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みなさん、こんにちは。e-Education Projectミャンマー担当の小沼です。ミャンマープロジェクトを行う中で、数多くの人にお会いしました。

今回、その中も特に尊敬している方、旅行会社エイチ・アイ・エス(以下H.I.S)に勤務する戸田祐樹さんを紹介します。本業の傍ら、軍や体育学校の学生に柔道を指導する戸田さんを突き動かしているものは何なのか。その想いをお聞きしました。

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新たな挑戦の場を求め、ミャンマーへ

ーーなぜミャンマーへ来られたのですか?

僕は、H.I.Sに勤務していて、現地支店立ち上げという任務で2012年10月末ミャンマーに来ました。

少し昔話をすると、H.I.Sに入社した最大の理由はアメリカに赴任出来るという理由だったんです。ですがアメリカ赴任が5年、10年先と告げられます。その後突然ミャンマー赴任の話が入ってきました。

まず、一旦、断りました。次にも声がかかったけど、そこでも断ったんです。でも、ここまで聞かれるということは、ここで「僕が行きます」と言えば間違いなく行けるとわかりました。

そのころ、別会社に勤める友人(後輩)がシンガポールに赴任することになり、その後輩から「戸田さん行った方がいんじゃないですか? 行けば一皮、二皮むけると思いますよ」と言葉をもらって、最終的に行く事に決めました。

でも赴任地で遊びまくろうという気持ちはなく、個の力をつけるという気持ちできました。

よく「若いうちだから行った方がいい!」とか言う人いるけど、結局その人は日本にいるというのが大半。でも後輩の場合、日本離れて海外に出るわけだから、説得力がありました。

自然体のコミュニケーション

ーーミャンマーでお仕事を始めて大変なことはありますか?現地スタッフとの兼ね合いなどは?

まあ、たまにローカルスタッフと衝突することはあるけども・・・(笑)。皆にいじられながら何かと溶け込んでいっている感じですね。

最初は「〜を心がけよう。こう指導しよう」とか思っていたけど、あまりに意識しすぎると上手くいかなかった時に自分自身混乱するんです。なので最近は自然体でスタッフとは接しています。問題が起こっても「まあ、仕方ない」ぐらいが、気負いしないんです。

あと、絶対やらないようにしていることは皆の前で怒る行為。ミャンマー人はプライドが高いので、人前で怒る事はタブーなんです。怒った翌日から会社来なくなる・・・という可能性もありますから。

ーー生活面で大変なことはありますか?

生活面では、いろいろあるね(笑)。

停電、大雨はあるし、路地裏歩いているとドブネズミが普通にいるしね。死骸もよく見かけるよ。放し飼いの犬が多く、夜は犬の活動が活発になるから、吠えられたり追いかけられたこともありました。狂犬病の危険があるので、一番大変なのは野良犬かな。

毎週書いているコラム

ーーそうしたミャンマーでの生活をコラムで発信されていますが、どうしてコラムを書き始めたのですか?

ああ、毎週書いているコラムですね。果たして何人が見ているかわからないけども・・・(笑)

実は最初にあのコラムを書くキッカケになったのは、僕が「アメリカのお父さん」と呼んでいる2人のアメリカ人に対する出会いを書こうと思ったからなんです。

というのも、僕がいろんな人と会って「なんでアメリカが好きなんですか?」という質問になったとき、きまって彼らの話になるんです。

彼らの出会いが、これまた劇的でね(笑)。彼らとの出会い話をすると、長くなってしまうので、「彼らとの出会いはコラムに書いてあるので」と言えば、僕が話す時間を短くなって、お会いする方の意見をたくさん聞けると考えたんです。それがコラムを書くキッカケですね。気づけば毎週書き続けていましたね。

ーー毎週書き続けるって凄いですね。書く際に、気をつけてることはありますか?

僕のこと以外に、ミャンマーのことについても書いているけど、「ミャンマーの今を皆さんに!」みたいな情報的な書き方はしてなく、主人公を僕として、若干小説のような感じで文章を書いています。

情報発信なんて、僕以上に経済知識に富んだ駐在員の方たちが書いてくれるし発信してくれるだろうからね。

もともと文章を書くのが好きなので、始めても「やっていける」という自信があったんです。それに、時間が経って見ると「ああ、僕はこういう状況だったんだ」と冷静に振り返る事が出来るんです。

素敵な人同士を繋げたい

ーー話は変わりますが、戸田さんは素敵な方同士をよく繋げていますよね。僕にも素敵な方を紹介してくださりありがとうございました。なぜそういったことをされているんですか?

まず始めに言っとくと、誰に対しても「人を紹介しなくては!」と思って動いてないです。その人たちのためにならなければ、人は紹介しません。

昨年ASEAN WORK NAVI(通称:アセナビ)という、「”ASEANで働く”を近くする」をコンセプトのもとウェブマガジンを運営している大学生2人がミャンマーにやって来たんですよ。でも彼ら、その時点で「コネなし、アポなし状態」でした。

「・・・まあ、誰かしら紹介するか」といって数名紹介したんです。その後、彼らがその繋がりつかってどんどん動いていきました。

別の例では、ニューヨークに行く友達から連絡があって、コラムに書いているアメリカのお父さんらを紹介しました。思った通り、彼はニューヨーク、そしてボストンで大変貴重な経験をされて、帰国後、興奮気味に東海岸の思い出話を聞かせてくれ、本当に嬉しかったです。

「彼ならやってくれるだろう!」

そう思った人には力になりたいんですよね。僕が彼らにパスを送って、そこから彼らがどんなシュートをゴールに決めるのか楽しみなんですよ。一方で「この人は人脈だけ自慢しそうだな〜」と思ったり、何をやりたいかわからない人にはお断りしていますね。例え目上の人であってもね。

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ーーこれからミャンマーで行いたいことはありますか?

まず今、あるきっかけで小さいころから行っていた柔道を軍や体育学校の学生らに指導しているのだけれども、教えている彼ら、それからミャンマーの柔道に「革命」を起こしたいです。具体的には、「攻撃は最大の防御」という姿勢を植え付けたいんです。

サッカーで例えると、ジダンの様な華麗なプレー、メッシの様な天才的なドリブルなどではなく、求めるのはインザーギのようにがむしゃらにゴールに向かうスタイルなんです。

それと、ミャンマー、さらにはもっと先になるでしょうが、僕はこれまで「ノーベル平和賞!」と漠然としたところを夢と掲げていましたが、この1年で少し具体化出来たと思います。途上国にスポーツを通じたコミュニティをつくりあげていきたいです。もちろん、ローカル主体となってそうしたコミュニティは作り上げていこうと考えています。

次回の記事では、続編として、なぜ戸田さんがミャンマーで柔道を指導されているのかなどを詳しく紹介いたします。どうぞご期待ください。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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