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国民一人当たりのGDPと国の人口密度に関係性はあるのか?

“70億人の世界”というタイトルで、ナショナルジオグラフィックがカラフルなマップを公開していたので、他のデータと合わせて本日はご紹介します。

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明確化される地域格差

このマップでは、国民一人当たりのGDPがマップ下のバーの左から、低所得、中の下階層、中流の上階級、高所得層の4段階に分けてあります。そしてもう一つ、明るい色が高い人口密度を示しています。

一番最初に見てとれるのは、やはりアフリカ、特に中央と東アフリカの高い低所得層の割合でしょう。

しかし、注目したいのは、同じアフリカでも西アフリカのカメルーン、ナイジェリアアンゴラなどは中の下階層の割合が多い、ということです。ちなみにこれら3ヵ国の共通点は、どれも豊富な天然資源(主に石油)を抱えていることです。

地域だけではなく、同じような地域格差は国の中でも見られます。

特に中国ブラジルでは、東側の方が西側に比べて所得が多い事が分かります。現に、ブラジルの首都ブラジリア・経済都市サンパウロ・リオデジャネイロ、中国の首都北京・商業都市上海市・広州市などは全て東側、沿岸に位置しています。

意外と関係性はない?

人口密度に関して言えば、あまりGDPと関係性が無いように思われます。

21世紀は小回りの効く小国の途上国の方が経済発展しやすい、つまり人口増加に繋がりやすい、と考えられています。

しかし、四国の1.5倍の大きさしかない小国アフリカ・ルワンダ(GDP年率成長8%)、アフリカで3番目に大きいコンゴ(GDP年率成長7.2%)は両方比較的高い人口密度となっています。

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70億人の内訳は、低所得10億人、中の下階層40億人、中流の上階級10億人、高所得層10億人となっており、それに伴って寿命や乳児死亡率も変動します。

今後の世界課題とは?

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識字率は所得と共に上がり、出生率や人口成長率なども同時に下がっていきます。

純移動率(移入民と移出民の差)では、高所得層の国以外、全て移出民の方が移入民より多くなっています。

つまり、途上国から先進国へ向かう人たちの数が多いのです。これは、高所得国の都市人口が他の層と比べて比較的多い、ということからも見てとれるでしょう。

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インターネット普及率、携帯電話契約数、車所有者数なども高所得層が群を抜いています。そして、二酸化炭素排出量が圧倒的に多いということにも注目です。

この世界の全体的マップから我々が学ぶべき事は、どれだけ“トレードオフ”(一方を追求すると他方が犠牲になるような両立しえない経済的関係)を小さくできるか、ゼロに近づけさせることができるか、ということだと思います。

途上国の人々の所得が向上し、皆が車に乗ったら、それだけ環境汚染が進みます。しかし忘れてはいけないのは、テクノロジーの進歩でしょう。車を一つ例にとっても、電気自動車などの地球に優しい車は途上国でも導入され始めて来ています。

今後は、全ての地域からより多くの意見を出し合い、深い話し合いをしていくことが鍵となってくると信じています。

National Geographic


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