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こんにちは!e-Education Projectミャンマー担当の林直人です。

前回は、ビーチでリフレッシュをした後、数学の先生と交渉し、先生から協力の許可をいただいたことについて書かせていただきました。

今回は、アクシデントがたくさん起こり、撮影までなかなか漕ぎ着けないこと語らせていただきたいと思います。

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約束の日の延期!?

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ミャンマーで使用している携帯電話

ジョセフと一緒に数学の先生と交渉し、OKをもらった僕は楽観的に考えていました。

「再来週には契約をし、その次の週から撮影開始。そして、1週間に1回撮影と考えても、9月中には終わるだろう。十分間に合う!」

この時は6月中旬。生徒達の本番は3月。そこで、生徒達に対しては10月ごろからDVDを配るのがいいのではないか、と考えていました。

というのも、あまり早く配っても、生徒達のモチベーションが続かないと考えていたからです。自分の受験のときを考えても、早くからたくさん勉強していた人は、後半燃え尽きてしまい、成績の伸びがあまり芳しくないという傾向がありました。

特にDVD授業は、講義をする先生本人のやる気が重要です。やる気がないと、きっと子守唄になってしまいます。

そんなことを考えながら、約束の日の前日に確認のため、数学の先生に電話をしてみました。

数学の先生:「あ、やっぱり来週にしてくれるかな?今忙しいから」

と一言。先輩方からこのようなことはよくある話だと聞いていましたが、実際に経験すると、やはりびっくりしてしまいました。アポイントメントに対する意識の違いにショックを隠し切れません。

「では来週どうかよろしくお願い致します」

と心からお願いしました。

パートナー候補のジョセフが就職!?

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この頃、週2~3回くらいの頻度でジョセフに会っていました。ジョンやアーノルドといった他のパートナー候補は、現在学校の授業があり、忙しいとのこと。一方、ジョセフはガンゴーを既に卒業しており就職もしていなかったので、時間があり、パートナー候補として欠かせない存在です。

しかしあるとき、突然言われました。

ジョセフ:「実は就職したんだ。だから、本当に申し訳ないけれど、これからは今までのようには協力できなくなってしまう

この就職先というのはe-Educationではなくて、他の会社です。

気を遣ってくれたのではっきりとは言われませんでしたが、物価が高騰中のヤンゴンで生活するのは楽ではありません。e-Educationにはボランティアとして協力してくれていたので、金銭的にも大変だったのでしょう。

友達として僕は嬉しかったのですが、プロジェクトマネージャーとしては、僕は残念に思わざるを得ませんでした。

「そっか。でも空いている土日だけでも協力してくれると嬉しいよ!」

とまた心からお願いしました。

契約を拒絶!?

数学の先生は英語は多少話せるものの、円滑にコミュニケーションをとるためにはミャンマー語で交渉をする必要があると考えました。実際、英語よりミャンマー語をしゃべりたいという数学の先生の気持ちははよく理解できました。

そこでジョセフ以外の協力してくれるミャンマー人を探し、一緒に数学の先生のところへ行きました。

その協力者の名前はメイと言います。彼女は去年パートナーだったピョーと同じ学校に通っており、英語が話せます。

メイは優秀で、数学の先生にコンテンツに対する要求を的確に伝えてくれました。そして、両者の合意が取れた後、僕がメイに契約について話をするようお願いしました。

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これは去年も、そして他の国でも行っていることで、きっちり撮影をしましょうという覚書にサインをしてもらうことです。途中で何かトラブルがあったときの対策にもなり、撮影中の雰囲気も引き締まると考えていました。

しかし、メイが契約について話し始めたら急に空気が変わりました。

数学の先生:「契約をするならば、撮影は拒否する。これはビジネスではなくボランティアだ」

とはっきり拒絶されました。ミャンマーは歴史的背景から分かる通り、皆政府を怖がります。e-Educationのような小さなNGO団体と覚書とはいえ契約をするのは、とても抵抗があるようでした。

「これは一緒にやっていく上で、とても大事なことなんです!」

と説明をしても全く応じません。目的は契約でなく、撮影なのでここは一旦引き下がることにしました。そして、数学の先生からの信頼を得るため、団体の構成や資金面等の情報をより明確にし、政府からの許可も提示する旨を伝え、来週もう一度会う約束をしました。

思い通りにいかないこと、特に撮影開始が遅れてしまっていることに対する焦りは、徐々に大きくなっていきます。それでも今すべきこと、できることに集中することで少しずつ乗り越えていきました。

次回は、今年度のもう一つの目的であるITコンテンツ撮影がなかなか思い通りにいかなったことや、それにどう向き合ったかについて紹介させていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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