今もなお内戦が続く中東・シリアでは、200万人を超える紛争孤児の受け入れ先が大きな問題となっています。
そんな中、”世界で最も貧乏な大統領“として知られるウルグアイのムヒカ大統領が先日、100人のシリア内戦の孤児のために、ウルグアイの自身の家を解放したと報道されました。
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世界から称賛を浴びた衝撃的なスピーチ
2012年に開催されたリオ会議(地球サミット)でのスピーチで、ムヒカ大統領の名は世界中の人々に知られることになりました。
我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません。政治的な危機問題なのです。現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。
私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことをわかってほしいのです。根本的な問題は、私たちが実行した社会モデルなのです。そして改めて見直さなければならないのは、私たちの生活スタイルだということ。
この演説は全世界から絶賛され、その後の各国の政治的リーダーが集う国際会議での議論の変換にも大きく影響しました。
- 書き起し via logmi
受け入れるのは100人だけど大事なのはその姿勢
現在、シリア内戦から逃げてきた難民の人たちは中東の国連難民キャンプ(UNHCR)で日々苦しい生活を強いられています。
国連は、その子供の親族と一緒でなければ引き渡しはできないので、ウルグアイのムヒカ大統領の家へは、約100人の子供たちとその兄弟やいとこが同行するそうです。
2011年に紛争が勃発して以来、既に200万人以上の難民が国を後にし、隣国のトルコや、ヨルダン、レバノンなどへ行かざるを得ない状況になりました。
ドイツは1万人、ブラジルは2千人のシリア難民に対して移民ビザを提供。その一方でムヒカ大統領は100人の孤児ですが、一国のトップが自らのプライベートの家を受け入れ先として解放した例はこれが初めてでしょう。
ムヒカ大統領の今回の決断には頭が下がるとともに、今後は、先進国による積極的な移民の受け入れ、そして何より、シリア内戦の早急な終戦を望みます。
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