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こんにちは、マニラプロジェクト後任マネージャーの伊藤聡紀です。現在マニラで大学受験用コンテンツを届けるため日々走り回っています。

前回はパートナー候補だった人と音信不通になり、失意の中でパトリックという献身的な学生に出会ったところまでお伝えしました。今回はその後の実施交渉のために訪れた各高校での出来事について書きたいと思います。

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マニラの高校との正式な契約・生徒の募集に向けて

実施開始月の6月に入り、マニラにある4校の公立高校を訪れました。撮影・編集・協力者探しを何とか終え、実際の実施までにすべき事は、前任の秦君がニーズ調査を行ってピックアップしてくれていた高校との正式な契約・生徒の募集でした。

企画書と契約書を持ってまず最初に向かったのは、私たちのプロジェクトに一番共感してくれているレックス先生という方がいるマサイ高校。彼にに挨拶するため職員室を訪れると「ようこそ!」と歓迎してくれ、その後、校長先生とお話させて頂ける事になりました。

レックス先生の助けも借りながら下手くそな英語を駆使してプロジェクトの概要やスケジュールを伝えると、合意のサインを頂く事ができました。幸先よく、1校目の実施が確定です。

しかし、30台近くあるパソコンもほとんどが壊れていたため、規模や実施方法などを先生方と交渉する必要が出てきました。

次に向かったのは、フィリピン大学のすぐ側に位置するバララ高校。校長先生が協力的だと聞いていたため、プロジェクトを説明するとすぐにサインを頂ける事に。そして、パソコンがほとんどが問題なく動くという事で、最高の体制でスタートできることになりました。

4校中2校で思っていたよりもスムーズにサインを頂けたので、順調に残りの2校も上手くいくだろうと考えていました。しかし、何事もそう簡単にいかないのがこの国。この後訪れた残り2校の校長先生の顔はどちらも曇っていました。

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予想とは違った、学校側の態度

次に向かったのはメディアでも取り上げられて有名になった、ゴミ山の近くに位置するパルマ高校。さっそく門にいた警備員に、校長先生に会いにきたと説明し校長室へと案内されました。

ドアをノックして部屋に入ると、それまでの高校のような歓迎的な雰囲気ではなく、厳しい表情で先生は座っていたのでした。その空気を一瞬で察知し、すぐに一筋縄ではいかないだろうと悟りました。

「初めましてe-Educationの伊藤聡紀です。前任の秦がお世話になりました」とさっそくプロジェクトの事を切り出し、実施交渉に入りましたが、その後思わぬ事を言われました。

「3月以降全然来ないからもう終わったものだと思っていた。それに何で秦さんじゃなくてあなたなの?違う人が来られても困ります。」と言われ、戸惑いましたが、とにかくプロジェクトを引き継ぎ今は自分が進めているという事実を伝えました。

校長先生は、「パソコンルームは修理中だし、空き教室もないから修理が終わるまで実施は待って」と言います。なんとか実施できないか話し合いましたが、場所の見通しがつかないということで、修理が終わり次第連絡してもらえるよう頼み、その日は帰る事に。

どこの公立高校も朝と昼の2部制で、生徒を登校させて何とか授業を回している状況、その忙しい合間にプロジェクトを実施させてもらうためには、プロジェクトの意義をしっかりと伝える必要性に加え、納得してもらう事が重要でした。

パルマ校は、自分のプロジェクトの説明が悪かったのか、忙しい先生には少しあしらわれてしまった感じがしました。ほぼ一からの交渉となるため、その後どうしていくべきか反省しました。

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どの高校でもことごとく断られた末に

最後の高校は以前トライアル授業を実施していたコモンウェルス。

「DVDコンテンツで予備校に行きたくても行けない生徒に勉強できる機会を!一流大学に挑戦出来るチャンスを与えたいんです!」と、前回よりも気持ちを込めて、できるだけ簡潔に、伝わる事を意識して説明しました。

しかし、ここの校長先生も、生徒が何度も部屋を訪ねてきて毎日忙しくしている様子。ただ前回と違って、忙しいながらも話を聞いてくれました。前向きに考えてくれている様子だったので、これはいけると思いましたが、話を詰めて行くと校長先生は、唐突に切り出しました。

「ごめん、生徒もそのコンテンツを受けたいと思うけど、実は4月から他の団体と別の取り組みをしていてパソコンルームは使えないんだ。」

またダメか、と引き上げようとしたとき、校長先生が「ちょっと待って!でも私たちの学校よりもこのプロジェクトを必要としている学校を紹介してあげる」と、私を引き止めました。

そして、すぐに紹介してもらえるようお願いするとその場で連絡を取ってもらえ、その日のうちにベルモンテ高校の校長先生に会える事に。同校へと向かい、もう一度自分たちの活動、目的、実施概要を校長先生に説明しました。

どんな答えが返ってくるのか身構えていると、先生はにっこり笑って「とてもいいね。ぜひ今週からお願い!」と快く承諾してくれました。先生から話を聞けば、受験対策もしているそうですが、人数が多すぎて一人一人を見きれる状況ではないそう。加えて家庭の事情や働いてるため学校に通えない生徒が何百人もいると教えてくれました。

受験対策用コンテンツに限らず、その他のニーズもある高校で実施できる事が決定。この高校に限らず公立の学校は、生徒で溢れかえっているために、なかなか先生も先生一人一人に時間を割いて授業を行う事ができません。

そんな状況を打破するため、より多くの生徒に必要とされる授業を届けるため、また今後のDVD授業の可能性を証明するためにも、いよいよマニラでも映像授業が始まります!

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途上国の教育課題を若者の力で解決する

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