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こんにちは!インドネシアの坂井健です。現在マレーシアにて移民で満足な教育が受けれていない、国境地帯の子どもたちに教育コンテンツを提供するため日々奮闘しています。

前回の記事では、勉強しないクラスのために小テストを導入し、その小テストでクラスに火がつき始めた事を書きました。今回はテスト導入後、生徒たちにどのような変化が起きたかを綴りたいと思います。

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小テストで火がつく生徒たち

最初の小テストが終わり、負けず嫌いの女の子が「明日は私が1位になる!」と宣言して以来、クラスの生徒たちの目つきが変わりました。

「これは良い流れになるのではないか」と思った僕の勘は見事に的中。次の日から、多くの生徒が勉強してきているようでした。

小テストの前に「belajar bahasa Inglish?(英語の勉強してきたかなー?)」と聞くと、「ya—!(はーい)」との反応。小テストの結果は上々で、みんな勉強しているのがわかる結果となりました。僕もこの結果にはうなずくことができ、ひとまず一安心しました。

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家庭訪問を実施、クラスのアイドルLisaの家へ

この頃、何人か生徒を選んで家庭訪問を行っていました。最初の家はLisaという子の家。整った容姿を持っている彼女は、クラスのアイドルで成績も優秀でした。彼女の家に行くとお母さんがいて、早速お話しを伺うことに。

まずは、簡単に自己紹介。すると、お母さんは「あなたが『たける』ね!Lisaがよく家であなたの事を話してるわよ。」と言ってくれ、温かく迎え入れてくれました。

「Lisaは家で勉強していますか?」とお母さんに聞くと、「私はLisaに英語の勉強をして欲しくて、昔辞書を買ってあげたんだけど、あの子全く使っていなかったの。でもこのDVD授業が始まってから辞書を使うようになったのよ。どうもありがとう!」との言葉が。

これを聞いたときとても嬉しかったです。今まで勉強をしていなかった子が、授業を通して英語が好きになってくれる。ここに来て良かったと思えた瞬間でした。

他の子たちも多くが勉強を家でしていることがわかり、少しづつですが生徒たちも勉強するようになったのでした。

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小テストがビリで、勉強が嫌いになる子も

小テストを導入したことによって、みんな勉強し始めた傍ら、どうしても成績で伸び悩んでいる子が出てしまいました。「毎回小テストがビリで、勉強が嫌いになっちゃった。」と彼女は言います。

アイドルのLisaが光のスポットを浴びている一方で、その彼女はテスト導入の闇の部分が出てしまいました。小テストも良い効果が出る一方で、こういった悪い側面が出ることもあるのだと実感しました。

僕らはこの子がどうやったら勉強してくれるか対策を練ることに。地味な対策だったのですが、最終的にこの子は勉強するようになり、最後の小テストでクラス1位を取ってしまいました。

僕らがそこで取った対策とは?次回お伝えしたいと思います。

寄り道〜日本にはない小学校卒業試験〜

ここでは時間軸だけではお伝えすることのできない現地の魅力をお伝えできればと思います。僕が家庭訪問を始めるちょうど1週間前、僕の教えている学校では6年生を対象に「小学校卒業試験」がありました。

この試験の試験科目は、インドネシア語・英語・算数・社会・理科・パンチャシラ。パンチャシラとは、インドネシアの建国理念を覚える科目で、愛国心や民族意識を持たせるための道徳的な役割をしています。

卒業試験の中でも難しいのが算数で、例えば日本では中学3年生で習うルート、平方根なども試験範囲となっています。生徒たちは、この試験の1週間前は土日も特別授業などで勉強し、試験に備えていました。

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補修を受けている様子

結果、全員合格とはなりませんでしたが、ほとんどの生徒が合格で先生たちも大喜びでした。日本にはない小学校卒業試験。インドネシアではこのような試験もあることを知っていただければと思います。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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