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こんにちは!e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。

前回は大学教授に対して行ったインタビューと最初の学校訪問についてお話しさせていただきました。

今回はアンケートの時に興味を持ってくれた大学生との話についてお伝えできればと思います。

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興味を持ってくれた社会人へ再度インタビュー

スリランカの教育事情・ICT事情が見えてくる中で、まだ確信が持てるニーズを見つけ出すことができずにいました。

アンケートをした段階で何人か興味を持ってくれた学生と社会人の方がいたので、さらにニーズを探りプロジェクトを詳しく知ってもらうため、「パートナー候補」である彼らと再度話をすることになりました。

まず話をしたのは、政府機関で働く男性と学校で先生をしている女性の社会人のお二人。とても関心を持ってくださり、プロジェクトをサポートすると約束してくれました。その日は地方の学校訪問のアポ取りと学校での案内をしてもらう約束をし、後日訪問することになりました。

北部地域出身の学生の話

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Elephant PassにあるArmy Memorial

スリランカは2009年の終結まで26年間内戦が続いていた国です。その中でも北部地域は終戦直前まで激戦区となっていた地域です。その発端は16世紀に始まった植民地時代にまでさかのぼります。

植民地支配が終わり国家独立後には「シンハラ人優遇政策」が行われ、それに反発したタミル人との間で衝突が続くようになったのです。分離独立を目指す少数派のタミル人とこれを認めまいとする政府軍との間の内戦で、死者は7万人以上と言われています。内戦終結以降は復興が進められています。

北部地域のキリノッチとジャフナから進学してきている大学生二人に話を聞くことが出来ました。北部地域では復興が進んでいるとはいえ、ジャフナのように都市部と地方や被害のひどかった地域ではまだまだ教育の質に差があるそうです。

Oレベル学生が対象に?

彼らもやはり大学に進学するためには塾に通う方が有利であり、Aレベル(大学入試)試験前の学生はほとんどが塾へ通っていると話していました。

しかし、それ以前に北部地域ではOレベル(高校進学)試験に問題があることもわかりました。というのも、他地域での合格率が60%前後であるのに対して、北部地域では受験者の50%ほどが合格できないのです。

二人の学生も「地元の学生たちのために何かしたい」という思いはあるものの、この段階ではまだプロジェクトに積極的に関わるという話までは出来ませんでした。

「北部地域」、そして受験生たちの間で差のついてしまう「Oレベル試験」というキーワード。少しずつですが、問題意識を持つ学生も見つかり、e-Educationスリランカプロジェクトで向かうべき方向性が見えてきたような気がしました。

期待と絶望

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約束をしていた社会人の人との学校訪問のため、何度かテキストメッセージを送って進捗を確認していました。(電話だと意思疎通が難しいため基本的にテキストメッセージを利用しています。)

「やっと学校に行って学生たちに会える!」

私は期待でいっぱいでした。

学校訪問には校長先生からの許可が必要なため、知り合いの先生に話しをするということだったのでお願いをしていました。しかし、何度目からかメッセージへの返事が一切返ってこなくなったのです。電話もしてみますが、出ません。

同じように北部地域の学生二人にも電話とメッセージを送り、連絡を取ろうとしますが返事は返ってきません。何度も試みるもののそれ以来、アンケートで興味を持ってくれた学生たちの誰とも連絡を取れなくなってしまったのです。

「このプロジェクトおもしろいね!」と言ってくれた学生たち。順調に思えたパートナー探しでしたが、ここに来て振り出しに戻ってしまいました。

難航するパートナー探しですが、やはり中学校・高校に行かなければ学生たちの考え=ニーズはわからない、ということで別の知り合いからの紹介と飛び込みで学校を視察させてもらうことにしました。

次回は学校訪問と教育局訪問についてお話しさせていただきます。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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