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皆さんこんにちは。

前回の記事では、実施校でのプロジェクト導入後、初のチーム全体ミーティングを行なったことについて、書かせて頂きました。

今日は、そのミーティングの終盤でメンバーと熱く語り合った”e-Educationの今後”についてお話させて下さい。

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チームの重要性

ルワンダでのe-Educationプロジェクトは当初、”バングラデシュの共同代表税所とマヒン”のように、アレックスと自分2人で成り立っていました。そこにあえて他の現地メンバーを5人も加えるのには大きく2つの理由がありました。

一つは、プロジェクトでの実施校が5校舎なので、物理的にアレックスと自分二人では不可能であったから。そして、プロジェクトの持続性のためです。

僕は、国際協力(途上国支援)の最も最適で持続的な方法は、「現地人、当事者へのハンドオーバー」だと思います。僕を含め、先進国からの人間やリソースは、いつかは消えていきます。

そのため、当事国の人間が長い期間このプロジェクトと関わっていくためには、現地人が全てのことを把握し、成長さえ続ける事ができ、彼ら彼女たちが行動に移せる基盤をつくり上げることこそ、僕たちに求められていることだと日々感じます。

フィリピン・マニラプロジェクト担当の香里さんの言葉を借りると、

“私1人でやるのではなく、チームとしてみんなで作り上げていくプロジェクト”

です。

そしてもう一つの理由ですが、アレックス以外の人がプロジェクトを十分理解することで、判断を客観的にすることができると思ったからです。他の人の意見を取り入れ、より多様性がありクリエイティブなプロジェクトに長い目線で仕立て上げていきたかったのです。

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必要不可欠な話し合い

そんな僕の思いが完璧なまでに現実化したメンバー6人のチーム全体でのミーティング

諸事項の確認を終えたところで、e-Educationが今後踏むべきステップについての話し合いを始めました。午前11時スタートで、既に時刻は13時を回っていました。

ルワンダの場合、11月の高校卒業試験(大学受験)が終了すると同時に、翌年1月末まで休みに入ります。この2ヶ月の間にルワンダのチームがじっくりと来年のための戦略を立て、実行する必要がありました。

現在、e-Educationプロジェクトは、現地NGO「RIDI」の一プロジェクトとして表向きは何の問題も無く進んでいます。

しかし、翌年から実施校を増やすためには、政府(行政機関)の力を借りないわけにはいきません。もちろん、自分たちだけで民間セクターと提携してプロジェクトを運んでいくことは十分可能です。多くの貧しい農村部の学校は公立高校。政府の監視のもとに授業が行なわれているのです。

白熱した議論

僕はまず、メンバーにこう提言してみました。

ドガ:「皆も知っている通り、e-Educationは初めルワンダ教育省と交渉していたんだ。そして、もっと多くのルワンダの高校生たちに最高の先生のDVD授業を届けるには、政府からこのプロジェクトを公式に認めてもらう必要があると思う。11月の試験が終わって一段落したら、政府へ再交渉しにいかないか?」

すると、メンバーから様々な意見が飛び交い始めました。

アレックス:「何でこのままの状態で実施校だけ増やしていけないのか。問題は何も無いし、政府もあまり必要ないと思う」

エマ:「僕は将来公共セクターで働きたいと思ってる。国の持っている知識と情報があれば、e-Educationはさらに拡大できるはずだ」

ロバート:「僕は政府機関がとても面倒ということを知っている。正式な許可を得るために3ヶ月、半年かかるかもしれない」

ドガ:「正式なルートでいけばそうなるけど、僕たちには既に、”初年度5校舎で500人の生徒にDVDを届けた“という実績がある。それに生徒の試験結果の向上が加わればさらに強みは増すはずだと思う」

会話にあまり進展の無いまま1時間が過ぎました。

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ロバート

目の前のことに集中する

僕は、今この段階で11月の試験後のe-Educationの話をするのは、大きな間違いだったと後悔しました。事実、プロジェクトがようやく5つの実施校でスタートし、「いざこれから!」という時に新しい議題を持って来る必要は無いと思いました。

メンバーの士気を保つのも僕の仕事です。これが下がれば、プロジェクトは失敗に終わるのも同然。500人の生徒の夢をぶち壊すことにも繋がります。

少し考え、とりあえずこの場でe-Educationの今後に対する判断は何もしませんでした。

「これから11月中旬の試験まで、まずは生徒たちとプロジェクトのことに集中しよう!」

プロジェクトを進めている間に僕が他の団体や企業の人にヒアリングを実施し、また1ヶ月後に本件について話し合おうと決めました。

アインシュタインはこう言っています。

私は未来のことを考えない。あっという間にやってくるからだ。

未来への決断が、「今」に繁栄されることは無いでしょう。しかし、今に対する決断は、「今」に大きく影響してきます。

ただせさえ時間が無いe-Educationに、未来のことと現状を同時並行で考えることなど不可能でした。プロジェクトの運営をメンバーと恊働で行ない、将来の土台を作るのが僕の仕事だとも思っていました。

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飛び立つメンバーたち

こうして、何とか4時間弱にも及んだミーティングが終わり、翌週からメンバーは担当の実施校へ毎週訪れ、プロジェクトを進めていきます。

その間にも僕は、予算表の作成、来年度のプラン、そして不定期にメンバーと実施校に出向いて生徒と先生方に話を聞きます。

しかし、ある日この予算表を作成している時、僕はとんでもないミスに気がつくのです・・・

ありがとうございました!


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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