Tojo engine restart

お久しぶりです。トジョウエンジンの運営団体であるe-Education代表の三輪です。

突然ですが、この写真はいつ、どこで撮影したものでしょう?

答えはこの後すぐにお伝えしますが、この写真を見て、普段とは違う自分の笑顔を見て、私はトジョウエンジンをリスタートさせることを決めました。

「途上国のイメージを豊かにする」メディアをなぜ今盛り上げたいのか、盛り上げなければいけないのか、今日はそんなお話をさせてください。

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途上国とメディアが遠くなった2016年

2016年7月1日。バングラデシュの首都ダッカでテロ事件があったことを皆さんは覚えていますでしょうか?

日本人7人が亡くなった悲しい事件。事件当日、私はテロの起こったレストランから1km以内のホテルに泊まっており、そこから3日間ずっとホテルで待機しておりました。

当時の様子は、このトジョウエンジンでも記事にしております。

帰国してからの1ヶ月はメディア対応に追われる毎日でした。なぜテロが起こってしまったのか、どうしたらテロのない世界は実現できるのか。取材に応えながら考え続け、一人でも多くの方に途上国のマイナスの側面だけでなくプラスの側面を、そこで暮らす人たちの持つ可能性について伝えようとしてきました。

しかし、気がつけばテロは日常の一部となり、バングラデシュは「危険な国」と見られ、そこで働き暮らしていた人たちの多くは余儀なく日本への帰国しています。フランスやイギリスで大きな事件があっても、同じようにはなりません。バングラデシュのような途上国だけが、なんだか遠い国になってしまった、そんな気がしてなりません。

一方その頃、日本では「WELQ問題」が話題になっていました。DeNAが運営してた医療系のキュレーションサイトが信ぴょう性にかける医療情報を記事にしており、記事執筆者が医療経験に乏しい外部のライターであったことが判明し、メディアのあり方が問われました。

結果、DeNAはメディアの運営体制を見直すために、これまで運営してきたキュレーションサイトを閉鎖。女性に人気のあったMERYなど、DeNAが買収した各メディアも閉鎖となり、私がよくチェックしていたFind Travelという旅行系メディアも閉鎖となりました。

私はFind Travelというメディアが実際どう運営されていたのか知っているわけではありません。ただ、Find Travelで見た海外の観光スポット紹介記事はよく覚えており、その記事を見て行きたくなった国や場所のリストが今もメモ帳に残っています。

もちろん写真や動画を含む著作権はしっかり守らねばならず、私が撮影した写真が無断で利用されていた際はあまり良い気分ではありませんでしたが、それでも知らない国や場所を知るキッカケをくれたFind Travelは思い出深いメディアの一つであり、メディア閉鎖が決まった時はやっぱりショックでした。

途上国とメディアがどんどん遠くの存在になっていく。2016年はそんなことを思った1年でした。

私は、途上国の可能性を信じています

さて、話を冒頭の写真に戻し、いつどこで撮影したのかお伝えします。

正解は、ネパールのホーリ祭り。お祭りの最終日だった4月12日にネパールに到着した私は、1時間だけお祭りに参加したのですが、気がつけば顔もTシャツもカラフルな粉まみれになっていました。

屋上や路地裏からカラフルな粉の入った水風船をぶつけてくる現地の子どもたち。彼らにリベンジするために、旅行者お二人と手を組んで作戦を立てた際の写真がこちらです。

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みんな良い顔をしていると思いませんか?ホーリー祭りはネパール最大のお祭りの一つであり、世界中から旅行者が集まるイベントでもあります。やることは、カラフルな粉を塗り合い、笑い合う、それだけ。言葉が通じなくても仲良くなれ、笑顔に溢れるこのお祭りが大好きで、気づいたら私もずっと笑っていました。

途上国のイメージが私の中で変わったのも、はじめて訪れたラオスで参加した地元のお祭りがきっかけでした。竹でつくったロケットを飛ばせるか競うお祭りで、お祭りに参加した人には無料で現地のお酒が振る舞われました。

結果、私は酔っ払ってしまい、気持ち良くなってそのままお祭り会場で寝てしまったのですが、翌朝目覚めると現地の人たちが看病してくれており、泥まみれになっていた私の財布やパスポートは綺麗になって私の手元に帰ってきました。

これが途上国の出会いであり、10年経った今も、途上国に対する私の気持ちは変わりません。むしろこの10年間で好きな気持ちはずっと強くなった気がします。

私は前職JICAで働いていた時も、今のe-Educationでも、ずっと途上国の人たちと関わり続けており、社会人になってから今まで発見の連続でした。

日本ではまず見ることができない絶景や、膝を打ちたくなるような素晴らしい生活の知恵。そして何より、複雑な課題に対して真っ向から挑む人たちのキラキラした目を見て、私は途上国のことが大好きになりました。

途上国は、見方を変えれば可能性に溢れた国であり、そこには人生を鮮やかにする出会いがたくさんあり、私はそんな出会いを作りたくて、このトジョウエンジンというブログメディアを立ち上げます。

ここで「ブログメディア」という手段を選んだのにも、私なりの理由がありました。

私は、ブログの可能性を信じています

「ブロガーの力で、世界を変える」

これは2015年に開かれたブロガーズフェスティバルのオープニングスピーチで私が話したことですが、今もブロガーの力を、ブログやメディアの力を、今もずっと信じています。

信じるきっかけをここでいくつかご紹介します。

こちらはブロガーフェスティバル主催者のまたよしれいさんが2010年に書いた記事になります。3800以上のはてなブックマークがつき、おそらく数万人から数十万人の方に読まれた記事なります。

私も読者の一人でした。そして、決めました。

「0からアプリを作ってみよう!」

早速デザインのできる友人に声をかけ、取材のためにバングラデシュにも行きました。そして本当に2ヶ月で自分の作ったiPhoneアプリがAppleストアに並びました。アプリを開発するまでにかかった費用はほとんど0円で、またよしさんをはじめとしたブロガーの方々の記事や動画を参考にしました。

こんな成功体験があって、さらにブログを書くようになりました。社会人として働きながら、朝と夜の時間を使ってとにかく記事を更新し続け、1年間1日も休まず450本以上記事を書いた時期もありました。

こちらは私が2012年に書いた以下の記事ですが、2400を超えるはてなブックマークがつき、10万人を超える人に読んでいただきました。この記事がキッカケで講演する機会もいただき、大好きなTEDの魅力をたくさんの方にお伝えすることができました。また、こんな素敵な言葉をもらったこともあります。

「英語のスコア伸びました!ありがとうございます!」

仕事以外の場で、感謝の言葉をもらう経験など滅多にあるものではありません。でも、ブログを書くと、新しいつながりが生まれ、嬉しい言葉も沢山いただきます。こんな面白いこと、他になかなかありません。

書けば書くほどブログが好きになり、この大好きなブログと、大好きな途上国を掛け合わせてできたブログメディアがこのトジョウエンジンになります。

やりたいから、やらなきゃへ

トジョウエンジンを立ち上げてからもう4年。「途上国のイメージを豊かにする」をコンセプトに2500本近い記事を書き、更新頻度が減った今でも月間数万人の方がアクセスしてくれています。

職員や採用インターンの募集をかけると、トジョウエンジンを通じて私たちの団体を好きになったという方々が申し込んでくれ、その度に嬉しくなりました。

「もう、やりたいことは実現できたのではないか?」

こんな風に思ったりもしていたのですが、バングラデシュのテロ事件があって、日本でメディアを取り巻く事件があって、途上国とメディアがどんどん遠くの存在になっていくのを肌で感じながら「やらなきゃ」という込み上げてきました。

ネパールで参加したホーリー祭。心から笑っている自分の写真を見て、途上国の豊かさを一人でも多くの方に知ってほしくなり、私はこのトジョウエンジンをもっと盛り上げていこうと決めました。

これから、大好きな途上国の可能性を、大好きな仲間たちと一緒に発信していきますので、改めてトジョウエンジンをよろしくお願いいたします。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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