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「今度のプレゼンで絶対成功したい」

そう思ったとき、あなたなら何をしますか?

実践が大事だとよく言われますが、そうは言ってもプレゼンする機会は中々あるものではありません。

一方で、今すぐ、この記事を読んだ後すぐに、どなたでもできることがあります。

「素晴らしいプレゼンを見て、徹底的に学ぶ」

本を読むよりも深い学びがあり、プレゼンの練習をするよりも簡単に、誰でもすぐに始められます。

今回は、私がよく見返しているプレゼンテーションの中から、ぜひオススメしたい動画をご紹介します。

SPONSERD LINK

自己紹介

みなさん、こんにちは。三輪開人と申します。NPO法人e-Educationの代表として、途上国で教育支援をしてます。NPOの代表として人前で話すことが多く、これまで約3年間で200回近くプレゼンしてきました。

そんな中で最も緊張したのが、今年の2月に登壇した「CATAPULT GRAND PRIX(カタパルト・グランプリ)」というプレゼンの祭典であり、名だたるベンチャー企業の中から、なんとe-Educationが優勝しました。

大絶賛された感動のプレゼンテーション「e-Education」 (ICC FUKUOKA 2017 カタパルト・グランプリ) – YouTube

その後、私なりのプレゼンの工夫を『心を動かすプレゼンテーションをするために実践してきたこと』という記事にまとめたところ、非常に多くの反響をいただき、プレゼンに関する問い合わせやコメントも沢山いただきました。

特に多かったのが「おすすめのプレゼン動画を教えてほしい」というご相談であり、今回の記事では私がカタパルト・グランプリに登壇するにあたって参考にした動画(日本語のプレゼンのみ)をご紹介します。

目次

はじめに

私が参考にしたプレゼン動画をご紹介する前に、ぜひお伝えしたいことがあります。

プレゼン動画をどうやって探したのか、動画をどのように見ているのか、そして自分のプレゼンにどう活かすのか。

私が以前気になっていたことを、まずはじめにお伝えします。

近い場所から、動画を探そう

「プレゼン 動画 おすすめ」

この記事を読んで下さる人であれば、以前にこんなキーワードで検索したことがあるのではないでしょうか?

以前の私は、とにかくプレゼンが上手くなりたい一心で、様々なブログの記事で紹介されているおすすめ動画を片っ端らから見ていた時期がありました。

スティーブ・ジョブス スタンフォード大学卒業式辞 日本語字幕版 – YouTube

たとえばこちらの動画。あまりにも有名なApple創業者のスティーブ・ジョブスのスピーチ動画であり、「伝説のプレゼン」と名高い素晴らしいスピーチですが、この動画があなたのプレゼンのヒントになると限りません。

こちらの動画を見ても、スライドの作り方は分かりません。5分でプレゼンするコツが掴めるわけでもありません。前提や目的が異なる動画の中に、あなたのプレゼンが上達するヒントが必ずあるわけではないのです。

なので、私は「近い場所から、動画を探す」よう心がけています。自分と同じような仕事をしている人、発表時間や聴衆の人数が近いなど、自分が「近い」と感じるプレゼン動画を探すようにしています。

今回の記事で紹介する動画も、私が以前プレゼンしたテーマに関連した「社会起業」「国際協力」「ピッチコンテスト」といった、いくつかのキーワードで絞り込みをかけています。

例えば、「社会起業」をテーマにしたプレゼンであれば社会イノベーター公志園コモンズ社会起業家フォーラムの動画を参考にしましたし、「ピッチコンテスト」であればIVS Launch PadICC カタパルトの動画を参考にしました。

これからプレゼンをするという方は、自分の目的にあったプレゼン動画を、ぜひ自分の「近く」から探して見てください。

映画のように見て、音楽のように聞こう

プレゼン動画を見るとき、少し身構えてしまうことはありませんか?

TEDの動画がおすすめだと言われても、すぐに見ようと思う人は少ないと思いますし、同じプレゼン動画を何度も見たことがあるという人は、ごく一部ではないかと思います。

でも、映画や音楽は違いますよね。例えば、好きな曲はなんども聞き、歌詞を一度も見たことがなくても、気がついたら全ての歌詞を覚えてしまった、ということは多くの人が経験しているでしょう。

プレゼンもきっと同じです。言葉はもちろん、声のトーンや抑揚、動画であれば立ち振る舞いまで、繰り返し見たり聞いたりしていると、自然とインプットされていきます。

ポイントは「身構えない」こと。日常的に映画や音楽に触れるように、プレゼンに触れる機会を増やしていけば、歌詞を知らなかった曲が知らぬ間に歌えるようになるように、プレゼンも上手くなっていく。そう信じています。

一つずつ、技を盗もう

そうはいっても、「今度のプレゼンで絶対成功したい」と思っている方にとって、同じ動画を何度も繰り返し見る時間はそんなに沢山あるわけではないしょう。

「できれば一回見て、プレゼンの技を全部吸収したい」

このように意気込んで見る方もいると思いますが、ちょっと待ってください。映画のセリフや、歌の歌詞を、一度で覚えることはできますでしょうか?

なんとなく分かった気がしたところで、自分のプレゼンが格段に上達するわけではありません。それよりも、たった一つ、気に入ったセリフをメモするだけでもいいので、明日になっても忘れずに再現できるような学びがあることが大切です。

「一回動画を見るごとに、一つずつ技を盗む」

こう意識するようになってから、プレゼン動画の見方が変わり、自分のプレゼンに活かせる学びが随分と増えました。

これから動画をご紹介していく際、私が気になったポイントや勉強になった箇所について合わせてお伝えしますが、ぜひ実際に動画を見る中で自分だけの学びを増やし、大事なプレゼンに活かしてみてください。

みんなの夢アワード(3本)

ここからおすすめしたい動画をご紹介していきますが、まず最初にお伝えしたい動画が「みんなの夢アワード」のプレゼンテーションです。

「みんなの夢アワード」は、公益財団法人みんなの夢をかなえる会が主宰するイベントであり、全国から募集した夢の中から、みんなをワクワクさせるすてきな夢に対して賞が与えられます。

毎回数百人から応募があり、最終選考会には数千人の観客がファイナリストたちの”夢”を聞くために集まります。持ち時間は10分弱。スライドは基本的に使わず、自分の夢と、それに向かった挑戦についてプレゼンします。

最終選考会のプレゼンは本当にレベルが高く、その中でも特に見返している動画を3つ選んでご紹介します。

税所篤快(e-Education)

渡邉美​樹 みんなの夢AWARD 2010 – YouTube

みんなの夢AWARD2010の優勝者であり、今私が代表をしているe-Educationの創業者である税所篤快。彼のこのプレゼンを見て「もっとプレゼンが上手くなりたい」と嫉妬するほど感動しました。プレゼンをすぐ見たいという方は、Youtubeの7:20にジャンプしてください。

アジアの教育に革命を。大きいことを言っていますが、一歩一歩努力していきますので、どうかみなさんの力を貸してください。今日は同じ夢を見てくれて、ありがとうございました。

垣内俊哉さん(ミライロ)

渡邉美樹 みんなの夢 AWARD3 – YouTube

第3回みんなの夢AWARDの優勝者である、垣内俊哉さん。障害者の目線から、誰もが安心して快適に過ごすことができるユニバーサルデザインのモノやサービスを提案する会社ミライロの代表であり、障害を価値に変えるという発想と強い想いの詰まったプレゼンは圧巻です。

日本には3000万人の高齢者がいます。750万人の障害者がいます。合わせて1/3もの人が、なんらかの不安や不自由を感じて生活している。
ありとあらゆる人が、不安なく、不自由なく、生活できる社会にする。それが私の考えるユニバーサルデザインです。私の夢です。

教来石小織さん(CATiC)

みんなの夢AWARD5 教来石小織の夢a – YouTube

第5回みんなの夢AWARDで優勝者した、教来石小織さん。CATiC(World Theater Project)の代表として、カンボジアの貧しい子どもたちに映画を届ける活動をされています。柔らかく優しいトーンで進んでいくプレゼンを見て、熱く語ることだけが夢を伝える方法ではないと学びました。温かい気持ちになれるプレゼン、よかったらぜひご覧ください。

いろんな人に聞かれました。なぜ映画なの?途上国には映画よりも先に届けるものがあるんじゃないの?たしかに、映画は食料やワクチンのように生きる上で絶対に必要なものではありません。
でも、みなさんにとって映画ってどんな存在でしょうか?私にとっては、子どもの頃から夢や生きる目的を与えてくれるものでした。

社会イノベーター公志園(3本)

社会イノベーター公志園は、その名の通り社会イノベーターが全国から集まり、高校野球の甲子園のように伴走してくれる仲間と一緒に磨き上げた「志」を披露する場です。

約半年に渡る準備期間があり、その集大成となる結晶大会(決勝大会)では、代表発表者が1,000人近い聴衆の「共感・信頼」をどれだけ掴むことができるか競います。

プレゼンは前半と後半の2つに分かれており、前半は自身の活動を5分の動画で紹介し、後半はスライドなしで10分間のスピーチを行います。ここでは3名のプレゼンしかご紹介しませんが、どの方のプレゼンも本当に素晴らしく、YouTubeチャンネルから他の動画も視聴できますので、興味のある方はぜひご覧ください。

武藤真祐さん(祐ホームクリニック)

第一回社会イノベーター公志園結晶大会_武藤真祐氏 – YouTube

第一回社会イノベーター公志園で優勝した、武藤真祐さん。在宅医療を専門にした祐ホームクリニックをなぜ立ち上げ、どんなことに挑戦しているのか、武藤さんの「志」について語れています。ゆっくり落ち着いたペースで始まったプレゼンが、途中ガラッと空気が変わる瞬間は鳥肌が経ちました。プレゼンの緩急の付け方についても非常に参考になるプレゼンです。

…最初我々がいくと、非常にニコニコされていてお元気でしたけれども、どんどん、どんどんと調子が悪くなってきて、最後の方は酸素を必死で吸っておられました。息が止まる直前になった時に、奥様が「柵を外して!」っていうんです。介護ベットには柵があります。柵を外して何をするのかと思えば、奥様がベットの上に乗っていって、膝枕をするんです…

松田悠介さん(Teach for Japan)

第一回社会イノベーター公志園結晶大会_松田悠介氏 – YouTube

同じく第一回社会イノベーター公志園に出場された、Teach For Japanの松田悠介さん。教育界の松岡修造と言われるほど熱い方ですが、もともとは自分に自信がなく、ある先生との出会いによって自信が生まれ、それが今の「志」に繋がったストーリーが鮮明に語られています。

また、他の発表者がスーツで登壇される中、松田さんだけジャージで登壇されていること、そして先生のように明るい挨拶からプレゼンに入る姿勢にも学びがありました。自分の想いを一番出し切ることができる正装や導入は、きっと人それぞれです。

みなさん、こんにちは。すいません、お決まりですが、もう一度お願いしてもいいですか?別会場の方々も宜しくお願いいたします。みなさん、こんにちは!…ありがとうございます、エネルギーをいただきました。えー、ただの体操のお兄さんではありません。Learning for All(現Teach For Japan)の松田と申します。今でこそ「教育界の松岡修造を目指しています!」なんて言いながら、人前で熱く話もでき、自分の志にむかって全力で走っていますけれども、もともとは自信なんてほとんどなかった人間です。

谷川洋さん(アジア教育友好協会 AEFA)

谷川洋氏(第4回公志園結晶大会) – YouTube

第四回社会イノベーター公志園に出場された、アジア教育友好協会(AEFA)の谷川洋さん。還暦を迎えた後、アジアで学校を作るNPOを立ち上げ、これまで200校以上の学校を作り上げてこられました。それだけでも十分驚きですが、プレゼンの柔らかさと、一つ一つの言葉の重さは、本当に勉強になりました。

メッセージも明確です。同じ熟年層に対して、自分にしか届けられない言葉で真っ向からぶつけるプレゼンは、全員には届かなくても必ず会場にいるどなかにはしっかり刺さったはずです。

しかし、今の熟年はどうなっているんでしょうね。お金も、時間も、体力もありながら、生きがいを失ってしまっている。熟年たちよ、私も含めて熟年ですが、私たちが犯した罪なんです、教育の荒廃は。
だから、教育再生にね、「熟年よ、立ち上がれ!甘ったれた生活するな、死ぬまで働け!」と、こう叫びたいんですね。

コモンズ社会起業家フォーラム(4本)

社会的課題に取り組む社会起業家を応援しているコモンズ投信が実施している「コモンズ社会起業家フォーラム」は、私のようにNGO/NPOで働いている者からすると、プレゼンの宝庫です。

2009年から2016年まで8年連続でフォーラムが開催されており、毎回10名を超える著名社会起業家の方々が、約7分という短い時間の中で、創業の原体験や今取り組んでいる活動、そしてこれからのビジョンについて語られています。

合計100人近い企業家・経営者のプレゼンは全てYoutubeチャンネル「COMMONSTV」のプレイリスト『社会起業家フォーラムスピーチ集』で視聴することができるので、NGO/NPOで働かれている方は、ぜひ似たような活動をしている団体がないか、その団体の活動をどんな言葉やストーリーで説明しているのか、ぜひ調べてみてください。

川口加奈さん(Homedoor)

第6回コモンズ投信社会起業家フォーラム 川口加奈氏 – YouTube

ホームレス問題の解決に向けて大阪で活動する認定NPO法人Homedoorの代表、川口加奈さん。以前の記事でもご紹介した通り、人前で話すことが苦手な状態から努力して様々なプレゼンコンペで入賞・優勝している、プレゼンの名人です。

彼女の凄さは、やはり圧倒的な場数によって生まれた自然体です。まるで目の前の人に話しかけるかのように、大人数を目の前にしても日常会話のように話しかけているプレゼンスタイルは、きっと多くの人にとってモデルになりうるでしょう。

また、このプレゼンの最後も秀逸です。ホームレスという問題をどう身近に感じてもらうか、目の前にいる人をどう味方にするか、自然な言葉の中に心を掴むための工夫がギュッと詰まっており、まだ見たことがないという方はぜひご覧ください。

私たちは、ホームレス支援は「保険」だと思っているんですね。私たちはオッチャンたちから「なんでホームレスになったのか」っていう話を聞くんですけれども、どの話も「誰にもなりうることだな」ということなんですね…(中略)…今日聞いてくださっている皆さま自身も、ホームレスになる可能性が0%ではないですよね。そういう中で私たちは、ホームレスになったとしても、絶対に何度でも何度でもやり直せる社会を作っていきたいなという風に思っています。

今井紀明さん(D×P)

第5回コモンズ社会起業家フォーラム 今井 紀明氏 – YouTube

通信制高校・定時制高校に通う学生に対してキャリア教育など様々なプログラムを提供している認定NPO法人D×P(ディーピー)の今井紀明さん。最近サハラ砂漠マラソン完走にも挑戦されたエネルギー溢れる方であり、プレゼンテーションにも勢いとスピードがあります。

プレゼンの冒頭挨拶からとても明るい印象を受ける今井さんですが、途中のカミングアウトにはきっと驚かれる方も多いはず。詳しくはぜひ動画をご覧いただければと思いますが、今井さんのような「ギャップ」を活かしたプレゼンは同じNPO業界で働くものとしてとても参考になります。

なんで僕が今の活動をやりはじめたかというと、理由があるんですけれども、みなさんに2つ質問があります。一つ目、僕の前職は…(中略)…もう一つ目の質問です。僕はですね、1ヶ月間くらいテレビや色んな新聞に報道されたことがあるんですが、それは何でだと思いますか?

駒崎弘樹さん(フローレンス)

第3回コモンズ社会起業家フォーラム 駒崎弘樹氏 – YouTube

病児保育・小規模保育の認定NPO法人フローレンス代表、駒崎弘樹さん。テレビや雑誌など、様々なメディアに出演されているのでご存知の方も多いでしょう。ただ、駒崎さんのプレゼンを見る機会は少なく、貴重な動画と言えるのではないかと思います。

駒崎さんのプレゼンの凄さは、一言で言えば「絞る」こと。7分という時間を守り、プレゼンの本旨ではない(けれども魅力的な)話を思い切ってカットすることは、なかなかできることではありません。言いたいことがありすぎて時間通りに終わらないという方は、ぜひご参照ください。

それから、お願いの仕方も非常に勉強になります。ただ「協力してください」というのではなく、これまでの事例を紹介しながら目の前にいる人(会社の方々)がどんな方法で協力できるのか、具体的な方法を提示することで、心が動き、次のアクションに繋がった人はきっといたことでしょう。

…そんな皆さんに協力のお願いをしたいと思います。我々と共にこの被災地支援事業を一緒にやっていただける方を募集しています。例えば、ベネッセさんのように自社のコンテンツを提供してくだされば…また、様々な企業様とコラボレーションしております…例えば、ベイン&カンパニーというコンサルティング会社は、プロボノコンサルティングをしてくださいました。彼らの、1時間何万円もするような方々を、無償で提供してくださって、我々の事業モデルをブラッシュアップすることに、力を貸してくださいました。

三好大助(GCMP)

2009.10.6 社会起業家フォーラム 三好 大助 氏 – YouTube

ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス博士。そんな博士が作られたグラミン銀行と協力しながら課題解決型フィールドワークを提供するGCMP(Global Change Makers Program)創業者の一人、三好大助。私の古くからの友人であり、プレゼンの名人です。

彼のプレゼンの凄さを実感したのは、このフォーラムのプレゼンでした。ひとりだけ学生で、しかも最終発表者という大役にも関わらず、堂々とした態度で、それでいて学生らしさも詰まったバランスの良いプレゼンは、当時見ていて悔しくなりました。高校生や大学生の皆さんには、ぜひとも見て欲しい動画です。

本日は、本当に素晴らしい先輩方を前にしての、僕のトリということですのでで、学生らしい熱い想いを、本日皆様にお届けできればという風に思っております。
本日、僕が皆様にどうしてもお伝えたいことは1です。それは…

TEDx Talks(7本)

プレゼンに関心のある方であれば一度は聞いたことがあるであろうTED。「Idea Worth Spreading」のコンセプトのもと、U2のボノやMicrosoftのビル・ゲイツ、さらには元アメリカ合衆国大統領のビル・クリントンなど、著名な登壇者が幅広いジャンルのプレゼンテーションをする世界屈指のイベントです。

そんなTEDから派生して生まれたのイベントがTEDxTalks。TEDの本家とは独立しているものの、「Idea Worth Spreading」のコンセプトを守り、様々なアイデアを紹介する場として日本における認知度も年々高まっています。

これからご紹介する7つの動画は、すべて日本国内で開かれたTEDxTalksのプレゼン動画です。スライドあり&プレゼン時間は10〜20分という点はどの動画も共通ですが、特徴はイベント開催地によって参加者や会場の空気がガラッと異なるところです。

それぞれのプレゼンテーターが、どんな会場で、誰に向かって、どのような言葉を選んでいるのか意識しながらプレゼンを見ると、会場にいるかのような臨場感を味わうことができるので、ぜひ試してみてください。

税所篤快(e-Education)

教育の種を蒔く: 税所 篤快 at TEDxKeioSFC – YouTube

この記事2回目の紹介となるe-Education創業者の税所篤快。先ほど紹介した「みんなの夢アワード」のプレゼントは異なり、聴衆のほとんどを占める大学生に対して、彼らが興味のありそうなストーリーや言葉を選んでいるところが印象的です。

ちなみに、彼はTEDxHIUなど何度もTEDx Talksに登壇しており、いずれのプレゼンでも聴衆から笑いが生まれ、気がつけばどんどん話に引き込まれています。何度見ても飽きず、こんなプレゼンをしたいと何度も研究した動画です。

あのですね、ぜひ皆さんに見せたいものがありまして、ジャン!…(うまく画像が表示されない)…なぜかこんな画面になってしまいました…もう一回いきます。ジャン!(2点のテスト答案が表示され)僕の高校の頃のテストの点数なんですが、数学IIのテストでこの点数とったことがある人っています?

三好大助(個人として登壇)

What leads to true confidence | Daisuke Miyoshi | TEDxICU – YouTube

同じく2回目の紹介となる三好大助。先ほどの動画からプレゼンの中身も話の運び方も更に進化しており、勉強になると同時にやはり悔しくもなりました(もう一つ、IVS Summer Workshopの動画もおすすめで、3本合わせて見ると、彼がプレゼンを毎回磨き上げていることがよく分かります)

また、TEDx Talksでは珍しく、自分以外のゲストを壇上に上げ、二人で抱き合ったシーンには胸を打たれました。プレゼンは自分一人で作るものではなく、みんなで作っていくものだと学んだのはこの時ですね。

そして最後1分のラストスパートも圧巻です。おそらくですが、言葉の抑揚まで身体に染み込ませてから本番に挑んだと感じるほど、一つ一つの言葉に力があり、心に刺さりました。ぜひたくさんの人に見て欲しい素晴らしいプレゼンです。

僕は信じています。僕たち一人ひとりに素晴らしい存在価値がきっとあるんです。
僕は信じています。熱のこもった「ありがとう」を積み重ねていけば、ここにいる誰もが、その素晴らしい存在価値を心から信じられる日がきっと来るんです。
そして僕は信じています。そうやって一人ひとりが自信を獲得していけば、きっとこの世界はより良い場所になっていくんだと。

薄井大地(GCMP, e-Education)

なぜ夢以外の持ちものについて語られないのか | Daichi Usui | TEDxICU – YouTube

友人2人に続けてもう1人。自慢の仲間であり、e-Educationの事務局長でもある薄井大地のプレゼンもここで紹介させてください。上の2人のTEDx Talksと合わせて動画を見て欲しいのですが、彼は失敗や挫折経験から始まる挑戦談のようなものを、自身のプレゼンにあまり取り入れてはいません。

それでも、物事の捉え方や話の切り込み方がユニークで、気がつけば話に引き込まれます。ストーリーの中身がプレゼンの質を左右するのは言うまでもないですが、切り取り方や捉え方でここまで話が魅力的になるのかと感動したプレゼンでした。

では、早速なんですけれども「なぜ夢以外の持ち物について語られないのか」というトークをしていきたいと思います。まずはじめにお聞きしたいんですけれども、この中でなかなか素直になれないなとか、もっと素直になりたいなんてことを、思ったり悩んだりしたことがある人って、どれくらいいらっしゃいますか?…(少しずつ手が上がる)…あー、続々上がってきますね。周りの人があげたらあげるくらいの、良い感じに素直じゃないですね(笑)

植松努さん(植松電機)

Hope invites | Tsutomu Uematsu | TEDxSapporo – YouTube

ネットで話題を呼んだ植松電機の社長、植松努さんの動画。こんなことを言うと失礼かもしれませんが、プレゼンの登場シーンを見ていて少し不安になったのは私だけではないでしょう。名プレゼンテーター特有の「慣れ」が感じられなかったのです。

それでも、いざプレゼンが始まると、植松さんのありのままの言葉は驚くほど心に刺さり、はじめてプレゼンを見終えた時は涙が込み上げてきました。話すことが得意であることとプレゼンが上手いことは関係ない、ということを学んだ素晴らしいプレゼンテーションです。

また、植松さんはTEDxSapporoに登壇されるにあたって、どんな思いで引き受けたのか記事にされています。何を伝えるか悩んで、何を話すか、どんな気持ちで挑むのか描かれていますので、ぜひ合わせて読んでみてください。

僕は信じているんです。「どうせ無理」を無くせば、良い社会が来ると思ってます。でも、僕1人にできることは限りがあるから、どうしても仲間が欲しいんです。これは僕の代で終わらない夢かもしれないんです。だからこそ、皆さんの力を貸して欲しいんです。
皆さんが今日から「どうせ無理」っちゅう言葉に出会ってしまった時に「だったらこうしてみたら」と言ってくれたら、ただそれだけでいつかこの「どうせ無理」という言葉が無くなって、この世からいじめも虐待もなくなるんです。だからぜひ、皆さんの力を貸して欲しいんです。

長岡秀貴さん(侍学園)

時間という財産: Hidetaka Nagaoka at TEDxSaku – YouTube

植松さん同様、最初の数分間、違った意味で不安になった認定NPO法人 侍学園スクオーラ・今人の長岡秀貴さんのプレゼン。本題から全く外れたような導入には、会場にいたほとんどの聴衆者が想像を裏切られたことでしょう。

ただ、それでも想定時間内にプレゼンをまとめているところがまた長岡さんの凄いところであり、「余白」や「ユーモア」といったプレゼンのスパイスをどう作るか、とても勉強になりました。

(トマトの苗を掴んで)トマトの話は、できません。(ピアノの鍵盤に手を添えて)ピアノも、弾けません。となると、こいつに聞いてみなきゃいかんですよ。たくさんいろんな人たちの素晴らしい話を聞いていると思いますんで、そういう素晴らしい話はできないので、このクマ(のぬいぐるみ)と会話する15分間をみなさんにお届けしたいと思います。

小室淑恵さん(ワーク・ライフバランス)

Work-life balance | Yoshie Komuro | TEDxTokyo – YouTube

導入で参考になった動画と言えば、株式会社ワーク・ライフバランスの社長、小室淑恵さんのプレゼンもよく見返しています。

一人目の出産体験について、旦那さんに対して激しく怒ったエピソードなど個人の体験談から入り、長時間労働の弊害という日本社会全体の課題に発展されていく導入は、プレゼンのお手本といっても良いのではないでしょうか。

また、これまで紹介した皆さんもそうですが、社会課題という目に見えにくい問題を数字ではっきりと説明している点も参考になります。共感と納得、この2つのバランスが取れた素晴らしいプレゼンです。

なぜ日本は少子化なのでしょう?なぜ日本の女性は子どもを産みたくないのでしょう?私は身を持って体験したので、知っています。
私の長男は現在6歳です。(写真を見せながら)ちょっと、写真があまりにも可愛くて驚かれた方も多んですけれども(笑)、でも私は長男を産んだ6年前、苦しくて苦しくて仕方ありませんでした。私、両親は遠方に住んでいますので、育児の頼みの綱は夫だけなんですが、夫の平均帰宅時間、当時深夜2時でした…

BLACKさん(ヨーヨー世界チャンピオン)

TEDxTokyo -Black – A Yo-Yo Story – [English] – YouTube

この記事では日本語のプレゼンに絞っておすすめ動画を選んできましたが、どうしても入れたくなってしまった英語のプレゼンが、ヨーヨーパフォーマーであるBLACKさんの動画です。

2013年には、アメリカ・カリフォルニアで開かれるTEDカンファレンスに日本人唯一のプレゼンテーターとして登壇され、、動画を見ているパソコンの前で、最後に拍手してしうくらい感動したのは、これが初めてでした。

ちなみに、TEDxSapporoで登壇された際には日本語でプレゼンをされており、こちらの動画もおすすめです。人の心を掴む方法は、必ずしも言葉だけではないということを、ぜひその目で確かめて見てください。

The dream came true in 2001. I became the World Champion when I was 18 years old at the time. I was so happy and I thought “Yes, I did!! I became a hero and I will get many sponsors, money, and the interviews from medias”…but after coming back to Japan, totally nothing changed in my life.
(私の夢が叶ったのは2001年。当時18歳で、私はヨーヨーの世界チャンピオンになりました。すごく幸せで「やった!これでヒーローだ!スポンサーがついて、お金ももらって、メディアからインタビューを受けるに違いない!」こんな風に思っていました。でも、日本に帰ってみても、私の人生に全く変化はありませんでした。)

IVS Launch Pad(7本)

インターネット業界のトップレベルの経営者・経営幹部が一堂に集って、業界の展望や経営について語り合う年2界の招待制カンファレンスIVS(Infinity Ventures Summit)。その中でも目玉と呼ばれている企画が「Launch Pad」と呼ばれる、スタートアップ・ベンチャー企業による新サービスのプレゼン大会です。

「Launch Pad」の特徴は、その厳格なルールです。6分間という制限時間を超えた時点ですぐに終了となり、登壇者は時間をしっかり守って質の高いプレゼンを繰り広げます。

これまで紹介してきたどのイベントよりも、スライドを活用されていることも大きな特徴です。自社のサービスを紹介するために、わかりやすい図表や魅力的なデモ動画をふんだんに活用しており、資料づくりのヒントもたくさん掴むことができます。

また、「Launch Pad」登壇者のインタビューを視聴することもできますし、優勝者や入賞者がプレゼンの工夫をブログ記事にまとめてくださっていることも大変ありがたく、プレゼン動画と合わせてインタビューやブログ記事を見ると学びが一層深くなることでしょう。

ここでは7本しかご紹介できませんが、どなたのプレゼンも参考になること間違いないので、同じようなサービスを作られている会社がないか、そのプレゼンからヒントを掴むことができないか、ぜひ他の動画も探して見てください。

鶴田浩之さん(すごい時間割)

IVS 2011 Fall Launch Pad 「すごい時間割」 – YouTube

Labit Inc.代表の鶴田浩之さん。プレゼンした当時の年齢はなんと20歳。最年少での参加でありながら、魅力的なサービスと落ち着いたプレゼンで、IVS 2011 Fall Launch Padで見事に優勝を勝ち取られました。

プレゼンの工夫については、自身のブログにしてまとめられており、この記事と動画はもうどれだけ見返したか分かりません。

プレゼンに年齢は関係ないこと。ただし、経験差を埋めるほどの戦略や工夫、それを本番で出しきるための練習が必要であること。良いプレゼンテーターになるためのエッセンスが詰まった動画です。未視聴の方はぜひともご覧ください。

今日は、みなさん学生時代のことをぜひ思い出しながら聞いてください。大学生は、大学に入った時、まず最初に関心ごととしては、どういう授業を取ったらいいか、友達がどんな授業を取っているだろうか、どういう授業を取ればいいのか、不安に思います。そこで僕たちが作ったアプリが「すごい時間割」というアプリです。”すごい時間割”です。

重松大輔さん(スペースマーケット)

世界中のユニークなスペースをネットで1時間単位で簡単に貸し借り「スペースマーケット」 on Vimeo

IVS 2014 Spring Lauch Padに登壇されたスペースマーケットの重松大輔さん。言葉に力があり、スピード感あふれるプレゼンで、「明るい」「元気」と普段言われている人にとって参考になるポイントが多いでしょう。

私にとって参考になったのは、サービスの事例紹介の方法です。「企業向けのAirBnb」と説明すれば、確かにビジネスモデルはイメージできますが、そこで生まれる笑顔や感動までは思い浮かべることはできません。

これに対して、重松さんは「叔母」という非常に身近な事例を紹介しており、「ズルイ」と思うくらい分かりやすく、サービスの魅力が伝わってきた瞬間でした。

表参道ヒルズの裏にですね、私の叔母がギャラリーを運営してまして、こちら閑古鳥が泣いていましてですね、昔相談されてですね、ちょっとやったことがあるんですね。ブログを作ってみたんですよね…はい、全く反応がなくてですね、非常に悔しい思いをしました、と。そこでスペースマーケットに掲載いたしまして、なんと3週間で新規のお問い合わせが6件、すでに成約2件ですね、もう着金までしています。で、見積もりは約250万円ということで、叔母も大喜びで、これから大忙しになりそうです。

杉江理さん(WHILL)

次世代パーソナルモビリティ「WHILL」 on Vimeo

IVS 2014 Spring Lauch Padで優勝した、次世代型電動車椅子「WHILL」を開発している杉江理さん。スペースマーケットの重松さん同様、一つ一つの言葉に力があり、ユーザーの声が詰まったデモの動画も胸に刺さりましたが、一番心が動いた瞬間はやはり杉江さんが「WHILL」に乗って会場に入った(再登場)した瞬間でした。

「一見は、百聞にしかず」ということわざがありますが、「WHILL」の魅力を説明するにあたって、これほど分かりやすい方法はないでしょう。ちなみに、実機を持って来るために札幌までフェリーで来られたようで、以下の記事を読むと杉江さんの努力がよく分かります。

また、言われてハッとするような言葉が人の心を掴み、聴衆を動かしていきますが、杉江さんが冒頭で説明していた電話と車椅子の違いは「たしかに」と思う納得感と共感がありました。こういった言葉選びも、これからもっと磨いていきたいです。

こちらが1930年の車椅子と電話です。では、今はどうでしょう?ご覧の通り、電話、コンシューマープロダクトに対して、車椅子というのはほとんど姿を変えていません。それにより、ネガティブなイメージであったり、やっぱり機能的にまだまだなとこがあったり、いろいろあります。
みなさん、どうでしょう?今日、この後IVSのイベントが終わった後に、これ(従来の車椅子)に乗って帰れと言われたら、ちょっとやっぱりウッとくるんじゃないですか。やっぱり、それが本音だと思うんですね。

金谷元気さん(akippa)

空きスペースと空き時間でパーキングシェア「akippa(あきっぱ)」 on Vimeo

IVS 2014 Fall Kyoto Launch Padの優勝者であるakippaの金谷元気さん。こちらは動画の前にぜひ金谷さんの個人ブログをご覧いただいてから、ぜひ動画を見ていただきたいです。

記事を読んでみると、優勝に向けた貪欲なこだわりが伝わってきます。特に過去のプレゼン動画は熱心に研究されており、これまでのLaunch Pad優秀者は皆、舞台に向かって右側で登壇していたことに気づいたのは、おそらく金谷さんだけだったのではないでしょうか。

一つ一つの言葉の選び方が研ぎ澄まされており、終始学びの連続でしたが、中でも特に参考になったのは最初の30秒です。一言も無駄がなく、自社のサービスを30秒で説明しきるプレゼンは、きっと多くの方にとってモデルになるでしょう。

akippaは、空いている家の駐車場や月極駐車場をシェアするアプリです。今世の中では「外出時に車をとめる駐車場がない」という問題が起きています。実際に、東京で63,000台、大阪で31,000台が、今この瞬間も路上駐車されています。しかし、その一方で、駐車場を持っている人にも悩みがあります。例えば「家の駐車場を使っていない」「月極駐車場にもたくさんの空き」があります。そこでこの、駐車したい人と、空き駐車場を持っている人を、1日単位で繋ぐのがakippaです。

経沢香保子さん(キッズライン)

日本にベビーシッターの文化を「KIDSLINE(キッズライン)」 on Vimeo

IVS 2015 Sprng Launch Padに優勝されたキッズラインの経沢香保子さん。カリスマ女性経営者として本もたくさん出版されており、テレビにもよく出演されているので、ご存知の方も多いでしょう。

ここからは想像ですが、期待値も非常に高かったのではないかと思います。「話が上手い」「プレゼンが上手い」こういった期待がきっとあったであろう中で、経沢さんがどのような気持ちでプレゼンに挑んだのかは個人のブログに書かれています。

■おかげさまでLaunchPad優勝しました! : キッズライン社長 経沢香保子 blog

この記事の中に書かれている「私のプレゼン」が「会場全体のプレゼン」になったと感じる事が出来ましたという言葉には胸を打たれました。プレゼンの呼び込みから最後の一言まで、会場の人たちからどう評価を得るかではなく、どう味方にするか、を意識されていたことがよく分かります。

また、プレゼンの資料も非常に綺麗で分かりやすく、動画を止めて資料をどう作っているのか研究したくなるくらい完成度が高く、実際に真似てスライドを作ってみました。色の使い分けや、余白スペースの活かし方など、細かな点まで参考になるのでぜひスライドもじっくりチェックして見てください。

みなさん、私は30代で3人の子どもを出産し、仕事と両立し、最年少(上場)女性社長の記録を作った、起業家の経沢香保子です。これが実現できたのは、ベビーシッターの助けがあったからです。その経験を生かして、スマホからベビーシッターを呼べる「KIDS LINE(キッズライン)」というサービスを作りました。

宮田昇始さん(SmartHR)

クラウド労務ソフト「SmartHR(スマートエイチアール)」 on Vimeo

IVS 2016 Spring Launch Padで優勝した、クラウド労務ソフトSmartHRの宮田昇始さん。akippaの金谷さん同様、プレゼンのお手本にしたいと思う完成度が非常に高い動画です。

サービスをなぜ立ち上げたのか自身のストーリーからはじまり、サービスの特徴とビジネスモデルを説明した上で、新しいサービスを披露し、壮大なビジョンを語って終わる。6分間の中に、ここまでの情報がバランス良くしっかり込められており、私は何の説明にどれくらい時間をかけているか思わずメモするほどでした。

また、宮田さんのプレゼンには「鉄板」とも言える導入があり、初めての方であれば驚きを、2回以上聞いている人であってもおもわず笑ってしまう導入があります。気にになる方は、ぜひ動画を直接ご確認ください。

…一方でこの制度(社会保険制度)、ちょっと困った面もあります。これらの手続きは、従業員を雇用してい企業側がおこなう必要があり、企業にとっては大きな負担になっています。では、どれだけ大変なのでしょうか?…(中略)…一つ例をお見せしましょう。これは入社時に必要な書類の一枚。今拡大したのは、性別を選ぶ欄です。お気づきでしょうか?性別がまさかの6択になっています。しかも、選択肢が書いていないので、選ぶことができません。ちなみに、1番は普通の男性、2番は普通の女性です。では、3番は何でしょうか?もうおわかりですね。そう、正解は「●●●」です。

安部敏樹さん(リディラバ)

「TRAPRO」 – 世界中のissueを集めて解決まで導く、社会問題のプ ラットフォーム – on Vimeo

最後にご紹介したいのが、IVS 2013 Spring Launch Padで入賞されたリディラバの安部敏樹さんです。安倍さんはプレゼンのタイトル通り、社会課題のプラットフォームを作ろうとしており、その文脈ではNGO/NPOと非常に近い立ち位置です。

にもかかわらず、プレゼンの構成は、これまでのLaunch Pad登壇他者とほとんど同じであり、安倍さんがNGOやNPOの言葉を、インターネット業界の言葉に「翻訳」して、うまく説明されています。

例えばですが、「TRAPRO(トラプロ)」というサービスについて、「社会問題を詳しく知るためのサービスではなく」ではなく「社会問題に関わる”コスト”を下げるサービス」と表現していて、目の前にいる人たちに合わせて言葉を選んでいるのです。

簡単なことに聞こえるかもしれませんが、実際にできる人とできない人がハッキリと分かれており、私も彼のプレゼンを見て以来、聴衆者の属性を知った上で「翻訳」するよう、心がけるようになりました。

さて、僕が作っているのは、リディラバというNPOと会社をやっています。ボランタリーの人が中心で450人です。有給で払っているのは2〜3人だけです。それだけ愛されている集団だと思っています。
そして「TRAPRO」は、現地に活きる社会問題のWikipediaを目指そうとしているサービスです。社会問題に関わる”コスト”を下げます。ぜひちょっと一度動画をご覧いただこうと思っているんですけれども、いろいろな社会課題が投稿されていていて、そして現場にもすぐ行けるというような仕組みになっています。

ICC カタパルト(4本)

IVSの仕掛け人でもある小林雅さんが新たに作られたICCカンファレンス。ICCはINDUSTRY CO-CREATIONの略であり、「共に産業を創る」というコンセプトをもとに、インターネット業界のみならず、大学教授やNGO/NPO経営者など、セクターを超えた参加者が集うことが大きな特徴です。

そんなICCカンファレンスの中でも注目度が高い企画が「カタパルト」。1社あたり8〜12分間のプレゼンテーションを、第一線で活躍する経営者をはじめとした審査員10-15名に対して行うプログラムであり、スライドの活用などLaunch Padと共通部分はありつつも、時間が1.5〜2倍近いことが特徴です。

また、「カタパルト」にはスタートアップのコンテストだけではなく、「IoT/ハードウェア特集」「リアルテック特集」といった特定の分野に絞ったコンテストがある他、過去の優勝者・受賞者による「カタパルト・グランプリ」など産業を共に創るための様々な広がりがあります。

冒頭でお伝えした通り、私も第一回のカタパルト・グランプリに登壇いたしましたが、参加するにあたって過去のプレゼン動画や前日・前々日のプレゼンを生で見て、驚くほどたくさんのことを学びました。

今回は私が登壇するまでに、特に参考にしたプレゼン動画を4本に絞って紹介しますが、時間に余裕のある方は一つでも多くの動画をご覧ください。特にカタパルト・グランプリでは、上で紹介したスペースマーケットの重松さん、akippaの金谷さん、SmartHRの宮田さん、リディラバの安部さんなどが過去のプレゼンを更に磨き上げており、当日会場で何度も興奮と感動を味わいました。

どの動画一つ取っても、きっと勉強になるので、プレゼンをもっと磨きたいという方は、ぜひご覧ください。

安田瑞希さん(ファームシップ)

ICCカタパルト「ファームシップ」(1位) on Vimeo

初めての開催となるICCカンファレンス KYOTO 2016の「カタパルト」で優勝した、ファームシップの安田瑞希さん。

「植物工場」という、おそらくほとんどの人にとって馴染みのないビジネスについて0から必要な情報に絞って説明されており、プレゼンを聞き終えると「植物工場」のビジネスの大きさと「ファームシップ」の強みがストンと腑に落ちて理解できます。

(実際に安田さんと会話した上で)ここからは私の私見ですが、安田さんの凄さは、プレゼンに対する「問い」を事前に想像・想定する力ではないかと思います。目の前にいる人たちが気になることを的確に捉え、今必要な情報を過不足なく届ける力は、とても短期間で身につくものではありません。

それでも、安田さんに近づくことはできます。事前にプレゼンをいろんな人に聞いてもらい、聞いてくれた人が疑問に思ったことに対する回答をプレゼンの中に取り入れていけば、心を動かすプレゼンに近づいていく。そう信じています。

最後に。私、大学を卒業して2年間、アメリカのオレゴン州で農業をやっていました。そこで見た農業っていうのは、ここの写真(広大な農場の写真)にある通り、これも一つの近代農業の形で、これはこれで正解だと思っているんですね。ただ他方、日本を見てみると、このような段々畑になっていて、大規模化を図りたくても、なかなか土地の集約が困難で、この課題を私たちは最新のテクノロジーで解決したいなと思っていて。やりたいのは「大規模化を土地の制約から解放したい」。こうすることで、ファームシップって船なんですけれども、土地を使わずに海の上でも野菜を生産する、そんなことを考えています。

加藤史子さん(WAmazing)

訪日外国人のニーズをワンストップで解決するSIMカード連動型アプリ「WAmazing」( ICC FUKUOKA 2017 スタートアップ・カタパルト) – YouTube

ICC FUKUOKA 2017のカタパルト・コンテストで優勝したWAmazingの加藤史子さん。先ほど紹介したキッズラインの経沢さんを彷彿させるような、美しいプレゼンスライドとデモ動画に惹きつけられた人も多かったでしょう。

それだけなく、私がとても勉強になったのは「無料の魔法」「手の中の旅行エージェント」といったキャッチな言葉の数々でした。サービスやマーケティングを短時間で魅力的に紹介するのは簡単なことではなく、ぜひ加藤さんの言葉の選び方・磨き方はぜひチェックして見てください。

WAmazingは、世界中の人たちと、日本の隅々までの魅力を、出会わせるサービスです。でも、どうやってサービスを知ってもらうのでしょうか?これが一番難しいんです…(中略)…「無料の魔法」を使いました。なんとSIMカードと5日間500MBのデータ通信容量を無償提供します。官公庁の調査によると…

吉藤健太朗さん(オリィ)

距離や身体的問題を克服する分身ロボットを開発する「オリィ研究所」( ICC FUKUOKA 2017 リアルテック・カタパルト) – YouTube

ICC FUKUOKA 2017のリアルテック・カタパルトに登壇されたオリィ研究所の吉藤さん。最初にご紹介した「みんなの夢AWARD」の優勝者でもあります。

扱っているテーマは「孤独の解消」という少し重いテーマになりますが、ユーモアあふれるネタと、吉藤さんならではの話の進め方で、会場には終始笑いが起こります。

これはNGO/NPO関係者にとっても非常に参考になります。「かわいそう」「ゆるせない」という感情だけ伝えても、受け取り手の心が重くなってしまい、返って動きにくくなることもあります。

それだけではなく、明るい未来やちょっとした笑いをプレゼンに入れるだけで、聞いてくれる人が「仲間」になってくれる可能性が増える。そんなことを、吉藤さんのプレゼンからいつも学んでいます。まだご覧になったことがない方は、ぜひ笑い溢れる吉藤さんの挑戦をご覧ください。

(顔が見えなくてもコミュニケーションが取れることがわかったので)いっぱい、いろんなバージョンを作って、こういった分身ロボットを作りました。ただね、これだと犬型ロボットを使ってみた社長が、社員から犬扱いされる事案が起こりまして(笑)、これはちょっといかんなと。
それでは、その人そっくりのロボットをどうやって作れるんだろうと作った結果、私の顔をレーザースキャンして作ったのが、こちらの分身ロボット”ケンタロイド”です(笑)。めっちゃいいと思うんですけど、不評でして、子どもが泣いてしまったわけですね…

三輪開人(e-Education)

「若者の力で、社会を変える 」 e-Education 三輪開人 on Vimeo

手前味噌ですが、最後はICCカンファレンス STARTUP 2016に登壇した際の私自身のプレゼンについて、ご紹介させてください。

とは言いつつ、読者のみなさんには、できれば冒頭で紹介したカタパルト・グランプリの動画をご覧いただきたいのですが、なぜここでご紹介しているかというと、私がカタパルト・グランプリで登壇するにあたって一番見返した動画が自身のプレゼンだからです。

プレゼン動画を見る面白さは、必ずしも良いところを吸収することだけではありません。自分なりに感じた違和感や「私だったらこうする」というところをどれだけ発見できるかも重要であり、その意味で自分のプレゼンは失敗と学びの宝庫です。素晴らしい動画を見るだけでなく、自分の未完成なプレゼンを見て、ぜひ学びの幅を広げましょう。

ちなみに、こちらのプレゼンは、他のカタパルトとは異なり、主な聴衆は大学生でした。なので、私も大学生向けにストーリーや全体の構成を考えており、大学生向けの講義や講演会をされる方は、ぜひご参照いただけると嬉しいです。

最後にお伝えしたいことです。「若者の力で社会は変わる」これは今も変わらず信じ続けていることなんですが、この彼のように、最初の一歩を踏み出せるかどうか、 更に言えばそれを正解に出来るかどうか、こういうことを是非この場にいる皆さんに、今一緒に考えていただきたいと思います。もし挑戦したいという方がいたら、是非この後声をかけてください。どうもありがとうございました。

その他(5本)

ここまでは、イベントごとにおすすめしたい動画をご紹介してきましたが、最後はそこに入っていないプレゼンをご紹介します。

ここからご紹介する動画は、それぞれ違う文脈でプレゼンされたもので、必ずしもプレゼンと言えるものばかりではありません。

ただ、この記事のタイトルである「心を動かす」ヒントはたくさんあり、私が定期的に見返している動画になりますので、ぜひみなさんにとっても何か参考になれば嬉しいです。

山口絵理子さん(マザーハウス)

第二回SEOY 山口絵理子氏受賞スピーチ – YouTube

私の元インターン先でもあるマザーハウスの社長・山口絵理子さんが、SEOY (Social Entrepreneur of the Year) を受賞された時のスピーチ動画です。

約3分間という非常に短い時間で、バングラデシュという国のこと、マザーハウスの挑戦、そして自身の夢についてまとめられており、良いプレゼンと時間は無関係であることを改めて実感しました。

また、こちらの動画はいつもiPhoneのYoutubeアプリでダウンロードして、音楽を聴くように何度も繰り返し再生しており、聴くたびに「頑張ろう」という気持ちになります。

このように目標とする人・組織・サービスのプレゼンをいつも手元に置いておくことで、プレゼンに対するハードルが下がり、自分のプレゼンの基準が少しずつ上がっていくと信じています。

私はですね、4年前、24歳の時に、バングラデシュのダッカという首都で「こんな国からでも、途上国からでも、素敵な可愛くて格好良いブランドを作るんだ」っていう、気持ちでこの会社を立ち上げ、4年が経ちました。
その時は本当に一人ぼっちで、ダッカのボロボロなアパートで、スケッチブックに「途上国から(世界に通用する)ブランドをつくるぞ」というふうに自分一人で書いていました。その書いた下にあるスペースに、ちょこちょこっと具体的な夢も書きました。その中にあったのは、将来は自分のお店を持ちたいっていうことです。そして将来は自分たちの工場を持ちたいって書きました。そして3つ目は、銀座にお店を持ちたいって書きました。
こんなことが、起業して1年目は、話せば話すほど馬鹿にされて、話せば話すほど「ちょっと頭おかしいじゃないの」って言われたりしながら、それでもやっぱり夢を語り続けてきました。そしてその3つが、先月銀座店をオープンしたことで、現実の世界になりました。

米倉誠一郎先生(日本元気塾塾長)

[01/06]Vol.8_米倉誠一郎|Seiichiro Yonekura – YouTube

続いて日本元気塾の塾長であり、私たちe-Educationの理事でもある、米倉誠一郎先生のショートプレゼン。

米倉先生のプレゼンは、大学教授として培われた膨大な情報(教養)と、アフリカやバングラデシュなど異国の地を歩いて直接感じ取られた実体験が、どちらもバランスよく盛り込まれており、いつも先生のようなプレゼンをしたいと思いながら動画を視聴しています。

納得と共感。どちらか一方が欠けてしまうと、人の心は動きません。ただ、気を抜くとどちらかに寄ってしまう恐れがあり、このバランスはいつも心がけ、米倉先生のプレゼンを参考にしています。

7分という短い時間の中で選んだストーリーと言葉。見るたびに発見のあるプレゼンであり、ぜひご覧ください。

最後に言いたいことはですね、今本当に悲観的な状況だと思います。でも、チャーチルは言いました。Pessimist(悲観主義者)は、どんなにチャンスがあっても「あー、だめだ、どうせできないよ」と。でもOptimist(楽観主義者)はあらゆる困難の中にでも、絶対にOpportunity(好機)を見出すんだと。
で、言いたいことはですね、悲観主義っていうのは、感情の問題・気分の問題なんですよ。でも楽観主義っていうのは、我々の意志の問題だ。ということを伝えたいと思いました。ありがとうございました。

藤原和博先生(教育改革実践家)

たった一度の人生を変える勉強をしよう~藤原和博氏 – YouTube

杉並区立和田中学校元校長であり、ミスター・リクルートとも名高い(そしてe-Educationのアドバイザーでもある)藤原和博先生が、GLOBISでプレゼンされた動画です。プレゼンテーションというよりは講義であり、時間も1時間を超えます。

これまでご紹介してきた動画は3〜20分程度でしたが、大学や高校などで講演会を依頼された際は、1時間以上話すこともあり、プレゼンの組み立て方や進め方もガラッと変える必要があります。

最大のポイントは、長時間視聴者をずっと飽きさせないこと。そのためには、あえて横道に逸れたり、視聴者に質問を投げかけたりと、様々な工夫が必要であり、藤原先生のプレゼンテーションにはそういった要素がギュッと詰まっています。

講義の内容もとても面白く、きっと1時間あっという間に過ぎるので、少し時間に余裕があるという方は、ドラマやテレビ番組をみるような気分でぜひご視聴ください。

えっと、最初に聞くんですが、私”生”藤原と初めて会う、初めてこのライブを聴くという人、ちょっと手を上げて…はい、ほぼ全員じゃないですか。分かりました。えーっと、昨日バラしちゃったからもう分かると思いますが、私は”ある歌手”に似ているわけですね。で、「それは誰でしょう?」と、今更のように問いかけますので、分かった人はその歌手名をドンと言うと。デカイ声で言ってくださいね、眠気覚ましで。で、分からない人は、自分の好きな歌手を言う。浜崎あゆみであろうと北島三郎であろうと、誰でもいいのでドンと言ってください。後ろの人は叫ぶようにお願いしますね。これ以上デカイ声が出ないっていうくらいですね。いきますよ?私”生”藤原はどの歌手に似ているでしょうか?

武井壮さん(元陸上競技選手、タレント)

【武井壮の「大人の育て方」がマジ凄い!】オトナの学校 完全版 – YouTube

テレビで、そしてネットで話題になった、元陸上競技選手でありタレントの武井壮さんの「大人の育て方」をテーマにしたプレゼンテーション。こちらも藤原先生同様、学校の講義形式であり、約30分という時間を、パワーポイントのスライドや動画は一切使わず黒板だけで講義を進めていきます。

内容もさることながら、立ち振る舞いは本当に勉強になり、100名を超える会場であっても、視聴者ひとりひとりへ目線を配り、会話するように言葉をしっかり届けていることがよく分かります。

また、動画(番組)に編集する際の工夫だと思いますが、講義最後に流れるバックミュージックには心を動かされ、私も普段、学校や大学で講義をする最後には心を動かすような音楽と動画を紹介するようにしています。

すでにYoutubeでは100万回以上再生されていますが、まだご覧になったことがないという方は、ぜひこの機会にチェックしてみてください。

子どもたちが、より無邪気に、子ども時代を過ごして「いや、大人になっても、うちのお父さんみたいに、1日1時間使って夢が叶うんだから、1個ぐらいスポーツ失敗したって、1個ぐらい勉強失敗したって、受験失敗したって、就職活動失敗したって、いつまで経っても夢を見れるよ」と…
「まあ、俺の背中を見とけ。俺は毎日自分の時間を使って夢を叶えてっから…よし叶った!ほら見ろよ!」と言える大人に、一緒に成長していけないかなと。それが本来の大人と子どもの関係じゃないかなと。それが「大人の育て方」なんじゃないかなって、今の僕が感じる全てでございました。

孫正義さん(ソフトバンク)

トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム 第1期派遣留学生壮行会 支援企業からの激励メッセージ ソフトバンク株式会社 代表取締役社長 孫正義様:文部科学省 – YouTube

最後にご紹介したいのは、ソフトバンクの孫正義社長のプレゼンです。プレゼンの名人と言われ、「新30年ビジョン」のプレゼンをご覧になった方も多いと思いますが、今回ご紹介したい動画はトビタテ!留学JAPANの壮行会で、大学生たちに向けて送った激励メッセージです。

プレゼンの素晴らしさについてはここでは触れません。それよりもここで強調したいのは、孫社長のように日本で最も忙しい経営者が、大学生のために時間を作り、彼らのためにプレゼンを組み立てているということです。

もしかすると、即興で語られたストーリーなのかもしれませんが、それでも忙しいことを言い訳にせず、目の前の人たちに心を動かす最高のプレゼンをする努力は、これからも決して怠らないようにしよう、と心に誓ったプレゼンでした。

皆さん、自分のね、戸籍っていうものを、戸籍の住所っていうものを、そこに生まれた由来みたいなものを、気に留めたことはありますでしょうか?僕は馬鹿なことに、若い時に自分の戸籍の住所というものを、その意味をよくわかっておりませんでした。
大人になって20歳を過ぎたあたりですね、戸籍というものを区役所に取りに行く時に、その住所をふと見て、なんで無番地って書いてあるんだろうって思ったんですね…

おわりに

いかがだったでしょうか?心を動かすためのプレゼンをするためのヒントは掴めましたでしょうか?

最後に、一つでも上の動画をご覧になったという方に向けて、「はじめに」でお伝えしたこととは別に、改めて感じて欲しい・考えて欲しいと思うことを、あと3つだけお伝えします。

好きは、力なり

上の動画をいくつかご覧いただけたのであれば、その中に気になる動画があったのではないでしょうか?

「勉強になった」
「カッコ良かった」
「面白かった」

どんな感想でも構いません。「好き」だと思える動画があれば、それはとても大きな収穫であり、きっとプレゼンの上達につながっていきます。

“好きは、力なり”

これは幼い頃に親から教えてもらったことですが、好きだという気持ちには力があり、自分をプレゼンを磨いていく最高の土台です。

仕事で追い詰められた中で、プレゼンの中身や方法を考えなければならない人もいるでしょう。でも、プレゼン自体を好きになれば、きっと嫌々取り組んでいたプレゼンも、きっと少しずつ好きになっていき、もっと上手くなりたいと自然に成長していく。私はそう信じています。

リアルなプレゼンに触れる

今回ご紹介した動画のうち、実は半分以上の方のプレゼンを直接聞いたことがあり、普段の仕事でお付き合いのある人や仲間が大勢います。

これは本当に幸せなことだと思っていて、彼らのリアルなプレゼンを見るたびに心が動かされ、私もプレゼンをもっと磨きたいと言う気持ちになります。

今回ご紹介した人たちの中には、一般参加OKな講演会に登壇されている方も多く、気になった方がいれば、今度プレゼンを直接聴く機会がないかぜひ調べてみてください。

そして描いてください。

ただプレゼンを聞くのではなく、自分が同じ壇上に立ったらどんなことを話すのか、どんな風に心を動かすプレゼンをするのか、ぜひ未来の絵を思い描いてください。

今ここから、始められることを

最後の最後に。

今回ご紹介した動画を見て、少しでも心を動かされ、自分もそんなプレゼンがしたいと思ったら、きっと今がチャンスです。どんなことでもいいので、今ここから、始められることを考えて見てください。

近々プレゼンを控えているという方は、ぜひ学びを次のプレゼンに活かしましょう。

プレゼンする機会がなくても問題ありません。自分のプレゼンをスマホで撮影して見るだけで、きっとプレゼンは磨かれていきます。

何をプレゼンしていいか分からないと言う方は、気になったプレゼン動画をそのまま真似してみても良いでしょう。自分のものにできたら、それは凄い武器になります。

そんな時間はないという方は、小さなことから始めてみる方法もあります。他の動画を探すのも良いですし、もっと体系的な知識を得るために本を購入するのも良いでしょう。

「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、心が動いた時こそ、心を動かすプレゼンをするためのチャンスだと思っており、この記事を読んだ後、何か一つでもプレゼンを磨くためのアクションに繋がったら、これほど嬉しいことはありません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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