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こんにちは!e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロジェクトを展開しようと奮戦しております。

前回の記事では、村長や保護者の協力のもと、現地関係者のプロジェクトに対するオーナーシップが「かたち」として現れ始めたことをお話いたしました。そして、今回は先週予定されていたマニラの教育省の職員とのミーティングに関して書こうと考えておりました。

ところが、先週あいにくの台風でそのミーティングが延期となってしまいました。フィリピンは本当に暴風雨に見舞われることが多く、そのためにプロジェクトの予定が狂うこともしばしば。今回の記事では、昨年はじめて私がインターンで訪れた際のことについてお話しさせていただけたらと思います。

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フィリピン最大の開発NGO

第一回目の記事の通り、僕は「教育開発」という夢をぶち上げてすぐアイセックの海外インターンに参加しました。とにかく早く「教育開発」の現場に触れてみたかったためです。

いざ1年たって振り返ってみると、なんともイージーにフィリピンに飛び出したものだと我ながら半ば呆れます。

さて、僕のはじめての海外インターン先は、「Gawad Kalinga(ガワド・カリンガ)」というフィリピンでも最大級の開発NGOの教育部門。団体は、スラムや村コミュニティの活性化による貧困撲滅をめざし、学校運営や住宅建設、農園経営やオーガニック商品の輸出など、その事業範囲は多岐に渡ります。

そのため欧米圏をはじめとする海外インターン生(業務は、プロジェクトコーディネーターからデザイナー、教師、エンジニアなど)も多く、非常に国際色豊かなNGOです。

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そして僕のインターン内容は、「Gawad Kalinga」が運営する小学校の一つ「CJ Educational Foundation(CJ小学校)」で、小学校の理科のアシスタント講師を務めること。

CJ小学校があるのは、マニラの隣にあるブラカン市という山間部の街でした。小学校が所属している村も、かつてはスラムだった場所を、「Gawad Kalinga」が一回更地にし、スラムに住む人々のために一からコミュニティを作り直したものでした。

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村のこどもたち

連日のバケツ豪雨で学校は休みで・・・

ただインターンが始まった当初は連日続く豪雨(まさにバケツをひっくり返したような)のため、学校はしばらく休みになってしまいました。そんな矢先、マニラでの洪水被害のニュースを聞きつけた僕ら海外インターンは、早速マニラで救援活動に参加することにしたのです。

マニラの救援ボランティアに参加して、まず驚いたことは、みんながとても楽しそうにやっていること。ボランティアの中には、実際に被害を受けた方もいらっしゃったのですが、みんなで溌剌と救援物資の荷作りに精を出していました。

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時に歌ありダンスありのボランティア活動

インターンが本格始動する

連日の豪雨も落ち着き、ついにインターンが本格始動しました。フィリピンは公用語が英語であり、学術言語ももちろん英語です。とはいえ英語のままならない小学生相手に、基礎レベルとはいえ英語で「理科」を教えるのは非常に骨の折れる仕事でした。

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自分が小学生の頃に、理科や数学を「英語」で勉強するということを想像してみれば、それがいかにタフなことか。僕は授業を大きく改善する必要がありました。

毎日5時間の授業準備

僕は毎日5時間、授業の準備をしてクラスに臨みました。教科書を読み込み、英和辞典で単語や文意を調べた後、英語でわかりやすく説明できるように英英辞典でさらに調べます。ネットや参考文献での情報収集も欠かせません。

また生徒の理解を助け、彼らをモチベートするため、どんな質問をどのタイミングで、どれくらい投げかけるかも工夫しました。ちょっとした豆知識や与太話を挟んでみることもあります(例えば人体構造の骨や腱の作りを扱う授業の際は、「アキレス腱」の名前の由来を話してみたり、という具合です)。

実はこのときの経験が、現在プロジェクトで映像コンテンツを作る際、ちょっとした工夫や気づきのきっかけになったりします。

また、もちろん授業中は、現場の先生にたくさん助けていただきました。僕はタガログ語もしゃべれませんし、生徒たちを良い意味で叱ったり、励ますことができるのもまた現地の先生ですから。

おりがみ教室や「だるまさんが転んだ」

その一方で、やはり海外インターン生だからできることもあります。

例えば「文化交流クラス」です。放課後は、他のインターン生らと毎週文化交流クラスを企画し、自国文化の紹介(例えばおりがみ教室など)を行いました。

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また、クラス内の学力差を解消するために、一部の生徒を対象に基礎的な補修クラスも設けました。これらの「文化交流クラス」や補修クラス、さらには日々の生活の中で子どもたちと思いっきり「遊ぶ」ことは、比較的時間に余裕のあるインターン生ならではの取り組みでした。

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さてCJ小学校でのインターンも徐々に慣れ始めたころ、僕はひとつ思い切ってこれまで暖めてきた「企画」を実行してみようと考えました。

次回の記事では、僕が渡航前から考えていた「企画」についてお話できたらと思います。本日もご愛読くださり誠にありがとうございました!

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途上国の教育課題を若者の力で解決する

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