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こんにちは、マニラプロジェクトマネージャーの伊藤聡紀です。現在マニラで大学受験用コンテンツを届けるため日々走り回っています。

前回の記事では、授業後に財布をスラれたことをお伝えしました。しかし、この経験の中から周りの人の温かさを知る事ができました。今回は、その後再開した授業で、生徒をモチベートするためにした事について書きたいと思います。

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フィリピン大学生からの最強アドバイス

UPCAT(フィリピン大学の入試)まで少しずつ迫り、また一つ、生徒のために映像を使って勉強支援ができないかと考えていました。

というのも、生徒にどのように勉強してるかと聞くと、ほとんどの生徒が我流で勉強してると答え、どんな勉強方法が効率が良くて合格に直結するという事を知らなかったのです。また、私自身もみんなが、どうやって勉強して合格を勝ち取ったのか興味がありました。

そこで思いついたのがUP生にインタビューし、受験生時代にどのように勉強していたかという経験談を撮影しようというもの。そうと決まれば、早速パトリックに協力してくれるUP生を紹介してもらい、撮影を始めました。

受験でのコツや一日どのくらい勉強していたかなど、カメラの前で話してもらいました。しかし、協力してくれた学生が、パトリックを含め4人と、高校生が納得するのには少ない数でした。

そこで、少し強引でしたがUPに乗り込み、道行くUP生に突撃インタビューし、撮影させてもらうことに。なんとか撮影の趣旨を分かってもらい何名かに撮影させてもらう事が出来ました。しかし、片言の英語を話す日本人に声をかけられ、明らかに困惑している様子でした。

もし私がUP生の立場でも、変な人だと思っていたはずです。そんな嫌な顔をされながらも、ゲリラ的な交渉を続けた結果、ついに十分な数の応援メッセージを撮影する事が出来ました。

その後、家で簡単な編集を終え、生徒に見せるための準備は整いました。この時は、以前のコンテンツ時の経験もあって、すぐに編集を終える事もでき、生徒の喜ぶ顔を思い浮かべながら応援メッセージを作成する事が出来ました。

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先輩の声で、次第に変わり始める生徒の態度

「今日はUP生から君たちに応援メッセージがある!」そういって授業を始めると、歓声が沸きました。

生徒達は普段UP生の話を聞く機会がありません。それもそのはず。日本のようにオープンキャンパスのようなものがなく、UPに行くのも入試の願書を出すときくらい。本当は先輩の話を聞いて具体的に試験へのイメージを描きたいのです。

しかし、普通ならその機会もなく、がむしゃらに独学するしかありません。この取り組みは我ながらに良いアイディアだと思いました。

UP生が画面の向こうから現役UP生が映ると「お〜」という声が漏れます。「皆さんこんにちは〜」と、UP生が話しだすと、みんな真剣な眼差しでメッセージを聞き、そして何人かはメモを取ります。

私はなんとかこれでやる気を出して、勉強に取り組んで欲しいという思いだけでした。これまで何度も生徒には、今が勉強するときだと言ってきましたが、なかなかインスパイアするのは難しく、中にはふざけて勉強しない子もいました。

そんな状況に私は試験への危機感がありました。そして、その危機感をこの映像で感じ取ってくれること、また自信を持つ事を伝えようと思いました。

嬉しい事にこの効果はすぐに現れ始めました。なぜなら、以前より生徒が自分に貸し出し用のDVDを持っていないかという質問や、受験に対する質問が増えたのでした。

「アキ〜、UPCAT用の問題集見せて!」「数学の貸し出し用DVD持ってない?」と、私にとっては嬉しい言葉でした。もちろん全員がこのように意欲的になったわけではありませんでしたが、少なくともそんな意欲的な友達を見て受ける影響はありました。

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チェンジメーカーではなくチャンスメーカー!

この応援メッセージの反響からやはり現地の人は現地の人が動かすのだという事に改めて気付かされました。これは決して第三者は何もできないと言っている訳ではなく、現地の声が現地に一番馴染むし、響きやすいという意味です。

そう言う意味で、私はここで、人同士や人と機会を結ぶ役目のチャンスメーカーなのだと改めて認識させられたのです。

しかしながら、私の第1回目の記事でも書かせて頂いたように、私の留学を決意したきっかけは渡邊奈々さんの「チェンジメーカー」という本でした。独創的なアイディアで世界を変えて行くチェンジメーカーに影響を受け、日本を発つ決意をしました。

しかし、前述の通り今の私の立場は間違いなくチャンスメーカー。当初、私はチェンジメーカーだからこそ世界へ大きなインパクトを与え世界を変えられると思っていました。正確に言えばそれしか知りませんでした。

しかしながら、今一度考えると双方ともチェンジのための手段・方法でしかないと考えるようになりました。なぜなら、ゴールは同じで、ただその問題解決へのアプローチの仕方が違うだけだから。

今、フィリピンで私はどちらにもまだまだなれてはいませんが、できるだけシンプルなアイディアで公立高校生をUPに合格させることができればと思います。

そして、この後その目標のためにもう一つ新しい取り組みをする事になるのでした。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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