姜 通 | トジョウエンジン https://eedu.jp/blog 途上国のイメージを豊かにするノンストップ・デイリーマガジン Mon, 07 Jul 2014 20:01:55 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.6.15 アフリカ発展の最前線はここにある! 革新的なアフリカ関連ベンチャー10社 https://eedu.jp/blog/2014/07/08/the-top-10-most-innovative-companies-in-africa/ https://eedu.jp/blog/2014/07/08/the-top-10-most-innovative-companies-in-africa/#respond Mon, 07 Jul 2014 22:30:54 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=31683 Photo: Wikipedia 2014年4月、海外メディア「Fast Company」が「最も革新的な10つのアフリカベンチャー企業」を選出しました。 アフリカならではの課題をアフリカならではの方法で解決しようとする […]

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Photo: Wikipedia

2014年4月、海外メディア「Fast Company」が「最も革新的な10つのアフリカベンチャー企業」を選出しました。

アフリカならではの課題をアフリカならではの方法で解決しようとする10社は、一体どんなモデルで、どんな価値をアフリカの人に提供しているのでしょうか。すべて紹介したいと思います。

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1. IHUB:ケニア発・大学連携型のインキュベーター

IHUBはケニアの技術起業の活発化を目指し、3つの取り組みを行っています。起業家のオフィススペース、投資家が集まる場、そしてベンチャー企業で働きたい人のジョブフェアです。

起業したい人に向けて、IHUBのメンバー制度には3段階あります。最初のWhite memberはIHUBにアクセスする権限だけを持ち、アイデアに賛同するパートナーが見つかったら、オフィススペースが利用できるGreen memberになり、さらに製品/技術のプロトタイプを作ると、スペース・起業コンサルティング等、多様なサービスを利用できるRed memberになります。

創設以来の3年間で、すでに1万人以上のメンバーが利用しているとのこと。ここで、150社のスタートアップが誕生しました。その中の多数は、アフリカならではの課題を取り組んでいます。IHUBは、ケニアの起業家・技術者の重要なコミュニティになっています。

2. SANERGY:トイレの提供で、収入増加・衛生改善・肥料供給の課題を解決

先進国では想像しにくいですが、アフリカではトイレの不足で、衛生の問題は深刻です。それに着眼したSANERGYは、「The SANERGY MODEL」を設計しました。

  • スラムに安価で質が良いトイレを設置し、ローカルの管理人を募ります。
  • 管理人はトイレの有料利用で収益を儲けながら、スラムの衛生条件の改善にも貢献しています。
  • 一方、SANERGYはトイレのふん便を回収して肥料に加工し、農民に低価格で提供します。

この素晴らしいモデルを通じて、管理人・コミュニティー・農民のwin-win-winの成果を収めています。これまで、415軒のトイレは設置済みで、490人の住民に仕事の機会を与えて、毎日17,000人以上の利用者はきれいなトイレを使っています。

3. ONE ACRE FUND:農民に生産材料と技術研修を提供

生産性低下による収入低下は、アフリカの農民の厳しい生活の原因になっています。必要な材料(特に種と肥料)と農業技術を持っていない小規模農業の従業者は、貧しい生活を送って続いています。

こんな状況から脱出するために、文字通りの「seed money」と農業技術の研修を提供するのは必要です。更に、交通インフラは整備できていないため、市場へのアクセスも問題になっています。

これらの課題を解決し、農業の生産性向上を実現する為に、ONE ACRE FUNDは以下のことを行っています。

  • 種・肥料を買う少額ローン
  • 農民が買った種・肥料のデリバリ
  • 農業生産技術の研修
  • 農産物の購買

この4つのサービスを一括提供し、東アフリカの8万人の農民の状況を改善しました。

4. ROCKET INTERNET:新興国のベンチャーキャピタルファンド

ROCKET INTERNETの本拠地はドイツのベルリンですが、アフリカを始めとする新興国のベンチャー案件に多数参入しました。

多くの案件は、先進国と同じビジネスモデルをアフリカでも展開できるというパターンですが、そこに先進国の経験を活かす可能性が有ります。最近、ROCKET INTERNETがIPOするニュースも出てきています。

5. KONGA:アフリカのEコマースサイト

アフリカでEコマースを立ち上げるには、たくさんのハードルを考えられます。たとえば、リテラシーが低い客層、安全な支払い手段、信頼できる物流網などといったことです。

そのたくさんの課題がある中、KONGAは比較的に順調に成長してきた成功例の一つ。最近もVCの注目を集めて、Series Bの融資を遂げました。

Rocket Internetの投資を受けたJamiaと、ナイジェリアでeコマースの2強になりました。KONGAのオペレーションについてのさらに具体的な分析を楽しみにしています。

6. STERIO.ME:SMSとフリーコールで教育コンテンツを提供

収益を獲得する手法がまだ不明ですが、Sterio.Meはアフリカの現状に応じた教育コンテンツを提供するモデルを作りました。

各電器メーカーは、スマホ・タブレットの低コスト化を努めていますが、スマートデバイスと比べると、フィーチャーフォンのコスト優位性はやはり大きいです。

このような現状を踏まえて、Sterio.MeはSMSとフリーコールの組合せに基づいたモデルを開発しました。Sterio.Meのプラットフォームでは、先生たちは学生に送りたい音声コンテンツを録音し、質問を設計できます。

そして、プラットフォームから、SMSを学生に送ります。SMSに返信すると、先生が録音したコンテンツをフリーコールで聴くことが可能に。質問もSMSの返信を通じて回答することができます。

先生が作成した現地言語のコンテンツを、比較的に低いコストで遠隔送信。これでは、学校を通えない学生も勉強のチャンスを得られます。現在、ナイジェリアの75軒の学校でパイロットプロジェクトは実施中ですが、今後の事業拡大を期待しています。

7. UPENERGY:ウガンダの良い台所を作る

ウガンダの人々の台所に実は大きなチャンスがあります。燃焼効率が良いレンジを利用するだけで、50%の調理時間・燃料と炭素の排出量を削減することが可能です。そして、不十分な燃焼で生まれた有毒なガスも防げます。

炭素の排出量を削減すると、ウガンダにより多くの「炭素クレジット」を与えて、先進国でレンジを生産する企業に売ると、炭素クレジットが入手しやすくなるため、レンジを生産するコストも安くなります。

このような「炭素の好循環」を見つけたUPENERGYには、もう一つの強みはマーケティングとセールスです。

UPENERGYは地元の小売業者と提携し、特徴が目立つポスター等の販売ツールをパートナーに配ります。2011年10月からの2年間、30のパートナーができ、2.2万のレンジを販売しました。今後、水のフィルター・ソーラーライト等にも横展開する予定です。

8. DAPTIO:最先端の適応学習サービスをアフリカに

適応学習は2012年から、オンライン教育業界のホットトピックになっていましたが、大規模の成功例はまだできていないようです(こちらのレポートに参考してください)。

このような斬新なアイディアの実現は、一般的な考え方だと、先進国でまず成功例を作ってから、「安い」「シンプルな」バージョンを新興国に「輸出」するパターンでしょう。

しかし、逆に考えると、新興国では、伝統的なF2F教育は未発達で、質が高い教育に対するニーズが高いからこそ、ゼロから高度なオンライン教育を受け入れるインセンティブが高いでしょう。

南アフリカで、適応学習サービスの普及を目指すDAPTIOはこのような「逆輸出」の一例となるポテンシャルがあります。

9. PREPCLASS:受験勉強のプロ

日本で盛んでいる受験勉強。国内外のいろいろな試験に向けて、専門家から指導を受けることは珍しくありません。標準化試験は効果的な選抜手段でありつつ、受験指導へのアクセスがない人にとって、不公平な試合になりかねないのです。

それを解決する為に、PREPCLASSはオンライン+オフラインの試験勉強サービスを提供します。PREPCLASS一つの特徴は、「distribution center」です。

distribution centerは、ナイジェリア各地のネットカフェー・中学校・塾で、学生はPREPCLASSのアカウントを買い、そちらのパソコンでサービスを利用できます。

800ナイジェリアナイラ(約500円、ナイジェリア人の平均年収の約1%)で無制限の時間を利用するというプライシングも、地元にとって合理的でしょう。

10. AWEZA:言葉の壁を超えるクラウドソーシング

南アフリカには、11種類の公用語があります。様々な言語を使う人々が同じところに住むのは、アフリカでは典型的な状況。こんな言語の壁を超えることは決して簡単ではありませんが、クラウドソーシングという手段を活かしてチャンレンジするAwezaがあります。

誰のスマホからでも、一つの言語の言葉の意味を別の言語での解釈を追加することが可能です。言葉の発音を録音する機能もあります。このプロジェクト自身は、ビジネスに成っていないが、言語の壁を壊す巨大のデータベースを作っています。

アフリカ言語のリアルタイムの通翻訳、文字/音声認識等の高度なサービスは生まれる日は決して遠くではないと思います。

難題にチャンレンジするアフリカベンチャー

一見先進国に住んでいる人々と無関係ですが、実は人間として本質的なニーズに、如何により革新的な手段で応えるか、という難題にチャンレンジしているアフリカベンチャーたち。これらの革新的なアフリカベンチャーを見ると、わくわくしませんか?

[Fastcompany]

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途上国のヘルスケア向上を! スマホを健康診断端末に変えるアプリ「Colorimetrix」 https://eedu.jp/blog/2014/04/01/health-app-colorimetrix/ https://eedu.jp/blog/2014/04/01/health-app-colorimetrix/#respond Mon, 31 Mar 2014 23:00:15 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=27026 途上国のヘルスケア水準の向上という課題は、言うまでもなく巨大で難解です。いったん基本に戻って考えてみると、「診断」と「対応・治療」の二つの課題と分けられます。 「対応・治療」は、実際に患者にトリートメントを与える必要があ […]

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途上国のヘルスケア水準の向上という課題は、言うまでもなく巨大で難解です。いったん基本に戻って考えてみると、「診断」と「対応・治療」の二つの課題と分けられます。

「対応・治療」は、実際に患者にトリートメントを与える必要があり、薬物・機械・専門家は絶対不可欠です。一方、「診断」は、異常を判断するときに、患者の情報がわかれば、客観的な基準と比較するだけで、ある程度状況が判明できると思います。

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シンプルな初期診断のツールとして機能

今回紹介する「Colorimetrix」というアプリは、試験紙のデータを解釈して、医学の専門家に送信する機能を実現しました。原理は誰でもわかるほど、極めてシンプルです。

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  1. スマホで試験紙の写真を撮る
  2. アプリが画像の中で、試験紙の色に関する情報を読み取る
  3. 色の情報を判断基準と比べて、健康状況の異常がないかを判断
  4. 判断の結果を表示・転送することも可能

とはいえ、既存の試験紙の使い方と比べて、優れるところは多数存在しています。

  • 医学知識を持つ専門家が不要で、いつでもどこでも診断できる
  • スピードが速い:数秒で結果がわかる
  • 主観的な部分を一切取り除く(一定のアルゴリズムで情報を解釈するため、主観の感覚で生じる誤差を排除)

つまり、医者を代替するまではできませんが、初期診断のツールとしてとても有力な武器になるのです。

途上国の患者の大多数は、医療の資源にアクセスしにくい状況の中で、このアプリと試験紙で、診断の課題の解決に大きく寄与することでしょう。

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多くの人にアプリを利用してもらい、試験紙で収益化

一方で、ビジネスモデルの面でも非常に有望なアイデアだと思います。

まず、試験紙という継続的な消耗品は、単価が低く、リピートに使われる商品なので、「Razor & Blade」ビジネスモデルの典型的な例になります(詳しくはこちら)。

多くの人に、無料アプリを使ってもらい、試験紙で収益化することは可能だと思います。

そして、初期診断の次として、病気にかかる可能性が高い患者は必ず追加の医療支出が発生するのです。医者、病院への誘導効果も収益につながる種になります。

さらに、蓄積したナレッジにも大きなビジネス機会が秘めているのです。

診断の例が多ければ多いほど、精度を上げていくので、結果的に巨大な診断データベースになりえます。データベースを基づいて、薬物開発・医学研究等の用途がたくさんあり、商用化の価値が間違いなく高いです。

先進国からの先端技術で途上国の基本的な課題を解決して、そして途上国から先進国にフィードバックするというモデルは最も理想的な「リバースイノベーション」。

わかりやすさと可能性の大きさを兼ね備える「Colorimetrix」はまさに人の心を動かすグッドアイデアです。

[Fastcompany]

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世界の子どもに関するユニセフの調査「MICS」を知っていますか? https://eedu.jp/blog/2014/03/08/unicef-mics-data/ https://eedu.jp/blog/2014/03/08/unicef-mics-data/#respond Fri, 07 Mar 2014 23:00:43 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=25781 みなさんはユニセフの「MICS」という調査をご存知ですか? MICS(Multiple Indicator Cluster Survey)は、世界の子供たちの生活実態をわかるために行われた調査です。1995年に発足以来、 […]

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みなさんはユニセフの「MICS」という調査をご存知ですか?

MICS(Multiple Indicator Cluster Survey)は、世界の子供たちの生活実態をわかるために行われた調査です。1995年に発足以来、合計5回実施されました。

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調査の項目も、当初の15項目から51項目まで拡大しており、世界の子どもの生活にまつわる側面が分かる重要な情報になります。

2014年の統計データは、「THE STATE OF THE WORLD’S CHILDREN 2014 IN NUMBERS」という名前で公開されています。

さらに、データをエクスポートするための専用ウェブサイトも無料で利用可能です。このデータ集を活用すれば、子どもに関して数え切れない課題が発見できます。

ウェブサイトで挙げられた教育関連の例を申し上げますと、

  • アフリカのチャドで、100人の男性の子どもが中学校に入学するに対して、わずか44人の女性の子どもが入学できる(In Chad, only 44 girls gain entry to secondary school for every 100 boys)
  • サブサハラで、最も貧乏な子どもは、もっとも豊かな子どもより、小学校に行かない確率は4.5倍高い(Poorest children in sub-Saharan Africa are x4.5 more likely than richest to not go to primary school)

子どもの課題を解決したい方々は、「how(どのように取り組むのか)」に集中する前に、まずこのデータに参考し、「what(課題の実態)」を把握しましょう。

[UNICEF]

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無駄に捨てられる食べ物をゼロにするソーシャルビジネス「Zero Percent」 https://eedu.jp/blog/2014/02/17/zero-percent/ https://eedu.jp/blog/2014/02/17/zero-percent/#respond Sun, 16 Feb 2014 23:00:49 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=24598 池袋で西武デパートの地下一階を通ると、頭の中にいつもこんな質問が浮かんできます。こんなにたくさんのケータリングの店に、売れなかった食べ物は結局どうしたのか? もちろん、店の人も一生懸命その無駄が減るように毎日の販売量によ […]

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Zero-Percent

池袋で西武デパートの地下一階を通ると、頭の中にいつもこんな質問が浮かんできます。こんなにたくさんのケータリングの店に、売れなかった食べ物は結局どうしたのか?

もちろん、店の人も一生懸命その無駄が減るように毎日の販売量により生産量を調整していると思いますが、閉店時間に近づくと、食べ物の値段はとても安くなり、たまには1割、2割になる時もあります。

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従来マージンが比較的に高い外食業界でも、市場の全体が縮小している今、「無駄なコスト」を削減するという課題の重要性は段々上がってきました。

一方、東京みたいな生活費レベルが非常に高い都市で、高額の食費を負担できない低収入者が何千人も存在しているでしょう。仕方がなく無駄になった食べ物。豊かな食生活ができない低収入者。こんな状況の中に、改善の余地は必ずあると思います。

売れ残った食べ物をチャリティー団体に配る

今回ご紹介するソーシャルビジネスは、この不平等を取り組む米・シカゴの「Zero Percent」という会社。

同社がやっていることは極めて単純で、「売れ残った食べ物をケータリングの店からチャリティー団体に配る」だけです。

「What」より「How」の部分は面白いので、紹介させていただきます。

ポイント①:アプリで「マッチング」のプロセスを便利に

Zero Percentのアプリでは、下記のことができます。

  • チャリティー団体とレストラン・ケータリングは、アプリで簡単にネットワークに登録できる
  • レストラン・ケータリングは売れ残った食べ物が出たら、ワンボタンで周辺のチャリティー団体に一斉発信
  • チャリティー団体にはメッセージがリアルタイムに届き、ピックアップする/しないの選択がすぐできる

これで、供給と需要のマッチングは全てスマホ上のシンプルな操作で実現しました。

ポイント②:物流アルゴリズムで配送を最適化

  • チャリティー団体が自らピックアップするオプションに加えて、Zero Percentは自社の一台の車で配送することも可能
  • 限定的なキャパシティーを最大限に活用するため、食べ物の種類・量・賞味期限・距離等の要素を考慮する複雑な物流アルゴリズムを自社開発した
  • 将来の規模拡大と共に、物流アルゴリズムの効率と横展開の可能性(例えば、花屋の配送?)も倍増

ポイント③:win-win-winのビジネスモデル

  • チャリティー団体:自らのピックアップは無料で、Zero Percent社の配送には一定の手数料を払う(金額不明)。食べ物獲得のコストは、運賃だけ
  • レストラン/ケータリング:2つのプランを提供。共通的なメリット(チャリティー活動での課税削減、売れ残り処理コストの削減等)以外のメリットは
  1. Basicプラン(無料) :毎日1回売れ残り食べ物の発信、過去7日の売れ残り状況の分析/レポート機能
  2. +αプラン($30/月) :毎日無限回の発信と導入以来の売れ残り状況の分析/レポート機能
  • Zero Percent:上記の両方からの収入で、好循環を維持

分かりやすいソーシャルビジネスで、分かりやすいメリットをもたらす、素晴らしいビジネスアイデアだと思います。

しかし、よく考えてみると、まだまだ懸念点があり、ビジネスモデルを磨き上げるスペースはまだまだあります。例えば以下のようなことが挙げられます。

  • ただの食べ物を得るため買うのをやめる「Free rider(ただ乗り)」が増えるでは?
  • 売れ残り分析の精度がデータの量と共に上がると、結局的に売れ残りの食べ物全体の量が少なくなれば、モデルはどう続くか?
  • 売れ残りの食べ物の量には変動が激しい。Zero Percent社自社が配送するキャパシティー(車・運転手)を保有すれば、最適な規模(ニーズを満たしながら、メンテコストを最小限に)はどう決めるか?

上記に対して、明確な答えはまだ分かりませんが、下記のポイントは模索する価値があると思います。

  • 「Free rider」問題:「チャリティー団体」の定義を標準化し、必要な場合書類の提出や視察も行い、悪意の目的で無料の食料品を獲得する可能性を抑える
  • 供給量の減少問題:各レストラン/ケータリングの生産ロットの把握、契約の長期化(月間⇒年間)、無料提供⇒低価格提供
  • コスト問題:配送関連の資産を持たず、レンタカー・カーシェアリング等のサービスで配送を実現

どんな国でも、収入格差が存在すれば、過剰生産の食料品をシェアする問題は必ず存在します。

Zero Percentのさらなる成功が、全世界の格差社会にとっていい事例になっていくことでしょう。

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あなたは知ってる? 夢やアイデアを実現するクラウドファンディングサイトの4類型 https://eedu.jp/blog/2014/02/03/4types-crowdfunding/ https://eedu.jp/blog/2014/02/03/4types-crowdfunding/#respond Sun, 02 Feb 2014 22:30:18 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=23794 クラウドファンディングというと、日本ではReadyFor?、アメリカではKickstarterやIndiegogoなどが有名です。 夢みたいな奇妙なアイデア、時には願いを、ネット上で集めて実現に移すことができます。オンラ […]

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kickstarter

クラウドファンディングというと、日本ではReadyFor?、アメリカではKickstarterやIndiegogoなどが有名です。

夢みたいな奇妙なアイデア、時には願いを、ネット上で集めて実現に移すことができます。オンライン決済が発達する時代ならではのファンディングですね。

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先日、Indiegogoは4000万ドルの出資を受け、世界展開をしていくことが発表されました。まさにこれからのクラウドファンディングのポテンシャルを示しています。

実は、最初に紹介した3つのサイトは、クラウドファンディングの中の一種に過ぎません。この記事では、4種類のクラウドファンディングについて紹介したいと思います。

債権・株式・対価・寄付の4タイプ

広い意味での4種類のクラウドファンディングは以下のような分類になります。

  • 債権CF (Lending-based crowd-funding)
  • 株式CF (Equity-based crowd-funding)
  • 対価CF (Reward-based crowd-funding)
  • 寄付CF (Donate-based crowd-funding)

名前通りに、A.債権CFとB.株式CFは、一般の会社の融資手段と似て、「債権と利子の償還」か「一部の所有権の譲渡」が条件になります。

伝統的な投資金融機関(例えば、プライベートエクイティファンド:PE)と違う点は、出資の敷居は遥かに低く、数千万ドルを持たなくても、自分の投資の目利きを試せることです。

最近一般的に認識されたクラウドファウンディングは、C.対価CFに該当するサービスが多いです。例えば、ReadyFor?、KickstarterとIndiegogoは、どちらでも報酬CFであります。

中国では、「点名时间(Demohour)」は最も有名です。とあるプロジェクトを実現させるために、支援者が比較的な少額のお金を出し、プロジェクトの運営者から対価(サービス・製品)をもらうことは特徴です。

D.寄付CFは、もっと単純なモデルで、「お金をあげる」だけです。例えば、人々の旅行の夢を叶える「Trevolta」というサイトがあります。具体的な「モノ」より、目が見えない心への満足感・達成感がお金を上げる理由になることもあるのです。

各種類のクラウドファンディングサイトの境界線は曖昧

もちろん、4種類の間の境界線は曖昧な場合もあります。例えば、C. 対価CFの場合、製品・サービスを商用化を目指すプロジェクトは、一番高額の支援に対する対価には、「創業者とランチする」という内容なんかはよくあります。

つまり、対価CFのプロジェクトにも、「出資」というオプションは存在しているのです。

そして、一番低い金額の支援に対して、たった一枚の絵葉書/写真をリターンするケースも多いです。こんな時に支援者にとって、モノよりは、精神的な価値が大事でしょう。

年10万円の会費でNPOの活動支援する「SVP Tokyo」

ちなみに、私が所属している「Social Venture Partners Tokyo(SVP Tokyo)」は、よくよく考えると、D. 寄付CFの一例に当てはまるかもしれません。

10万円/年の会費は、SVP経由で支援先となるNPO/NGO団体の活動経費となり、リターンは団体の皆さんと一緒に頑張って、団体を良くする楽しい毎日です。

ぜひクラウドファンディングやNPOとの協働に関心ある方は、「SVP Tokyo」のサイトをご覧になってみてください!

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太陽光と砂で「ものづくり」を実現!? 途上国でも活用が期待される3Dプリンター「Solar Sinter Project」 https://eedu.jp/blog/2014/01/25/solar-sinter-project/ https://eedu.jp/blog/2014/01/25/solar-sinter-project/#respond Fri, 24 Jan 2014 23:00:25 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=23260 この前とある展覧会に参加し、「Solar Sinter Project」という3Dプリンターのビデオを見る機会がありました。 とても未来的で、将来途上国でも活用が期待されるものですので紹介します。 SPONSERD LI […]

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Solar Sinter Project

この前とある展覧会に参加し、「Solar Sinter Project」という3Dプリンターのビデオを見る機会がありました。

とても未来的で、将来途上国でも活用が期待されるものですので紹介します。

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Markus Kayser – Solar Sinter Project from Markus Kayser on Vimeo.

動画を観ていただくと分かりますが、このプリンターの特徴は以下のようなことが挙げられます。

  • ソーラーエネルギー:電源等がなく、太陽光で駆動されるプリンター
  • 原材料は砂:砂漠の中にある砂で、3D物体を作っている
  • 高い3D構造力:一番目の製品は、形状がかなり複雑な芸術品にも見える

しかも、2番目の作品は、丈夫そうなどんぶりのようなもので、実用的な価値もあると思われます。

このようなプリンターに加えて、最近他の面白そうな3Dプリンター商品も出てきています。例えば、チョコレートプリンター服をプリントするプリンターなど

これらの製品のコンセプトもふまえつつ、「途上国市場に向いている3Dプリンターはどんなものか?」ということに対するヒントを得ました。

  • 複数の、簡単に入手可能な材料を加工できる
  • 日常生活に価値があるものを生産できる
  • デザインを作成・導入しやすい
  • エネルギインフラへの依存性が低い(例えばソーラー)
  • 長持ち・丈夫
  • 製造コストが低い

さらに進んで、産業レベルで生産したい場合は以下のような点が大事になりそうです。

  • 製造スピードが早い
  • オートメーションの度合いが早い
  • メンテナンスしやすい

このようなプリンターが本当に作れば、不毛地帯と思われる砂漠でも、工業エリアになり、途上国の人々の生活に必須の道具を生産する日がやってくるかもしれません。

引き続き、途上国でもものづくりを可能にする新プロダクトや太陽光を生かした技術に注目していきたいと思います。

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太陽光だけで21マイルを走行可能!フォードがCESで発表した新コンセプト自動車「C-MAX Solar Energi」に注目 https://eedu.jp/blog/2014/01/20/ces2014-solar-automotive/ https://eedu.jp/blog/2014/01/20/ces2014-solar-automotive/#respond Sun, 19 Jan 2014 23:00:59 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=22731 C-MAX Solar Energi / Photo:cleantechnica.com 先日まで開催され、盛り上がりを見せたアメリカで開催中のコンシューマー電子機器の見本市「CES2014」。 グローバルの上位10社の […]

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C-MAX-Solar-Energi

C-MAX Solar Energi / Photo:cleantechnica.com

先日まで開催され、盛り上がりを見せたアメリカで開催中のコンシューマー電子機器の見本市「CES2014」。

グローバルの上位10社の自動車メーカーの中、9社が今回のCESに参加し、自動車技術を披露したことでも話題となりました。

SPONSERD LINK

例えば、グーグルは「Android」での成功経験を生かし、自動車メーカーや電気ハードウェアメーカーと「Open Automotive Alliance」を結成したことも注目でしたし、自動車のスマート化は、近い将来に不可避なトレンドになることでしょう。

エネルギー効率の良いハイブリッドカー

CESで披露された自動車で、個人的に最も面白く思ったのは、フォードが発表した新コンセプト自動車「C-MAX Solar Energi」でした。

このコンセプトカーはガソリンと太陽光のハイブリッドカーで、その特徴は太陽光を電力に転化できるバッテリーを、車両の上に並べて、更に小さな虫眼鏡に似た装置で、転化の効率を上げることが可能になるということ。

このような仕組みでフールチャージされた車は、最大620マイルを走ることができます。また、そのうちの21マイル(約32km)は完全に太陽電池でエネルギーを供給できるそうです。

太陽光で走行する距離は、トータルに占める比率はまだ低いですが、途上国市場、石油供給が不安定な市場(例えば日本)に大きなインパクトをもたらすことも考えられます。

将来的には経済的に優しい自動車に

初期の製造コストが高くつきそうで、途上国での個人利用はまだ遠いですが、タクシーや物流等、車両利用率が高い法人顧客から普及する手があるかもしれません。

さらには、グーグルが目指す車載スマート装置で、UBERのような利用促進(空車運転を減らす)の仕組みを搭載すれば、経済的にも良さそうです。

以下にあるのは「C-MAX Solar Energi」に関する動画です。ぜひご覧になってみてください。

[Mashable / CES2014 / The Verge / Uber]

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