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トジョウエンジンをご覧のみなさん初めまして!フィリピンマニラプロジェクト後任として4月から現地で活動する事になった立命館大学4年の伊藤聡紀(いとうあきのり)です。

前任の秦は4月から新社会人という事で、私がコミットしその後のプロジェクトを引き継ぐ事になりました。今回はなぜ私がこのプロジェクトの後任となったのか、その経緯をお伝えしたいと思います。

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定められたレールから外れる決意

「では、志望理由をどうぞ」

このフレーズを去年の今頃、何度も聞いていました。というのも、私は大学4年でいわゆる就職活動の真っ只中にいたからです。3年の秋頃から周りの皆がソワソワしはじめ、気がついたら自分もスーツを着て会社説明会にほぼ毎日行くようになっていました。

そんな自分がなぜ今マニラにいるのか、それはある人の言葉と1冊の本との出会いがキッカケでした。その人物とはMacやiPhoneを世に送り出したAppleの創業者スティーブ・ジョブズです。彼はこう言いました。

「あなた方の時間は限られています。だから、本意でない人生を生きて時間を無駄にしないでください。ドグマにとらわれてはいけない。それは他人の考えに従って生きることと同じです。何より大事なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。あなた方の心や直感は、自分が本当は何をしたいのかもう知っているはず。ほかのことは二の次で構わないのです。」

これまで人生の選択を何度か迫られてきましたが、どこか周りに流されている節がありました。そして、それは残念ながら昨年の今も。ジョブズの言葉はそんな私の心に突き刺さり、周りに流され人生を浪費する自分に少しの考える時間をくれたのです。

「ソーシャルビジネス」という切り口との出会い

そんな時、渡邊奈々さんの「チェンジメーカー」という本と出会いました。この本は世界中で社会問題に対して変革を起こしてきた人たちを紹介しています。その中でも「ソーシャルビジネス」という社会課題をビジネスとして事業性を確保しながら解決するという新しい切り口を知った瞬間、心が震えました。

「これだ!自分の人生は社会を良い方向に変えるために使おう!」

これがその時自分が出した答えであり、今の自分を支える原動力になっています。今思えばただの直感でしたが、自分の心に従って出した正直な決断でした。

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何不自由なく育った自分だから出来ること

偶然の出会いに心を踊らせ社会を少しでも良い方へ変えようと決心したものの、頭の中にはただぼんやりと「不平等な社会を変えたい、それも世界規模で」という思いがありました。その時、この思いはどこから来るものだろう?とこれまでの人生を振り返った時、幼い頃からあった違和感から来るものだということに気が付きました。

先進国日本でさらに両親が教師という安定した家庭に生まれた私は幸運にも何不自由無く生きてきました。しかし、与えてもらえる様々なチャンスに感謝しつつも、それらは自分の努力で得たものでは無いという違和感があったのです。

「チャンスが欲しくても貰えない人は世界にもっといるのでは?」という単純な思考回路から出された答えから、私の足は自然と海外に向いていました。

英語ができないからって諦められない!アイルランドで単身語学修行へ

高校3年での英語の成績は平均以下、大学の英語の授業は一番下のクラス。いざ海外へと思ったときにはもっと勉強しておけば良かったという後悔でいっぱいになり、周りに流されやすい自分が後戻りできないほど遠い国で追い込みながらもう一度勉強しようと決意しました。

そんな事を考えながら見つけたのがアイルランドという国。日本人が比較的少なく短期で英語力が伸びそうな英語圏の国でした。友達に聞いても「それどこ?」というような国でしたが、ここしか無い!と大学4年にも関わらずすぐに大学へ休学届けを提出し渡航準備を済ませアイルランドの首都ダブリンに向かいました。

検索で見つけた「e-Education」という活路

語学留学から4ヶ月、留学前に考えていた「ソーシャルビジネス」をしたいという思いがありつつも具体的に何をするという考えも無くただ毎日を過ごしている自分に少し嫌気がさし、このままではアイルランドに来た意味が無くなってしまうという焦りが込み上げつつも、周りは関係ない、これが自分を信じて決断した道だと何度も自分に言い聞かせました。

そんな自分の出した答えに心が揺ぎつつも何か良いアイデアが無いかパソコンをのぞいていると、「Cousera」というサービスを見つけました。このサービスは世界中の有名大学の講義を無料でパソコン上から受けられるというもの。

これを見たとき「これこそ大学に行けない途上国の子どもたちの助けになればいいのに」と感じました。そんな時「教育 途上国 ICT(情報通信技術)」と調べていてe-Educationに出会いました。

Couseraよりもっとローカルな視点、インターネットが使えないような途上国での映像授業。「これだ!」と、再び私の心が叫びました。

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「税所篤快って誰ですか?」

e-Educationのサイトを最初に見つけた時タイミング良くマニラプロジェクトの後任を募集している事を知り即応募することに。早く連絡が来ないかとソワソワしながら待っていると、Skypeで副代表の三輪さんや先任の秦君と面接をして頂けることになり、途上国と教育に興味がある事や団体を知るまでの経緯について話しました。

「是非マニラでやらせてください!直感でこれだと思いました!」ロジックでも何でもなくただの勢いだけだった自分に、三輪さんから途中で「うちの税所のこと知ってる?」と言われました。正直にあまり知らないことを伝えると「そんな人初めてだよ!」と大笑いされてしまいました。

また、後日聞いた話では、応募者は基本対面で面接だったようで、アイルランドからSkypeという人となりの判断も難しい中自分を信じてくれたメンバーには本当に感謝しています。

マニラへの出発の日

いよいよマニラへと向かうその日。その日はまるで自分の背中を押すかのような快晴でした。正直本当にこんな自分にできるのか?秦君がまいてくれた種を不意にしてしまわないか?子どもたちの期待を裏切らないか?出発の日が近づくにつれて背負っている責任の重みを感じ始めていました。

でも、これが自分に正直になって決断した道だと自分に言い聞かせると、なぜか自然と体が熱くなり勇気がわいてきました。これまでは何度か後ろを振り返っていた。でも今は一度も後悔していない、むしろワクワクしてたまらない。やってやる!

「いざ、マニラへ!!」

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途上国の教育課題を若者の力で解決する

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