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「あなたには、自信がありますか?」

こう質問されて「自信があります」と答えられる方は少ないでしょう。

そして多くの人たちが自信を育む方法を知りません。結果、自分のことが嫌いになり、夢を諦めてしまう人も少なくないはず。

そんな方にぜひ見ていただきたい三好大助さんのプレゼンテーション。今年の1月に開かれたTEDxICUの最後を締めくくったプレゼンになります。

「もっと自分に自信を持つには?」

このような悩みに必死に向き合いながら、彼がバングラデシュで挑戦したストーリーを記事にしてお送りします。

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何度も失ってきた自信

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「お前なんかにできっこない」

これは当時13歳だった彼を苦しめてきた言葉です。

中学から始めたテニスは中々上達せず、何度も悔しい思いを味わってきました。

悔しさをバネに高校・大学とテニスに打ち込んできたものの、思うような結果は出ず、彼は大好きだったテニスを諦めます。

ただ、それでも自分の可能性を信じた彼は、19歳の頃に大学の親友とバングラデシュへ飛び出しました。

目的はノーベル平和賞を受賞されたグラミン銀行の創業者ムハマド・ユヌス氏に会うため。世界で最も格好良いと思う人に会いたい一心でバングラデシュへ向かい、ここでチャンスを掴みます。

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憧れのムハマド・ユヌス氏と出会い、すぐにグラミン銀行でのインターンを開始。数ヶ月後には新規事業立ち上げのチャンスをもらい、彼は新しい挑戦に打ち込みます。

しかし、結果は失敗。原因は、現地のニーズをしっかり汲みとれていないことでした。

「格好良い事業を作りたい」

そんな想いを抱いていた自分を悔やむ彼に、追い打ちをかけるようなニュースが入ってきます。

それは一緒に渡航した親友の成功。同じ時期にバングラデシュで活動を始めた彼の活動は順調に成長し、テレビで取材され、本も出版されました。

テニスで失敗し、憧れの人の下でも失敗し、自分の自信を失いかけました。

たった一人の笑顔のために

悔しさを抱えながらバングラデシュから帰国した彼は、助けを求めるようにお世話になった人たちへ相談にいき、自分の胸を刺す言葉と出会います。

「お前は、誰を幸せにしたかったんだ?」

自分に足りないものに気づいた瞬間でした。バングラデシュという大きな概念で問題を捉えており、具体的に幸せにしたい人の顔をイメージできなかったのです。

考えを改めた彼は、幸せにしたい一人の友人の顔を思い浮かべます。

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彼の名前はJafar(ジャファー)。自分と同い年で、同じように自信を持つことができなかった彼の夢を全力で応援しようと決めました。

バングラデシュに再び戻り、Jafarと一緒に調査を始めます。そこで出会ったNayim(ナイーム)という高校生から「将来やりたいことがわからない」という悩みを聞き、キャリアマガジンを作ることを決めました。

Nayimのような学生が将来を描くような一冊になるように。はじめてのことだらけで躓きながらも、なんとか創刊に至りました。

創刊してすぐに雑誌を読んだ学生たちからコメントがJafarたちの元へと届きました。

「自分のやりたいことが分かった気がします」
「僕、学びたいことが見えてきたので、大学進学を目指します」

沢山のメッセージを見ながら、Jafarは彼に話しかけます。

「ダイスケ、おれたちにだって、できるんだよ!
本当に、ありがとう。」

今まで感じたことのない熱い気持ちが彼の胸にこみ上げてきました。

嬉しいことは続きます。

キャリアマガジンの出版事業の功績が認められ、パートナーのJafarは2014年から文科省の奨学金をもらって、日本の一橋大学へ留学に来ることができました。

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プレゼン会場に駆けつけたJafar

本当の「自信」を育むには

「どうすれば本当の自信を身につけることができるのか?」

テニスで日本一になったり、すごいプロジェクトを作り上げてTVに出れば確かに自信はつくかもしれません。しかし、それは限られた人のみであり、彼やJafarの場合は異なりました。

以前と比べてずっと自信を持てるようになった彼は、これまでの体験を振り返りながら、自信をつかむための方法を、シンプルで誰でもできる方法を提示します。

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“熱のこもった「ありがとう」を受け取ること”

「マクロ」ではなく、「ミクロ」に突き抜けること。顔の見える人を一人決め、その人を全力で幸せにすることを考えて行動する。これが、彼が発見した自信をつかむための方法でした。

これは難しいことではありません。大好きな友達や、大切なお客に寄り添うことで、熱のこもった感謝の言葉を受け取ることはきっと誰にでもできることでしょう。

それでは、自信をつかむことで人生はどう変わるのでしょうか?

彼は先ほど紹介したNayimという若者が現在取り組んでいる活動について紹介します。

Nayimは雑誌の内容やそれを作りあげたJafarの背中を見て、自分も悩んでいる人の力になりたいと、スラムの子どもたちを支えるためのNGOを立ち上げました。

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現在NGOのスタッフは200名以上。彼はまだ18歳。将来が見えず自信がなさそうに見えた高校生は、たった数年で見違えるほど成長し、大きな課題を解決しようと挑戦を続けています。

「僕たち一人ひとりが自信を獲得していけば、その分だけきっとこの世界はより良い場所になっていく」

彼は自信に満ちた目で想いを言葉にしました。

3つのメッセージ

プレゼンの最後、彼はこれまでの経験を一つ一つ振り返るように語りかけます。

「僕は信じています。僕たち一人ひとりに素晴らしい存在価値がきっとあるんです。

僕は信じています。熱のこもった「ありがとう」を積み重ねていけば、ここにいる誰もが、その素晴らしい存在価値を心から信じられる日がきっと来るんです。

そして僕は信じています。そうやって一人ひとりが自信を獲得していけば、きっとこの世界はより良い場所になっていくんだと」

彼が最後に残した3つの言葉は、今自信を持てない全ての人たちに向けられたものでした。

「あなたには、自信がありますか?」

こう質問されて「自信があります」と答えられる方は少ないでしょう。

でも、もし彼の言葉を聞いて今から動き出せば、自分のことを好きになれるかもしれませんし、夢を実現することだってできるかもしれません。

彼のプレゼンはこんな言葉で締めくくられます。

「先ほど言った3つの言葉を、今日から一緒に信じてくれて、共に証明してくれる仲間ができたら、僕はとても嬉しいです」

[What leads to true confidence | Daisuke Miyoshi | TEDxICU – YouTube]


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