Credo2 hyper local

皆さん、こんにちは!e-Education Project共同代表の三輪です。

随分更新が途切れてしまいましたが、「代表コラム」を再開しますので、改めてよろしくお願いいたします。

前回は、私たちの教育に対するこだわり「Chance Maker」についてご紹介しました。

今回は、「最高の授業」を作るために心がけている、2つ目のこだわりについてご紹介します。

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【私たちの5つのクレド(※クレドとは?)】
(1)Chance Maker
(2)Hyper Local←今ここ!
(3)Contents Owner
(4)Youth Innovation
(5)Best Partner

もしもバングラデシュの高校生たちに、世界最高峰の授業を見せたら?

遡ること4年前、私はバングラデシュの農村である実験をしました。

MITの物理の無料講義(ウォルター・ルーウィン先生の授業)をダウンロードして、バングラデシュの高校生たちに見せてみたのです。世界最高峰の授業を見たら、どんな反応をしてくれるのか?期待に胸が高まりました。

しかし、結果は非常に残念なものでした。

高校生たちは首をかしげ、不安そうな目でこちらも見てきます。開始5分も立たずに私はストップボタンを押しました。

さて、私はどこで間違えたのでしょうか?

映像教育に大切なものは「目的」意識

そもそも、高校生はなぜ勉強するのでしょうか?

もちろん個人差はありますが、私たちが映像教育を届けてきた学生たちには「大学受験突破」という明確な目標を持っていました。

しかし、途上国の農村には優秀な先生がおらず、彼らは満足のいく教育を受けることができません。

そんな彼らの悩みを解決するために考えたのがe-Educationであり、有名予備校の授業を撮影してDVDにし、村の高校生たちに届けました。

結果、1本60分近い授業にも関わらず、彼らは飽きることなく最後までDVDを見続けました。これは本当に凄いことです。

Credo2 hyper local01

対面式の授業とは異なり、ほぼ一方向のDVD授業を、なぜ彼らは集中して見続けることができたのでしょう?それは「大学に合格したい!」という想いや目標があったからです。

別の言葉にするなら、私たちの授業は「課題」を解決する授業でした。生徒たちの悩みに耳を傾け、彼らの力になりたいという想いを込めてDVDを作ったからこそ、彼らに喜んでもらえたのです。

最高の先生は、意外と身近に存在する

私たちは「最高の授業」を作ろうと心がけていますが、最も悩むのは人選です。

一体誰が「最高の先生」なのか?これまで世界各国で映像教育プロジェクトを立ち上げてきましたが、毎回のようにぶつかる課題です。

しかし、最近になって一つの仮説を持つことが出来るようになりました。

それは、最高の先生は、意外と身近にいるというものです。

一つ例をご紹介しましょう。

【ケーススタディ】フィリピン・ミンダナオ島の先生探し

まず、フィリピンの公用語をご存知でしょうか?

「英語」だと思った方は半分正解。「タガログ語」も公用語であり、フィリピンの首都マニラに住む人たちはタガログ語で会話をしています。

では、フィリピン・ミンダナオ島も同じかというと、実は違います。ミンダナオの人たちは「ビサヤ語」という別の言葉で会話しており、タガログ語とは大きく異なります。

英語、タガログ語、ビサヤ語。3つの言葉がある中で、私たちがはビサヤ語の授業(正確には英語とビサヤ語を混ぜた授業)を撮影することに決めました。

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「無理して難しい言葉で学ぶのではなく、普段使っている言葉で授業をしよう

現地のパートナーたちとも意見はしっかり合致し、地元の高校の先生たちと協力しながら「最高の授業」づくりが始まりました。

もっと詳しく知りたいという方はフィリピン(ミンダナオ)プロジェクトのトジョウエンジン連載をぜひご覧下さい。

「最高」かどうかを決めるのは・・・

私たちはこれまで「最高の授業」を作ってきた自信があります。

それは生徒たちから「最高だ!」と言ってもらってきたからです。そしてこれが案外見落とされがちなポイントだと思っています。

MITの物理の授業は本当に素晴らしいものであり、私自身感動した授業でもあります。しかし、バングラデシュの村の高校生たちにとっては、首をかしげるような内容でした。

一方、カメラのブレがあり、音声も少し途切れていた当時のDVD授業は、生徒たちに大好評でした。理由は、目標達成に繋がり、理解しやすい内容だったからに他なりません。

最高かどうかを決めるのは、生徒たちです。だからこそ、教育課題も、それを解決する手段も、現場の声をとにかく聴き出すことを徹底しています。

“Hyper Local”であれ

これが「最高の授業」を作るためのこだわりです。

【次回予告】DVDを作る上でどうしても譲れないこと

いかがでしょう?私たちの教材作りのこだわりが理解いただけたでしょうか?

次回は、3つ目のクレド“Contents Owner”についてご紹介します。私たちがDVDを作る時に譲れない取り決めについて、ぜひお伝えできればと思います。

また、この「代表コラム」のコーナーでは、読者の皆さんからの質問やご意見もお待ちしております。もし私たちe-Education Projectの活動にご興味ある方はぜひSNSでコメントいただければ幸いです。

ではでは、また来週!


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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