Tim Graham/Alamy
20年ぶりにGDPの算出方法を修正したナイジェリアが、南アフリカを抜いてアフリカ最大の経済国となることが分かりました。
ナイジェリア政府によれば、修正後の2013年GDPは5030億ドル(約50兆3000億円)と、南アフリカの3500億ドルを大きく上回ることとなります。
世界で24番目の経済国へ
以前の算出方法に対しては、ナイジェリアで急成長を続けるITや”ノリウッド”と呼ばれるナイジェリアの映画業界が含まれていないことから、その正確性を疑問視する声が多くありました。
今回ナイジェリア政府はこれらの業界を新たに追加して2013年のGDPを再計算。その結果、以前の算出からGDPが2倍近く上昇し、同国が世界で24番目に大きな経済規模を持つことが分かりました。
GDPには表れない課題も
今回GDPが2倍になったことによって、一気に中所得国への仲間入りを果たしたナイジェリア。しかし、それがナイジェリアで暮らす人々の生活レベルを改善することには繋がっていないのも現状です。
たとえば、ナイジェリアにおける1人当たりの平均所得は3000ドルと、南アフリカの7336ドルを大きく下回っています。
国家統計局のYemi Kaleさんはこのように話しています。
GDPによってどれだけ国が豊かになったと示されても、それは必ずしも国民1人1人が豊かになったというを意味しません。冨は不均等に分配されているのです。同様に、GDPが成長したからと言って、新たな仕事が生み出されている訳ではないのです。
経済が成長するにしたがって、人々の所得は上昇し、商品やサービスへの需要が高まります。その結果、生産者はより多くの製品を生産するために、より多くの人を雇う必要が生じます。このようにして雇用は生み出されるのです。ところが確かにナイジェリアでは新しい雇用が生み出されていますが、それの数はまだまだ失業や貧困と言った問題を解決するために十分であるとは言えません。
GDPは2倍になったと言えど、ナイジェリア政府は今後も公平性をめぐる多くの問題を解決する必要に迫られそうです。
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