アジア最貧国と呼ばれたバングラデシュ。
首都ダッカから船で6時間の距離にあるハムチャー村を私たちが訪れたとき、
衝撃を受けた光景がありました。
街灯の明かりの下から聞こえるのは、念仏のような声。
ボロボロになった教科書を必死に音読する、アメリア(16歳)でした。
日中は働かなくてはならないため、勉強する時間は夜遅くになってから。
文房具や参考書を買うお金もありません。
アメリアのお父さんは「教育が最も大事だ」という信念のもと、
自分が入れなかった学校にアメリアを進学させたのですが、ガンを患っていました。
闘病生活もむなしく、手術の7日後に亡くなりました。
医療費もかさみ収入が途絶え、すべての財産を失った家族。
アメリアも高校を中退し、病気がちなお母さんを看病しながら、
家事使用人の仕事を始めました。
生まれが貧しいアメリアは雇い主にいじめられながらも、
朝6時から夜20時まで週6日働かざるを得ません。
「勉強したい」と泣きながら言うアメリア。
でも、教えてくれる先生もいません。
アメリアのように、勉強したくてもできない子どもが、
バングラデシュだけで数百万人もいます。
先生不足や経済的な事情など、子どもを取り巻く困難はさまざまで、
せっかく芽生えた夢も諦めてしまいます。
高校内容の学習を教えられる先生の数が少ない。待遇の悪い農村部を中心に4万人の先生が不足。
予備校に通わないと、難関大学には合格できない受験問題。都市部の予備校に通うには約15万円(農村地域の年収近く)が必要。
農村の若者は、小作人やリキシャの運転手など単純労働にしか就けずに、貧困の再生産が起こる。
数学や物理の教科書をやみくもに音読したって成績は上がらないことを、子どもたちも気づいていました。
ただ子どもたちには、ボロボロになった教科書をひたすら読むしか、選択肢がなかったのです。
こうして農村地域では、一般的な家庭の子どもの多くは、どんなに学ぶ意欲や能力が高くても、
勉強する機会を与えられないままになっているのです。
私たちe-Educationが活動を始めたのは、2010年のこと。
創業者の税所篤快が学生だった20歳の頃に、日本とはまったく異なる光景を目の当たりにしたのがきっかけでした。
「貧しい者は、勉強する資格さえない」
そんな現実に打ちのめされながらも、脳裏に浮かんだのが、日本の予備校で受けた「映像授業」でした。
ダッカ大学の学生に校門のそばで予備校情報を調査しました
国内最高のカリスマ教師、ザハン先生の協力を取り付けました
1ヶ月間にわたって、授業を撮影しました
ゼロからの挑戦でしたが、協力してくれる仲間や、応援してくれる方が一人ずつ増えていきました。
「このモデルは、バングラデシュの教育格差ピラミッドを壊せるかもしれない!」
「日本人が行動しているのに、僕らがなにもしないわけにはいかないじゃないか!」
「彼らの行動力が途上国にプラスの影響を生んできたのは事実」
はじめての教室は、ダッカ郊外の村、ハムチャー。
最高の授業を、無料で見られるようにしたのです。
通った高校生は、32名。水を得た魚のように勉強に打ち込みました。
しかし合格までの道のりは、決して順調ではありませんでした。
「やっぱり勉強をやめたい」
「貧乏人の僕らが、受かるわけがない」
「勉強してもムダと親に言われた」
あきらめかけた生徒もいました。そんな時に伝えたのは、不可能はないということ。
「この国では、貧乏人と田舎者にはダッカ大学には行けないって思われている。そんな常識を覆そう!」
「不可能はないって証明しよう」
「世界を驚かそう!」
その結果、初年度でダッカ大学合格者1名を含む、18名が大学に進学することができたのです。
この「事件」は、ダッカの新聞でも大きく取り上げられ、「ハムチャー村の奇跡」とたたえられました。
▶月1,000円から寄付を始めるバングラデシュで活動を始めて10年間。
さまざまな生徒たちが、映像教育によって可能性を切り開いてきました。
幼い頃に父を亡くしてから、弟や妹のために多くのことをあきらめてきました。あるとき父が私の大学進学を心から望んでいたことを聞き、父のためにも進学したいと心に決めました。e-Educationから学んだのは、勉強だけではありません。遠くの国から応援してくれているという「温かさ」に、勇気をもらいました。将来は、貧しい人たちのために働きたい。それが父の夢だったからです。ここまで支えてくれた家族や受験を応援してくれた人たちのためにも、大学で勉強を頑張ります!
この国には、ほんの少しのお金がないために、チャンスをつかめない人たちが数多くいます。僕はそういった人たちにお金と教育を提供することができる人、一流の銀行マンになりたいと思っています。僕はこの国を変える人になりたい。日本の皆さんからの応援のおかげで、僕たちは大学に合格できました。まだ日本の人たちに会ったことはないけど、すごく親切で心温かい人たちなんだろうなと想像しています。いつか会える日を信じて、これからも頑張ります。
高校生たちのチャレンジは、TwitterやFacebookを通じて日本にも伝わります。
「不可能はない」ということを身をもって証明した彼らの活躍は、
落ちこぼれが東大に合格したマンガ「ドラゴン桜」になぞらえて、人々に語られるようになりました。
1.その国の最高水準の授業が受けられる
2.誰でも無料で受講できる
3.理解度に合わせて、くり返し学べる
その可能性に興奮をおさえられなかった私たちは、フィリピンやネパールなど他の国でも、事業を行うことにしました。
自然災害や民族紛争によって、子ども達が学ぶ機会を奪われてしまわないように。
そして、差別されてきた少数民族や貧困層、女性なども平等に学ぶ機会を得られるように。
これまで延べ14カ国・30,000人以上の生徒に対して、映像教育を届けてきました。
私たちが目指すのは、「最高の授業」を世界の果てまで届けることです。
「私たちの地域の子どもたちも、助けてほしい」
そんな要請が相次ぐなかで、ネックとなるのは資金です。
バングラデシュでは2020年までの10年間で、250人を超える生徒の難関大学進学を実現してきました。
どうかあなたも、教育の力で世界を変える仲間になっていただけないでしょうか?
▶月1,000円から寄付を始めるこれまで寄付やクラウドファンディングなど、延べ2,000名以上の方々からご支援をいただいてきました。
2011年の東日本大震災で実家と家族が被災したことをきっかけに、ソーシャルな活動に関わりたいと思うようになりました。友人の紹介で参加したイベントで、代表の三輪さんや優秀で情熱のあるインターン生の方々と出会い、e-Educationを大好きになりました。何度もイベントに足を運ぶようになり、皆さんが本気で途上国の教育を変えようと奮闘する姿に胸を打たれ、サポーターとしての支援を決めました。彼らが途上国で得た経験を基に、日本の未来を背負って立つトップリーダーになることを確信しています!
きっかけは、本屋で税所君の本を手に取ったこと。それまでは途上国支援に関心がありながら、行動はできていませんでした。でも、自分にできることをしたい!そう考えサポーターに申し込みました。私は特別お金持ちではないですが、孫や趣味にだけ没頭するのでなく、世の中を良くすることにちょっと費やしてみたい。そう思う方と一緒に、支援の輪を広げていきたいです。そして、教育の大切さ、平和であることのありがたさを感じながら生きていきたいです。
世界に名だたる大企業から、事業提携のオファーを受けたこともありました。
ビジネスとしての有料での展開にチャレンジしたこともありました。
しかし、途上国の子どもたちにとって、本当にプラスにならない支援はしない。
そう心に決めて、断念したことも。
創業者と出会ったのは、彼が高校生の頃。考えずにすぐに行動するから冷や冷やするけど、彼の行動力が途上国にプラスの影響を生んできたのは事実です。これまで世界では、クレイジーな情熱が、イノベーションを生んできました。手弁当になるが、彼らの足りない分を、私たちの世代が補っていきたい。皆さんもサポートをよろしくお願いします。
アシル・アハメッド様 (九州大学大学院准教授)
飯吉透様 (京都大学高等教育研究開発推進センター長・教授)
板野博行様 (東進衛星予備校国語科講師、「古文単語ゴロゴ565」著者)
黒川清様 (政策研究大学院教授)
鈴木寛様 (文部科学大臣補佐官)
藤原和博様 (奈良市立一条高等学校校長)
ボランティアや大学生インタ—ン、社会人アドバイザーや寄付者の方々と力を合わせて、
日本発の挑戦が世界を変えるため、チャレンジしています。
毎月、活動国のタイムリーな状況や子どもたちのストーリーをお届けします。
適宜、現地の生徒や現地パートナー、私たちスタッフの声を動画でお届けします。
年に数回、活動成果が分かる報告書や手紙の送付、イベントをご案内します。
認定NPO法人e-Educationへの寄付は、寄付金控除の対象です。最大約40%の所得税控除と、東京都にお住いの方は住民税控除を合わせて最大約50%の控除が受けられます。
例:月1,000円(年12,000円)のマンスリーサポーターで1年間寄付をいただいた場合
・所得税:(12,000円-2,000円)×40%=4,000円
・住民税:(12,000円-2,000円)×10%=1,000円 (東京都にお住いの方のみ)
→計5,000円の控除が受けられ、実質ご負担いただく金額は7,000円です。
月ごとにご寄付いただくマンスリーサポーター制度をご用意しています。クレジットカード情報をご登録いただくだけで毎月自動的に支援にご参加いただけます。
バングラデシュの高校生に届ける映像授業の撮影や編集費など、e-Educationの活動全般に活用させていただきます。サポーターの方には活動内容を随時ご報告いたします。
はい、領収書を発行しております。当団体は認定NPO法人であるため、税制優遇の対象となります。皆さまからのご寄付は寄付金控除の対象となり、最大で寄付金の約50%の金額が確定申告により皆さまの元に還付されます。
はい、いつでも退会は可能です。金額の変更もいつでも可能です。お問い合わせinfo@eedu.jpからご連絡ください。
ここまでご覧になって、寄付を迷っている方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに私たちは、大きな歴史のあるNGOと比べると、事業開始からの年数も浅く、規模も小さいのは事実です。
ご支援者も、まだ多くはありません。
その分、お一人ひとりのご支援を大切に、最も効果的に活用させていただきます。
日本からモノを与えるだけの支援ではない。現地のローカルリーダーが自律的にプロジェクトを回す仕組みをつくっていきます。
これまで国際機関の支援や国全体の経済の発展から取り残されてしまっていた層、たとえば貧困地域や少数民族、女性にもITで効率的に支援を届けられます。
各国の事業では、e-Education職員に加えて、現地のローカルリーダーと日本からの大学生インタ—ンが活躍しています。ご寄付は、子ども達の学力向上だけでなく、途上国や日本の若者の成長にも役立ちます。
経済格差や差別によって、埋もれていた才能を引き出します。貧困層から難関大学への合格者を生み、国のリーダーを育てます。
はじめは「無理だ」「無茶だ」と言われ続けてきた事業アイデアが、今ではたくさんの共感や応援を得て、少しずつ形になってきました。「映像教育」という分かりやすさも武器にして、世界中に水平展開します。
テロや紛争など途上国をめぐる問題が伝えられる今だからこそ、日本人だからできる国際貢献は何でしょうか?国づくりの根幹は、人づくり。テロや紛争の背景となる、貧困や経済格差を最終的に解決するのは、教育です。日本からの支援によって育った彼らが、国を背負うリーダーへとなれば、親日的な関係の発展も期待できるでしょう。日本人が大切にしてきた「教育」によって、世界に貢献していきます。
どんな国の子どもも、勉強によってチャンスが得られる。
映像教育で、子どもたちの可能性を解き放ちたい。
不可能なんてない。それを仲間たちと一緒に証明したい。
P.S.
バングラデシュでe-Educationの授業を受けて見事に大学合格を勝ち取った生徒から、
日本の支援者の皆様にあてて感謝の手紙が届きました。
(手紙から一部抜粋)
「私の父は小さな会社に勤めるサラリーマンでした。
e-Educationとの出会いはそんな父がもうこれ以上、私の学費を賄えなくなり、
勉強を諦めるしかないと思った時に訪れました。
e-Educationは、私に勉強を続けられるという希望のメッセージを届け、
大学受験を支えてくれたのです。
私はe-Educationの皆さんを誇りに思います。
そしてこれからも私のような境遇の子ども達を支えてくれると信じています」
認定NPO法人e-Education
〒101-0031 東京都千代田区東神田1-2-8赤塚ビル2階
経営管理部 広報ファンドレイジング担当
e-mail info@eedu.jp
創業者 税所篤快
高校時代は偏差値が28で、数学の定期試験はなんと100点中2点。先生には、「おまえが大学に受かるわけがない」と言われました。転機は、衛星授業の予備校に通い始めたこと。一流の先生の授業をDVDでくり返し見ながら、基礎から一歩ずつ理解していく。猛勉強の末、早稲田大学に現役合格できたのです。バングラデシュで夢をあきらめかけた哀しそうな表情の子どもたちを見ながら、落ちこぼれだった僕を救ってくれた映像授業を思い出しました。そして私たちは、バングラデシュでDVDを使って授業を配信するため、挑戦を始めました。