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こんにちは!e-Education国内・ファンドレイズ担当の久保唯香です。

私は現在、アメリカはサンフランシスコでSOCAP(Social Capital Markets)というカンファレンスに参加しています。ここでは、世界中から1800人もの起業家、投資家、法律家、経営者が集まり、Social Goodな事業を促進するためにさまざまなトピックについて話し合います。

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インベストメントという言葉が飛び交う1日

前回の記事では、メイン会場となっている「Impact Hub」をご紹介しました。いよいよ佳境を迎えている今回は、「インパクト・インベストメント(impact investment)」についてをお話しします。

「まず、言っておきます。僕は、社会的な事業に対して、資産の100%を投資したい!」

司会の質問に対して、財団がゆっくりと、しっかりと話し始めます。会場は、拍手喝さい。

「は…?どういうこと…?そんなことできるの…?」

知らない言葉、驚きの発言が飛び交うパラレルセッション。周りの反応に合わせて拍手をしてみたり。でも、本当にそんなことできるのかな。なんとも、煮え切らない気持ちでした。

セッションは、60~120分。テーマは、7つに分かれています。

  • Meaning:テーマの深堀。意味を問うセッション。「リーダーシップ」「ビジョン」などがテーマとなります。
  • Investing:ここではinvestmentと書いてあると「インパクト・インベストメント」(後述)の話が中心です。
  • Health:フード、メディカルケアなど、健康に関するトピックです。
  • Communities:ここには教育や生活など全般が含まれており、社会的な事業における行政との協働などの話も盛り込まれています。
  • Oceans:自然について。カキの養殖の話題から種の保存に関する話まで、自然環境とソーシャルエンタープライズの活動が語られます。
  • SOCAP Art:アート。特定のトピックに対し、どのようなメディアでどのように表現していくかに焦点が当てられています。
  • Open:自由、新しい話題、または上記のカテゴリーに分類されない話題です。
  • Wildcard:ジョーカー。BoPビジネスは、ここに分類されていました。
  • Faith:宗教に関するセッション。1回も行けませんでしたが、毎朝どこかでセッションが行われているという噂でした。

3日目の今日は、あらゆるトピックとinvestment(投資)の組み合わせでセッションが構成。そして、あちこちで「investment」というワードを聞きました。つまり、今日は「インパクト・インベストメント祭り」。

そんな中、私は以下の6つのセッションに参加しました。

  • The Business Solution to Poverty: Creating Productions and Services for Three Billon New Customers
  • Don’t forget Purpose at the Exit
  • Measure What Matters: Special Q&A Workshop for Potential B Corps
  • The Road to 100% Giving Building Sustainable Non-Profits to End Extreme Poverty
  • Going all in :Investing 100% of The Corpus in Line with mission
  • Plenary Session

インパクト・インベストメントとは

「インパクト・インベストメント」とは、従来のリターンを重視した投資とは異なり、事業が持つ社会へのインパクトや意義を重視し、長期的なリターンをも確保しようとする投資のことを言います。

“… using capital to maximize total, combined value with principle aspects of performance”(「パフォーマンス」という重要な側面がもつ価値に合わせて、資本の価値をトータルで最大化する)というわけです(Antony Bugg-Levine, Jed Emerson, 2011 )

今回SOCAPでは、このインパクト・インベストメントを各分野でいかに拡大していくか、深化するかに焦点があてられています。

例えば、「Don’t forget Purpose at the Exit」というセッションには、パネリストに投資家や法律家が参加。その中で、投資というプラクティカルな現場でいかに目的意識を保つかについて語られました。

「Going all in :Investing 100% of The Corpus in Line with mission」というセッションには、財団の面々が登壇しました。現状、返済率は高いとはいえ、投資家にとってはリスクも伴う投資です。

このマーケットを広げていくために、何ができるのか。何をしなければならないのか。会場には、起業家、投資家、財団、約100人が集まり、財団として事業に投資をする際、かなりコアな話し合いが繰り広げられていました。

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セッションの様子

私がe-Educationのファンドレイザーとして特に興味深かったのが、「The Road to 100% Giving Building Sustainable Non-Profits to End Extreme Poverty」というセッションです。

貧困地域で行う非営利事業へ融資を行うUniversal GivingGroundwork OpportunitiesKivaのスタッフがパネリストとして登壇しました。彼らは、それぞれ投資家の資金が、100%現地に寄付される仕組み実現しています。

事業が成功するとリターン(カタチを問わず)があり、さらなる投資がさらなるリターンを生むという仕組み。日本では、このような仕組みを通して、非営利組織や事業への寄付することができますが、これらは途上国のローカルなアントレプレナーに直接投資することができます。

こういう仕組みがあれば、単純な寄付よりも広いマーケットを狙うことできます。発想の奇抜性というところにも、人々の関心を呼ぶことができるのではないかと思いました。

KIVAのモデル

How Kiva Works from Kiva on Vimeo.

GOのモデル


しかし、依然この仕組みが存在したとしても、社会の課題を解決するという価値に投資の価値を見出すことができなければ、インパクト・インベストメントを進めることはできません。

この新しい価値観を、もっともっと深めて、広げていかなければならない、仕組みだけでは実現できないと痛感しました。

SOCAPもついに最終章

SOCAPもとうとう最後の夜。Impact Hubはまるでパーティー会場のようでした。

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一角がジャズステージに!

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でた、ピエロ!

私はもうすでに、ここから飛び出して、実行に移りたい気分です。サンフランシスコで知ったこと、学んだこと、しっかりと考えを巡らせようと思います。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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