田中瑞幹 | トジョウエンジン https://eedu.jp/blog 途上国のイメージを豊かにするノンストップ・デイリーマガジン Tue, 29 Aug 2017 05:23:12 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.6.15 インドネシアの日本語教育の現状は甘くない。それでも、夢を持って日本語を学んでいる人のために、前に向かって挑戦し続けます。 https://eedu.jp/blog/2017/08/29/but_go_ahead/ https://eedu.jp/blog/2017/08/29/but_go_ahead/#respond Tue, 29 Aug 2017 05:23:12 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=44888 皆さん、こんにちは。現在、e-Educationインドネシアプロジェクト担当としてインドネシアで活動しています、田中瑞幹です。 第一回目投稿ではe-Educationの活動に参加するに至った経緯、第2回目投稿ではインドネ […]

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皆さん、こんにちは。現在、e-Educationインドネシアプロジェクト担当としてインドネシアで活動しています、田中瑞幹です。

第一回目投稿ではe-Educationの活動に参加するに至った経緯、第2回目投稿ではインドネシアの秘境バドゥイについてご紹介しました。

早いもので、インドネシアでの生活も3ヶ月を迎えています。そこで、第3回目投稿の今回はインドネシアに来て約3ヶ月で行ってきたこと、そしてそれを通じて感じたことを赤裸々にお話ししようと思います。

3ヶ月間、何をしていたのか

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日本語学習に励む技能実習候補生

最近、多くの人から「インドネシアで何しているの?」という質問を受けます。一括りに日本語教育と言っても様々な形があり、イメージしづらいのも事実です。正直、インドネシアに来るまで僕自身も何をしたらいいかわかっていませんでした。

また、日本語教育というと僕自身が日本語を教えているということをイメージされる方も多いと思いますが、恥ずかしながら僕には日本語を教える力などありません。

では、一体何をしてきたのか。

端的に言うと、教育機関にお願いして日本語を学んでいる人や教えている人にアンケートやインタビューをしてきただけです。約3ヶ月間、高校生や大学生、技能実習候補生、働きながら日本語を学ぶ人、高校・大学・日本語学校の先生にひたすら話を聞きました。

「インドネシアの日本語教育の問題点は何か」「もっと日本語教育の質を上げるために何が必要なのか」「日本語を学ぶあるいは教える難しさはどこにあるのか」「なぜ日本語を学んでいるのか」「映像で授業を受けることをどう思うか」「どうやったら楽しく学べると思うか」

調査場所を見つけ、足を運び、ビミョーなインドネシア語と英語、そして日本語を交えながら説明し、アンケートやインタビューを行う、それの繰り返しです。

時にはやる意味を感じなくなったり、しんどくなったりすることもありましたが、それでも繰り返し調査を行うことで、少しずつインドネシアの日本語教育の現状が掴めてきました。

本当に日本語学習者数世界第2位なのか

国際交流基金によるとインドネシアの日本語学習者数は中国に次ぐ世界第2位と言われています。確かに、多くの高校で日本語の授業が行われ、インドネシア大学やパジャジャラン大学といった有名な大学でも日本語学科が存在します。

しかし、一方で、彼ら全員が、何が何でも日本語を学びたいとは思っていないというのも事実です。多くの場合、日本の文化や日本人に興味を持ち、日本語学習を始めます。また、以前はインドネシアでも日本のアニメが頻繁に放送され、日本という国が身近にあったということも大きな要因です。

その反面、授業で学ぶ日本語は文法中心であり、尊敬語や謙譲語、漢字など日本人もあまり好まない分野も勉強しなくてはなりません。インドネシア人にとって学習モチベーションを維持することは難しいのです(日本人の英語学習のような感じです)

また、高校においては日本語が第2外国語の選択肢としてあります。この3ヶ月間で幾つかの高校を訪問し、各学校の日本語の授業を見学してきました。

僕の想像は、みんな日本語が大好きで、学ぶことを楽しんでいるというものでした。しかし、現実には日本語を好きで学んでいる生徒は数名程度。その他の生徒は、選択科目に日本語があるから仕方なくといった雰囲気です。

実際、某高校の先生は、「近年、日本語を学びたいと言っている生徒は減っている。授業に来ない生徒もいるよ」と言っていました。確かに、日本の文化(着物や日本食、お茶、アニメ、漫画、映画など)の認知度は計り知れません。日本人より詳しい人に会うことも頻繁にあります。

一方で、日本語への入り口がアニメや漫画である生徒が多く、それに伴い、学校の授業に対してモチベーションが上がらない生徒も多いということを忘れてはならないと感じます。

そんな中にも、真剣に日本語を学んでいる生徒はいる

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放課後に日本語学習に励む理系の大学生

しかし、大事なことは、そんな中にも真剣に日本語を学んでいる人はいるということです。

ここで、具体例を紹介させてください。

以前、ジャカルタにある某大学を訪問した際、ある一人の女の子に会いました。彼女はカリマンタン(ジャワ島の上にある島)出身で、現在は大学で日本語を学んでいます。この日は、9月に行われる日本語弁論大会に向けて、原稿の修正をしてもらうために学校に来ていました。そこで、少し話を聞いていると、彼女は高校時代独学で日本語を学んでいたというのです。

「地元には日本語の先生がいないから独学でするしかなかった。どうしても大学で日本語を学びたくて、ジャカルタの大学に出てきた。将来は日本へ留学し、日本で働きたい」

彼女は恥ずかしがりながら、きれいな日本語で答えてくれました。また、先日はバンドンにある某有名理系大学を訪問しました。ここは、インドネシアの大学の中でも三本の指に入る大学です。

そんな中、将来のインドネシアを担う精鋭たちが、なんと放課後を使って日本語を学んでいるのです。集まっているのは、すでに卒業が決まっている4年生。彼らは、将来、日本の企業で働きたいという夢を持っています。

理系ということもあり、日中は研究に追われ、午後4時過ぎから8時前まで日本語を学び、その後論文執筆というタイトなスケジュールの中でも日本語を学んでいる姿は純粋にカッコよかったです。

「大変ではないですか?楽しいですか?」という僕の質問には、「はい、日本語を学ぶのは楽しいですよ。早く日本語ができるようになって、日本で働きたいんです」と笑顔で答える彼らに、僕は圧倒されるだけでした。

「真剣に日本語を学びたい、何が何でも日本で学びたい・働きたい」そんな人を応援したい

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ダルマ・プルサダ大学日本語会話クラブの学生達

冒頭で話したように、インドネシアに来て約3ヶ月、本当に多くの日本語教育機関に足を運び、日本語教育の現状を掴んできました。

その中で、日本語を仕方なく学ぶ生徒ややる気のない先生も見てきました。しかし、一方で、日本語教育を変えたいと奮闘する先生やどんな環境や状況でも必死に日本語を学び、いつか日本で学んだり働いたりしたいと思っている人は少なからずいます。

こうした人を応援したい。3ヶ月目にしてようやく自分のやるべきことが見えてきました。

インドネシア生活も残り7ヶ月。まだまだ道のりは長いですが、1日1日を大切にしながら、彼らの応援をしていきたいと思います。

皆さん、引き続きご声援よろしくお願いいたします。

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電気がない?みんな裸足?首都ジャカルタから5時間で行ける、インドネシアの秘境「バドゥイ」に行ってみた。 https://eedu.jp/blog/2017/07/12/indonesia_homestay/ https://eedu.jp/blog/2017/07/12/indonesia_homestay/#respond Wed, 12 Jul 2017 04:16:35 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=44526 Selamat pagi 皆さん、おはようございます!e-Educationインドネシアプロジェクト担当の田中瑞幹です! 前回は僕がインドネシアで挑戦する理由についてご紹介しました。 第2回目の投稿となる今日は、現代文明 […]

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Selamat pagi 皆さん、おはようございます!e-Educationインドネシアプロジェクト担当の田中瑞幹です!

前回は僕がインドネシアで挑戦する理由についてご紹介しました。

第2回目の投稿となる今日は、現代文明を使わない人々の村であるバドゥイでのホームステイ体験についてご紹介します!

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バドゥイでのホームステイ

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バドゥイ族が作った竹製の橋

首都ジャカルタから電車で2時間、車で2時間、歩いて1時間の合計5時間かけた先にある場所がバドゥイです。ジャカルタ近郊にありながら、なんとこの村は「現代文明を使わない人々の村」と言われています。

出発前に与えられた情報は次の三つ。

  1. 電気がない
  2. 裸足で歩いている
  3. 太陽と共に起き、太陽と共に寝る生活

現代にそんな生活は可能なのでしょうか。可能だとしたらどういった思いで生活しているのでしょうか。半信半疑の気持ちでバドゥイを訪れ、一泊二日のホームステイをしてきました。

そもそもバドゥイって???

はじめに、簡単にバドゥイの情報を提供しましょう。

まず、バドゥイに住んでいる人は「バドゥイ族」と呼ばれています。インドネシア、ジャワ島西部に住んでいるプロト・マレー系の住民であり、もともとはスンダ族のパジャジャラン王国の人々だったとされています(16世紀にパジャジャラン王国は滅ぼされています)。

言語は、スンダ語の古形態をとどめています。そしてバドゥイには35の村が存在し、そのうち3つの村が中核村(外部の人間は入れません)、25の村が中間村、7つの村が外部村です。僕たち外国人が入れるのは外バドゥイ、すなわち7つの外部村になります。

Selamat datang di Baduy

お待たせしました!それでは、未知の村バドゥイへご案内しましょう。

5月某日の朝。ジャカルタの中心近くに位置するPalmerah駅を出発し、まずはRangkasbitung駅を目指します。電車で揺られること約2時間。なんとも途上国を感じさせる場所に到着です。

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Rangkasbitung駅前

ザ・屋台という場所で昼食を済ませ、車で出発。車は車でも、インドネシア中でよく見られるアンコットという乗り合いタクシー。横向きで座り、道とは言えないデコボコ道を進むため、車酔いが激しい人はご注意ください。ちなみに僕は車酔いで途中休憩をもらいました。秘境までの道は険しいとはまさにこのことですね。

パワーの源は豊かな自然

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バドゥイの大自然

そして、ついにバドゥイに到着!と言いたいとこなのですが、最後の難関。そう、山登りです。

気温32度の中、荷物を背負い、約1時間の山登りをします。しかし、安心してください。実は、内バドゥイから来た数名の青年たちが僕たちの山登りをサポートしてくれます。心優しい彼らは、荷物を持ってくれたり、会話相手になってくれたりしました。

都市部の騒音を忘れ、生い茂る自然と風情ある家々を眺めながら歩いていると、案外すぐに外バドゥイに到着です。

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大自然で育ったココナッツ

到着直後には、大自然で育ったココナッツジュースをいただきました。山登りで乾ききった喉を優しく潤してくれます。

あとはゆっくり自分の好きなように過ごすだけ。村を探検するもよし、川で泳ぐもよし、読書をするもよし、ぼーっとしながらウトウトするもよし。

バドゥイは、忙しい毎日を送っているあなたの心と体をリフレッシュしてくれます。

バドゥイでの食事

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手作りの夕ご飯

午後の自由時間のあとは夕食タイムです。電気を使わないため、各家庭にはかまどがあり、そこで料理を作っています。平成生まれの僕は、かまどがある生活は未経験。それでも昔の日本にタイムスリップしたかのような感覚になりました。

そして、何よりご飯が美味しい。かまどで炊いたご飯やIkan Asin(塩漬けされた魚)、自家製サンバル(インドネシア伝統の辛いソース)、スープ、それと数種類のおかずがふるまわれましたが、ペロリと完食。

その後は、再び自由時間です。日頃からの癖か、空き時間ができると、ついついスマートフォンを触ってしまうのですが、ここはバドゥイ。電波はなく、スマートフォンを触っても何もできません。改めて、スマートフォンがいかに自分の生活の一部になっていたかを気づかされました。

と、ここまでは、電気も見当たらない、裸足で歩いている、洗濯もシャワーも川の水を使っているなど、完全に現代文明を拒否している生活です。「これが昔の生活なんだな。本当に現代文明を使わずに生活している人がいるんだ」と思っていました。

ところが、夕食を終え、少しずつ暗くなってきた時に、衝撃の光景を目にしました。なんと、家には電気。あまりの衝撃に、早速、電気について訊ねてみたところ、「これは太陽光を使っている電気。バドゥイの村に直接電気を引いているわけじゃないからいいんだ」という答えが返ってきました。

「あれ?太陽光を使った電気こそ現代文明の賜物ではないか?」そう思ったのは僕だけでしょうか。そして、極め付けは、スマートフォン。ホストファザーは器用に画面をタッチしながら、作業をしている様子でした(ただし、僕たちのスマートフォンには電波が入ってこないのはなぜでしょうか)。

なんとも驚きの連続でしたが、夜になって話を聞いてみると徐々にバドゥイの実態が明らかになりました。

バドゥイにも現代文明の波が…

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バドゥイの青年たち

最初に説明したようにバドゥイは外国人が入れる地域(外バドゥイ)とそうでない地域(内バドゥイ)に分かれています。そして、内バドゥイは完全に現代文明から切り離された生活だとホストファザーは言っていました。

服装も伝統を守り、当然のことながら電気がない生活です。また、法律も独自のものを持っており、内バドゥイに関してはインドネシアの法律が適用されません。

さらには、病気にかかった場合には、長老(130歳を超えているらしい)による祈祷が行われます。薬は彼が煎じたものを飲むようです。まさに、現代とは懸け離れた生活だと思いませんか。外国人は絶対に入ることができない場所というのもどこかミステリアスさを感じさせます。

一方で、外バドゥイの場合、貨幣経済が急速に浸透し、ビジネスを行う人も多くなってきているとのこと。実際、村の中にも小さな売店や伝統的な織物を売る店があり、貨幣経済の浸透を感じさせます。中には、ジャカルタなどの都市部に頻繁に行く人もおり、現代文明の介入は余儀なくされそうです。改めて、現代文明の影響力の強さを痛感しました。

しかし、貨幣経済が浸透し、文明の利器を使っている人がいるとは言え、まだまだ日本人にとってはどこか懐かしい風景が残っている場所でもあります。茅葺の家が立ち並ぶ様子やかまどで夕食を準備する光景、豊かな自然はきっとあなたの心を癒してくれるはずです。

いかがでしたでしょうか?

今回の投稿はではンドネシアにある未知の村、バドゥイを紹介しました。

もしインドネシアに来る機会がありましたら、ぜひ一度足を運んでみてください!

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高校生の自分に負けないために。確かな覚悟を持って、インドネシアで自分の殻を破ってきます(同志社大学4年・田中瑞幹) https://eedu.jp/blog/2017/05/30/tanaka_origin/ https://eedu.jp/blog/2017/05/30/tanaka_origin/#respond Tue, 30 May 2017 03:46:14 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=43536 みなさん、初めまして、山口県出身、同志社大学政策学部4年の田中瑞幹です!現在は大学を休学をして、e-Educationのメンバーとして、インドネシアで活動しています! 第一回目投稿の今日は、僕がe-Educationに参 […]

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みなさん、初めまして、山口県出身、同志社大学政策学部4年の田中瑞幹です!現在は大学を休学をして、e-Educationのメンバーとして、インドネシアで活動しています!

第一回目投稿の今日は、僕がe-Educationに参加するに至った経緯をお話ししたいと思います。少し長い文章になるかもしれませんが、最後まで読んでいただけると幸いです。

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早速ですが、みなさん、今、“覚悟”を決めて心から頑張っていると思えることはありますか。誇りに思えることはありますか。先月、フィギュアスケート界の女王こと浅田真央選手が引退を表明しました。

幼い頃からフィギュアスケートに全力を注ぎ、現在に至るまで世界を舞台に活躍する選手でした。引退会見には報道陣が400人以上かけつけ、連日メディアに取り上げられました。「気持ちも体も気力も出し切った」と “覚悟”を決め、フィギュアスケートに人生を捧げてきた彼女の言葉は、多くの人を勇気づけたのではないでしょうか。

さて、話を戻して、私がe-Educationに参加した経緯をお話しします。

大学一年の終わりに知った世界観の狭さ

僕は、小学校1年生から高校3年生までの12年間、サッカーに没頭してきました。サッカーに恋していたと言っても過言ではありません。小学校では県選抜、中学校では中国地方選抜、そして高校では憧れの国体・インターハイ・冬の選手権の3大会に出場でき、満足のいく成果でした。

しかし、一方で、能力の限界を感じ、サッカーは高校でやめようと決断するきっかけにもなりました。そして、引退とともに直面した大学受験。受験本番まで4ヶ月という短期間で寝る間を惜しんで勉強し、合格を勝ち取った瞬間は、まさに感無量でした。

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第91回全国高校サッカー選手権大会開会式

こういった青春時代を過ごしてきたわけですが、大学に入るやいなや、アルバイト、遊び、時々授業という学生生活が待ち受けていました。サッカーサークルに入れば、「全国出場者」というくくりでチヤホヤされ、また、楽しいことが大好きという性格も高じて、ただひたすら遊ぶという生活に染まりました。

そんな一年生も終わりにさしかかった頃、“(サッカーの能力に限界を感じたという事実には蓋をして)過去の成果にしがみつき、それを誇りに思いつづけている自分”に嫌気がさしたのです。

「俺って成長してなくね?何も取り柄がなくね?」

そんなモヤモヤを感じていた時に、e-Educationの創設者である税所篤快さんの本に出会いました。「大学生が途上国で教育支援?世の中にはとんでもない大学生がいるんだ」と大学生が持つ可能性と行動力の偉大さを痛感しました。

「自分も何か大きいことをやりたい!でっかい男になりたい!」

そんな思いから、一人で被災地である東北でヒッチハイクをしたり、東南アジア・南アジアでバックパッカーをしたりしてきました。

旅をしても、晴れなかったモヤモヤ感

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インド、ガンジス川の早朝

「旅をすれば、何か変わる」

そう信じて長期休みの度に貯蓄したアルバイト代を使って、途上国と呼ばれる場所を訪れました。雑多な環境で、車のクラクションが鳴り響く、そんな空間で感じることは多く、いい経験になったのは事実です。

そして「夢を見つけて、頑張ろう、授業もまじめに受けるぞ!」と意気揚々と帰国し、新しい学期を迎えるのですが、その気持ちが続くのも一瞬。1ヶ月後にはもとどおりの生活に戻っていました。

覚悟の欠如

「なぜ何も変わらないのか?」

ちょうどインド・バングラディシュから帰国した二年生の春休みにそんなことを考えていました。答えは簡単でした。

“覚悟が足りないから”

旅をして意欲に満ちた状態で帰国しても、日本に帰って来れば、働き慣れたアルバイト先、居心地のいい住居、心の通った友人に囲まれ、心は満たされます。いつしか、旅先で感じた向上心を忘れ、せっかく記録した日記も読み返すことはありませんでした。

思い返してみると、「高校時代の方が充実してた」「自分が輝いていた」そんな過去の栄光を捨てきれずにいました。では、なんで高校時代にはそんな充実した日々を送れていたのか? この答えも簡単でした。“覚悟を決め、日々全力でサッカーと勉強だけに取り組んでいたから”です。

大学に入り、飲み会やアルバイトだけをしていても、単位さえ取れれば、卒業でき、就職活動の時期に気合を入れれば卒業後、社会人になれます。それは悪いことではないし、一つの選択肢としてはありだと思います。

ただ、問題なのは自分自身が「それで本当にいいのか?」と考え始めたこと。高校生活と大学生活のギャップに負い目を感じながら社会に出て、本当に社会に貢献できる人間になれるのだろうか。口ばっかり達者で何も成果を残していない自分の価値は何なのだろうか。そんな思いを持ちながら、大学3年生がスタートしました。

覚悟を決めさせてくれたカナダ留学

三年生の秋、僕はセメスター留学でカナダのウィニペグにいました。冬にはマイナス30度にもなる極寒地帯で英語を学びました。そこで、様々な国から様々な夢を持って留学している学生たちに出会いました。

ベネズエラ出身で将来は薬剤師を目指す18歳の女の子、アルバニア出身でエンジニアを目指す同い年の男の子、コートジボワール出身でファイナンスを学ぶ17歳の女の子。持っている夢は違うけど、皆向上心に溢れ、生き生きしていました。

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カナダの友人たち

そんな環境の中で、最初は英語が聞き取れず、出された宿題とは違うことをしたり、授業中、的外れな発言をしたりして笑われることが多くありました。それでも、必死に発言し、宿題やテスト勉強も人一倍頑張ることで、次第に先生や仲間が手助けをしてくれるようになりました。

最終的に成績上位でプログラムを終え、多くの仲間ができました。カナダでの生活はどこか高校時代の生活と似ており、辛い中にも充実感がありました。大学生活では味わっていない感情、旅では味わえなかった感情、まさに“自分が求めていた感情”でした。

大学生活の集大成、e-Educationでの挑戦

カナダ留学での経験を通じて、自分に少し自信を持てるようになり、e-Educationでチャレンジする“覚悟”を決めました。

この挑戦は、「教育を通じて地元山口県周南市に貢献する」という夢の一歩でもあります。「教育格差をなくす」「機会に恵まれない人が夢を追えるようにする」というテーマのもと、革新的なチャレンジを続けるe-Educationでさらなる飛躍をしたいと思います。

殻を破り、まだ見ぬ新たな自分の可能性に会えるように。
そして浅田選手のように自信を持ってやりきったと言えるように。
田中瑞幹21歳、インドネシアで奮闘してきます!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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