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みなさん、こんにちは!

e-Education Projectマニラ担当の磯部香里です。フィリピンの首都マニラで暮らす貧しい高校生たちに「最高の授業」を届ける活動をしています。

前回の記事では、日本へ一時帰国した際に学んだことについて書かせていただきました。

今回は、マニラに戻り、不安を抱えたまま再スタートを切った時のことをお話しします。


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マニラに戻り、まず優先して行っていたのが、映像授業のための先生探しと新規実施校への訪問でした。

これらの件について、フィリピン大学の教授、院生にアドバイスをいただいており、年明けにミーティングをセッティングしていました。

「今週ミーティングをする予定ですが、大丈夫ですか?」

メールや電話もしても全く返事がありません。教授、院生共に連絡をしたのですが、いつまでたっても返事がないのです。そのまま返事がないまま1週間が過ぎました。

紹介するとおっしゃってくれたものは無視することはできず、一方でプロジェクトが中々前に進まない現状。2つの思いを抱えながら、もやもやと時間だけが過ぎていきました。

想定外の状況に

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フィリピンはカトリック教徒が約8割を占める国です。

モールやカフェでは9月からクリスマスソングが流れ、クリスマス前になると街中がキラキラするほど気合いが入っています。

12月の中旬から年明けまでの長い休暇があり、人々は地元に戻り家族とクリスマスを盛大に祝うのです。

昨年、マニラプロジェクトを立ち上げた秦さんが苦い思いをしていたこともあり、クリスマス休暇、そして年が明けた1週間まではプロジェクトが動かないものと想定してプロジェクトを進めてきましたが、実際にここまで連絡がつかなくなるとは思いませんでした。

不安は募るばかり…

また、パトリックからのメッセージも不安でたまりませんでした。

前回の記事でもお伝えしたように、パトリックから「少しe-Educationの活動を休ませてほしい」と言われていました。

休暇中何があったのか原因を聞けていなかったため、最悪活動を辞めてしまうのではないかという想定もしていました。

プロジェクトが進まず、信頼しているパートナーも動けない状態。

この現状に私は精神的に焦り、次第に余裕もなくなりました。

三輪さんに気付かされた大事な視点

そんなとき、日本にいる共同代表の三輪さんと別件でSkypeすることがあり、現在フィリピンの人たちと連絡がつかないこと、パトリックのこと、不安なこと…すべてを話しました。

三輪さんは、笑っていました。

「べっち、途上国の洗礼受けているね。でも大丈夫だよ」

そしてアドバイスをいただきました。

まず、現地メンバーと連絡が取れないことについて、「途上国のフィールドに飲まれないように。あとは、この状況を楽しむことだよ!」

「楽しむこと」

プロジェクトを前へ前へ進めなければと焦っていた自分には、自分でも気が付かないうちに「楽しむ」ことを忘れていたことに気が付きました。

仲間として、そして友人として

また、パトリックの現状について、以下の3点アドバイスをくださいました。

  • パートナーに「命令する」のではなく、「任せる」こと
  • 楽しいからやりたいと思ってもらえる環境を作ること
  • 感謝と共感、そして尊敬の気持ちを忘れないこと

特に3つ目は、以前ミンダナオ担当の建明さんが悩んでいた時に三輪さんから同じアドバイスをもらっていました。

「国際協力の場面にトラブルはつきもの。和解交渉でとりわけ大事なのは相手への『共感』と『尊敬』だ」

裕福だといえる家庭ではないパトリック。アルバイトをしながら生活費を賄っています。そんななか、e-Educationに共感して多くの時間をさいて協力してくれています。

そんな彼への尊敬と感謝は計り知れません。

仲間として、そして友人としてしっかりと向き合うことの大切さを再認識しました。

メンバーと向き合うことの大切さを再認識

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そしてこのとき思い出したのがTEDxイベントを運営していたときのことでした。

当時、チームのモチベーション作りやメンバーのマネジメントをしていた私は、メンバー1人ひとりが楽しんでイベントを作り上げていけるように、なるべく一人ひとりと話す時間を設け、メンバーと向き合う時間を作るように意識していました。

チームが大きくなり全員にできたわけでもなく、反省点もたくさんありしたが、チームメンバーの一人ひとりと向き合うことの大切さは身を以て感じていました。

楽しいチームから良いものが生まれる!

プロジェクトを行っていく上で大事なのはチーム作りだと思っています。

楽しいチームから良いものが生まれる。私はそう信じています。

これからマニラプロジェクトの拡大を目指すにあたって、最高のチームを作ること。そのためには、まず私自身が楽しむこと。そして仲間が「楽しい」と思ってくれる環境を作ること。

こういった大事な点を教えてくれた出来事となりました。

その日の夜、パトリックにメールを送りました。

「何かったらいつでも連絡してね。私たちはプロジェクトの仲間でもあるし、友達でもあるからね!」

「ありがとう!」と彼からメールが帰ってきて、何だかそれだけで嬉しくなりました。

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少しずつですが、一歩ずつ前に進んでいるプロジェクト。

次回は、授業撮影の先生探し、そして新しいメンバーをどのように探したのかお話していきたいと思います。

ありがとうございました。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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