パケットCと

こんにちは、e-Educationインドネシア担当の大石慎治です!

現在インドネシアのストリートチルドレンの子どもたちの学校で大学受験用の映像授業を届けています。前回は僕がインドネシアでぶつかった最初の壁についてお伝えしました。

今週は、授業実施の条件のカリキュラム作成の様子についてお伝えします。すぐ終わるように思えたカリキュラム作成。どうして上手く進まなかったのでしょうか?

それでは、今週もよろしくお願いします!

順調なスタート

猫合宿こうほち

まず高校三年生の担任にカリキュラムを作成するように言われたことを、World EducationというイギリスのNGOから派遣されマスターの支援をしているアイさんに伝えました。

そうするとアイさん曰く、ボランティアのひとりのシャムスルさんという方が3年生のカリキュラムを作成中とのことです。だからシャムスルさんと協力をして作成するように言われました。

シャムスルさんに連絡を取ってみると、既に作成し終わった暫定版カリキュラムを送ってくれました。その内容は…ほぼ空白でした。

このカリキュラムは受験生のスケジュールとなるものです。それなのに1日の授業数は1時間だけです。これでは足りるわけがありません。パートナーのリアン、アイさんとシャムスルと相談し、僕とリアンでカリキュラムを作成し直しそれをシャムスルさんに提出することになりました。シャムスルさんのカリキュラムのおかげで学校の日程等が把握できたので、あとは映像授業を当てはめるだけです。

「これはすぐ終わるな。来週から授業ができるぞ!」

そう思った僕はやっぱり途上国初心者でした。

日本なら一週間で終わる

リアンと腹比べ

待ってる間はこんな感じで遊んでました

早速リアンと話し合いを始めました。この時点で4月序盤。6月の入試まで時間は限られています。入試科目、生徒たちは今まで満足な勉強ができていない、パソコン室の使用時間、様々な条件を考慮しなければなりません。またハンデがあるということ、逆転するということは妥協が許されないということです。

「ここでミスをしたら生徒たちは受からない」

自分たちにプレッシャーをかけながらリアンと2人で作成を続けました。まずリアンと自分それぞれで理想のカリキュラムを作成し、議論を交わしながらそれを重ねていきました。そしてついに完成です。あとはシャムスルさんとミーティングをして合意を得るだけです。ミーティングの設定もできました。

「来週から授業ができるぞ!」

前任の綜志さんが作ってくれたビデオの活躍の日が来ると思うと、ワクワクしました。

そしてミーティングの日。

いくら待ってもシャムスルさんは表れません。

これが途上国らしさ

ミーティングはいわゆるドタキャンされてしまいました。ドタキャンは日本でもたまにはあることなので、いちいち気にしてはいられません。

さっそく次のミーティングの約束を数日後にします。今度こそしっかりと許可をもらうために、リアンと僕は打ち合わせを重ねます。時間ができたことは案を詰める時間が増えたのだ、そう思考を転換し、準備を進めました。

「全てをプラスにとらえる」

これは途上国で活動する上で大切なことのひとつです。

そしてシャムスルさんとのミーティングの日がやってきます。約束はマスターに夜の7時です。しかしシャムスルさんは来ません。またもやミーティングはキャンセルされました。

「これが先輩方も苦しんだ、途上国らしさか…」

一刻も早く授業を届けたい

雨の中小さい子とパシャ莉

夜遅くまで待ちながらかわいい子どもたちとパシャリ

さすがに落ち込みそうになりました。

しかし、既に何度も書いていますが、生徒たちには時間がありません。1ヶ月はおろか、1週間が惜しいのです。僕たちのカリキュラムができなくて、影響を受けるのは生徒たちです。僕たちには授業を待っている生徒たちがいるのです。

「全てをプラスに」

授業が始まってからカリキュラムの穴に気がつく、ミーティングが長引きなかなか決まらない、そういうことが起こらないだけの準備ができるのだと思考を転換し、さらにリアンと打ち合わせを重ねました。相手がどんな質問をするのか予想してその回答まで用意していきました。そうして、10分あれば、シャムスルさんが来てくれさえすれば、許可をもらえるような準備ができました。

そして再び迎えたミーティングの日。
約束の時間を過ぎてもシャムスルさんは来ません。リアンと僕は待ちます。1時間程待ったとき、

「遅れてしまってごめん」

シャムスルさんが来ました!やっと念願のミーティングの開始です。僕たちは練りに練ったカリキュラムの説明を始めます。僕とリアンが妥協せず話しあったカリキュラムに、シャムスルさんはすぐに納得してくれました。特に直す必要はなく、そのまま授業を開始していいと言っていただけました。

「これで授業ができる!!」

嬉しい瞬間でした。ついにマスターの子ども達に授業を届けられるのです。自分だけでなく、綜志さんの念願でもあるのです。

これで授業を開始する準備は整った、はずでした。

次回もどうぞお楽しみに!


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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