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ジャングルの中に突如現れる、一枚の巨大岩。

スリランカの「シギリヤロック」は、自然が創り出した巨大な要塞です。

1500年前、王権を巡る一族の争いに生まれた岩の上の宮殿。絶景の裏に潜む物語をご紹介しましょう。

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世界遺産にまつわる一族の争いの物語

シギリヤロックはスリランカ中央の森の中にそびえたつ巨大な岩。楕円形をした、高さ200mを超える岩は遠くから見ても迫力満点です。

この地が栄えたのは1500年前でした。クーデターを起こし、父親から王権を奪取したカッサパ1世が、この岩の上に宮殿を造ったのです。

それからも続いた王権を巡る争いは続きます。カッサパ1世の弟モッガラーナが戦いを仕掛け、美しい宮殿は戦場と化してしまいました。

戦いの果てに勝利を勝ち取ったモッガラーナは、この地を仏僧修験の場として開放します。巨大な岩は、座禅瞑想にぴったりの場所だったでした。

しかし、その時問題となった崖面の絵画。崖面に描かれた美しい女性の絵500枚は、仏教修行の場に相応わしくないという理由で、そのほとんどが削られてしまいます。王の交代によって、美しい景観は少しずつ変化を繰り返しました。

繁栄と衰退を繰り返した一族の争いの物語の記録。スリランカの歴史は、美しい絶景に詰まっているのです。

(photo: The Hideout)

次回の絶景Q〜ここはどこでしょう?〜

この「絶景Q」のコーナーでは、毎回途上国の素敵な景色をクイズ形式で紹介していきます。

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第89問は、こちらの写真。恐ろしくも美しい炎と稲妻。この絶景は次の記事で紹介します。どうぞお楽しみに!

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