経済的にも遅れているボツワナ共和国。

このカラハリスイカの原産地として多くの眼差しを浴び、生産を増やして行く事でまた新たな雇用を生む可能性をも秘めていると考えられています。

[参考:奈良県農業会議]


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