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地球上の誰一人として取り残さないことを誓い、2015年に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」。

先進国から発展途上国への支援ではなく、世界中が一丸となって達成することが求められている今、持続可能な社会への関心はますます盛り上がりをみせています。

企業やブランドはサステナビリティ(持続可能性)を取り入れたビジネスを展開しつつあり、人々の意識も変化してきています。私たちはSDGsを掲げるだけでなく、どのように実現していけばよいのでしょうか

3月6日と7日の2日間、ヒルトン東京お台場にて「サステナブル・ブランド国際会議2019東京」が開催されました。

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サステナブル・ブランド国際会議とは?

「サステナブル・ブランド国際会議」はアメリカで11年前に始まった国際会議で、日本では今年で3度目の開催となります。

サステナブル・ブランド国際会議東京2018の様子

前回のテーマ「“Good Life” の再定義」から発展した今回のテーマは「Good Lifeをゴールとし、サプライチェーンや取引先・社員を含めて、自社・自組織を『再構築(Redesigning)』していくこと」でした。

サステナビリティに関心を持った企業関係者やNPO職員、学生など、多様な層が参加し、会場は活気にあふれていました。

今回は、国内外150名以上のスピーカーにより行われたパネルディスカッションや講演の中から、いくつかご紹介します。

企業とNGOの連携、ルール形成でみえるサステナビリティ

人権マーケット

「人権マーケットも近い将来莫大なビジネスになる」

そう話されたのは、デロイトトーマツコンサルティング合同会社の羽生田慶介氏。認定NPO法人ACEの取り組みであるチョコレートプロジェクトに企業連携しており、1日目のランチセッションの1つ、「企業とNGOの連携最前線!児童労働撤廃から世界を変える挑戦」では、認定NPO法人ACEの事務局長/共同創業者と一緒に、そしてファシリテーターには一般財団法人CSOネットワークの事務局長/理事の黒田かをり氏が加わり、その最前線を語ってくださいました。

羽生田氏は、なぜACEと人権関連の取り組みに挑戦したのかについて、
「今では100兆円を超す環境ビジネスもかつてコストのかかる問題だった。同じように、人権問題は現在『面倒なコスト』であるが、不買運動など人権問題のリスクが顕在化し、ルール形成が始まっていけば、市場が拡大してビジネスになる。人権セクターでイノベーションが起こっていく。」と話されました。

企業とNGOが連携し、新たな視点が生まれてイノベーションが起こり、さらにルール形成にまでつながると、人権問題という現場がサステナブルなビジネスに展開していく可能性を知ることができました。

実際に、チョコレートプロジェクトでは「チャイルドレイバーフリーゾーン制度」(=チャイルドレイバーフリーゾーンで生産された製品は無税になるという国際ルール)を広げる取り組みが進行中であり、まさに、児童労働撤廃という目標と経済合理性の両方を兼ね備えたルール形成が行われているとのことです。

NGOの活動に経済合理性を付け加えた仕組みづくりをする、つまりWin-Winな関係のルール形成をすることが、持続可能な社会を実現するひとつの鍵になるのではないでしょうか。

持続可能な未来のために。サプライチェーン管理の新たな挑戦

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「”Taking it Seriously”(真剣に捉えること)が一番大切」

そう語ったのは気候変動など環境分野に取り組む国際NGO、CDPのSonya Bhonsle氏。
2日目のセッションの一つ、「Sustainables Supply Chain サプライチェーン管理の新たな挑戦」では、CDPからSonya Bhonsle氏、日本マクドナルド株式会社から岩井正人氏、株式会社ブリヂストンから稲継明宏氏の3名のスピーカー、そしてファシリテーターにはWWFジャパン吉澤千明氏が加わり、原材料が調達されてから商品が消費者に渡るまでの生産・流通のプロセスであるサプライチェーンについての議論が行われました。

皆さんは、SFC認証マークと聞いてピンと来ますか?

日常生活の中で、「環境に良い製品を選ぼう」「生産者に最適な商品はなんだろう」と考えることはあまり多くないかもしれません。SFC認証マークとは、適切な森林管理が行われているか、森林管理の認証を受けた森林からの木材・木材製品であるかが認証された製品などに掲載されているマークです。

例えば、マクドナルドの紙製品のほとんどにこの認証マークが付いています。日本マクドナルド株式会社は、2020年までに全ての紙製容器包装を認証のものにすることを目標としているそうです。

しかし、この制度や、製品についたマークの意味を理解し、自分の意思で選択する消費者はあまり多くないのもまた事実です。

「認証を受けた製品を使用しているレストランを選ぶ」
「スーパーで製品の裏側を見てみる」
そんなあなたの些細な行動が環境を守ることに繋がるのです。

私たちは森の恵みや海の恵みで生きています。森林伐採で緑がなくなって地球温暖化が起こる、ただそれだけの簡単な問題ではありません。そこで働く労働者の問題や、輸送で発生する大気汚染、他にも挙げきれないほどに問題が森林伐採という一つの問題と複雑に絡み合っています。

ここでただ言えるのは、木を切らない森林保全も、魚を食べない食物保全もないということ。この地球は未来の世代の人々から借りている、借り物なのだという意識を持ってみることもまた、あなたができる一歩なのかもしれません。

私たちの生活と背中合わせの問題を、一度真剣に、深刻に捉えてみてはどうでしょうか?


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