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現在、インターネットを使っているのは、世界人口の約3分の1に当たる27億人です。

以前に、気球を飛ばして新興国でのネット接続を増やすグーグルの新プロジェクト「Loon」が、世界の”残りの3分の2の人々”に等しくインターネット環境を提供する取り組みについて紹介しました。

そんな中、米フェイスブック社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、「インターネットへのアクセスが無い全世界中の50億人をネットに繋げること」を目標に掲げた、グローバル共同体「Internet.org」の立ち上げを発表しました。

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「つながることは、人間の権利か?」

ザッカーバーグ氏は、このタイトルでフェイスブック上のタイムラインに投稿しました。。

そこには彼が考える、フェイスブックの「世界中をつなげる」役割に関する、スケール大きな目標について書かれていました。

この10年間、当社では「世界中の人々を結びつけること」をミッションにして活動してきました。今日では、毎月10億人以上の人々を繋げています。しかし、「50億人の人を繋げる」という次のステップについて考え始めると、私たちは大切なことに気付いたのです。それは、世界中では、ほとんどの人がインターネットにアクセスすらできていないという事実です。

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世界大手企業を巻き込んだ「Internet.org」

「Internet.org」は、SNS業界最大手の米フェイスブック社を中心とし、韓国サムスン電子や通信機器大手のエリクソン、ノキアなど世界の有力IT企業6社が共同で設立しました。

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Googleの「Loon」プロジェクトでは、気球を飛ばし、世界中のインターネット利用の拡大を目指しています。一方、ザッカーバーグが指揮を執る「Internet.org」では、上記の目的で集まったパートナーが、既存のツールとリソースを駆使し、残りの50億人をつなげようと取り組みます。

「Internet.org」が行う、3分野での取り組み

ザッカーバーグが「ラフプラン」と称した、3つの分野での取り組みをご紹介します。

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1. コスト削減

誰もインターネットか食料か薬か、などと言った選択を迫られるべきではありません。

「Internet.org」パートナー社は、現在より安価なスマートフォンとインターネットアクセス地域拡大の両方を共同で開発予定です。新団体は、5~10年以内に、無線ネット接続サービスのコストを現在の100分の1まで減らすことを目指すとのこと。

2. データ利用の効率化

たった一行のテキストメッセージ(SMS)で簡単なウェブページを開くのにも、データ通信をする上では、帯域幅(周波数帯域)が必要とされ、これが世界中で不足しています。

パートナーはここでも、データ圧縮の技術とデータネットワークの効率化のツールとソフトウェア開発のために投資します。

3. 新たなビジネスモデルの構築

何億もの人をインターネットでつなげるのには、とてつもなく大きな世界的努力と継続的なイノベーションが必要とされます。

開発者、通信事業者や携帯端末メーカーが一緒になり、安価で人々にインターネットを利用してもらうためのビジネスモデルを模索しています。さらに、パートナー企業たちは、もっと多くの言語をサポートできる携帯電話を開発し、「言語の壁」を壊していくことも見据えています。

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インターネットが持つ可能性は無限大

今回のプロジェクトは、利他主義とグローバルコミュニティ形成のため立ち上げられました。しかし、最終的に全ての携帯電話会社のビジネスポテンシャルを向上させることにも繋がるでしょう。

もっと多くの人がオンラインになることで、携帯ビジネスに参入している全ての人のためになります。フェイスブックはもちろん、このプロジェクトのデバイス製造会社、そしてキャリア、アプリ開発者、ネット通販サイト、広告主、自らの音楽を携帯で配信するアーティストでさえも含まれることでしょう。

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さらに、マッキンゼーのリサーチによると、インターネットは先進国の21%もの経済成長率をまかなっており、過去5年間でたった1つの仕事が失われ、それと同時に2.6の新しい雇用がインターネットによって創出されたそうです。

フェイスブックを筆頭に、アクセス向上を目指す

ザッカーバーグ氏によるとフェイスブック社は、ネットアクセス向上イニシアチブに既に10億ドルをこの数年で投資したそうです。2011年にスタートした「Facebookゼロプログラム」では、フィーチャーフォン(ガラケー)からのフェイスブックアクセスを無料化しました。

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「Internet.org」が、ただ単にフェイスブック社が自社のアプリを宣伝したいためだけに立ち上げたと言う人もいるかもしれません。しかし、フェイスブック社が「世界中の人々を結びつける」というミッションのために日々努力していることは事実です。

リーダー、ザッカーバーグ氏の使命

近いうちに全ての携帯電話がスマートフォンになるかもしれない、けれど、世界の大多数の人々はいまだにネットにアクセスできない。そして全世界中の人がインターネットにアクセスできるようになるなんてことは保障されていない。しかし、つながること(connectivity)は、人間の権利だと信じている。

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目指す形は、世界をつなぐ「共同体」

今回のプレスリリースの最後には、こう書かれています。

世界をつなげることは、僕たちの生涯最も大切なミッションとなると思う。そしてあなた達のような素晴らしいチームと毎日仕事ができることに感謝しているよ。

Googleは巨大気球や、無料GmailサービスをSMSで配信するなど、これまでインターネットアクセス向上のパイオニアとして働いてきました。Twitterも、多くのグローバル通信会社と共同で誰でも無料でツイートできるようにしました。

一方で、Facebook社が始めた「Internet.org」は、共同体という形をとり、世界全体にネットを普及させ、つながることに重点を置いていることが伺えます。

世界ではいだに50億もの人がネットのない生活を送っています。これからもザッカーバーグ氏のアクション、そして「Internet.org」の今後にも目が離せません。

[Internet.org]


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