突然ですが質問です。昨日9月8日が何の日かご存知ですか?
答えは「国際識字デー(International Literacy Day)」。“識字”の重要性について見つめ直し、今私たちに何ができるかを考え合う記念日なのです。
UNESCOによって1965年11月17日に公式に宣言されて以来「国際識字デー」では、社会にとっての識字の重要性を強調することを狙いとした式典が世界各地で行われています。
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「国際識字デー」のはじまり
「国際識字デー」の始まりは、1965年9月8日からイランで開催された“テヘラン会議”において、当時の国王が、各国の軍事費1日分を識字基金に拠出するよう提案したのがきっかけです。
この会議の後、アメリカのジョンソン大統領(当時)が米国議会において、“テヘラン会議”を忘れないため、また教育分野に取り組むUNESCOの識字教育への貢献に感謝の意を表して、9月8日を「国際識字デー」に制定するように呼びかけました。1965年のUNESCO総会で宣言され、1966年9月8日、初めての「国際識字デー」を迎えました。
世界の識字率
現在、地球上ではおよそ7億7600万人の成人には最低限の識字スキルすらないそうです。そして世界の5人に一人は読み書きができず、その内2分の3は女性です。また7500万人の子供は学校に行っていないとう現実があります。
識字率向上に向けた世界各地の試み
世界寺子屋運動
この識字問題に対してユネスコは、「ユネスコ世界寺子屋運動」に1989年から取り組み、20年以上の活動を実施しています。「ユネスコ世界寺子屋運動」は、子どもたちや大人が「学びの場=寺子屋」で読み書きや算数などを学べるように、教育の機会を提供する運動です。
活動国の一つカンボジアでは、60歳になっても、文字の読み書きを初めて習う大人がたくさん識字教室に通い、子ども時代に学校に通えなかったハンディをものともせず勉強に打ち込んでいるそうです。
他にも識字問題に対して取り組む団体は沢山ありますが、日本を基点に画期的な取り組みをされている団体をもう一つご紹介いたします。
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会は、共に学び、共に生きる」平和(シャンティ)な社会の実現のために、カンボジアに加え、ラオスやミャンマーなどアジアの6つの地域で子どもたちへの教育・文化支援を行なっている団体です。
カンボジアの農村部では、十分な文字の読み書きができない人がたくさんいますが、成人になってから学べる場は皆無に等しい状況のようです。そこで公益社団法人シャンティ国際ボランティア会は、州および郡教育局などと連携し、運営委員会を立ち上げ、識字教育など生涯学習の拠点となる施設を設置し、子どもから大人まで通える学習センターを運営しています。
世界中の全ての人々が、当然の権利として「学ぶ」機会にアクセスできる。
そんな世界の実現に向けたこうした取り組みが、「国際識字デー」を通じてもっとより多くの人々に知っていただける機会になるといいですね。
【参考】
公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
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