原千明 | トジョウエンジン https://eedu.jp/blog 途上国のイメージを豊かにするノンストップ・デイリーマガジン Tue, 20 Aug 2019 08:33:59 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.6.15 【イベントレポート】「豊かな社会」を問い直す。 ~バングラデシュと繋がるWEB交流会~ https://eedu.jp/blog/2019/08/20/bangladesh_web_interact/ https://eedu.jp/blog/2019/08/20/bangladesh_web_interact/#respond Tue, 20 Aug 2019 08:33:59 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=49178   こんにちは! トジョウエンジンを運営している特例認定NPO法人e-EducationPRインターンの原です。 連日熱中症に関するニュースを多く見聞きします。 こまめな水分補給を心掛けて、体調にはお気をつけてお過ごしく […]

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バングラWEB交流会・集合写真
 
こんにちは!
トジョウエンジンを運営している特例認定NPO法人e-EducationPRインターンの原です。

連日熱中症に関するニュースを多く見聞きします。
こまめな水分補給を心掛けて、体調にはお気をつけてお過ごしください!

7月13日(土)、「『豊かな社会』を問い直す。~バングラデシュと繋がるWEB交流会~」が開催されました。
当日は学生・社会人全8名の方にご参加いただきました。

WEB交流会はe-Educationのイベントとしては初めての開催となりました。

バングラデシュ現地とビデオチャットで繋ぎ、e-Educationの卒業生に登場していただきました。
今回はイベント当日の様子をたっぷりとお届けします!

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WEB交流会当日の流れ

  1. 第一部:アイスブレイク、イベントの導入
  2. 第二部:e-Educationの紹介
  3. 第三部:バングラデシュについての紹介
  4. 第四部:バングラデシュと繋がるWEB交流

【第一部】アイスブレイク、イベントの導入

まずはアイスブレイクとして、参加者の方同士で自己紹介を行っていただきました。

その際、「当イベントに興味を持ったきっかけ」をシェアしていただきました。e-Eudcaionのイベントでは参加者同士の距離が近く、多様なバックグラウンドを持つ方々にご参加いただいているため、交流の輪を広げることもできます。

また今回のWeb交流会のテーマである「豊かさを問い直す」

参加者の皆さん一人ひとりに、「あなたにとって幸せな時間・豊かさ感じる時間とはどんな時ですか?」という問いに対する回答を考えていただきました。

目まぐるしく過ぎていく毎日の中で、人生における自分にとっての豊かさや幸せについて考える時間は多くないと思います。今回のWeb交流会の前後で、自分にとっての幸せや豊かさについて、少しでも新たな発見があれば、と考えています。

【第二部】e-Educationの紹介

第二部では、広報担当の水溜よりe-Educationのこれまでの歩みをご紹介しました。

e-Educationが活動をスタートさせることになる2010年当時、アジア最貧国と言われてたバングラデシュでは4万人もの先生不足が深刻な課題となっていました。

首都のダッカには予備校街があり、良質な教育を受ける機会がある一方で、地方には家に電気がないため夜勉強する際、明かりを求めて街灯の下で勉強する子どもたちが。その姿を現地で目の当たりにしたe-Education代表の三輪。

ダッカ予備校街

首都ダッカの予備校街

暗闇で勉強する子ども

暗闇で勉強する、地方の子どもたち

こうした「都会と地方の教育格差をなくしていきたい」という想いからe-Educationの活動が始まりました。

学生時代、映像授業でおなじみの「東進ハイスクール」で学び、アシスタントとして映像の制作・配信の仕事をサポートしていた三輪。この”映像授業”による学習スタイルは、先生が不足しているバングラデシュにおいても有効なのでは、と考え、東進ハイスクールをモデルとしたDVD授業を用いるに至りました。

そして活動を開始してから半年後、1名の学生がバングラデシュのNo.1国立大学であるダッカ大学に合格しました。このプロジェクトをしている村では、元来30年もの間、ダッカ大学の合格者が出ていませんでした。

9年間で250人以上が難関国立大学に進学

難関国立大学合格者たち

9年間で250人以上が難関国立大学に進学を果たし、活動は順調に見えていました。

しかし2016年、衝撃的な事件が起こりました。

バングラデシュの首都、ダッカで発生したテロ事件です。犯人はなんと優秀な若者たちでした。現地にいた三輪は、

「これまで高校生の近くで背中を押してきた自分は、何もできなかったのか。自分がやってきたことは何だったのだろう。自分のせいだ。」

と考えました。

三輪は活動を休まざるを得ない状況になりました。

しかしながら、そうした状況下で力を与えてくれたのは現地の仲間たちでした。彼らのおかげで再び立ち上がることができ、バングラデシュを拠点に活動を再開しました。現地の大学生を相手にセミナーを開催し、1000人以上と対話をしてきました。

その中で、e-Educationの卒業生であるシャフィという一人の青年に出会いました。

シャフィ

e-Education卒業生・シャフィ

彼は現在大学院に通いながら週1回ほどe-Educationのコーチングセンターを訪れ、「自分たちも社会を変えることが出来る」というメッセージを、e-Educationの現役生徒たちに伝えてくれています。そして彼自身も、バングラデシュが抱える問題に立ち向かい、仲間とともに行動を起こしています。

そんなシャフィの姿をみた三輪は

「シャフィという希望を世界の果てまで届けたいー。」

と話しています。

今後もe-Educationは、学習コンテンツを届けるだけでなく「人を育てる組織」でありたいと考えています。

【第三部】バングラデシュについての紹介

第三部では、バングラデシュ担当職員の猪瀬より、バングラデシュの教育等に関する情報を共有しました。

首都ダッカ

首都ダッカ

バングラデシュは近年経済成長が著しく、首都のダッカでは、インターネットの普及により日常が便利になり、車を所有する人の増加で交通渋滞が目立つようになりました。

しかしひとたび農村部に目を向けると、

「そこは別世界」

と猪瀬は語りました。

農村部

農村部に暮らす人々

農村部家庭訪問キッチン

農村部の家庭のキッチン

首都ダッカとは似ても似つかない景色や生活様式。

昨今急成長をみせているバングラデシュですが、人口の7割は農村部に住んでいるといいます。

課題が山積みの農村部で生活する学生たちは、受験に対して不利な状況にあります。バングラデシュの大学受験では、大学入学試験のスコアだけでなく、SSC(中学課程修了試験)及びHSC(高校課程修了試験)のスコアも加味され、合計点で合否が決定します。

農村部の学生は、先生不足などにより中学・高校時に良質な教育を受けていない傾向にあります。さらに大学受験時には、予備校が近くになかったり、あったとしても多大なコストを要するために通うことができなかったりします。

上記のような背景から、バングラデシュでは都市部と農村部で教育格差が広がっています

【第四部】バングラデシュと繋がるWEB交流会

最後に、今回のイベントのメインである、バングラデシュ現地と繋いでのWEB交流会を行いました。

今回の交流会を引き受けてくれたファリッドは農村部出身でe-Educationの卒業生です。国立ダッカ大学・大学院を卒業し、現在はe-Educationのバングラデシュ現地パ―トナーでもあるBacBonに勤めています。

ファリッド

e-Education卒業生・ファリッド

ファリッドのバックグラウンドが分かるような質問をe-Educationスタッフから投げかけ、その後参加者の皆さんからのご質問に答えていただきました。

まずはe-Educationスタッフからの質問とファリッドの回答を以下でご紹介します。

Q1.自己紹介をお願いします。

ダッカ大学及び大学院を卒業し、現在はBacBon(e-Educaionの現地パートナー)で働いています。
私には6人の兄弟姉妹がおり、父はビジネスマンとして竹や木材で建物を作る仕事に携わっています。母は14年前に亡くなりました。

Q2.e-Educationの生徒になる前の自身の状況を教えていただけますか?

中学校を卒業するまで、将来何をしたいかは特に考えていませんでした。当時はただ生き延びることに必死でした。
しかし高校時代は自分の将来について考えるようになりました。高校卒業後は縫製工場もしくは中東に出稼ぎに行くなどして家族を支える必要があったからです。
高校に入るまでは、ダッカ大学についてはよく知りませんでした。自分の地元や学校からダッカ大学に入学した例が無かったからです。しかし高校在学中に自分の兄がダッカ大学の入試を受けることになり、ダッカ大学に関する情報がいくらか入ってきました。そして、私自身もダッカ大学の入試を受ける決意をしました。
その後、ダッカ大学及び他の国立大学の入試について調べました。その中で2つの課題が出てきました。1つは学力不足、2つ目は予備校に通うためのコストに家計が対応できないことです。学力不足のためにも予備校に通わなければならない状況でしたが、ダッカにある予備校に通うのは多大なコストを要します。こうした状況に、私は失望していました

Q3.e-Educationにはどのようにして出会ったのですか?

当時知り合いであったモハマドさんとお茶をする機会がありました。彼はe-Educationのマネージャーだったのです。彼に入試プランについて聞かれた際、自分の想いを全て打ち明けました。すると彼は、e-Educationの予備校へ通うよう提案してくれました。私はe-Educationの生徒になることを決めました
当初、地方の予備校では満足な学びは得られないと考えていました。しかし実際にe-Educationの予備校に行ってみて、映像授業という新鮮さ、地方でも質の高い学びを無料で得られることに驚きました
e-Educationの生徒として勉強し、ベストを尽くしましたが、ダッカ大学の入試は不合格でした。家計を支えるため、私は縫製工場で働くことになりました。
しかし4か月後、もう一度ダッカ大学受験に挑戦するため、再びe-Educationの予備校に通いました。
そうしてしばらく勉強を続け、見事ダッカ大学に合格しました。

Q4-1.ダッカ大学の学生時、どんなことをしていましたか?

大学時代は勉強だけでなく、社会貢献活動を多々していました。洪水被害にあった方々のための募金活動や、性的暴行・テロに対する抗議に何度も参加しました。さらに、ロヒンギャ難民キャンプへ何度か訪問しロヒンギャ難民の人々のサポートもしています。

ファリッドとの対話

Q4-2.大学時代、e-Educationとはどのような関わりがありましたか?

毎年、e-Educationの生徒たちのモチベーションを上げるためにe-Educationの予備校を尋ねていました。生徒が簡単には理解できない部分をベンガル語で教えたり、どうしたらダッカ大学や他の国立大学に入学するチャンスを掴むことが出来るかどうか、指導したりしていました。

Q4-3.なぜ上記のような活動を自分の地元でしようと思ったのですか?

一人の人間として、自分の社会に対して責任があると考えています。私が助けを必要としていた時、e-Educationをはじめ優しい人々がサポートしてくれました。だから私はこの地を選んだのです。

Q5.高い給料が出る一般企業もあった中で、何故BacBon(e-Educationの現地パートナー)への就職を選んだのですか?

自分たちの社会をより良くしていくためには、教育格差を無くし、より多くの人に教育を届ける必要があると考えています。BacBonはまさにその為に尽力をしている組織です。また、自分が助けを必要としているときに手を差し伸べてくれていたのがBacBonとe-Educationだったため、このような決断をしました。

Q6.もしe-Edcuationと出会っていなかったら、どうなっていたと考えますか?

縫製工場での仕事を続けるか、中東に出稼ぎに行っていたと思います。しかしそれは非常に恐ろしいことなんです。特に中東への出稼ぎに関しては、雇用主から暴力を受ける例が多発しています。女性であればレイプされることもあります。(ファリッドの感覚では)出稼ぎに行った8割もの人々が、お金も希望も失うと言われています。

続いて参加者の皆さんからの質問にも回答していただきました。
以下、その一部をご紹介します。

Q7.次のゴール・これから成し遂げたいことを教えてください。

今後も、手が必要な人々のために働いていきたいです。特に教育フィールドには強く興味があります。社会をより良い方向に変えていくためには、教育が必要だと、自身の経験を通じて実感しているため、教育をより多くの人に届けていきたいです。

Q8.実際に農村部の生活は、変わってきていると感じますか?(変わってきているのであれば)それはどのような変化ですか?

移動手段に関して、以前は徒歩・自転車が目立ちましたが、現在ではバス網が少しずつ発達してきて便利になっていると思います。劇的な変化ではなく、少しずつではありますが発展してきているのを感じています

終わりに

今回初の試みとなった、バングラデシュとのWeb交流会。現地の方と参加者の方が言葉を交わす貴重なイベントとなり、e-Educationスタッフ一同にとっても印象深い時間でした。

e-Educationは今後、1人でも多くの学生に良質な学びを届けるためにさらなる挑戦を続けていきます。そのためには、皆さまの温かいご支援が必要不可欠です。

是非私たちとともに、途上国の子どもたちを応援しませんか?

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【いよいよ渡航間近!】~フィリピンフィールドスタディ’19 渡航前研修~ https://eedu.jp/blog/2019/08/04/philippines_fieldstudy_pre_2019/ https://eedu.jp/blog/2019/08/04/philippines_fieldstudy_pre_2019/#respond Sat, 03 Aug 2019 15:04:06 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=49113   こんにちは! トジョウエンジンを運営している特例認定NPO法人e-EducationPRインターンの原です。 いよいよ夏本番。連日暑い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。 7月20日(土)、「フィリピ […]

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フィールドスタディ・全体
 
こんにちは!
トジョウエンジンを運営している特例認定NPO法人e-EducationPRインターンの原です。

いよいよ夏本番。連日暑い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

7月20日(土)、「フィリピンフィールドスタディ’19 渡航前研修」が開催されました。
当日は、オンライン参加含め全8名の方にご参加いただきました。
来月8月に、e-Education初の試みであるフィールドスタディがフィリピンのカガヤンデオロにて行われます。

今回はその渡航前研修として、カガヤンデオロで実施されているe-Educationのプロジェクトの紹介や、参加者同士の交流を行いました。
研修中はフィリピン現地ともビデオチャットで繋ぎ、海外インターン生としてフィリピンで活動している金井と共に進行していく形となりました。

今回は、そんな渡航前研修当日の様子をたっぷりとご紹介します!

SPONSERD LINK

渡航前研修の流れ

  1. 第一部:アイスブレイク、参加者自己紹介
  2. 第二部:フィリピンフィールドスタディ’19のねらい
  3. 第三部:プロジェクト紹介、カガヤンデオロの事実情報
  4. 第四部:モチベーショングラフの作成

【第一部】アイスブレイク、参加者自己紹介

まずは、アイスブレイクを兼ねた自己紹介を行いました。
今夏のフィリピンフィールドスタディの参加者は、高校生から社会人までおり、年齢もバックグラウンドも多様です。

アイスブレイクでは、「途上国に対してどのようなイメージを持っているか?」と「このフィールドスタディに参加しようと思った背景」についてシェアしました。
途上国に対して抱くイメージについては

「都市部と地方の貧富の差が大きい」
「目がキラキラしている」
「自分たちの”幸せ”を考えさせられる場」

などの意見がありました。

ポジティブなイメージもネガティブなイメージも、途上国へのイメージは一人一様でした。

また、当フィールドスタディに参加しようと思ったきっかけについて

「現地に赴き、そこで過ごしてみないと分からないことがあると思った」
「e-Educationの活動を自分の言葉できちんと説明できるようにしたい」

というお声をいただきました。

途上国への渡航経験がある方も、今回が初めてという方もいらっしゃいました。
当フィールドスタディを通して、渡航前後で途上国に対するイメージが変わったり、また変わらなかったり。

社会課題に対して新たな一歩を踏み出すきっかけになることを、スタッフ一同願っています!

【第二部】フィールドスタディ’19のねらい

続いて、今夏のフィールドスタディのねらいや渡航前研修の位置づけについて、e-Educationフィリピン担当の坂井より説明をしました。

坂井・プレゼン

フィリピンフィールドスタディ’19のコンセプトは「カガヤンデオロの様々な社会問題から教育を考え行動する」。

「知る」に留まらず、自分たちで考え行動するところを最終ゴールとしています。

フィールドスタディ・コンセプト

ただ目の前で用意されていることに取り組むだけでなく、毎日設定されている“Daily Mission”をどう達成するかを考え、毎日参加者同士で振り返る時間を設けます。

プログラム内容は、現地の若者とのディスカッションをするなど、参加者が主体的に取り組むことができるものになっています。
最終日には「カガヤンデオロの教育をより良くするために私たちにできることとは?」をテーマに、現地政府向けのプレゼンテーションを予定しています。

また現地渡航で終わりにせず、現地で得たことを振り返り今後自分は世の中の社会課題に対してどうしていきたいのかを考えるために、渡航後研修も実施予定です。

【第三部】プロジェクト紹介、カガヤンデオロの事実情報

坂井・プロジェクト紹介
続いては、今回のフィールドスタディで実際に訪れるフィリピンのカガヤンデオロの現状説明を坂井より、またフィリピンに関する客観情報の共有を海外インターンとしてフィリピンのカガヤンデオロにいる金井より行いました。

  • フィリピンプロジェクトの創業期

カガヤンデオロでは、もとより台風の被害や紛争の傷跡により貧困が生まれていました。
早期出産・早期結婚などにより、学校に行けずドロップアウトしてしまう子どもたちが増えていました。そんな子どもたちが週末を利用して学校卒業を目指すことが出来るOHSP(オープン・ハイスクール・プログラム)という制度が実施されています。

しかし、十分な教材も先生も確保できておらず、子どもたちは学ぶ機会を取り戻せていない状況でした。

OHSPでは「モジュール」という参考書を使っています。
参考書というより問題集に近く、解説や答えは書かれていません。にもかかわらず、モジュールを教える先生が不足していました。

そこで、地元の学校や自治体と協力し、このモジュールの内容を教えるための映像授業を一緒に作ることを決めました

  • フィリピンプロジェクトの挑戦期

パイロット校にて映像授業を開始したものの、

「生徒の集中力が続かない」
学力の差があったり苦手分野が異なったりする生徒が一緒に授業を受けていても効果的・効率的でない」

などの課題が出てきました。
プロジェクト紹介・挑戦期

  • フィリピンプロジェクトの拡大期

上記の課題を踏まえ、2017年頃より従来の映像授業型に加え、現地の大学生がOHSPで生徒にオフラインで授業の補助を行う「チュータープログラム」を開始しました。
映像授業だけでなく、身近な地元の大学生が勉強をサポートしてくれることで生徒の勉強のモチベーションになり、生徒がより勉強に前向きな環境を作れるようになりました。
チュータープログラムの実施前後で進級率は20%向上。卒業テストの平均点も10点向上しています。

  • フィリピンプロジェクトの現在

現在フィリピンの生徒たちの多くが苦手としている科目は、数学です。
そこで、日本の教科書のノウハウを紹介したところ、現地で非常に好評でした。
以降、英語と現地語の両方を使い、分かりやすさを重視した教科書作成に取り組んでいます。

今後も現地の教育局や大学とのパートナーシップを大切にしていきます。

  • カガヤンデオロの事実情報

フィリピン・ヘルス
(出典元:Oro Youth Development Council-Barangay Youth Profiling Data)

フィリピンの基本情報をはじめ、渡航前にインプットしておきたい内容を共有しました。

カガヤンデオロでは、健康関連の機会に対する意識が欠如している人が約8割おり、また妊娠している女性の約半数が10代となっています。
上記のような要因により早期出産・早期結婚をしてしまった若者が、通常の学校に通うことが出来ず、ドロップアウトしてしまいます。

他にもいくつかの事実情報をお伝えし、教育問題の背景にはどのような事が関連しているのかを考える時間としていただきました。

客観情報の共有2

【第四部】モチベーショングラフの作成

最後に、参加者各自のモチベーショングラフを作成しました。
モチベーショングラフとは、これまでの人生を振り返り、自分のモチベーションがいつ・どのように・なぜ 上がったのか/下がったのかを記入していくものです。
モチベーショングラフ・説明

モチベーショングラフ・作成

e-Education広報担当の水溜よりモチベーショングラフの作成方法を説明した後、実際に参加者各自にグラフを作成してもらい、その後各自3分程度で全体に共有してもらいました。

以下、その一部を掲載します。

「外資系の企業で働いていた時、そこでヒイヒイ言いながら働くことに疑問を持つようになった。その後『人のために働きたい』と思うようになり、e-Educationのプログラムに参加することを決めた」
「周りの友人と同じように、学生生活を満喫したいという想いはある。しかし、『自分が遊びに使うお金を国際協力に回すことができるのに』というジレンマを日々感じている」
「海外に行った際、人の性格や価値観はその人が育ってきた環境に影響を受けていると感じた。この出来事から、教育に興味を持つようになった」

また、「フィールドスタディを終えた後、どのような自分になっていたいか」という問いに対する答えも共有しました。

以下、一部を掲載します。

「先進国・日本にいながら、国際協力へのモチベ―ションをどう保つか、見出せるようになっていたい」
「現場を見ることで、現在自分が持っている途上国へのイメージとのギャップを埋められていたら、と思う」
「自ら物事を企画するなど、積極的に行動できるようになりたい」
「現地で五感で感じたことを、周りの人に伝えていきたい」

終わりに

e-Education初の試みとなるフィリピンフィールドスタディ’19。
渡航を間近に控えての研修となりましたが、参加者の皆さんやe-Educationスタッフの多様なバックグラウンドや国際協力・教育に対する想いをシェアすることができ、心に残る1日となりました。

e-Educationはこれからも、1人でも多くの途上国の子どもたちに教育を届けるために、挑戦を続けていきます。

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