佐藤 建明 | トジョウエンジン https://eedu.jp/blog 途上国のイメージを豊かにするノンストップ・デイリーマガジン Thu, 02 Oct 2014 16:06:10 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.6.15 【ミンダナオ教育開発Vol.32】プロジェクトを一気に加速させるための一手!「訪日研修」の実施に向けて本格的に準備開始! https://eedu.jp/blog/2014/10/03/mindanao32/ https://eedu.jp/blog/2014/10/03/mindanao32/#respond Thu, 02 Oct 2014 23:00:19 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=34364 授業実施校の一つマカバラン高校の先生とチューターの生徒たち こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。 e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を […]

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授業実施校の一つマカバラン高校の先生とチューターの生徒たち

こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。

e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロジェクトを展開しようと奮戦しております。

前回の記事では、「国際協力」という視座に立ち返り、現地の教育局関係者を日本に招聘し、日本の教育システムについて学んでもらう「訪日研修」を構想したところまでお話ししました。

今回の記事では、具体的にどのようなコンセプトで「訪日研修」を企画し、その実際の準備にあたったかということに関してお話したいと思います。

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「訪日研修」の目的

今回実施を検討することとなった現地教育局関係者の「訪日研修」は、以下のような目的をもって実施準備を開始しました。

  1. 現在協力いただいている大学機関や日系企業の方々へ現状報告を行い、日比の事業関係者が合同で次年度の事業戦略に関して意見交換を行うこと
  2. 現地教育局のトップ層への特別な研修を実施することで、彼らのリーダーシップとこの事業への情熱を高めること
  3. 日本においてICTを活用しているの教育現場への視察を通じ、映像教育に関する理解と考察を深め、現地でも活用できる実践的手法を考えること
  4. フィリピンにおける新教育制度K-12導入に向けて教育委員会や学校関係者と意見交換を実施し、教育制度の違いと新制度に向けた教育プログラム案を作成すること

これらの目的を実現するため、日本サイドでは、事業スポンサーであるClothes for Smiles (UNIQLO)の方々や大学機関など、様々な分野のステークホルダーへの連携・協力打診を行いました。

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映像授業の開始にあたって実施したプレテストの様子

現地サイドにおける準備

また現地サイドにおける準備もなかなか簡単な仕事ではありません。

現地の教育局長はじめ行政の方を日本に招致するためには、招聘状の準備からビザの獲得に至るまで、様々なプロセスを踏む必要が有ります。

日本サイドで準備した招聘状は、当団体e-Edcuationと一橋大学の米倉誠一郎先生の二通りを用意しました。さらに、フィリピン中央教育省からの許可を得るため、渉外部事務次官のマリオさんへアプローチをかけました。7月にマニラできちんと挨拶に伺ったことが、ここで功を奏したと思います。

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マニラの中央教育省にて(マニラ事業担当の磯部と)

中央教育省へのアプローチを進める一方で、現地教育局長や局次長、プロジェクトコーディネーターのアクロさん、ジョジョさんとも何度も「訪日研修」の目的や意義、そして次年度に向けた事業展開の中で、今回の訪日がどのような位置を占めるか、何度も話し合いました。

加速する現地の動き

訪日研修の準備が具体的に進んでくると、現場の映像授業作成や授業実施のスピード、コミットメントもますます大きくなりました。

ミンダナオ事業では、現地教育局と連携して事業を展開しているため、組織のリーダーのコミット次第で、そのスピードやモチベーションは大きく変わってきます。

またトップダウンのみでは現場は疲弊し、現場のメンバーは事業に対して疑問や不信感を抱くこともあるので、局内での仕事を進める一方、現地の各高校を廻りながら現場メンバーの意見や要望を汲み取りながら、彼らとのコミュニケーションにも注力しました。

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授業の様子

現場の動きが盛り上がってくると、それに呼応するように、教育局や現地の市長から「訪日研修」のための資金援助を頂くこともできました。

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現地のエレナ局長(左から2番目)やコーディネーターのアクロさん(右端)と

まだ準備段階の部分も多いのですが、10月最終週に、現地の仲間達と日本を訪れます。どうぞお楽しみに!

本日もご愛読くださり誠にありがとうございました!

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【ミンダナオ教育開発Vol.31】持続発展可能な現地体制づくりでぶつかる資金問題。考えられる次の一手とは? https://eedu.jp/blog/2014/09/26/mindanao31/ https://eedu.jp/blog/2014/09/26/mindanao31/#respond Fri, 26 Sep 2014 02:10:43 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=34160 撮影の際 こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。 e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用し […]

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撮影の際

こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。

e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロジェクトを展開しようと奮戦しております。

前回の記事では、現地事業のコンセプト改善を目指し、現地産業との連携を試みたミンダナオ事業でしたが、「国際協力」という基本に立ち返ったところまでお話しいたしました。

今回の記事では、「国際協力」という視座に立ち返り、国際協力機関との恊働の道を模索し始めたことに関してお話したいと思います。

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教育機関との連携を「強み」として活かすには?

現在、ミンダナオ事業は現地の教育局と協働してプロジェクトを展開しています。

現地の公共機関との恊働は、少なくとも北ミンダナオにおける社会セクターの活動の中では、他に例がない非常に希有でかつ可能性に溢れた取り組みです。

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教育局内のスタジオ兼オフィス

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横断幕も掲げられています

現地公共機関との連携の強みは、何よりもその「信頼」と「自主性」ではないでしょうか。

実際に、授業作成や授業実施などの現場ではボランティアベースの業務に関わらず、先生方が時に休日を返上して事業に取り組んでくださいます。

「全ての若者に教育の機会を届ける」というVisionが共有されていることで、現場では「実利」を超えた取り組みがなされています。しかし、もちろんそれだけでは限界がきてしまうため、現地の「熱意」をより効果的な「成果」に繋げる仕組みと資金が不可欠です。

そんな矢先に、代表の三輪から興味深いプログラムを紹介してもらいました。

JICA、外務省、大使館の国際協力プログラム

代表の三輪は、3年半JICA(国際協力機構)の職員として働いていた経験から、様々なナレッジや考え方をこれまで共有してもらいました。

今回も、ミンダナオ事業の「国際協力」という視座からの事業展開を目指すにあたり、非常に魅力的なプログラムを紹介してもらいました。

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マニラ視察の際、代表の三輪、マニラ事業担当の磯部と

それが、JICAの「草の根技術協力事業」、外務省の「日本NGO連携無償資金協力」、大使館主導の「草の根・人間の安全保障無償資金協力」でした。

これらの事業は、人材育成やコミュニティ開発といったソフト分野における「草の根」レベルのきめ細やかな事業を対象とされており、現地における自主的・自立的な運営管理・持続的活用を目指すことが目的とされています。

事業の完全現地化と持続性実現を目指す上で、これらの事業は非常に重要なステップになると考えています。

日比を駆ける

JICAや外務省などのプログラムに大きな可能性を見出したミンダナオ事業。僕は三輪と相談を重ね、東京とマニラで各事業の担当者に話を伺いつつ、2人で役割分担しながら着々と準備をはじめていきました。

そして、現地の「自主性」と「事業」の強化を目指し、かねてより企画していた「訪日研修(=現地の事業関係者を日本に招致した研修プログラム)」の実現を本格的にスタートしたのでした。

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さて、次回の記事では、「訪日研修」の実現に向けて走り始めたことに関してお話いたします。

本日もご愛読くださり、誠にありがとうございました!

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【ミンダナオ教育開発Vol.30】「国際協力」という活動の原点に立ち返り、現地の「教育インフラ強化」を目指す。 https://eedu.jp/blog/2014/09/18/mindanao30/ https://eedu.jp/blog/2014/09/18/mindanao30/#respond Thu, 18 Sep 2014 02:11:14 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=33758 こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。 e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロ […]

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こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。

e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロジェクトを展開しようと奮戦しております。

前回の記事では、現地事業のコンセプト改善とそれにかかるミンダナオにおける産業ニーズの模索に関してお話しました。しかし、一通り様々な関係者に話を伺ったところ、北ミンダナオにおける産業ニーズの模索には今しばらく時間を置く必要があると思われました。

今回は、それらをふまえた上であらためて現地事業の再設計をはじめたところからお話したいと思います。

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現地の教育インフラ構築を目指して

現在、主に北ミンダナオを中心に展開しているミンダナオ島プロジェクトは、現地の教育局と連携し、貧困などによりドロップアウトしてしまった高校生のための「代替教育インフラ」の構築に取り組んでいます。ドロップアウトを対象とした既存の「オープンハイスクール」という事業を、映像授業を活用してカスタマイズするものです。

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授業の様子

映像授業の作成から実施にいたるまで、それらは現地の教育局の方々が中心となって取り組んでいます。しかし、カバーする授業数が増え、実施校も増えてくると、そこには構造的な限界が見え始めました。教育局内にチームやスタジオができたにせよ、実際の現場では、教育局の方々が通常業務に加えて事業を進めてくださっている状況です。

そのため、教育局の業務都合次第で、授業作成などの進捗に大きな影響が出ます。具体的には、発表会や文化祭シーズン、学校評価が行われる時期などは、授業作成を進めるのが非常に困難です。

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授業作成の様子

上記の状況を改善し、現地の教育局が主体的となって事業が進むために、以下の3つの要因にわけて、現地事業を改善しようと考えたことはこれまでの記事に述べた通りです。

そして、「実利」を生み出すような事業の実現を模索しましたが、すくなくとも北ミンダナオに関しては、どうやら産業ニーズと関連した教育事業の展開は現在のところ少し時間をおく必要があるように思われました。ただし、フィリピン全体としてみたときに、日本のみならず東アジアやASEAN市場を視野に入れた教育事業の可能性は大いに感じられ、その点に関してはまた別方向から事業の検討をしたいと考えています。

話は戻りますが、北ミンダナオに関して、産業ニーズに沿った教育事業の可能性はすぐには見えにくいかもしれません。
しかし、ミンダナオというフィリピン再貧困地域の一つであり、30年以上も紛争が続いていたという特殊な背景を抱えるこの地にあって、教育事業を展開するならば、純粋な「国際協力」という始点に立ち返ろうと考えました。

基本に立ち返る

僕が「教育開発」を志し、はじめて足を踏み入れた地がフィリピンです。
フィリピン最大級の開発NGOでインターンをしながら圧倒的な社会格差を目の当たりにし、また一方で「国際協力」が大義名分化したマーケットの存在も感じずにはいられない瞬間もゼロでは有りませんでした。

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インターン時のひとこま

マニラの人は口をそろえて「ミンダナオは危ないから絶対に行ったらダメだ」との言葉に、僕は意を決してミンダナオにいる教育開発の博士に会いに行ったことがe-Educationミンダナオ島プロジェクトの始まりでした。

幸いにも、現在僕が拠点を置いているカガヤンデオロとカミギン島は、ミンダナオでもかなり安全な地域であり、テロリズムや紛争の危険は非常に低いです。とは言え、現地の有識者らがミンダナオの抱える社会不安とそれにかかる経済格差・教育格差を懸念していることに変わり有りません。

フィリピン公用語としてのタガログ語が母語ではないビサヤ語圏にあって、さらに首都マニラのあるルソン島からはセブ諸島郡を隔てた地理的格差も存在します。言語的・地理的・社会的格差は現地の教育にも大きな影響を与えます。

僕は、現地で展開する教育事業がより公共性が高く、また十分な資金をもって現地の若者にとっての「教育インフラ」として展開されることを目指しています。

そこで現行の北ミンダナオ事業を次のフェーズに進めるため、「国際協力」という視座に立ち返り、国際協力機関との連携を模索することにしました。

次回の記事では、国際協力機関との連携を検討し、日比においてあらためて行動を再開したことからお話したいと思います。

本日もご愛読くださり誠にありがとうございました!

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【ミンダナオ教育開発Vol.29】事業コンセプトの改善に向けて本格的な調査を開始!ミンダナオ島が秘める産業ニーズとは? https://eedu.jp/blog/2014/09/11/mindanao29/ https://eedu.jp/blog/2014/09/11/mindanao29/#respond Thu, 11 Sep 2014 03:28:36 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=33519 広大なミンダナオの大地 こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。 e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映 […]

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広大なミンダナオの大地

こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。

e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロジェクトを展開しようと奮戦しております。

前回の記事では、僕がもう一年間ミンダナオにコミットしようと決意するに至った3つの要素のうち、三点目の「現地の生徒の将来の自立サポートを含めたパッケージとしての事業コンセプトの改善」に関してお話しました。

今回は、フィリピン政府の政策方針やビジネスニーズと、現行事業との接点を摺り合わせながら、事業コンセプトの改善に向けて具体的に動きはじめたことに関してお話したいと思います。

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プロジェクトのコンセプトの改善を目指して

前回の記事で述べた通り、現地の教育局と連携しながら痛感するのは、現行事業の抱える構造的限界です。

つまり、「貧しいながら平日は働き、なお勉強を続けるドロップアウトした高校生をサポートすることは素晴らしいことだ」という共通のビジョンや想いはありながらも、教育局の職員の皆さんは膨大な通常業務もこなしていかなくてはなりません。

このプロジェクトを拡大していくために必要は何か?教育局という大きな組織を動かし、より効果的な事業展開を目指して行くための、より強力なインセンティブが重要だと考えたのです。

これは単純に「日比の国際協力」という大義や人件費だけで解決できるものでありません。現行事業が「実利」を生み出すような構造的なインセンティブが必要なのです。

「実利」を伴う事業展開を目指して

そこで考えついた一つの解が、ビジネスニーズに沿ったスキル習得も併せて提供できる事業プログラムにしていくというものでした。

フィリピン教育省は2016年から新教育制度「K—12」を施行します(詳しくはこちら)。これまで義務教育期間が10年だったものが、12年に延長されることで、基礎学力の底上げと国際市場における競争力の向上を目指すものです。

この新制度の中で、新たに延長される2年間のうち、産業人材育成を主なコースとして始動する動きがあります。(科目としては、船員養成、調理師、介護、看護、エンジニアなどが検討されています)。

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北ミンダナオのとある高校に新設されたエンジニア養成コース

この産業人材育成コースとの連携、つまりこのコース向けにe-Educationフィリピン事業が映像授業作成・提供を行うことができれば、フィリピン国や現地の若者にとって「実利」を生む、そんな生徒の将来の自立支援を含めたより包括的な取り組みが可能となるのではないかと考えています。

ミンダナオ北部で考えうる産業ニーズとは?

では、実際にそうしたフィリピン社会やSAEAN市場における産業ニーズに沿った教育事業を構築して行く上でどのような分野に人財が求められるでしょうか?

僕は早速現地の教育関係者のみならず、様々なフィリピン経済に関わる方々にお話を伺いに行きました。

肥沃な大地が広がるミンダナオではやはり、農水産加工品事業のポテンシャルが高く、ココナッツやパイナップルといった従来の主要輸出品に加え、パッションフルーツなども含めたジャムやジュースなどの加工品付加価値商品が魅力です。

また近年ニーズが高まりつつ有るウナギの養殖ももうすぐ開始されそうです。こうした動きを後押しするように、とある日本の開発コンサル会社が、農水産加工品向け工業団地と水力発電プラントを現地の電力会社と恊働受注したというニュースも聞きました。

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肥沃な大地が広がるミンダナオ

さらにフィリピンは世界でも有数の船員・看護師輩出国であり、船舶事業・看護・介護の分野も大いに可能性が感じられます。

マニラや東京でも産業ニーズを模索

こうした現地での「下調べ」を踏まえ、僕は一旦東京でもフィリピン全体における産業ニーズに関して、各方面から話を聞き、現在のアイデアをブレストすることにしてみました。

日本の最大手情報通信の企業や、人材関係、教育関係の企業、経産省、学校関係者、ソーシャルビジネスに取り組んでいる方などをまわり、マニラに戻ってからも、JETRO、情報、人材、船舶系の企業の方にお話を伺いに行きました。

最後にはフィリピン中央教育省の方にもお話を伺い、フィリピン国における映像授業の持つ可能性についてお話を伺いに行き、徐々に情報が集まってきました。

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フィリピン中央教育省の事務次官の方と(右はマニラ事業担当の磯部)

将来を見据えた事業構想

こうして一通り走り回ってみて考えたことは、まず北ミンダナオに関しては少なくとも後5年はどうやら明確な産業ニーズが見えづらいということでした。

その最も大きな原因は、「物流」整備の遅れでした。ここ数年は大型のインフラ開発の案件も話にはあがっていないとのことで、可能性次第では日系企業の招致も手段の一つとして北ミンダナオの社会発展に寄与したいと考えていた僕にとっては中々に厳しい現実でした。

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不動産開発が計画されている山間部の方へ視察に行った際。前夜の豪雨で川は淀んでいました

しかし、フィリピン全体で産業ニーズを考えれば、そこには非常に大きなポテンシャルが眠っているということもわかってきました。

そこで僕は、今後の事業の可能性に関して、再度構想を練り直し、どのような事業がはたして現地にとって価値を生み出すかを再構築することにしました。

さて、次回の記事では、事業のコンセプトをあらためて再検討しはじめたところからお話ししたいと思います。

本日もご愛読くださり、誠にありがとうございました!

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9月8日は「国際識字デー」!未だに残る世界の識字課題と、識字率向上に向けたカンボジアでの興味深い試みとは? https://eedu.jp/blog/2014/09/09/kokusaishikiji/ https://eedu.jp/blog/2014/09/09/kokusaishikiji/#respond Mon, 08 Sep 2014 23:00:17 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=33309 突然ですが質問です。昨日9月8日が何の日かご存知ですか? 答えは「国際識字デー(International Literacy Day)」。“識字”の重要性について見つめ直し、今私たちに何ができるかを考え合う記念日なのです […]

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シャンティ

突然ですが質問です。昨日9月8日が何の日かご存知ですか?

答えは「国際識字デー(International Literacy Day)」。“識字”の重要性について見つめ直し、今私たちに何ができるかを考え合う記念日なのです。

UNESCOによって1965年11月17日に公式に宣言されて以来「国際識字デー」では、社会にとっての識字の重要性を強調することを狙いとした式典が世界各地で行われています。

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「国際識字デー」のはじまり

「国際識字デー」の始まりは、1965年9月8日からイランで開催された“テヘラン会議”において、当時の国王が、各国の軍事費1日分を識字基金に拠出するよう提案したのがきっかけです。

この会議の後、アメリカのジョンソン大統領(当時)が米国議会において、“テヘラン会議”を忘れないため、また教育分野に取り組むUNESCOの識字教育への貢献に感謝の意を表して、9月8日を「国際識字デー」に制定するように呼びかけました。1965年のUNESCO総会で宣言され、1966年9月8日、初めての「国際識字デー」を迎えました。

世界の識字率

現在、地球上ではおよそ7億7600万人の成人には最低限の識字スキルすらないそうです。そして世界の5人に一人は読み書きができず、その内2分の3は女性です。また7500万人の子供は学校に行っていないとう現実があります。

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識字率向上に向けた世界各地の試み

世界寺子屋運動

この識字問題に対してユネスコは、「ユネスコ世界寺子屋運動」に1989年から取り組み、20年以上の活動を実施しています。「ユネスコ世界寺子屋運動」は、子どもたちや大人が「学びの場=寺子屋」で読み書きや算数などを学べるように、教育の機会を提供する運動です。

活動国の一つカンボジアでは、60歳になっても、文字の読み書きを初めて習う大人がたくさん識字教室に通い、子ども時代に学校に通えなかったハンディをものともせず勉強に打ち込んでいるそうです。

他にも識字問題に対して取り組む団体は沢山ありますが、日本を基点に画期的な取り組みをされている団体をもう一つご紹介いたします。

公益社団法人シャンティ国際ボランティア会

公益社団法人シャンティ国際ボランティア会は、共に学び、共に生きる」平和(シャンティ)な社会の実現のために、カンボジアに加え、ラオスやミャンマーなどアジアの6つの地域で子どもたちへの教育・文化支援を行なっている団体です。

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カンボジアの農村部では、十分な文字の読み書きができない人がたくさんいますが、成人になってから学べる場は皆無に等しい状況のようです。そこで公益社団法人シャンティ国際ボランティア会は、州および郡教育局などと連携し、運営委員会を立ち上げ、識字教育など生涯学習の拠点となる施設を設置し、子どもから大人まで通える学習センターを運営しています。

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世界中の全ての人々が、当然の権利として「学ぶ」機会にアクセスできる。

そんな世界の実現に向けたこうした取り組みが、「国際識字デー」を通じてもっとより多くの人々に知っていただける機会になるといいですね。

【参考】
公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会

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【ミンダナオ教育開発Vol.28】フィリピン現地の教育局へ事業をハンドオーバーするために必要な3つの要素(後編) https://eedu.jp/blog/2014/09/04/mindanao28/ https://eedu.jp/blog/2014/09/04/mindanao28/#respond Wed, 03 Sep 2014 23:00:11 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=33059 こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。 e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロ […]

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こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。

e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロジェクトを展開しようと奮戦しております。

前回の記事では、僕がもう一年間ミンダナオにコミットしようと決意するに至った3つの要素のうち、二つ目の「事業スケールアウトと授業クオリティ向上のためのより大きな予算の獲得とそのための具体的な準備」に関してお話しました。

今回は、三点目の「現地の生徒の将来の自立サポートを含めたパッケージとしての事業コンセプトの改善」に関してお話したいと思います。

SPONSERD LINK

事業を持続的にするために重要な予算

前回の記事でも述べた通り、①「既存の事業チームの強化・活性化」と②「映像授業のクオリティの向上」は、どちらも既存事業のグッド・プラクティスを実現する上で不可欠だと考えています。

そして、北ミンダナオで生まれたグッド・プラクティスをミンダナオ全域やフィリピン国内にスケールアウトしていくには、そのためのまとまった大きな予算が必要となります。

そのため、僕は次の大きな3つのセクターからの予算獲得の構想をはじめました。一つ目は「国際協力機関」、二つ目は「現地政府(フィリピン政府)」、そして三つ目が「民間企業」です。

国際協力機関やフィリピン政府との連携強化を目指す

現在、e-Education ミンダナオ島事業は、貧困などによりドロップアウトした高校生を対象とするオープンハイスクールプログラム(OHSP)という既存の公共プログラムを、映像授業を活用してカスタマイズするというコンセプトで現地の教育局と連携しながら事業を展開しています。

OHSPは教育局主導による公共プログラムであり、全国で展開される、いわばドロップアウトした高校生のための「教育インフラ」です。

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OHSPでの授業風景

全国の学校で展開されるOHSP、すべての学校を映像授業によってカスタマイズしようとすれば、そこには国家事業規模の予算が必要になってきます。そのためには、現在の企業助成金を通じた事業展開よりさらにもう一歩踏み込み、国際機関やフィリピン政府を通じた公的資金の注入が有力な選択肢となります。

国際機関やフィリピン政府との連携を強化するために

こうした国際機関や現地政府を通じた公的資金を通じて事業展開して行くためには、現地での事業においてグッド・プラクティスを実現し、それを中央政府や国際機関へボトムアップして行くことが道筋の一つです。

また、実際、現地の教育局と連携しながら痛感するのは、現行事業の抱える構造的限界です。つまり、「貧しいながら平日は働き、なお勉強を続けるドロップアウトした高校生をサポートすることは素晴らしいことだ」という共通のヴィジョンはありながらも、教育局には膨大な通常業務もこなしていかなくてはなりません。

つまり、教育局という大きな組織を動かし、より効果的な事業展開を目指して行くための、より強力なインセンティブが重要となります。

これは単純に「日比の国際協力」という大義や人件費だけで解決できるものではなく、現行事業が「実利」を生み出すような構造的なインセンティブが必要だと考えています。

「実利」を伴う事業展開を目指して

そこで考えついた一つの解が、ビジネスニーズに沿ったスキル習得も併せて提供できる事業プログラムにしていくというものでした。

フィリピン教育省は2016年から新教育制度「K—12」を施行します(詳しくはこちら)。これまで義務教育期間が10年だったものが、12年に延長されることで、基礎学力の底上げと国際市場における競争力の向上を目指すものです。

この新制度の中で、新たに延長される2年間のうち、産業人材育成を主なコースとして始動する動きがあります。(科目としては、船員養成、調理師、介護、看護、エンジニアなどが検討されています)。

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北ミンダナオのとある高校に新設されたエンジニア養成コース

この産業人材育成コースとの連携、つまりこのコース向けにe-Educationフィリピン事業が映像授業作成・提供を行うことができれば、フィリピン国や現地の若者にとって「実利」を生む、そんな生徒の将来の自立支援を含めたより包括的な取り組みが可能となるのではないかと考えています。

大学受験や卒業資格試験のサポート、そして産業スキルの習得など、「映像授業」を通じた生徒へのサポートは様々な可能性があると思います。

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次回の記事では、フィリピン国における政府の政策方針やビジネスニーズと、現行事業との接点を摺り合わせながら、事業コンセプトの改善に向けて具体的に動きはじめたことに関してお話したいと思います。

本日もご愛読くださり、誠にありがとうございました!

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【ミンダナオ教育開発Vol.27】フィリピン現地の教育局へ事業をハンドオーバーするために必要な3つの要素(中編) https://eedu.jp/blog/2014/08/29/mindanao27/ https://eedu.jp/blog/2014/08/29/mindanao27/#respond Thu, 28 Aug 2014 23:57:52 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=32747 こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。 e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロ […]

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こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。

e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロジェクトを展開しようと奮戦しております。

前回の記事では、僕がもう一年間ミンダナオにコミットしようと決意するに至った3つの要素のうち、一つ目の「現地コーディネーターおよび事業チームの強化と業務の明確化」に関してお話しました。今回の記事では、二点目の「事業スケールアウトと授業クオリティ向上のためのより大きな予算の獲得とそのための具体的な準備」に関してお話したいと思います。

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現地の事業をスケールアウトするために

e-Educationミンダナオ事業の立ち上げ当初からの目標であった、現地の事業をスケールアウトし、ミンダナオ全域の生徒がより効果的な教育にアクセスできる、いわば「教育インフラ」を実現するためには、①既存の事業チームの強化・活性化と、それによる②映像授業のクオリティの向上が必須だと思いました。そしてそのためには③よりまとまった大きな予算も必要になります。

僕はまず①既存の事業チームの強化・活性化を目指しました。前回の記事でお話した通り、現地の教育局主催で「人財研修」を実施し、その後本格的に事業チームを結成しました。

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カミギンの人財研修にて

しかし、事業を実際の現場ベースで見ると、コーディネーターやチームメンバーは日々の通常業務をこなしながら、e-Educationにコミットしていただいている状況であり、彼らのモチベーションは高くとも、教育局というパブリックな組織構造的にどうしても業務の遅れが目立ちました。

現地教育局と1年半近く恊働しながら考えたことは、彼らと効果的に仕事をしていくためには、

  • トップの局長の「鶴の一声」を引き出すこと
  • 現地コーディネーターが動きやすいように事前準備をしておく、先駆けて学校をまわり校長先生はじめ事業関係者に説明しておく

という2点が重要だということでした。

「既存の事業チームの強化・活性化」を目指し、基本に立ち返る

一見するとしごく当然のことのようにも思われますが、事業コーディネーターが立ち上がり、映像作成チームが結成された当初は、それだけであとはオートマティックに組織や事業が動くものと、僕はどこか思い違いをしていました。しかし、現地の教育局は「組織」といえど、人の血が通った「いきもの」です。

血の通った「組織」が動くために、まずはトップの局長の「よし、みんなやるぞ!」という「鶴の一声」を引き出し、正式な業務として業務プロトコルをスムーズにする下準備をします。

それと同時に、各学校現場を廻りながら(営業のようでしょうか)、現地コーディネーターが動きやすいように事前準備しておく、各校の校長先生はじめ撮影担当や編集担当など関係者と綿密にコミュニケーションしておくことで、実際に映像作成や授業を実施する際により効果的でスムーズな事業運営ができるようになりました。トップダウンとボトムアップの両方向から攻めて行くイメージです。

学校まわり

「映像授業のクオリティの向上」にむけて

「既存の事業チームの強化・活性化」とともに、同時並行で準備を進めたのがスタジオ、オフィスの設置です。これまでの映像授業は主に学校で撮影していたため、幾つかのビデオでノイズが入っていたり、照明が暗いという意見が聞かれました。

そこでカガヤンデオロ、カミギン島教育局の局長にそれぞれかけあい、映像撮影・編集のためのオフィス兼スタジオを設置していただくことになりました。

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カミギン教育局のスタジオに掲げられている横断幕

オフィス

オフィスの机。私の席を用意してもらいました(恐縮です!)

「よりまとまった大きな予算」の獲得に向けて

上記に述べた①「既存の事業チームの強化・活性化」と②「映像授業のクオリティの向上」は、どちらも既存事業のグッド・プラクティスを実現する上で不可欠です。そして、北ミンダナオで生まれたグッド・プラクティスをミンダナオ全域やフィリピン国内にスケールアウトしていくには、そのためのまとまった大きな予算が必要となります。

そのため、僕は次の大きな3つのセクターからの予算獲得の構想をはじめました。一つ目は「国際協力機関」、二つ目は「現地政府」、そして三つ目が「民間企業」です。

この辺りの動きに関しては、僕がミンダナオ事業にもう一年コミットするに至った3つの要素のうち、3点目の「現地の生徒の将来の自立サポートを含めたパッケージとしての事業コンセプトの改善」と繋がりが強く、次回の記事で併せてお話ししたいと思います。

本日もご愛読くださり誠にありがとうございました!

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【ミンダナオ教育開発Vol.26】フィリピン現地の教育局へ事業をハンドオーバーするために必要な3つの要素(前編) https://eedu.jp/blog/2014/08/21/mindanao26/ https://eedu.jp/blog/2014/08/21/mindanao26/#respond Thu, 21 Aug 2014 06:26:22 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=32743 北ミンダナオの山々 こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。 e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授 […]

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北ミンダナオの山々

こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。

e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロジェクトを展開しようと奮戦しております。

前回の記事では、ミンダナオでの一年間の取り組みを終え帰国した後、僕があらためてもう一年間現地にコミットし、事業を進めようと決意したことに関してお話しました。今回の記事では、僕がもう一年間ミンダナオにコミットしようと決意するに至った3つのことに関してお話できればと思います。

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国際協力における現地事業の自主性と持続性

e-Educationミンダナオ島プロジェクトは、これまでドロップアウトした高校生を支援するためのOHSP(オープンハイスクールプログラム)という既存の教育サービスを「映像授業」でカスタマイズする、というコンセプトで現地の教育局と恊働しながら事業展開してきました。(詳しくはこちら

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OHSPでの一枚

現地ではたしかに教育局内に、現地事業コーディネーターやプロジェクトチームが立ち上がり、現地の教育局による制度的・トップダウンな事業展開が実現されるものと期待していました。

しかし、実際の現場では、まだまだ僕や現地コーディネーターによる各学校のOHSPコーディネーターへの人望・マンパワーベースによる働きかけの部分が大きく、実施予定校が一気に増え、映像授業作成・実施のためのスケジュール作成および人員配置の議論が始まると、思うように現場が動きにくくなりました。

これまで学校単位かつその学校に置ける事業関係者各個人への「信任」ベースで事業を進めていた限界が少しずつ現れ始めたのです。

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学校の教室で撮影、当初はお手製のライトスタンドを使用していました

硬直化する現場を見て気づいた3つの要素

こうした事業の構造的な限界にぶつかりながら、現場を観察し、現地事業コーディネーターや教育局の局長、スーパーバイザー、そして現場の先生といった教育関係者や学校の生徒へのヒアリング、そして教育局で実施されている事業調査を行う中で、以下の3つの要素が今後のミンダナオ事業に重要になって来るのではないかと思いました。

  1. 現地コーディネーターおよび事業チームの強化と業務の明確化
  2. 事業スケールアウトと授業クオリティ向上のためのより大きな予算の獲得とそのための具体的な準備
  3. 現地の生徒の将来の自立サポートを含めたパッケージとしての事業コンセプトの改善

一点目の「現地コーディネーターおよび事業チームの強化と業務の明確化」

事業の恊働先であるカガヤンデオロ教育局およびカミギン教育局の両者とも、局内は現地事業コーディネーターと事業チームが発足し、形としては事業の自主的な取り組みの基盤が整いました。

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ルンビア高校が設置したe-EducationやIT教育のための一室

しかしこれまでの事業の進め方としては、スタートアップらしく、目の前の必要業務に柔軟に対応しながら、またその都度起きる様々なトラブルを何とか対処してくという非常に泥くさいものでした。

そこで現地コーディネーターおよび現地チームの業務を明確化し、映像作成や授業実施に関するこれまでのノウハウをマニュアル化することにしました。

またこうした明文化されたスキル・ノウハウを教育局全体でシェアできるよう、教育局主催による「e-Education人財研修」の企画を打診しました。この人財研修に関しては今後の記事でお話ししたいと思います。

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カガヤンデオロでの人財研修の際

さて、硬直化する現場を目の当たりにし、事業のスケールアウトと授業クオリティの向上に向けて様々な課題が見え始めたミンダナオ島プロジェクト。
次回は二点目の「事業スケールアウトと授業クオリティ向上のためのより大きな予算の獲得とそのための具体的な準備」からお話したいと思います。

本日もご愛読くださり、誠に有り難うございました。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。

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【ミンダナオ教育開発Vol.25】精一杯駆け抜けた一年間。肚の底から湧き上がる「想い」とともに帰国の途へ https://eedu.jp/blog/2014/06/15/mindanoa25/ https://eedu.jp/blog/2014/06/15/mindanoa25/#respond Sat, 14 Jun 2014 23:00:22 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=29603 こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。 e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロ […]

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こんにちは!本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。

e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロジェクトを展開しようと奮戦しております。

前回の記事では、昨年12月の全体カンファレンス開催前に、プロジェクトメンバー一同がカミギン島に視察に訪れ、現地の州知事やプロジェクト関係者と会見したことに関してお話しました。今回の記事では、その全体カンファレンスを終え、再び日本に一時帰国した際のことに関してお話できればと思います。

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ひたすら走り続けた一年間

忘れもしない昨年の1月11日。新年明けて間もない中、僕はカガヤンデオロ市の教育局のオフィスに足早で向かっていました。

その日はカガヤンデオロ教育局のエレナ局長と面会のアポイントを取っており、手には、現地の関係者や共同代表のカイトさん(三輪開人)、一橋大学の米倉先生と何度も推敲を重ねた契約同意書(MOA: Memorandum of Agreement)を携えていました。

そうです。その日は僕が2012年秋よりミンダナオ北部で立ち上げたe-Educationミンダナオ島プロジェクトを、現地の公共サービスとして始動するべく、現地の教育局長とMOAを結ぶ日でした。

当初は、信用不安や機材設備の不足などを理由に何度も突き返されたMOAでしたが、日本とフィリピンの様々なステークホルダーを巻き込みながら、ぐんぐんとそのMOAはバージョンアップしていきました。

そしてマヌエル局次長の許可を経て、ついにエレナ局長のオフィスに通されたときは「ついに辿り着いた!」と、まさに感無量でした。

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MOA締結の際

また、カガヤンデロオで映像授業を活用した日比の教育事業が始まるという知らせは周辺地域へと広がり、その翌週には近隣のカミギン島教育局からもプロジェクト要請がありました。

そんな状況の中で、僕はバタバタと2013年を迎えたのでした。

そこから一年間、日本とフィリピンを幾度往復し、現地を走り回りながらプロジェクトを進め、2013年の12月、日々のあらゆる関係者を巻き込んだ全体カンファレンスを開催することができました。

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カンファレンスを控え、現地コーディネーターやカミギン州知事らと

そして全体カンファレンスを無事に終え、年末年始を控えた僕は帰国の途に着いたのです。

帰国の便で

そんなことをずっと帰りの便で思い起こしながら、僕はこの2013年の反省と、そして2014年はどんな一年にしようかと考えに考えあぐねていました。

そして、昨年の10月頃から僕の肚の中で少しずつ膨らんでいた想いが、どうにも抑え難い大きさになってきました。

「もう一年ミンダナオでやりたい!」

プロジェクト立ち上げ当初から、ミンダナオ全域の若者に教育の機会を提供するためには、現地の公共サービスとして教育行政と連携したプロジェクトを実施することが効果的だと考え、僕はパイロットの授業を行いながら、現地の「制度作り」にこれまでずっと注力してきました。

そして全体カンファレンスの開催を経て、いよいよ現地の公共サービスとして、カガヤンデオロ全域の高校にトップダウンで映像授業を提供できるところまで来ました。

「公共の教育サービスとして、やっとあらゆる生徒に授業を届けられる!」

そんな状況を迎えている中、何としても現地の教育局に完全にプロジェクトをハンドオーバーし、生徒に授業をしっかり届けるまで、プロジェクトにコミットしたいという想いがますます強くなりました。

「冷静」と「情熱」のはざまに

ただ一方で、そこには複雑な気持ちもつきまとっていました。

まずは両親に「これ以上心配はかけたくない、早く卒業・就職して安心させたい」という素直な気持ち。大学の授業のことや、同期の友人が就職を決めて間もなく立派な社会人として働き始めるという何とも言えない焦燥感。そしてプロジェクトを進める上で必要な現地での生活費の不足。そしてもう一年プロジェクトを続けることで自分はどんなキャリアをこれから進むことになるのかという漠然とした将来への不安。

これらの複雑な感情が、「プロジェクトをもう一年やりたい!」という肚の底から湧き上がる素直な「情熱」に、冷や水を浴びせてきました。この類の問題は、両方の感情を天秤にかけて決められるものでもありません。

そんなこんなで日本に着いた僕は、これまでお世話になった様々な方々にお会いし、もう一年プロジェクトをコミットすることに関して相談しました。

「箱」から抜け出し、覚悟を決める

また、帰国後、カイトさん(共同代表:三輪開人)に貸していただいた『自分の小さな「箱」から脱出する方法』という本は、そのときの自分にとってはまさに「目から鱗」な物事の見方を得ることができ、思考がずいぶんスッキリしました。

不安や怒り、嫉妬といった「負の感情」を自覚し、どう向き合うか、本書ではそうしたセルフ・コントロールの骨子のようなものを「箱」という概念を用いてとても分かりやすくシンプルに描いています。興味のある方はぜひご覧になってみてください。

また年始には実家の広島に1年近くぶりに帰省し、両親に全てを話しました。

こうして悩み考え、様々な人からお話を伺い、また幾つかの良著に出会いながら年末年始を過ごした僕は、ミンダナオ島に再び飛ぶことを決意しました。

次回の記事では、どのようにミンダナオ再訪を決意するに至ったかについてお話できればと思います。

本日もご愛読くださり、誠にありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いいたします。

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夕焼けの名所「ロハス通り」にて

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【ミンダナオ教育開発Vol.24】 仲間と一緒にカミギン島に到着!待っていたのは熱意溢れる現地パートナー達と州知事の歓待だった! https://eedu.jp/blog/2014/05/08/mindanao24/ https://eedu.jp/blog/2014/05/08/mindanao24/#respond Wed, 07 May 2014 23:00:43 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=28777 こんにちは! 本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。 e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プ […]

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こんにちは!
本日もご愛読くださり誠にありがとうございます。

e-Educationミンダナオ島プロジェクト担当の佐藤建明(たてあき)です。「教育開発」という夢を掲げ、フィリピンのミンダナオ島にて映像授業を活用した教育プロジェクトを展開しようと奮戦しております。

前回の記事では、e-Educationの頼もしい仲間たちが、現地視察および全体カンファレンスの準備のためミンダナオを訪れたことに関してお話いたしました。

今回の記事では、カガヤンデオロ到着後、すぐにプロジェクト実施地域の一つであるカミギン島に向かったところからお話します。

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片道4時間、バスとフェリーを乗り継ぎカミギン島へ!

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早朝4時半。僕らプロジェクトメンバー一行は、カガヤンデオロ市内のバスターミナルからバリンガン港へ移動しました。バスで揺られること2時間、その後はフェリーでさらに2時間です。

目的地のカミギン島へ着いたのは11時少し前でした。

カミギン島のビノネ港に着くとすぐに、現地パートナーのジョジョさんが出迎えてくれ、用意されたバンに乗り、カミギンの州知事がいる州都マンバハオに向かいました。

とにかく豪快・痛快なカミギン州知事と会見

カミギン州知事のJJさんは、恰幅の良い体つきに、豪快で屈託のない笑顔が素敵な、まさに頼れる親分です。

JJ州知事とはこれまで何度か面会しており、今回はあらためて共同代表のカイトさん(三輪開人)からのプロジェクト説明や、ジョジョさんからの進捗報告を行いました。

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そして時おり放たれる州知事の話もとにかく豪快。一部日本語訳してご紹介します。

「俺も日本に足を運んだことがあるが、コーラがすっげー高くてビックリしたよ!フィリピンならものの10秒で飲み干すところを、日本だと一時間かけてゆっくり味わったな。高すぎてもったいなくてなあ!ガハハハハ!ほんといい国だった!」

某・海賊王を目指す少年マンガに出てきそうな豪快っぷりでした笑。

会見の後は州知事や国会議員の方々と昼食を取り、交流を深めました。

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島内13の高校を視察

島内には全部で13の高校があり、すべての高校で、ドロップアウトを対象としたOpen High School Program(OHSP)という教育プログラムが実施されています。

JJ知事らとの交流を終えると、僕たちメンバー一行は、現地の高校を廻りながら、各校のPC環境のチェック、校長先生やOHSPコーディネーターへのインタビューを行いました。

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その際に驚いたのは、すべての高校の校長先生やOHSPコーディネーターの方々が、e-Educationプロジェクトのことを知ってくださっていたことでした。

現地コーディネーターのジョジョさんが、現地でコツコツと、教育局長や現場の先生方にプロジェクトの話を進めてくださったおかげでした。

各地の高校をじっくり廻りながら、カミギン島のプロジェクトに対する士気が大いに高まっているのを感じ、僕らプロジェクトメンバー一行もたいへんワクワクしました。

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溢れる緑に透き通るコバルトブルー。自然豊かなカミギン島

カミギン島には居住環境や家庭の経済状況が原因で、非常に多くのドロップアウトした若者がいます。しかしその一方で、観光業に力を入れるフィリピン有数のリゾート地の一つでもあります。

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カミギン初日に、JJ州知事を訪れた際、知事のご厚意でカミギンで最も美しいとされるマンティギ島に招待いただきました。

マンティギ島は本島からボートで30分ほど離れた離島で、周囲を珊瑚礁で囲まれた非常に美しい島です。

200mほど浅瀬を泳げば、水深が一気に深くなる場所があり、その領域には赤、黄色、青、紫の彩り鮮やかな魚が大小で群れを成し、何とも豊かな生態系に目を奪われます。

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現地の先生方と力を合わせてイカダを作ります

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できました!

プロジェクトの合間に、こうした自然に触れるのは最高のリフレッシュです。

さて、次回の記事では、カミギン島での視察を終えた僕らメンバー一行が再びカガヤンデオロに戻り、全体カンファレンスの開催に向けて準備を進めていったことに関してお話いたします。

次回もどうぞお楽しみに!

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カミギン島にかかる夕日を前に皆で

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