グーグルからも表彰!! 「入浴が面倒くさい」から生まれた水なしお風呂「ドライバス」

みなさんは、「お風呂に入りたくてお湯を入れたりして、いざ入るとなると面倒くさい」と思った事はありますか？

先進国に住む僕はもちろんあります。そして意外にも、遠い南アフリカでも同じようなことを思っている人がいます。

今回は、TED（Ideas worth spreading: 広める価値のあるアイデア）というウェブ上で様々な分野の人物のプレゼンテーションを無料で配信するサイトから、ある1人の青年が上記の体験から生み出した画期的プロダクト、水入らずのお風呂『ドライバス』をご紹介します。

TEDとは？

TEDの魅力を3行でまとめると、

1. 世界最先端で活躍するリーダー＆スペシャリストたちの
2. 磨きに磨かれた最高のプレゼンテーション（英語：3～20分）を
3. 全部無料＆日本語字幕付きで楽しむことができるサービス
です。

photo credit: Steve Slater (Wildlife Encounters) via photopin cc

世界の水道事情

今日では、上下水道を利用できない人はアフリカに4億5000万人もいて、その内500万人は南アフリカにいます。そしてここから様々な病気が蔓延し、中でも最も被害の大きいトラコーマと呼ばれる感染症により、毎年800万人が永久失明になっています。

このトラコーマの予防策は洗顔以外に何もなく、飲み薬もワクチンもありません。

ドライバス開発者のルドウィク・マリシェーン氏

「これは自分のためにやるんじゃない、入浴が嫌いなのは事実だけど世界を救うためにやらなきゃ」

南アフリカ出身のルドウィク・マリシェーンは、この「入浴が面倒くさい」とふと思ったことから世界を救うために4年間かけて、水いらずのお風呂、「ドライバス」を開発しました。

ドライバスとは？

一言で言えば、ドライバスとは入浴の代替となる、世界初のローションです。文字通り、これを皮膚に塗れば入浴しなくていいというもの。

このように、まるでマクドナルドのケチャップのように半分にパキッと折って、ギュッと押せば出てきます。ドライバスは３つの革新的な利点があります。

1. 一回入浴をしないことで８０リットルの貴重な水を節約できる
2. 田舎に住む子供たちにとって、一日２時間の節約ができます。それは学校の時間にもなり、宿題をする時間にもなります。
3. そしてドライバスで洗顔することで、恐怖の感染症トラコーマを予防することが可能です。

世界の水不足、感染症を無くす！

世界規模で影響を与える事が可能であり、ドライバスは裕福な人の便利グッズであり、貧しい人の救命具になります。

昨年、ドライバス開発者のルドウィクはグーグルから世界一聡明な若者の1人に選ばれました。ただ、面白いことに、彼もこんな事を成し遂げられた発端は「自分は入浴が面倒だった」という理由だったことに困惑しているようです。

明日の未来、途上国では「お風呂」という言葉が消えている可能性もあるかもしれません。

[TED.com]