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みなさん、こんにちは。e-Education海外事業担当の椎木です。前回の記事では将来の進路に悩む学生の皆さんに向けて「あなたは山登り型?それとも川下り型?今、将来に悩む学生へ伝えたい「自己対話」の大切さ」について紹介させて頂きました。今日は途上国での現場経験を積んできた私だからこそ気づいた、日本の地方の魅力についてお届けしたいと思います。

援助の在り方ってなんだろう?

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整理整頓に取り組む先生

2年間協力隊として派遣されていたマラウイ。アフリカの中でも青年海外協力隊の派遣歴史は長く、安全とも言われ、派遣隊員数も多いマラウイですが、何故か今でも「アフリカ最貧国」と呼ばれています。

内陸国のため国独自の資源がなく、経済が発展しにくかったマラウイ。自国の資金では事足りず、いつしか他国からの援助に頼りがちになってしまっていました。ハード面の支援ではなくソフト面の支援=現地の人材育成が醍醐味である青年海外協力隊員は、いつも他国の支援の仕方と比較をされ、いつしか隊員間では「マラウイは援助慣れしすぎているせいで自助努力が欠如している。だからこそ、この国の開発が進まないのでは?」と言われるようになっていました。

そのせいか、「I’m poor.」というのが口癖なマラウイ人。もちろん地域にもよりますが、私が関わっているマラウイ人はきちんと服を着ることができていて、ご飯も家族と毎日食べることができている現地の人たち。私が想像してきた「貧困」という言葉のイメージとは似つかず、援助のあり方を日々考えさせられた時間でもありました。

変わらない良さがここにはある

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子どもたちの最高の笑顔!

そんなマラウイですが、私が現地で2年間生活して見えてきたものがあります。それは、「何よりも家族の時間を大切にし、コミュニティの絆が深い」ということです。

自給自足で野菜や主食となるメイズを生産し、家族内が無理であれば親戚同士、ご近所間で助け合って子どもたちの教育費を負担する。未来を担う子どもたちに必要な学校運営や、各家庭の収入向上のために必要な農業はコミュティ全員で一致団結して取り組む。

そんな地域全体で子どもを守り、支え合いながら生活をしていくマラウイの暮らしが私は大好きです。これは、開発が進みにくいからこそ見えてくるマラウイの変わらない良さであり、現代の日本が失いつつあるポイントだと気づくようになりました。

途上国と日本の地方の現状が似てる?若者の力を育てたい理由

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自然豊かな地元の風景

マラウイでの生活や教育現場での経験から、隊員としての活動任期を終えて気付かされたことがあります。それは、途上国と日本の地方の状況が似ているということです。雇用が少ない地方では、雇用を求めて若者は進路決定とともに都市部へと流出し、どんどん過疎化が進んでいる状況であり、先進的な教育の発展に遅れを取りつつあります。

しかし、その一方でそんな地方だからこそ根付いている良さがあります。それはマラウイで感じていた、「コミュニティで子ども育てる」という温かさと「地元に対する深い愛情」です。

このような環境で育つ若者こそ、私はこれからの日本に必要不可欠な存在だと考えるようになりました。それはe-Education事業を通じて、バングラディシュの村の若者が大学へと進学し、自国の教育改革を起こす発起人となっているように、日本の地方においても、若者の力が地域の新たな雇用を生み出したり、その地域の良さを活かしながら発展へとつなげていく大きな原動力となっていくと私は信じています。

そんな若者の可能性を広げたい、応援したいというのが私の強い想いでもあります。

だからこそ次なる目標は「共成長」!!e-Education職員の知られざる活動舞台

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児童館でのweb交流の様子

その私の想いをきっかけに動き始めた新たなe-Educationとしての国内教育事業の一つが「日本の地方と途上国を繋ぐWeb交流」です。
この事業を行うことになったきっかけは、前回の代表コラムでも取り上げていただいた三菱UFJリサーチ&コンサルティング主催のソーシャルビジネス支援プログラムの採択でした。

現在はプロボノの皆さんにお手伝いしていただきながら、この国内教育事業をさらに拡大していけるための事業計画の策定等を行っています。また、実際に島根県の吉賀町の高校生にむけた夏期講習の場で講演をさせていただいたり、私の地元である山口県周南市の児童館で小学生を対象としたweb交流イベント開催しています。

実際に現地を経験している当事者から話を聞いたり、インターネットを通して顔を見ながら途上国の子どもたちと対話する経験を通じて、日本の若者にもっと夢や希望を届けることができればと思っています。

私の想いやe-Educationのこれまでの活動に賛同してくださり、今回のように団体としての新たな挑戦を応援してくださる仲間がいること、この出会いやきっかけを持てたことに感謝するばかりです。

まだまだ駆け出したばかりの新人職員ですが、失敗や壁にぶち当たりながらもこれからも走り続けていきます。

最後までお読み頂きありがとうございました。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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