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こんにちは、e-Educationミャンマープロジェクト担当の小沼武彦です。

前回の記事では「寺院学校でのヒアリングから英語にニーズがあるのではないか」という記事をご紹介しました。今回の記事では、なぜそのように考えたかをお話します。

ミャンマーでは英語が重要という教育事情

今回の記事では、なぜミャンマーで英語が大切なのかを3つのポイントで紹介したいと思います。

1. 大学受験はすべて英語で行われる
2. テキストが英語であること
3. 就職活動に有利になる

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1. 大学受験はすべて英語で行われる

実は、ミャンマーでは大学受験(セーダン試験)はすべて英語で行われるのです。問題文が英語のため、英語ができないとテストを解けないという状況。さらに理系、文系問わず英語の試験を必ず受けなくてはいけため、試験対策として英語のニーズが高いのです。

セーダン試験の基本科目は英語、ビルマ語、数学の3つ。それに加えて、自分の専門分野を受験します。日本のセンター試験のようなものですが、大きな相違点としては問題文が英語という点です。

英語ができなくては問題文の意図を深く読み取れず良い点数がとれません。もちろん英語の試験もあり英語の重要度が高いのです。そのため、大学受験対策としては英語が一番大切だと考えています。

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2. テキストが英語であること

僕が今の段階でヒアリングを通して驚いたことの1つは、大学で使用するテキストが英語で書かれていること。英語の教科書を見せてもらうと、正直ものすごく難しいものでした。僕の英語力が低いせいもありますが、現地大学生の英語のレベルはもっと低い状況です。

僕が視察を行った寺院学校では、大学生に「what’s up?」、「How’s it going?」を教えていました。この英語レベルでは、アカデミックの英語テキストは読みこなせず、わからないことも多いと思います。

「なら教授に相談すれば良いのでは?」このように考える方がいると思います。僕もそう考え、学生に「テキストがわからなくても、教授に聞きにいけば良いではないか?」と質問してみました。

そうすると彼らはこう答えました。

「先生のたちの質が悪くて、全然話にならないんだ。だから僕たちはみんなで勉強会を開いて、みんなで一生懸命理解しなくてはいけない。でも正直わからないことだらけだ。」

なるほど。教授がまともに答えてくれない分、彼ら必死にやっているが、英語力が足りず、テキストを深いところまで読みこなせない。

「では彼らの英語力を上げるのがいいのでは?」と思い、高等教育レベルでも英語にニーズがあると確信しました。

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3. 就職活動に有利になる

英語が出来ると就職活動が有利になる。そう僕はミャンマーで感じています。また英語が出来ると給料に影響がでると生徒に言われました。英語ができるとツアーガイドになれたり、外国の企業に就職できたりします。

ツアーガイドの給料は75,000チャット(約7,000円)ほどだと現地の学生が言っていました。一方、教師の給料は35,000 チャット(約3,000円)ほど。

英語を使せると仕事も高給になるから、英語を学びたいという学生と多く出会いました。ミャンマーは現在多くの外国企業が参入していて、これからますます英語の重要性が高まっていくでしょう。

それに備えて学生に英語を教えることには意義があると思います。仕事のために学校を辞めなくてはいけない学生に対しても英語教育を行うことにより、彼らの職業訓練もつながるとも考えています。

押し付けにならないために。しっかりとしたニーズ確認を

このように大学受験対策でのニーズ、高等教育機関での英語の重要度、職業訓練としての英語のニーズが高いと感じていますが、まだまだニーズは多くあります。

僕は優先度的には英語が高いと考え、現在多くの方と意見交換をしている段階です。これからもしっかりヒアリング活動を行い、現地目線で本当に何が求められているか確認していきます。

[e-Education Project]


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