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トジョウエンジン読者のみなさま、こんにちは!バングラデシュでのインターンを無事終えて、日本に帰国した北川です。広告による資金集めがうまくいかず、挫折を経験したことは、前回の記事でお伝えしました。

僕の活動記録、最終回となる今回は、これら僕が目指すものについてお伝えしたいと思います。

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何もできなかった挑戦の春

3月28日。バングラデシュのシャージャラル国際空港を出発した僕は、曇り空の成田空港に降り立ちました。季節は冬から春へと移りかけていて、それと同時に僕の春休みは終わりを迎えようとしていました。

何もできなかった。そんな思いが、僕の頭から離れませんでした。やはり、僕にとって一番大きかったのは、広告による資金集めを実現できなかったこと。

バングラデシュで広告による資金集めを成功させて、日本に凱旋帰国する。出国前にそんな自分を想像していた僕にとっては、今回のインターンを「失敗」としてしか捉えることができませんでした。

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反省する日々の中で結果を受け止める

反省はたくさんあります。日本に帰ってきた後で、あのとき、こうしていればもっと違った結果になったのではないかと思うことは何度もありました。

ただ、結果は結果として受け止めたいと思っています。できたこと、できなかったことにきちんと目を向け、そのうえで、バングラデシュから日本に持ち帰ってきたたくさんの「宿題」に取り組みます。

人はあきらめたとき、挑戦することからおりてしまったとき、はじめて「失敗」するのだと思っています。なぜなら、最後の最後に「成功」できれば、その途中にある失敗はあくまでも「成功」までの過程にすぎないからです。今回の僕のインターンは、お世辞に結果を残したとは言えません。

しかし僕は今回のインターンで挑戦者としての切符を手に入れました。もし、1月のあの時e-Education副代表の開人さん(三輪開人)からのバングラデシュインターンの話を断っていたら、僕はまた挑戦者にすらなれなかっただろう思います。

これはまだまだ、ここから始まる僕の長い闘いの、序章に過ぎないのだと思います。ここからが本番。そう思って今、課題に取り組んでいきます。

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現地で息吹くe-Educationの種

バングラデシュから帰ってきて感じたのは、日本の「居心地の良さ」でした。正直に言えば、日本の方がバングラデシュより100倍ぐらい、居心地がいい。停電もない、ご飯はおいしいし、シャワーは温水だし、コミュニケーションには余計な気を遣わなくていいから楽です。

そんな日本を飛び出した僕は、バングラデシュでe-Educationがもたらしている光を確かにこの目で見ました。夢を語る生徒の顔に、教室に飾ってある集合写真の中に、パソコンの小さな画面の中に、確かにその光を見ました。僕が税所さん(税所篤快)の「前へ!前へ!前へ!」と出会って感じた可能性、それは間違えではありませんでした。

ただ、そんな大きな可能性にもかかわらず、e-Educationは未だ、順調とは言い難い状況です。第1の問題は、何と言っても圧倒的な資金不足です。e-Educationバングラデシュは現在、日本の大学からの寄付によって何とか運営されていますが、それでも3教室を運営するのが限界です。

バングラデシュでの知名度は大きく上がっていて、それに合わせて生徒の志願者数も伸びているのに、生徒を受け入れるだけの十分な資金がない。バングラデシュリーダーのマヒンをはじめ、現地のスタッフはこんな葛藤を抱えていました。

まだまだ、バングラデシュには数えきれないほどの才能ある高校生が、貧しさから十分な教育の機会を得ることができていません。そんな彼ら、彼女らを映像授業によって貧困の連鎖から切り離すことができれば、バングラデシュという国全体を大きく変えることができると僕は信じています。

再び前へ!挑戦は続く

また、バングラデシュ以外の国でも、死にもの狂いで頑張っているe-Educationの仲間がいます。そんな彼らも、いずれはお金の問題に突き当たるときが必ずやってくるはずです。だからこそ、僕はこの問題に取り組みます。

僕には目標があります。

それは、「e-Educationを日本人の誇りとなるようなプロジェクトにする」ことです。そのために、僕は再び前へ、進み続けます。

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連載の最後に

来週は、最後にe-Educationバングラデシュで現場の指揮を執っているアリフから、e-Educationバングラデシュで何が起こっているのかをお伝えします。200人以上の生徒を抱えるに至ったe-Educationバングラデシュでスタッフや生徒はどんな問題に直面しているのか。ぜひお楽しみにしていてください!

ラルフ・ワルド・エマーソンの”leave the world a bit better”ということばによって幕を開けた僕のインターン。終わってみれば、とても「世界に良いものを残せた」と言える結果ではありません。だからこそ、「世界に少しでも良いものを残す」ためにぼくの挑戦は続きます。

トジョウエンジン読者のみなさまには、僕の活動記録におつきあいいただきまして本当にありがとうござました。そんな長い長い僕の「序章」の最後も、僕の行動規範となっているラルフ・ワルド・エマーソンのことばで閉めたいと思います。

“Do not go where the path may lead, go instead where there is no path and leave a trail”
すでに道があるところを歩むな、道なきところに足跡を残して進め

また、世界のどこかで。

[e-Education Project]


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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