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途上国の子どもの
教育格差問題とは
Education gap in developing country

途上国の子どもの
教育格差問題とは

都市部と農村部における教育格差が深刻に

私たちは途上国における子どもたちの教育格差問題の解決に取り組んでいます。

現在、途上国の教育課題は変化しつつあります。例えば、2000年初頭までアジア最貧国と呼ばれていたバングラデシュは2015年に中所得国化し、初等教育の就学率は97%を超えました。

一方で、新たな教育課題が生まれています。その一つが、都市部と農村部における教育格差であり、中でも中学生や高校生の学習環境には非常に大きな差があります。難関国立大学の出願者は年々増加しているものの、合格者の9割以上が都市部出身であり、特に先生が不足する農村部において高校生たちは高い意欲はあっても大学へ進学することができません。

e-Educationは、このような途上国の中高生の教育格差を解決するために活動をしています。

ストーリー

受益者のストーリー 受益者のストーリー

街灯の灯りの下で、教科書を音読する少女。

当時アジア最貧国と呼ばれたバングラデシュ。
首都ダッカから船で6時間の距離にあるハムチャー村を私たちが訪れた時、衝撃を受けた光景がありました。

街灯の明かりの下から聞こえるのは、念仏のような声。
ボロボロになった教科書を必死に音読する、高校生のアメリア。
「妹や弟を助けるために、良い仕事に就きたい」
「そのために、大学に受かりたい」
「でも、お金がないから予備校には通えない」
「勉強したい」 と泣きながら言いました。

Story of Amelia Story of Amelia

でも、家庭の半分以上は電気が通らず、夜は暗いまま。
そして、教えてくれる先生もいません。

数学や物理の教科書をやみくもに音読したって成績は上がらないことを、アメリアも気づいていました。ただ、ボロボロになった教科書をひたすら読むしか、選択肢がなかったのです。

「わたしが農作業を手伝おうとしてもお父さんに止められ家に帰らされました」
「お父さんは農家の人生の苦しみを知っていたんだと思います」

アメリアのお父さんは「もっと勉強しなさい。
私のようになってはいけない」といつも言っていました。

問題の構造

バングラデシュバングラデシュ

バングラデシュでは、大学進学者の90%以上が都市部の学生であり、農村部の高校生が大学へ進学することは非常に困難です。
この原因の一つが全国で4万人以上の先生が不足していることであり、特に農村部では高校生向けの高度な内容を教えられる先生が足りず、農村部の貧しい子どもたちは良質な授業を受けることができず、教育の機会格差が大きな問題となっています。

ISSUE 1

低い大学進学率
顕著な都市部と農村部の地域格差

ISSUE 2

全国で4万人の先生不足
その結果、教育の機会格差が拡大

フィリピンフィリピン

活動地であるフィリピンのミンダナオ島は長い紛争の歴史や自然災害の多い地域として知られています。そのため貧困家庭が多く、勤労学生(Working Student)が多い要因となっており、平日は家族のために働かなければならないため、学校の中退を余儀なくされてしまいます。
そんな子どもたちが週末を利用して中学校卒業を目指せる「オープン・ハイスクール・プログラム(OHSP)」という公共制度が用意されていますが、十分な教材も先生も確保できておらず、子どもたちは学ぶ機会を取り戻すことができていません。

ISSUE 1

貧困家庭が多く家族のために働き
学校に通えず中退する子どもが多数存在

ISSUE 2

制度として教育の機会が設けられていても教材や先生が不足している状況

ミャンマーミャンマー

ミャンマーには「セーダン試験」と呼ばれる高校卒業試験があります。日本のセンター試験によく似ており、成績優秀者はそのまま大学に進学することもできます。
しかし、合格率は全国平均で4割程度。6割近い高校生は、高校を卒業することができず、将来の選択肢が限られてしまっています。
ミャンマーには130以上の民族があると言われ、特に少数民族が暮らす農村地域では、先生不足に加え言語の壁が学びの質に影響し、合格率が1割を下回る高校も少なくありません。

ISSUE 1

低い高校卒業試験の合格率により
7割の高校生は卒業することができず将来の選択肢が限られてしまう

ISSUE 2

少数民族が暮らす農村地域では先生不足、言語の壁が学びの質に影響

ネパールネパール

2015年4月25日、ネパールを大地震が襲いました。死亡者数は8,000人を超え、教育への影響も甚大で、全壊あるいは大きな被害を受けた教室数は23,000をゆうに超え、約100万人の生徒が学ぶ場所を失い、山岳部と都市部の教育格差は益々大きくなりました。
特に顕著な課題は全国共通の中学修了試験の成績で、都市部の私立学校では毎年約90%以上の生徒が合格ラインに達するのに対して、山岳部の公立学校では約30%に留まっています。

ISSUE 1

2015年4月25日の地震の影響で、
被害の受けた教室が多く約100万人の生徒が学ぶ場所を失った

ISSUE 2

山岳部と都市部の学習環境の格差

the best education

最高の教育を
世界の果てまで

誰もが学校に通えるようになる世界は確実に近づきつつあります。
バングラデシュの初等教育就学率は97%を超え、他のアジア各国でも小学校に通えない子どもたちの人数は年々減少しています。

しかし、本当に「途上国の子どもの教育格差問題」は解決されたのでしょうか?
私たちは知っています。

大学に進学したいと強く願う農村部の学生の周りには先生が足りないということを。
高校卒業試験に合格したいと望む農村部の学生は教科書を含む教材が不足していることを。
そして毎年大勢の学生が夢や目標が叶わず、涙を流しながら家族に謝っていることを。

「教育を受ける権利は平等でも、教育を受ける機会は平等ではない」

私たちe-Educationは、だれもが誇りと想いやりを持てるような社会の実現のために、
2010年から「最高の教育を世界の果てまで」届けるための挑戦を続けています。

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