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HIVの母子感染を防ぐためには、生まれてすぐの子どもに、薬を接種させる必要があります。しかし、HIVに感染しているお母さんの多くが、病院から遠く離れた自宅で出産するため、薬が届かない。

この問題に対して、アメリカ、デューク大学の「Design for the Developing World」というクラスが画期的な解決策を発見しました!

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薬の長期保存方法が問題に

現在、HIVに感染している子どもの90%以上は、母子感染によるものであると言われています。この母子感染、実は安価な薬によって簡単に、しかも高確率で防ぐことができることをご存知でしょうか? ただしこの薬は、子どもが生まれてから1日~2日以内に飲ませる必要があります。

多くの母親は病院ではなく、家で出産するため事前に薬をもらっておく必要があります。しかし、そこで問題となるのが、この薬の保存方法なのです。

通常、母親は新生児期の検診の際に、この薬を医者から受け取ります。しかし、薬の多くはボトルや注射器(ときにはカップ)の形で渡されるため、新生児期から出産までの4か月から5か月の保存には耐えることができませんでした。

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参考にしたのはマクドナルドのケチャップ入れ

そこで、デューク大学のRobert Malkin教授とその生徒は「Design for the Developing World」という授業の中で、この問題に取り組みました。さまざまな実験を行った結果たどり着いたのが、なんと、マクドナルドのケチャップ入れを参考にした容器、「Pratt Pouch」でした。

実験では、約12ヵ月間、周囲の環境から薬を守ることに成功。また病院で行ったトライアルでは、使用したお母さんの100%が、Pratt Pouchのほうが他の容器より優れていると答えました。

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課題は価格を下げること

Pratt Pouchは、1つあたり3~4円と、非常に安価ではあるものの、途上国に住む人にとって、まだまだ安いとは言い難いものです。

しかし、Robert Malkin教授によれば、技術的にこれ以上価格を下げることは難しいため、大口のファンドレイズや技術をオープンなど、なんとか価格を下げる道はないかと模索しています。

Pratt Pouchを通してより多くの子どもたちのもとに、薬が届く日が来ることを祈るばかりです。

[Pratt Pouch]


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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