インターンコラム | トジョウエンジン https://eedu.jp/blog 途上国のイメージを豊かにするノンストップ・デイリーマガジン Thu, 06 Mar 2025 14:08:29 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.6.15 社会人のキャリアの合間に、NPOで、海外で、インターンをするということ。 https://eedu.jp/blog/2019/10/31/phlippines_shortterm_intern/ https://eedu.jp/blog/2019/10/31/phlippines_shortterm_intern/#respond Wed, 30 Oct 2019 16:35:31 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=49592 左から、長期インターン生の山崎さん、現地教育局パートナーのアクロさん、自分、長期インターン生の金井さんです。 こんにちは、今年(2019年)の8、9月に、フィリピンでの短期インターンシップ生としてe-Educationの […]

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左から、長期インターン生の山崎さん、現地教育局パートナーのアクロさん、自分、長期インターン生の金井さんです。

こんにちは、今年(2019年)の8、9月に、フィリピンでの短期インターンシップ生としてe-Educationのお世話になりました、松本 向貴と申します。

IT系の民間企業で1年半勤務した後、文部科学省に転職して数年働き、現在はアメリカの大学院に在籍をしています。e-Educationの典型的な「学生インターン」とはだいぶ異なる形ですが、大学院の夏休みを利用して、現地の活動に参加させていただきました。

約1か月半の短い間でしたし、滞在中はフィリピン担当職員とフィリピンの方々にお世話になりっぱなしだったのですが、「社会人のキャリアの合間のインターン」という形から得られた学びはとてつもなく大きかったです。

また、これまでの経験を活かして、現地に対してほんのわずかながら貢献できたかな?と思いましたので、今回レポートをさせていただきます!

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1.インターンのきっかけ

「世界を知っている」って一体どういうことなんだろう?

アメリカでの留学生活を通じてこう感じたことが、最も根本的な理由だと思います。

もともと留学には興味があって、「アカデミックな知見を活用した教育分野の政策形成」「教育資源の配分方策」といった内容を学ぶため、スタンフォード教育大学院のInternational Education Policy Analysisというコースに進学をしました。このコースはその名のとおり、様々な国の教育制度・政策について学べるコースで、大量の文献を毎日のように読んで、自分自身も1年間で論文を書くという、なかなか「ガリ勉」なコースでした。

勉強の内容はまさに期待していたとおりのことで、「国際的に見た学力と経済成長の関係」、「生徒の健康面や家庭の経済状況が学びに与える影響」などを、アメリカに限らず、世界各国の分析から知ることができましたし、そもそもそういったリサーチはどうやって行われるべきなのか、どう指標を設定するべきなのか、といったことまで学ぶことができました。

ですので、学びの内容に不満や不足があったわけでは何らないのですが、同時に、「この(大量の)文献に書かれている世界のことを、自分はどれだけきちんとイメージできているのだろう?」という思いが、学期を進むごとに強くなってきました。

「学校」という言葉で書かれているものは、本当に、自分が日米の学校を見てイメージしている「学校」なのだろうか?

「学力」はどの国でもペーパーテストの結果のことなのか?

世界的な研究の関心はまだまだ就学率や学力にあるということは分かったけれども、では「教員の働き方」のような問題は、日本でしか発生していないのだろうか?

そして、子どもたちは何を考え、何のために学校に行っているのだろうか?

日本の中でも「学校」「子ども」は地域によって本当に多様ですから、世界のことはなおさら、論文を読むだけで分かった気になってはいけないのだろう、という気がしていました。

そして同じ頃、少しブームに遅れて、書籍「ファクトフルネス」を読み、自分が持っていた常識を揺さぶられました。

若干のネタバレで恐縮ですが、この20年で極度の貧困にある人の数は半分になり、今や世界の8割の人が何らか電気を使える状況にあると。傾向だけで見れば、明らかに世界は豊かになっているのでしょう。教育に関する指標も話は同じです。

にもかかわらず、自分の修士論文のテーマを設定する時を振り返ると、無意識に「『先進国』について調べた方が日本の参考になるかなあ…」という思いが働いていたと思います。

結果的にアメリカの政策を中心に研究を行うことにして、日本との共通点も相違点もたくさん見つかったので、学びは多かったですし、歴史的に見て、比べるなら「先進国」の方が類似点は多いのかもしれませんが、いずれにせよ、「先進国」「途上国」というくくりでは見えていないものがあるのかもしれない。

要は、「International」の名を冠した学科に留学をして、世界中から集まるクラスメイトと一緒に国際的なトピックをたくさん学んでいるけども、それだけで「世界を知っている」と本当に言えるのか?と思い始めたわけです。

アメリカの大学に居て分かるのは、その大学のことと、関わりある企業や組織のことです。クラスメイトやその友人たちは自分の視野をぐんと広げてくれる最高の存在ですが、「その大学にフィットする人たち」の集まりが「世界の縮図」とは言えません。(「アメリカの縮図」とすら言えません。留学して強く思ったのは、少なくともアメリカは「こんな教育」「こんな社会」と一般化するのが極めて難しい、何もかもが多様な国だということです。例えば交通ルールすら州によって微妙に異なります。)

それでも十分「世界を知っている」と言いうるとも思いますし、現場に行かなければ論文を読む意味がないかというと、全くそんなことはないので、自分の納得感と、好奇心が満足するかどうかだけの問題なのですが、とにかく、日本とアメリカ以外のどこか、特に「途上国」と呼ばれてきた国の教育現場に、自分は行ってみたいなと。

そんな時に、たまたまe-Education代表の三輪開人さんとスタンフォードでお会いしたことを思い出し、思い切って「無給インターンさせてもらえませんか?」とストレートにお願いしたところ、ビデオミーティングを経て最終的にご快諾をいただきました。

e-Educationのこと自体は、前から創業者の税所篤快さんの本を読んで知っていたので、日本のNPOの取組を、利害関係ない立場から体感したい、という思いもありました。

インターンが終わった今では、そんな当初の願いを100%叶えられるものだったと思っていますし、期待をはるかに超える刺激的な体験も、たくさんさせていただきました!

2.フィリピンで感じたこと、学んだこと

取り組んだことを書き並べてもあまり面白みがないと思うので、最も強く感じたことを3点だけお伝えします。

大きな格差

インターン中は主に、フィリピンで5番目に大きな街、ミンダナオ島のカガヤンデオロ(Cagayan de Oro)市で活動しました。人口約70万人と言われています。皆さんは、「フィリピンで5番目」と聞いて、どのような街を思い浮かべられるでしょうか?

到着から2日目、街を歩いていて見たのはこんな風景でした。

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道端に生きた鳥が並んでいたり…

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市場で肉や魚が所狭しと売られていたり…

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川辺に行けば野生の牛にも会えます。

いかにも東南アジア、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

そして、そんなエリアから10〜15分も歩けば、こんなショッピングモールに到着します。
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…とても綺麗、ですよね。中には、レストラン、服屋、フードコート、おもちゃ屋、ボウリング場、ゲームセンター、24時間営業のジムなど、なんでも詰まっています。来てすぐの頃、物価の安さ、ご飯のおいしさ、人がすし詰めになった乗り物など、色々と印象的な点はあったのですが、一番驚かされたのは、この「差」かもしれません。

さらにそこから徒歩20分ほどのエリアの写真がこちらです。
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高床式になっている家々の下に散らばっているのは、ほとんど全てゴミです。アジアっぽいとかそういう話ではありません。一軒や二軒ではなく、あたり一帯がこういった家なのです。言葉もありませんでした。

アメリカ(=いわゆる先進国)でも、高層ビル街のすぐ近くに治安の悪いエリアがあったりしますし、都市部で仕事がない人は路上での生活を強いられたりします。しかし、ここまでインフラが整っていないエリアは見たことがありません。

また、首都ないし国の経済の中心地ならば、お金がいくつかの箇所に集中するのも、ある意味では「ありがちな」現象だと思うのですが、人口100万人ない街でもこうなるのか…と、予期していなかった光景に大きな衝撃を受けました。

極度の貧困にある人は20年で半分になったという話を先ほどしましたが、きっと、大きな街では、多かれ少なかれ「置き去りにされている」人が存在しているのだと思います。

<余談1>フィリピンのMaaS(Mobility as a Service)事情

フィリピンの大きな街では、Grabというアプリでタクシーを呼び、精算は現金、クレジットカード、どちらでも行うことができます。カガヤンデオロ市では、通常のタクシーと同じように、走った時間と距離に応じて降りる際に運賃が決まりますが、マニラでは固定料金を支払うプランも選べました(アメリカのUber、Lyftと全く同じ仕組みですね)。

タクシーの初乗り運賃は40ペソ(約80円)。サービスはアメリカと同等のものが提供されている一方、賃金や物価は安いまま…といういびつさも、フィリピンの発展の仕方を象徴しているのかもしれません。
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「教育」への情熱と課題

そうした「置き去りにされている人々」―アメリカではMarginalized Groupsという言葉をよく耳にします―が、単に本人の努力不足によって置き去りになっているのなら、話は簡単です。しかし、少なくとも自分が会った人たちに関して、全くそんなことはない、と、滞在中のあらゆる場面で思わされました。

インターンの最初の仕事は、日本の方がこういったエリアの家庭などを訪問するツアーの補佐でした。いわゆるフィールドスタディツアーですね。家庭訪問だけでなく、市内の小中学校やゴミ集積場を訪ねたり、青年団体との意見交換をしたりと、盛りだくさんの行程でした。おおまかな日程は現地入りした際すでに決まっていたため、私の仕事は、スケジュールの最終チェックから始まり、当日、タイムマネジメント、意見交換用の資料の作成、日英の翻訳などでした。

そうした運営業務をしつつ、各行程では、参加者の方々とほとんど同様に、現地の方とたくさん交流させていただきました。例えば、家庭訪問などでは、実際に家の中に入れてもらって、20分ほどお話をさせていただきました。平日の中学校訪問では、試験をやっている教室の中に堂々と入らせてもらって、テスト中の生徒に「その問題難しい?」「将来の夢は?」など気軽に質問をさせていただいたり、先生には進級率などの指標の推移について色々と教えていただいたり。

土日は、「オープンハイスクールプログラム(OHSP)」と呼ばれる、早期妊娠や仕事、障害など様々な事情で平日学校に行けない子のための教育課程を、3つの中学校で見学させていただきました。(少々長いですが、スタディツアーの様子はこちらの動画をご覧いただけると分かりやすいかと思います!)

また、8月下旬には、日本企業による教材導入事業の現状確認などのため、これまた公私4つの学校に行く機会がありましたし、9月には、カガヤンデオロ市から半日かけて着くカミギン島という島で、先生が家庭や近隣へ訪問をする「モバイルオープンハイスクールプログラム(MOHSP)」という授業などに同行させていただきました(MOHSPの目的や対象は、OHSPとおおむね同じです。大きな違いは、先生が生徒の家などに行く形である点だけです)。

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MOHSPの先生、生徒、e-Educationインターン生、そしてその周りで遊ぶ子どもたち。「学ぶ」という行為は、こんなにもゆったりとしたものになり得るんだなあ、と思いながら、一緒に時間を過ごしました。

その全ての行程で一貫して感じたのは、
・生徒は学びたがっているし、
・保護者は子どもに学んでほしいと思っているし、
・先生は渾身の情熱をこめて教育をしている
ということでした。

「平日はマッサージ師の仕事をしながら、休憩中に宿題を解いて勉強しています。日曜は、ボートを30分漕いで学校に来ています」 日曜日に訪問したOHSPでの生徒の言葉です。

カミギン島のMOHSPで訪問した生徒は、妊娠9か月ですが、「出産後はすぐ高校に行って、将来は教師になりたい」と言っていました。

また、先ほどゴミだらけの写真を紹介した地域では、子どもたち、先生、保護者から、歌って踊って、それはもう熱烈な歓迎を受けて、顔も知らない人のために、こんなにも全員が全力になれるのであれば、きっとこの子たちにできないことは何もない、という気にさせられました。本当に、これほどバイタリティとホスピタリティに溢れた空間は久しぶりでした。

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そして、先生方もとにかく情熱的でした。OHSPは、それを修了すれば「中卒」になる、オフィシャルに認められた教育課程なのですが、カガヤンデオロ市では専任の教員が配置されていないので、先生方は平日も授業をやって、かつ、土曜または日曜にOHSPの生徒に教えに来ています。

現地教育局パートナーのアクロさんによれば、はじめこのプログラムを導入するときは、「月曜から金曜まで山のような問題に対処しなければならないのに、なぜ土日にまた問題を持ってこようとするんだ」と多くの関係者から言われたそうですし、今でも同じような声はあるそうです。

しかし、それでもなお「生徒を助けたい」と思って、休日に有志で教えに来ている先生は、全員、とてもエネルギッシュでした。本来、1クラスは25人程度に収めないといけないらしいのですが、あるクラスでは、50人くらいの生徒がいたかと思います。

それくらい需要がある制度であるにもかかわらず、人手は常に不足している状況です。先生方は、そういった状況にも音を上げることなく、一人ひとりの学びをサポートしています。こればかりは、言葉でいくら表現しても伝えきれる気がしないのですが、先生は常に、その環境でのベストを尽くしている、と心から感じました。

ある学校では、「平日の課程と同じ内容を学ぶ」ことが生徒のモチベーション維持のために重要なようで、それを全科目でいかに徹底できるか心を砕いていましたし、別の学校では、問題演習の時間をきちんと確保できるよう、カリキュラムを工夫していました。

そもそも平日より少ない授業日数でいろいろな単元をカバーしなければなりませんし、突発的に休まなければならないような生徒も多いでしょうから、スケジュール管理と教材の準備だけでも大変だと思うのですが、それらに加えて、各学校、生徒の個別の事情に応じた指導がなされていたのを覚えています。

一方、こうした先生方の情熱に大きく感銘を受けると同時に―日本の教育の事情にお詳しい方ならもうお気づきかと思うのですが―「教員の働き方」「教育のためのリソース」のような話は、悲しいことに、ここフィリピンでも既に顕在化してきているのだな、とも感じました。

フィリピンでも、先生は忙しいです。上述のようにOHSPは先生の献身的な取組によって支えられていますし、朝7時に学校が始まるところもあるなど、平日も大変です。また、もともと予定していた教員研修の開催直前になって、同日のスポーツ大会の運営補助に先生が駆り出されることになり、研修への参加者が大幅に減ってしまった…ということもありました。

また、「数年前に施行されたカリキュラムの教科書の草稿がやっとできて、いま政府で検定をしている。それまでは子どもに配れるものはない」「印刷費が足りないから、古いカリキュラムに則した問題集を今でも使っている」といった話も聞きました。

しかも、スポーツ大会の運営補助のような話は、先生を多忙にするだけでなく、そもそも「授業」という、生徒の学習のために貴重な時間的資源を奪ってしまっています。多くの学校で、やるべき単元が全部網羅できていない、という調査もあるようです。

さらに、OHSPの生徒の話を伺っていると、「学校がある」ことと「学校に行ける」ことの間には、大きなギャップがあることを感じさせられます。

フィールドスタディツアー中、あるグループインタビューでは、「大学に行くためにはお金がかかる」ということは半ばもう分かっていたので、「お金以外で困っていることはあるか」という質問をしました。

返ってきた答えは「通学が大変だ」という話だったのですが、よくよく聞くと、「平日毎日学校に通うための交通費がないから、OHSPに通っている」と。「お金以外」という限定を付けて質問しても、結局、問題はお金の面に帰着しているわけです。

加えて、OHSPの存在を誰から聞いたか尋ねると、「親戚」という答えだったりします。できてから数年の制度なので、いま働いている子どもも、雇用者も保護者も、存在を知らない恐れは十分にあると思います。知らない学校に行くことはできません。

カガヤンデオロ市のことを悪く言いたくはないのですが、こういった状況では、「どこに生まれても平等に教育の機会がある」と言い切れません。たまたま学校の近くに居て交通費がかからないとか、OHSPの存在を知っている人が周りに誰もいない中で働き続けているとか、そんな事情が教育段階を決めてしまうのであれば、本人の努力不足でいい仕事に就けていない、とは口が裂けても言えないな…ということをまざまざと感じさせられました。

他にも、学習インフラ(机のスペースが30×30㎝くらいしかないなど…)や、より細かいシステム面のことなど、仕事柄感じた点は多々ありますが、それを書き始めると長くなりすぎるので割愛します。とにかく、生徒も先生も情熱があり、そして、情熱だけでは解決できない構造的問題がはびこっている、というのが、滞在中を通じての感想です。

フィリピンへの「貢献」

ここまで、ある意味では「誰でも書ける」ことを書いてきました。途上国で貧富の差を激しく感じた、現地の関係者の情熱に触れた、教育の充実が求められる。自分の拙い表現力もあって、「色んな海外体験記に書いてあることと同じではないか」と我ながら感じてしまう部分もあります。

しかし、社会人として数年キャリアを積んだこの時期にインターンをすることには、普通の海外体験とはまた異なる独自の価値があったと思っています。それは、現地に対して「貢献」できたという実感があることです。

この1か月半、最も感情が揺れ動いたのは、上述のような生徒・先生方の情熱に触れた時ですが、最も充実感を感じたのは、①フィリピンの先生方へのプレゼンテーションをさせていただいた時と、②OHSP、MOHSPに通う生徒へのリサーチづくりに携わらせていただいた時でした。

①プレゼンテーション
現地教育局パートナーのアクロさんから「なんでもいいので、教育局と先生たちに、日本の教育についてしゃべって」と言われたのは、8月、割と来てすぐだったと思います。発表は9月上旬でした。

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数十人の先生、教育局職員の方の前で40分程度発表しました。

「なんでも」というのは一番難しいもので、日本の教育の全てを自分一人で話すことなど到底できませんし、小学校が6年あって…教科は国語算数理科社会…という話だけをしても、「ふーん」で終わりそうな気がします。

近年の政策の話は、これまでの取組とその目的が共有されていないと、新しさや意義が伝わりません。教育目的が違えば、アクティビティや指導法を紹介しても役に立ちません。

色々考えて、自分が留学で学んだトピックこそ、どの国の人でもある程度興味が持てるのではないか?という結論に達しました。冒頭書いたとおり、「国際的に見た学力と経済成長の関係」、「生徒の健康面や家庭の経済状況が学びに与える影響」などですね。

ということで、アイスブレイク的なトピックの後に紹介したのは、以下のようなグラフです。
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※出典:Hanushek, E. A., & Woessmann, L. (2016). Knowledge capital, growth, and the East Asian miracle. Science, 351(6271), 344-345.

左のグラフは、「教育を受けた年数」と経済成長率、右のグラフは「国際学力調査のスコア」と経済成長率の相関を取ったグラフです。(生の数字ではなく、「他の条件が同じなら」という仮定を置いた値です。)1960~2010年までのデータを使っているので、最新とは言えないのですが、ここから読み取れるのは、
・教育年数が増えたからといって、国全体の経済成長率が伸びるわけではない。
・テストスコアと経済成長率は強く相関する。

ということです(なぜそう読み取れるのか…ということに興味が湧いた方は、ぜひ原典をお読みください!論文はWeb上に公開されています)。

むろん、テストスコアがいいから経済成長したのか、逆なのかは、議論の余地がありますが、経済成長が全ての原因なのであれば、教育年数もテストスコアも、同じような相関図になりそうなものです。論文の著者の一人Hanushekはスタンフォードの教授なのですが、彼は、テストスコアが経済成長を牽引している、と主張しています。

この図を用いたのは、フィリピンがかなり目立つからで、教育年数は増えているのにテストスコアが伸びておらず(=クオリティを引き上げられておらず)、アジア諸国(赤色)の中で、唯一経済の伸びが悪い国になっています。

先生方が教える内容が変わるわけではないので、こんな話はあまり興味がないかもなあと恐れていたのですが、プレゼン後、一人の先生がわざわざ話しかけてくださり、「テストスコアのグラフが興味深かった、クオリティが重要ということが分かった」とコメントしてくださいました。

卒業してもらうだけでも大変であるとしても、学力の向上を引き続き目指していくことが大事…というメッセージを届けることができたのかなと思っています。

また、健康面が生徒の学力に影響するというのは、直観的にもわかりやすい話ですが、中国の農村部で、視力の悪い子にランダムにメガネを配ったところ、中退率が半減したという調査があります。

そんな論文を紹介しつつ、「生徒の視力を把握していますか」という質問をしたところ、手を挙げたのは1人だけでした。そんな話につなげて、日本では健康診断が毎年あって…健康や物理的な学習環境は大事で…公立小中学校で空調を設置する予算を最近確保して…というお話をさせていただきました。

空調をすぐ先生が設置するのは無理ですが、いずれにせよ、「教えても学力が伸びない=教え方が悪い」と結論づける前に、健康、環境面など複合的な要素を考慮に入れるべき…ということが、その場の校長先生などに伝わっていれば幸いです。

そして、先生の熱意によって教育現場が支えられていることに感動したと同時に、行き過ぎると、教員の長時間労働という問題を引き起こすこと(OECDの調査でも既に指摘されています…)や、何でも先生がやるのではなく、家庭・学校・地域の協働が大事で、例えば日本では、多様な形で学校と地域が連携しており、公立学校では、地域とコミュニケーションを取るための組織の設置が努力義務化されている…といった話をしました。(ちなみに、学校・地域連携は、文部科学省による英語のパンフレットにも載っています。)

こうしたコンセプトを端的に表したものとして、プレゼンの最後に、スタンフォード教育大学院の学長の

You need to make a change with people, not to people.

という言葉を紹介したのですが、終了後のアンケートでも、この言葉を引いてコメントをくださる方がいて、少なくとも趣旨は伝わったかな?と思いました。

長々と書きましたが、要は、「日本の制度面の知識なんて面白くないだろうな」「大学でも制度面を中心に学んでいるしな」とはじめ思っていたのですが、いざ話してみると、思った以上に、そういった視点からの話も歓迎してもらえたし、日々の業務や教育活動にとって身近な話題を、少し変わった角度から提供できたのかな、という気がしています。プレゼンの資料は、後でほしいとアクロさんからも言ってもらえて、人生のこの時期にフィリピンに来てよかったな、と感じました。

②リサーチの企画立案
もう1つ「よそ者」であることが役に立ったなと思うのは、OHSP、MOHSPに通う生徒へのリサーチの企画立案です。正確なデータは、支援の対象、ニーズ、今後の取組などを決めていくためになくてはならないものですが、定量的な分析に使うための調査を設計するのは、意外と難しいです。

また、生徒へのアンケートを伴うものは、後から「あれも知りたい、これも知りたい」と言って追加するわけにはいかないので、内容を精査しておく必要があります。

ちょうど、OHSP・MOHSPとも、今後の支援活動の方向性を考えるために、まず現状把握をしっかりしようとしている時期でした。質問項目を現地スタッフと一緒に考えていたのですが、これは、留学で論文執筆を通じて学んだことが、そのまま役に立ちました。

何をなぜ知りたくて、結果何になるのか?という基本的な枠組みをセットするところから、どんな仮説を持っているのか、それを検証するためには選択式と記述式どちらがいいのか、複数選択と単一選択ではどちらが分析の目的に合うか…など、現場のリサーチ方法に付加価値を提供する役割が果たせたと思っています。

NPOでは…とまで一般化できるのか自分の知識では自信がありませんが、少なくともe-Educationでは、職員の方々は皆それなりに多忙です。4か国それぞれ文化も慣習も異なる場所で多様なプロジェクトを同時並行で運営しなければなりませんし、日本側で、ファンドレイジング、広報、中長期計画の作成などやることも多いと伺っています。慣習的にインターン生ひとりに裁量も多く与えられています。

そんな中で、どんな業界にせよ、そこそこ職歴のある人間が入っていって、知っていることや素朴な感想を伝えることには、小さいけれども意味があったと思っています。それは自分の能力がどうとかではなく、そこそこ職歴ある「よそ者」であれば発揮できる、ある種お手軽なバリューなのかもしれません(もちろん、その小さな貢献は、長期間にわたって、たくさんの方が汗を流してきたからこそあるのですが)。

<余談2>異文化交流で貢献(?)

フィールドスタディツアー中はどの学校でも本当に歓迎してもらい、お返しに参加者有志でソーラン節を踊りました!めちゃめちゃ久しぶりでしたが、勢いでやりきりました。音楽とダンスを通じた文化交流ができて、プレゼンやリサーチの企画立案の次に充実感がありました!
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3.「社会人」×「インターン」

思い返すと、民間企業から文部科学省に転職するときも、1か月ほど自由な期間があったので、ロサンゼルスに語学留学をしてとても刺激的な日々を過ごし、「いつか今度は学位を取りに留学しよう」と決意をしました。

今回のインターンでは、自分の将来の道が決まるようなことはありませんでしたが、自分が今までやってきたことが、何かしら他のフィールドでも役に立ちうるというのは、大きな発見であり、喜び、達成感、自信など、色々なポジティブな感情を抱くことができました。

また1年間アメリカで勉強をしたり、公務員として仕事を続けていくにあたって、大きなモチベーションの1つになるだろうと思っています(公務員からNPO・民間に転身、という道を選ぶ方もそれなりにいらっしゃいますが、自分は転職するつもりはなく、まず留学の成果をきちんと政府に還元したいと思います。)。

「社会人の学び直し」「リカレント教育」という言葉が使われ出して久しいですが、リカレント教育の舞台は、大学に限定されていません。社会人として数年を過ごし、有形無形のスキルを身に着けてから、短期で別の組織に飛び込むというのは、大きな気づきと学びのある「リカレント教育」の一形態になり得るのではないかと思います。

ちなみに、フィールドスタディツアーでは、理系の研究職からIT関係に転身された方が同じグループにいらっしゃいましたが、その方の分析的な視点や資料作成のスキルもまた、ツアーの最終プレゼンをまとめるために、なくてはならないものでした。もしその方が1か月以上カガヤンデオロ市にいらしたら、いったいどんなバリューが生まれただろう…と、想像しただけでワクワクします。

もちろん、たとえ転職休職がしやすい業界にいてもなお、まとまった期間別の組織で過ごすというのは、そんなに簡単ではないと思います。自分自身、そもそも留学中の夏休みという特殊な時期があるからこそできたことですし、航空券から宿泊費交通費まで、滞在中は全部自腹です。

物価が安い国のためなんとかなっていますが、出費がかさむライフステージにいらっしゃる方にとっては、厳しい面もあるかと思います。ですが、1年2年仕事を離れることは難しくても、1か月前後ならなんとかなる…転職の合間なら有休消化で時間がとれる…といった方がもしいらっしゃるのであれば、「社会人」×「インターン」は、ご自身と受け入れる団体がWin-Winになり得る、大きなポテンシャルを秘めた取組だと思います!!業種・職種を問わず、思いもかけないところで、社会人としてのスキルは生きるはずだと、私の個人的な体験からは思います。

まとめると、自分にとって、e-Educationのインターンは、「世界を知りたい」という当初の素朴な願いを叶えてくれるもので、学校教育の現場もそれ以外の現場も、「この目で見てきた」としっかり言える経験ができました。かつ、「自分の職歴学歴を通じて現地に小さな貢献をする」という、社会人ならではの刺激的な体験でもあったと思っています。貴重な機会をいただいたことに感謝して、この学びを、留学2年目の勉強、そしてその後の仕事に活かしていきたいと思います!長文にお付き合いいただきありがとうございました!

※この記事には、所属する・していた組織の見解を代表する内容はございません。Picture1

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e-Education海外インターン物語-ある女子大生の途上国の教育支援への挑戦 https://eedu.jp/blog/2019/05/20/challenge-globalintern/ https://eedu.jp/blog/2019/05/20/challenge-globalintern/#respond Mon, 20 May 2019 05:00:58 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=48834 カミギン島の大自然の中に溶け込みながら、強く生きています 皆さんこんにちは。 現在、2019年3月末より1年間、e-Educationのカントリースタッフとして、 フィリピンに滞在し、現地の教育支援に携わらせていただいて […]

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カミギン島の大自然の中に溶け込みながら、強く生きています

皆さんこんにちは。

現在、2019年3月末より1年間、e-Educationのカントリースタッフとして、

フィリピンに滞在し、現地の教育支援に携わらせていただいている海外インターンの堀田さくらです。

 

今回の記事では、そんな私が大学を一年休学し、

e-Educationの海外インターンとして

東南アジアの途上国であるフィリピンで教育支援に挑戦をする決断に至った経緯と

現在の想いをお伝えできれば思います。

フィリピンの中でも、現在私が住んでいるのは、

山、滝、泉、海の自然の恵みに溢れ、

夜は満点の星が空に瞬いているカミギン島。

 

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カミギン島はミンダナオ島から北に位置する火山島で人口8万人、島の周囲は64km程の規模

 

現地にきて、まだ2か月弱しか経っていませんが、

何よりも、現地の壮大な自然と人々の温かさや人懐っこさに魅せられ、すっかりこの島に惚れ込んでしまっています。

 

その一方で、 増え続ける人口、終わらない貧困のサイクル、

様々な障害によって教育を受けられなくなる子どもたち、質と量の足りない教育、

一点集中する権力などの課題が点在し、都市部とはまた違った問題を抱えています。

 

人生観が180度変わったバングラデシュでの強烈な経験

 

私が人生初めて、所謂途上国と呼ばれる国、訪ねたのは高校2年生の時でした。当時アジア最貧国と言われていたバングラデシュ。

クラクションが常に鳴り響く首都ダッカで見た、ものすごい人の数と勢いで成長していくバングラデシュの都会。

 

0がいくつ付くのか検討がつかないような煌びやかなドレスがショーウィンドウに飾られている華やかなお店から

歩いて5分のところにあるスラム街。

 

そこには、国の発展の裏側を象徴するような

人々の生活廃棄物、汚物、排気ガス、全てが混ざりあった鼻が曲がるような臭いがたちこめていました。

 

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スラム街に立ち並ぶ家々の周りで遊ぶ子どもたち

 

自分が日本で生きてきた世界とは、まったく違う場所・環境で強く生きている人々がそこで生活していました。

 

自分の非日常で、この人たちは毎日を生きている。

膝から先がない足を見せて一生懸命に物乞いをしてくる6歳くらいの男の子。

お腹がぽっこり出ていて道端で下痢をしている2歳くらいの赤ちゃん。

両脚がなく台車の上に乗ってひたすらに追いかけてくる男性。

 

自分の尊厳というものを奪われて搾取され、明日の命もわからない人々がこの世界には沢山いる。

その時、人間はみんな平等だという言葉がバカらしく聞こえたのでした。

 

足りないだらけの教育課題に直面

 

バングラデシュの農村部、自然豊かで美しいボダに位置する私立小中学校行ったときに感じたのは、

教育に対する課題そのものでした。

 

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金銭的状況によって制服が買える子ども、買えない子どもがいる

 

200人以上いる子どもたちに対して校長先生合わせて7人、教室は3つという現状。

靴が買えない子は毒アリがいる中を裸足で駆け回っている。

プラスαの支払いをすることで受けられる補講授業があってそれが受けられないとどんどん落ちこぼれていくシステム。

教師自身に対するトレーニングも施されておらず自信を持って生徒たちを教える方ができない、また給料もとことん安い。

全ての要因が絡まり合い、解決を遠ざけている。

 

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笑顔で子どもたちと接することが精一杯

私は、この時ただ自分の無力さを感じていました。

当時英語さえも満足に話せず、ちっぽけで本当に何の役にも立てない自分に腹が立ったし絶望した。

日本に帰ってしまえば、何も見てこなかったかのように日本で生活できてしまうという自分の立場がずるいと思った。

 

それでも、習ったことを私に嬉しそうに話しにくれる生徒たちや 擦り切れた制服を着て

「高校を出て働いていい仕事について家族を助けたい」 とキラキラした目をした子をみて、

 

教育が人生の可能性を広げるための鍵になる

ということを、ただただ感じたのでした。

そして、このような境遇にある子どもたちが 世界にはたくさんいるということを知ったのでした。

 

e-Educationとの出会い

 

私とe-Educationとの出会いも、実はこの高校2年生の時でした。

あろうことか、バングラデシュプロジェクトの現地パートナー、マヒンさんに

ダッカ大学でe-Educationの事業についてのプレゼンをしていただく機会を頂いたのです。

 

  “Best education to every corner of the world”(最高の授業を世界の果てまで届ける)
”若者・バカモノ・よそ者たちが世界を変えていく”

 

このフレーズが自分の中に、その後も残り続けていたことは言うまでもありません。

この時は、まさか自分がe-Educationで海外インターンをするなんて思いもしませんでしたが。笑

 

教育が誰かの世界を広げるチャンスをくれる

 

バングラデシュでの強烈な経験をしてからというもの、

教育を通じて人の可能性が広がったり、新しい世界が見えて、

その人の人生がそれまでよりも生き甲斐のあるものになったりする

ことに興味を持ち始めました。

 

心のどこかでは、

「知ってしまった以上は何とかしなきゃ」

とという使命感のような感情もあったかもしれません。

 

大学に入ってからも、国際開発学や英語科教職員免許取得のための授業をとったり、

実際に、奨学金や交流会を通じてベトナム、ホーチミンで教育支援を行うボランティア学生団体の中で活動したりと

自分が取り組もうとすることには、教育というワードが付くことが自然と多くなりました。

 

ボランティア学生団体として、イベントを企画、運営をする中では、

現地の人々が何を求めていて、どうすれば持続的な関係性を続けていくことができるのか、考える機会がたくさんありました。

 

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現地パートナー団体と協同で行っていた異文化交流会

 

学びも多かったその一方で、3週間の現地の活動の中で、

この短期間で私たちが現地の課題を本質的に理解して、

そこにいる人々に寄り添って共に成長するということの明らかな限界と自分の傲慢さを知ったのも事実でした。

 

デンマークへの交換留学中に決意した休学、1年間の途上国での挑戦

 

その後、2017-2018の1年間はトビタテ!留学JAPANプログラムを通して、

「先進国と途上国の懸け橋になる」

というテーマを掲げ、デンマーク、コペンハーゲン大学に交換留学をしました。

 

デンマークでは、大学での勉強に加え、フェアトレード商品を取り扱う社会的カフェ・ホステルでをする日々を過ごしました。

この1年間を経て、国際協力という1つのテーマにしても、

本当に様々なアプローチがあるということを改めて感じたのでした。

 

そんなデンマーク、コペンハーゲンでの留学も終盤に近づいてきた頃、

私の中で膨れ上がってきた想い。

 

「このまま、社会人になって後悔しないか?」

 

帰国して、日本で就活をするなら自由な大学生活はほぼ3年間のようなもの。

 

そんな時、自分の中で

まだやりきれていない思いが残っていたことに気が付いたのです。

 

「大学生の間に、もっと長期的に途上国の教育課題に貢献して、誰かの見える世界を広げる手伝いをしたい。」

「将来、多くの人生に ポジティブな影響を与えられるような人間になりたい。そのためにも、社会人になるまでに自分自身が苦手に真っ向から向き合って成長したい。」

 

その2つの想いが胸の中でうずうずしていた時に、

1年前のe-Educationの海外インターン募集を見つけ

応募することを決意し、選考に臨んだのでした。

 

e-Educationは、

「開発途上国における学習機会に恵まれない人々が夢や想いを実現し、自分に誇りを持って生きていけるようになる世界」

というビジョンを掲げています。

 

 ” 夢や想いを実現し、自分に誇りを持って生きていけるようになる世界 “

 

カミギン島で情熱に溢れる現地の人々と出会い、 その人たちと一緒にこの世界を実現したい。

その強い気持ちで、1年間走り続ける。

 

とは言えども、現地に日本人1人で挑むe-Education海外インターンシップは、

綺麗ごとばかりではないし、

やりたいことが思い通りにいかず

日本にいる時以上に、悲しくなることも、悔しい思いも、寂しい思いをすることも、あるのが現実。

 

それでも、自分以外、絶対誰もできないような貴重な経験を

この年齢、タイミングで、自分の意志で挑戦することに意味があると私は思います。

 

”国際協力の現場を自分の目で見てみたい”

”NPOとしての教育支援に関わってみたい” 

”心のどこかで、やりたいと思っていたことをやり切ることが出来なかった自分を変えたい”

”自分がどこまで本気になれるのか挑戦したい”

 

1年前の私と同じように、

一歩踏み出すことを迷っている人に 勇気を出して、

是非応募してほしいと思います。

 

個人的な相談などがあれば Sakura Hottaで 検索してFacebookからメッセージをください。

e-Education海外インターンの募集はこちらから

 

募集概要ページへ »

 

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こんにちは!e-Educationの海外インターンとして、昨年8月よりフィリピンのカガヤン・デ・オロ市で活動しています。早稲田大学法学部3年の山崎真由と申します。

今回は新フィリピンインターンの募集にあたり、現役インターン生の立場から見た、e-Educationで働く3つの魅力を紹介させていただきます!

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もともと日焼けしていたのもあり、現地での溶け込み具合には定評があります

 

魅力1:プロジェクトの圧倒的多様さ

e-Educationインターンが現地でどんな事をしているのかを説明するのは、実は結構難しいんです。というのも、一般にイメージされるような「学校現場で生徒に勉強を教える」「現地機関の一員として働く」ようなことはしていないから。

一言で言うなら、「日本とフィリピンの複数セクターをまたぎ、様々な教育プロジェクトを運営する現地駐在スタッフ」といったところでしょうか。ここでは、その中身を2つの観点に分けて説明させてください。

 

①自由度高い草の根プロジェクト

e-Educationが主として支援しているのは、“Open High School Program(OHSP)”というフィリピンの公教育制度です。

平日に学校に通うことが難しい生徒のために始まったこの制度。有志の先生によって週末に授業が行われ、生徒は週に一度の通学と自習を通じて課程を修了します。

家庭の経済的事情で学校に通えない生徒や、10代にして平日は働いている生徒、早期出産によって子育てに追われる生徒まで、みんな様々な事情を抱えています。彼らはこの制度によって、中学・高校卒業を諦めずに済むのです。

しかしそんな素晴らしい制度にも、一筋縄ではいかない多くの課題が潜みます。その中の一つが先生不足。「平日の授業に加えて週末も働こう」と名乗り出る先生は多くなく、生徒の数に対して教える人が全く足りていません。

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教室に入り切らなかった生徒が廊下から授業を受ける様子

e-Educationはこれまで、映像授業や基礎計算習得のための教材作成等、様々なアプローチを通じてOHSPを支援してきました。最近では、現地の教育学部の学生を派遣し、少人数制で指導を行うプログラムによって授業の質向上を目指しています。

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先生不足の現場で生徒に数学を教える大学生チューター
インターン生は彼らのマネジメントを行います

先入観のない目で移り変わるニーズを見つめながら、プロジェクトを改善・革新し続け、生徒にとってより良いOHSPの実現を目指す。知識や経験の多寡を問わず、インターン生一人ひとりがリーダーとなるのです。

 

②JICAや日本企業と連携した大型プロジェクト

さらに特筆すべきなのは、JICAや日本企業等、他セクターと協働したプロジェクトも数多く動いているということ。1つのNPO、1人のインターンではとても実現できない大きな可能性を秘めたプロジェクトを通じ、現地の教育改革に挑んでいます。

インターン生は主に、パイロット調査やカンファレンスの現地コーディネート等を行います。現地に駐在する唯一の存在だからこそ分かる実情や温度感を日本に伝える役目も担っており、その責任を感じながら活動することになります。

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約200人の教師が参加したカンファレンスの中の一コマ

大学生という立場でこれほど大規模な事業の一員として働くという、とても貴重な機会を得ることができるのがe-Educationのインターン。私自身、経験豊富な大人の方々から多くを学び、広い視野を与えていただいています。

 

魅力2:確立されたパートナーとの関係性

これこそがe-Educationフィリピンプロジェクトの最大の魅力であり、強みだと感じています。

どんなに国際協力に興味があっても、日本人が急に現地に飛び込んでできることは限られています。プロジェクトを行う上で、現地との繫がりは必要不可欠です。

e-Educationフィリピンプロジェクトは2012年に活動を開始し、これまで約10名のインターン生がそのタスキを繋いできました。その間、多様な活動を通じて現地カウンターパートとの絆を深め続け、特に現地教育局とは強固な信頼関係が築かれています。

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左から代表の三輪、現地教育局長、副局長、創業期からの最大の協力者アクロさん、山崎

私たちの支援するOHSPは公教育制度であるため、よそ者が介入することは困難なフィールドです。しかし教育局とのパートナーシップにより、学校現場内での活動が実現。e-Educationの運営するプログラムを導入してもらうことができるのです。

変革を続けるフィリピンの学校制度に横たわる課題に、NPOという立場から取り組めるのは、こうした強固な関係性があってこそ。パイロット校にて小さくとも確実な成功モデルを作り、それをフィリピン全体へと広げるべく、現地の熱意溢れる教育者の皆さんと協働を続けています。

 

魅力3:主体性を求められ、大きく成長できる環境

驚くことに、一地域で働くインターン生は原則として1人

上司も現地には常駐しておらず、その身一つで現地のパートナーやパイロット校を駆け巡ります。同時進行で動く複数プロジェクト全体を見通し、その時に必要な動きを自ら考え、プロジェクトを推進することが求められます。

たった一年で現地の人と関係を作らなければいけない。現地大学に通うわけではないので何もしなければ友達も仲間もできない。特定の案件以外に上司から指示が降ってくることもない。

まさに、自分からアクションしないと少しも前進しない環境なのです。

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初めての環境で知らない大学生の中に放り込まれて、そのアウェーさが辛かった時期
(どこにいるか分からない、とよく言われる写真です)

とはいってもプロジェクト自体は動き続けているので、日々はけっこう忙しない。それに飲まれているうちに、自分の意思のないところで時間が過ぎてしまうこともあります。

正直たった一人でこうした環境にいると、当初の勢いややる気はどんどんしぼんでいきます。

「私一人が頑張ったところで何が変わるんだろう」
「自分の大切な時間やお金を使うだけの価値があるのかな」

「なんでこんな思いをしなければならないの?」

そんな気持ちと隣合わせの日々で、子どもたちやパートナーの想いに応えるべく、自分が強くなるしかないと考えるようになりました。

また現地に自分しかいない分、様々な場面で周囲の人を頼ることが求められます。現地の慣習やスタンダードをより知っているのは、自分ではなく現地の人。そうした意味でも、いかに周りを巻き込めるかが鍵なのです。

私はもともと、正直「国際協力」には不向きなタイプでした。誰かの手を煩わせるくらいなら新しい事を起こすなんて嫌だし、人に頼るくらいなら全部自分で済ませたいし、交友関係も必要以上に広げたくない……

子どもたちと触れ合ったり誰かに喜んでもらうことは好きだし、海外で働くことへの憧れもありましたが、基本的には人間関係に消極的な性格だったんです。

しかしそれではやっていけない。殻を破ることが求められました。

多くの現地関係者ととこまめに連絡を取り、たくさん相談し、頼り、現場に足を運び、仕事外でのコミュニケーションも意識するようになりました。

国際協力は結局「人と人」なのだと思います。それに気づかせ、挑戦する場を与えてくれたこのインターン生活には本当に感謝しています。

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活動先の先生方 右から二番目はいつもお世話になっている上司

最近1つ嬉しかったのが、いつもプロジェクトを手伝ってくれている現地の若者にこんなことを言ってもらったことです。

真由はこの8ヶ月で本当に強くなったよね。
最初はあんなに怯えていたのに。

思い返すと渡航直後は、「期待に応えなきゃ……」「これまでの実績を私でダメにしてしまったらどうしよう」と不安だらけで、いつも現地の人からの目を気にしていました。

しかしその子にそう褒めてもらえたのは、ただ時間が経って慣れてきたことの他に、自分自身が少し変われたからかなあ、と自信を持つことができました。

圧倒的にアウェーで孤独な環境の中で、得意なことも、苦手なことも、好きなことも、嫌いなことも見えてきます。自分以外の誰かに尽くそうともがく中で、結果的に自分のことがよく分かってくるのだと思います。

機会に恵まれ、大きな裁量を与えられ、自分で日々を組み立てながらプロジェクトを動かす。そんな仕事ができるのは、e-Educationだからこそだと感じています。

 

最後に

国際協力業界に本気で興味のある学生、自分を大きく成長させたい学生に挑戦してもらいたい、e-Educationのインターン。

1年という時間をかけて本気で現地に入り込み、その地の仲間たちと本気で協働するからこそ、見えてくるフィリピンのリアルがあります。

ミクロな視点で現場を見つめながら、同時にマクロな視野でプロジェクトに携わることができます。

確かに1年間の休学には、代償も少なからずあります。日本にいる友人が羨ましくなることもあります。しかしだからこそ、現地でより多くを得て、そしてより多くを与えようと全力で奮闘できるのだと思います。

まず一度飛び込んでみてください。見えてくる世界の広さに驚きます。フィリピンの未来の為にあなたと一緒に働けることを、e-Education一堂楽しみにしています!

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「中途半端な自分から抜け出したい」ネパールと私がつながった瞬間から始まる挑戦 https://eedu.jp/blog/2018/10/17/takakokanai_origin/ https://eedu.jp/blog/2018/10/17/takakokanai_origin/#respond Wed, 17 Oct 2018 04:33:30 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=47809 こんにちは!慶應義塾大学総合政策学部2年の金井貴佳子です。私は、来年4月からe-Education海外インターンとしてネパールで活動する予定です。 今回は、なぜ私がe-Educationの海外インターンに挑戦しようと思っ […]

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こんにちは!慶應義塾大学総合政策学部2年の金井貴佳子です。私は、来年4月からe-Education海外インターンとしてネパールで活動する予定です。

今回は、なぜ私がe-Educationの海外インターンに挑戦しようと思ったのかご紹介します。

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e-Educationとの出会い

私が初めてe-Educationと出会ったのは、高校一年生の冬でした。当時私の通っていた高校で、「世界の人たれ講演会」というものがあり、そこでお話しされていたのが同じ高校の卒業生で、e-Education の創業者である税所篤快さんの親友の三好大助さんでした。

当時、私は英語がとても大好きで、海外に興味があったものの、イメージする国は、アメリカやカナダ、イギリスなどのいわゆる先進国でした。社会科の授業で少しは発展途上国を聞いたり学んだりしたことがあっても、正直、そこまで興味はありませんでした。

しかし、その講演会で、バングラデシュのリアルについて聞き、そこで初めて先生不足という現状があることや、農村部は都心部に比べ大学に進学する子どもがとても少ないことを知りました。そして、それを解決するために、e-Educationが映像授業モデルを用いて活動していることを聞きました。

これが、私のe-Education と発展途上国に興味を持ちはじめたきっかけでした。

私の生まれ育った場所、島根

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筆者が通っていた小学校

少し話は変わりますが、私は、生まれてから高校を卒業するまで島根県松江市で過ごしました。

今となってはネタですが、「砂丘のあるところね!」とか「ゲゲゲの鬼太郎ができたところでしょ!」と言われることが多く、「それは鳥取で、島根はその左です!」と何度も訂正するたびに自分の地元に対してネガティブなイメージを持っていました。

高校生になると、課外活動をすることに関心を持ち始めた私は、好きな英語をいろんな人と一緒に学べたらいいなという思いで、「高校生と一緒に学ぶ英語教室」というものを仲間と行いました。

人が集まらなかったり、学業との両立がうまくいかなかったり、何かと大変だったことはありますが、それでも約1年間、たくさんの人の協力を得て、心の底から「やりきった!」と言える経験をすることができました。

ある種の成功体験のおかげで、自信を得て、大学で学びたいことも見つかりました。無事第一志望校の大学に合格した私は、「将来、島根のために役に立てる人間になるぞ!」と志高く上京したのです。

e-Educationとの再会

意気揚々と上京したものの、数ヶ月後には、その思いは見事に打ち砕かれました。周りにいる友人と比べては、劣等感を感じ、何かやりたい!と思っても自分は何がしたいのかわからないし、自信がないうえに失敗することが怖くひたすら安全な場所を求めるようになりました。

例えば、大学の授業で手を挙げれば挑戦できるような環境があっても、「誰も応援してくれなかったらどうしよう」とか、「変な目で見られたらどうしよう」と周りの目ばかり気になるのです。

何より、大学には帰国子女がたくさんいるので、自分の好きだった英語に自信がなくなったのです。想像していた大学生活とはかけ離れた、涙の多い学生生活でした。

大学生活にもようやく慣れてきた2年生、人とは違うことがしたい、違う経験をしたいと思った単純な私は、アフリカに行ってみたいと思い始めました。アフリカンフェスティバルに行ってみたりアフリカに行ったことがある人に話を聞きに行ったり、とにかく情報を集めに動き回りました。

そしてなんと、アフリカに行くために参加していたイベントにe-Education の方たちがいたのです。これが、高校生ぶりのe-Educationとの再会でした。

その後も、アフリカに行こうと準備を進めていた私は、ケニアにある学生のためのITの学校にインターンしようとしていました。アフリカのどこに行くかも何をするのかもだいたい決まりかけあとは親を説得するだけとなった頃、「結局、アフリカに行っても私は何も変わらないのではないか」と思うようになったのです。

アフリカに行ってみたところで新しい経験はできても、それは私が本当に求めているものではないと直感的に感じていたときに、イベントで再会したe-Educationのチラシに目がいったのです。

「中途半端な自分」から抜け出す覚悟

自分を変えたい思いが募ってきて、「中途半端な自分」から抜け出したい思いが日に日に強くなりました。大学でもサークルでもインターンでもどこか他人事で関わっていた私。

できない理由を探し、言い訳を重ね続けた私に、「やりきった」と言える感覚が持てないのは今から考えれば当たり前のことです。

全力で向き合って、壁にもぶつかって、それを乗り越えてこそ心の底から「やりきった」と言えるはず。私にはその経験が必要だ。

そう思い、インターンに応募することを決めました。

応募してからも、自分の嫌なところ、好きになれないところと何度も向き合うことになりました。変わりたいけど、どう変わりたいのか言葉にできず涙することは多々ありました。

それでも、e-Educationの職員の方たちは、全力で向き合ってくださり、何より、インターン生が話を聞いてくれたり、乗り越えるために私の中にあるものと足りないものを教えてくれました。

インターンの応募中は、決して楽しいだけのものではなかったけれど、久しぶりに自分が自分に必死になれた瞬間でした。まだ、自分には変わることができる可能性があるかもしれない。いや、変わることができる。そう信じることができました。

なぜネパールで挑戦するのか

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そして、海外インターンの場所で、フィリピンとネパールの2つの選択肢があった中で、ネパールを選んだのは、ネパールの活動地と私の出身である島根が重なったことにあります。

私は、島根という都市部から比べる田舎の地域で育ちました。それでも、自分が心から楽しめる経験ができたり、ワクワクする瞬間をたくさん味わうことができた小中高時代でした。ネパールでの活動地も、都心からやや離れたところで、より現場に近いところで活動する予定です。

どんな環境でも自信を持って生きていけると伝えたい。そのために全力で向き合ってネパールの子どもたちも先生方も私も一緒に成長したい、そう強く思っています。

行ってみよう、ネパールへ

そして実は、ネパール担当として1年間現地に行きますが、私はまだネパールに行ったことがありません。出会ったことがあるネパール人といえば、近所のインド料理屋さんの店主くらいでしょうか。

それでも、先輩インターン生から聞く現地の話や、長期休みにネパールへ訪れた友人から話を聴くと、「リピートしたくなる国!もう一回行きたい!」という声や「日本とは違う時間が流れているから、ネパールに住んでみたい!」という声を聞き、ますます行きたくなりました。

きっとこのように、友人から旅の話を聞いたり魅力的な景色をテレビで見たりして、行きたい!けど時間がなくて行けない、、、という経験をされたことがある人は少なくないはずです。

なんと、そんな方達にも、まるでネパールに行ったかのような体験ができるチャンスがあります!

ネパールの絶景を!生活風景を!VRで体験することができるクラウドファンディングを始めました!今まで、行きたいと思っていても、時間がなくて行くことができなかった方でも、そんな距離を超えてネパールを旅することができるチャンスです!!

私も、未だ訪れたことのないネパールに、VRで一足先に体験できると思うととてもワクワクします。

皆様の応援なしには、このプロジェクトは実現できません。11月15日まで、約1ヶ月間の挑戦となりますので、どうか最初の一歩のご支援をよろしくお願いいたします。

そして、皆様も途上国のリアルを知る新しいカタチを一緒に創ってみませんか??

ワンダーネパールへ旅をする!ークラウドファンディング挑戦中 »

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ネパールの5ヶ月にわたるインターンで気づいた海外で働く「理想」と「現実」 https://eedu.jp/blog/2018/04/15/nepal_internship/ https://eedu.jp/blog/2018/04/15/nepal_internship/#respond Sun, 15 Apr 2018 07:56:55 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=46889   ナマステ〜!e-Educationネパールプロジェクト担当の佐藤由季也です。前回の記事では、村育ちの私が大学を休学してネパールに来るまでの経緯について書きました。みなさん、「海外で働く(インターンする)」こ […]

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ナマステ〜!e-Educationネパールプロジェクト担当の佐藤由季也です。前回の記事では、村育ちの私が大学を休学してネパールに来るまでの経緯について書きました。みなさん、「海外で働く(インターンする)」ことにどのようなイメージを持たれているでしょうか。

「かっこいい」「大変そう」「しがらみがなくて楽そう」「英語で仕事は難しそう」など様々なイメージがあることと思います。今回は私がネパールで五ヶ月間インターンをしてみてわかった海外で働くことの理想と現実についてお届けしたいと思います!

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英語を使って仕事をしたい!?

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私は大学で英語教育を専攻していることもあって実際に英語を使って仕事をしてみたいという憧れがありました。「英語で交渉する」「英語でスカイプ」「英語でミーティング」ってすごく憧れますよね。私も御多分に洩れずそういった憧れを抱いていた大学生でした。

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実際にネパールで活動を始めて5ヶ月。日々英語とネパール語を使ってプロジェクトを進めています。つまり「英語を使って仕事がしたい」という夢がひとつ叶ったわけです!

しかし現実は・・・

 英語が伝わらないのです・・・。「伝わらない」というのは、おそらく私の英語力がとてつもなく低いわけでもなければ発音が悪すぎるわけでもありません。英語という言語に乗せて伝わるべき自分の主張や相手にしてほしいことが伝わらないのです。何度言っても相手が動いてくれないし、自分の意見も通らない。なぜだ。なぜだ・・・。

伝わらない理由を考えた結果、私は「話す」ことに意識が向いていて、「伝える」ための努力を怠っていたということに気づきました。原稿を棒読みしているだけの人のプレゼンはどんなに内容が優れていても心に響かないのと同じで、どんな素晴らしいアイデアや戦略も「伝える」努力を怠ったら、ただのかっこいい言葉の羅列になるだけです。

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私が実践するシンプルかつ効果的な伝え方

その事実に気づいてから私が意識するようになったのは伝える順番です。

  1. Why
  2. How
  3. What

この3つの順番で物事を伝えるように意識するようにしています。非常にシンプルですがかなり効果的です。共通認識がなかったり、始めてプロジェクトを説明するときなどには特にこの3つの順序を意識して伝えます。この伝え方はSimon SinekのTEDスピーチをみて学びました。時間のある方はぜひ動画をご覧ください。

 
TOEFLや英検などの英語試験においてはReading, Listening, Writing, Speakingという4つの技能で英語力を図ります。しかし、英語に限らず、あらゆる言語において私は4技能+ Delivereingの能力が必要だと考えています。ただ話すのではなく、相手に伝わるように、表情や視線、文章構成などを工夫して自分の考えをDeliverする能力こそ海外で働くには必要な語学スキルの一つだと思います。
 

海外に行ったら成長できる!?

 理想

私はe-Educationのインターンに応募する前、トジョウエンジンの記事に載っている海外インターン生の姿を見て「自分もこんな風になりたい!」と思っていました。「自分も海外でインターンすればこんな先輩方のように成長できるに違いない!」そんな風に渡航前は思っていたわけです。

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渡航前私はある3つの思い込みをしていました。

  1. 環境が変われば成長できるという思い込み
  2. 海外に行けばスーパーマンの如く自分の全能力が成長するという思い込み
  3. 成長は誰かが与えてくれるものという思い込み

 

しかし現実は・・・

この3つの思い込みはどれも間違っていることに気がつきました。

ネパールに来て初めの3ヶ月間は正直成長を実感できませんでした。成長を実感できたのはネパール語力くらいです。渡航してから3ヶ月間はプロジェクト云々より「自分どうしよう・・・」ということばかり悩み、しょっちゅう体調を崩していました。渡航前に描いていた「海外インターン」とは遠くかけ離れたインターン生活だったわけです。

しかし渡航4ヶ月目あたりから徐々に自分の成長が見えるようになってきました。それは「成長の方向性」が定まったからです。

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3つの対話が大切

成長の方向性を定めるために大切なのは3つの「対話」だと考えています。

  1. 自分自身との対話
  2. 他者との対話
  3. 社会との対話(社会に対してなぜ?を問い続ける)

私が「成長の方向性」を定めること、対話をすることの大切さに気づいたのは3月に行われたネパールフィールドワークの時でした。

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対話で急成長する学生たち

フィールドワークには、15名ほどの学生が参加し2週間ネパールの農村や企業、学校を訪問しました。参加した学生はネパールで途上国のリアルや、社会を良くしようと奮闘する人をみて、自分と向き合い、参加者同士で語り合い、ネパール社会に対して「なぜ?」を問い続けていました。

ネパール渡航前は、「何かしたいと思っていたが、行動に移せなかった」のが、渡航後には「将来の迷いがなくなった」、「将来の一歩を決断できた」 など自分がどこへ向かって努力するべきか明確になっていました。人は2週間でここまで大きく成長できるのだということに驚きを隠せませんでした。

私はこの1年間、教育という分野に成長の方向性を定め、一直線に進む覚悟でいます。1年後にはまた違う方向になっているかもしれませんが、この1年間はひたむきに教育と向き合って行きたいと考えています。

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社会を変えたい!?

理想

e-Educationのインターン最終選考の面接の時、代表の三輪さんに「ネパールでの1年間、社会を変えるための1年間にしたいか、それとも自分を変えるための1年間にしたいか」と問われました。私は少し考え、「社会を変えるための1年にしたい」と答えました。

「よし、ネパールの教育を少しでもよくするために全力を尽くそう!」と決意し、渡航したわけです。その時はモチベーションマックスでした。自分ならできる、という根拠のない自信しかありませんでした。

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渡航前「行ってきますプレゼン」の様子

 

しかし現実は・・・

ネパールでの活動は想像以上にハードでした。渡航前は「映像授業で農村の生徒の学力バリバリ上げてやる!」なんてイメージしていたのが、いざ学校へ行ってみると、パソコンが壊れている・・・。パソコンをなんとか修理して「よしやっと映像授業を見せられる!」と思っていたら今度は生徒が、

生徒:「ユキ、ファイルが開けないよ」

佐藤:「ダブルクリックすれば開けるよ」

生徒:「ダブルクリックって何?」

佐藤:「は〜(溜息)ダブルクリックは、こうするんだよ(カチカチ)」

生徒:「そんな早く二回クリックできないよ!(カチッ・・・カチッ)」

佐藤:「ケガルネ?(ネパール語でどうしよう、の意)」

と行った感じで何も進まない。

映像授業の様子

農村での映像授業の様子

無力を実感

一ヶ月、二ヶ月とどんどん時間は過ぎていくのにプロジェクトは一向に進む気配がありません。ここで踏ん張ればいいのですが、私が思ったのは

「教育の専門家でも無いし、第一教育実習でしか教壇に立ったことない一大学生がネパールの教育を変えるなんて何を考えているんだろう。」

といった諦めでした。

3つの支え

しかし私は今ネパールで五ヶ月目を迎え、今前を向いて活動しています。自分がネパールの教育に少しでも貢献できると信じています。では、何が私の支えになっているかというと、

  • 「仲間の存在」
  • 「子供の笑顔」
  • 「存在価値の発見」

この3つが私を支えてくれています。

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特に「仲間の存在」は大きいです。プロジェクトのことで悩んでいる時、電話でアドバイスをくれる同期インターン生。忙しいスケジュールの合間を縫ってインターン生の成長を支えて下さっているe-Educationの職員の方々。そしてネパールで一緒に活動している先生や現地NGOパートナー。私は心底人に恵まれているなと思います。

微力だけど無力ではない

e-Education海外統括担当の吉川さんがよく言う言葉があります。

微力だけど無力ではない

自分がこの世界に対してできることは本当に小さいことかもしれない。でも無駄なことは一つもない。そう思えた時、「自分がここいるだけでなんらかの価値をうみだしている」という「自分の存在価値」を発見できました。

私はすごく単純な人間なので、自分にできることを全てやろうと考えました。自分のできることを全てリスト化しそれをWordに打ち込んで、「家庭教師やります。なんでも教えます!」というチラシを配って歩きました。結果、予想以上に申し込みが来て個別指導する時間が取れなくなったので、子供たちを朝近くのお寺に集めて青空教室をはじめました!

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青空教室の様子

 

 0から1へ

「0→1を創り出したい!けど自分には何もスキルがないし・・・」

「社会課題を解決してみたい。けど自分に何ができるんだろう・・・」

そういった悩みを抱えている人たちに伝えたいのは

まずは0の自分に1を足すことから初めてみませんか?

ということです。自分ができないことは一旦脇に置いておいて、「自分は何ができるのか?」を考えて行動してみたら道が開けてくるのではないかと思います。

さいごに・・・

海外で働きたい、インターンをしたいという人は直面するであろう理想と現実のギャップ。理想が高ければ高いほど、現実を知った時のショックは大きいです。しかし大切なのは現実をどう受け止め、次の行動に移すかだと思っています。残り5ヶ月間のネパール生活を全力で駆け抜けます!最後まで読んでいただきありがとうございました!

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ネパールの最貧困地域で幸せを追い求めて、歌ってみた。 https://eedu.jp/blog/2018/01/22/nepali-happiness/ https://eedu.jp/blog/2018/01/22/nepali-happiness/#respond Sun, 21 Jan 2018 23:00:11 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=45292 「今、幸せですか。それとも幸せになりたいですか。」 怪しい壺を売るつもりはありません。NPO法人e-Educationのネパール2代目インターンです。あなたは、この質問にどう答えますか。 SPONSERD LINK 僕は […]

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「今、幸せですか。それとも幸せになりたいですか。」

怪しい壺を売るつもりはありません。NPO法人e-Educationのネパール2代目インターンです。あなたは、この質問にどう答えますか。

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僕はどうかというと、、、声を大にして

幸せになりたい!!!

全然今が幸せじゃないわけではないんです。衣食住も十分満たされていれば、家族にも友達にも恵まれていると思います。それでも僕は心のどこかで。いや、なかなか目立つところで常に幸せを追い求めている気がします。

強欲なんですね。そういえば僕の好きな遊戯王カードは強欲の壺でした。

じゃあ、何がどうなったら幸せなのか。そもそも幸せってなんなのか。この問いに答えることこそが僕を幸せに近づける大きな鍵を握っていそうです。

僕は、幸せの意味を追い求める旅に出ました。

ネパール最貧困地域Bajura district

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旅の舞台としたのは、アジア最貧国とも言われるネパールの中でも貧困率が一番高い極西部のBajura district。貧困率が最も高いこの地域で人々を観察し、彼らに幸せの意味を聞いてみれば、答えに近づくことができるかもしれない。

いざ、出発です。

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最終的な目的地までの道のりは、飛行機で40分、バスで17時間、徒歩で1日。

道中でも、カトマンズではまず見られないネパールの民族衣装であるクルタを着て自転車に乗っているネパーリおばちゃん集団に遭遇したり、バスの前の座席に座っているおじちゃんが信じられないくらいリクライニングしてきたり、夜行バスなのにもかかわらず夜通しネパーリ音楽が爆音で流れていたりとネパールらしい旅路を楽しむことができました。

そしてついに到着しました。こちらがBajura district。

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あなたにとっての幸せとは?

ここで僕は道ゆく人々に幸せとは何かに、今幸せかどうかついて聞いてみました。
そこで、65人中多かった答えをランキング形式で紹介していきます。

第1位 14人/65人 家族といること/家族が幸せなこと

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左の彼はお兄ちゃんですかね。少し寂しそうです。

第2位 13人/65人 自分の商店を運営すること

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ネパールにはパサルという個人商店が沢山あります。ここで近所の人と話したり、道を眺めたり、稼いだお金で家族を支えられることが幸せだそう。

第3位 9人/65人 農作業をすること

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Bajuraでは、全人口の80%以上が農業で生計を立てています。かなりの重労働ですがそこに幸せを見出せるネパールの人たち。

第4位 8人/65人 勉強すること

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幸せになるために勉強するのか。勉強することが幸せなのか。

第5位 6人/65人 くつろぐこと

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第6位 4人/65人 村が幸せなこと/村の発展

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そして、幸せだと答えた人は65人中64人。

ネパール最貧困地域の人が幸せな理由

彼らから話を聞いている中で僕は二つのことに気がつきました。

一つ目は、幸せを感じられる範囲がとても広いということ。家族が笑っていてくれればそれでいい。村が発展して、みんなが便利に暮らせることが幸せ。中にはネパールが僕の幸せだよという人もいました。

心配していることも合わせて聞いていましたが、少なくない人が経済的な不安を語ってくれました。それでも自分以外の誰かが幸せに暮らせていれば、それで自分も幸せなんだという考え方。

二つ目は、日常の当たり前のシーンから幸せを感じているということ。ご飯を食べて、友達と喋っている時間が幸せなんだと答える人がとても多かったです。

それ以外にも、生活を支えてくれる毎日の仕事が幸せだったり、家でくつろいでいる時間が幸せだったり。確かに、何か特別な買い物をしたり、受験やプロジェクトなどで成功した時にも幸せを味わうことはできるし、それを追い求めるのも健全な姿だと思います。ただ、その幸せは心をずっと満たしてくれるものではなく、いわば刹那的な幸せではないでしょうか。

日常の中にも幸せのかけらは転がっていて、それを感じ取る習慣を身につけることができれば日々の幸福度はグッとあがりそうです。幸せってなんだろう。そんな思いで旅に出た僕でしたが彼らとの対話を通じてそのヒントをもらえたような気がします。

やってみよう

それにしても、深い。そして、なんだか難しい。幸せの範囲を広げることも日常から幸せをみつけ、感じ取ることも、当たり前にするのは簡単なことではありません。

それでも今この場から始めなければ、いつまでたっても変わりません。まずは意識してやってみよう。

でも、どうしたらいいんだ。。。

そんなとき、足元に落ちていたホウキに目が留まりました。そして、バッグの中にはbluetooth player。

そうだ。歌おう。

今ここでいきなり日本人が訳のわからない言葉の歌を全力で歌いたおしたら、周りにいる人たちは少なからず楽しんでくれんじゃないか。気がつけば僕は道端の石の上に駆け上がっていました。

届け、この思い。

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力の限り歌いました。ちなみに僕は歌、ド下手です。笑われてもいい。むしろ笑ってくれ。

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僕の、そして彼らのボルテージがマックスになり、会場が一つになった時。確かに僕はその空間に幸せを感じました。

みてくださいこの躍動感を。

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ちょっと違う気がする?細かいことは気にしないでください。

【募集期間は終了しました】ネパールフィールドワーク参加者募集中!

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みなさん、この躍動感あるネパールに来てみませんか?現在、ネパールフィールドワークの参加者を募集しているので、ご関心のある方はぜひ以下も御覧ください!

プログラム概要

現地活動期間
2018年3月3日(土)~3月16日(金)(現地13泊14日)
※2週間の参加が難しい方のために、3月10日(土)までの前半1週間のプログラムもご用意しております。ご興味のある方は下記連絡先まで、お気軽にお問合せください。

活動場所
カトマンズ、カブレ、バクタプール

参加資格
18歳以上(未成年の方は保護者の同意が必要です)

参加費用
149,800円
<費用に含まれるもの>
現地での宿泊費、朝食費、ネパール国内交通費、研修・コーディネート費
<費用に含まれないもの>
航空券、ビザ申請費、海外旅行保険、各自お土産等の費用、昼食、夕食

推奨フライト
【往路】
・大韓航空(KE706,KE695)
・3月3日(土) 9時10分成田発
→(インチョンにてトランジット)
→3月3日(土)18時05分カトマンズ着
【復路】
・大韓航空(KE696、KE703)
→3月16日(金)20時30分カトマンズ発
→(インチョンにてトランジット)
→3月17日(土)12時30分成田着

定員
20名
*定員に達し次第、受付を締め切らせて頂きます。

申し込み〆切
2018年1月28日(日)

スケジュール

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※スケジュールは変更の可能性があります。

お申込み

フィールドワークへのお申込みは、こちらの申込みフォームからお願いします。

お申込み後の流れ

申込フォームをご記入いただいた方へ、e-Educationスタッフよりメールにて「プログラム申込書」及び「参加費のお支払い方法のご案内」をお送りいたします。プログラム申込書の提出と参加費のお支払いをもって、申込完了となります。

申し込み完了後、担当スタッフと一度面談の機会を設けさせていただき、諸注意やフライトスケジュールなどについて(遠方の方はスカイプ等を活用して)ご連絡させていただきます。
※参加手続き完了後のキャンセルは、現地コーディネートの手配等の都合上、キャンセル料が発生する場合がございますので、ご了承ください。

本プログラムへの疑問・質問がございましたら、下記連絡先までお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先:info [at] eedu.jp (担当:椎木)
※上記 [at] の部分を@マークに変えて送信ください。

皆様のお申込みを心よりお待ちしております!

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「先生、僕大学辞めます」村育ちの私が挫折を乗り越え、ネパールの教育課題へ挑む理由 https://eedu.jp/blog/2018/01/15/yukiya_origin_nepal/ https://eedu.jp/blog/2018/01/15/yukiya_origin_nepal/#respond Sun, 14 Jan 2018 23:00:26 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=44938 こんにちは!岩手大学教育学部4年の佐藤由季也です。e-Education海外インターンとして昨年11月からネパールで活動しています。今回は、なぜ岩手の村育ちの私が、ネパールで教育の課題解決に挑もうと決意したのかをご紹介し […]

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こんにちは!岩手大学教育学部4年の佐藤由季也です。e-Education海外インターンとして昨年11月からネパールで活動しています。今回は、なぜ岩手の村育ちの私が、ネパールで教育の課題解決に挑もうと決意したのかをご紹介します。

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途上国との出会い

「あなたとはもう付き合えない」
この言葉が私を途上国へと導いた引き金でした。

大学一年の冬、2年あまり付き合っていた彼女に別れを告げられ、路頭に迷っていました。「何かアクションを起こさないときっと自分は腐ってしまう」そう考えていた時、たまたま大学のポスター掲示で「フィリピン英語語学研修」と書かれたポスターを目にしました。

「これにかけるしかない」

当時の私はフィリピンに行けば何かあるのかもしれない、何か変わるかもしれないと藁にもすがる思いで、フィリピンへ飛び立ちました。

「ねえ、タバコ吸わない?」

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フィリピンでは首都マニラにある大学付属の語学学校で英語を勉強しました。フィリピンでの生活にも慣れ始めた頃、友達とストリートバスケをすることになりました。

バスケットボールコートに着くと一人の男の子が私の元へ近づいて来ました。背丈からして小学校高学年くらいの年齢だったと思います。そんな彼が私にむかってこう言いました。

「Do you want to smoke?」

私は驚きで声を失ってしまいました。フィリピンに来てまさか小学生にタバコを勧められるとは思っていませんでした。

その出来事があってからフィリピンの町の至る所で物乞いをする子供たちの姿が嫌でも目にとまるようになり、「なぜ世界には教育を受けられない子供たちがたくさんいるのだろうか」と毎日考える日々が続きました。

初めて渡航した海外がフィリピンだったのは良くも悪くも私の人生に大きな影響を与えることになります。

e-Educationとの出会い

日本へ帰国してからもフィリピンであった少年のことを忘れることはありませんでした。今まで途上国の問題について1mmも知らなかったこともあり、フィリピンでの経験は、私がフィリピンや途上国について深く考えるきっかけを与えてくれました。

「フィリピンの子供達に自分ができることはないだろうか」という思いが高まる一方で、何をしていいのかわからない中で何もできないという葛藤がありました。「何かヒントになるものはないだろうか」と考え、私は心理学・哲学・教育学などあらゆるジャンルの本を読み漁っていました。大学2年の夏のことです。

そんなある日、たまたま地元盛岡の書店で見かけて手に取った本が、e-Education元代表である税所篤快さんの「最高の授業を世界の果てまで届けよう」でした。

私は元来飽き性で、本を最後まで読みきることはほとんどありません。しかし今回だけは違いました。私は気づくと最後のページをめくり終えていました。

最高の

これほど心を動かされたことは人生の中で初めてでした。私は書店から出るとすぐさま帰宅し、パソコンを開いて2週間後のフィリピンへのフライトを予約していました。「大学生でも社会を変えられるんだ!」そう思えた瞬間でした。

「先生、僕大学辞めます」

フィリピンでインパクトを残したいと思い飛び立ったものの、当時の私には同じ志を持った仲間がいるわけでもなければ、抜群の行動力があったわけでもありません。結果は最初から見えていました。2週間の滞在で私は何も成し遂げることなく、自信をなくして帰国しました。

「結局なにもできない人間なんだ。」

それ以降、何をするにもやる気が出なくなり、4ヶ月ほど大学へは行かず家に引きこもる日々が続きました。引きこもり生活の中で私は「悪いのは自分ではない。自分を取り巻く環境だ。環境を変えれば自分が変わるに違いない」と思うようになりました。そして大学2年の終わりに私は大学を辞め、海外へ行く決意をします。

「先生、僕大学を辞めます」

なんの説明もなしに、退学させてくれるほど世の中は甘くありませんでした。私の退学届は無残にも却下されてしまいました。

私はその時、いかに自分の堅い殻に閉じこもって外界を見ようとしてこなかったかを思い知らされました。退学届が却下され家に帰った私は、人生で初めて自分の心の声を素直に聞きました。私の素直な心はこう言っていました。

「お前は逃げているだけだ。環境は確かに悪いかもしれない。でも今の環境で出来る最大限の努力をすれば、海外にいくより何倍も成長できる。だから諦めるな。」

私は心の声に従うことに決めました。2016年3月31日、私は退学届を破り捨て、新たな人生の一歩を踏み出しました。

e-Educationとの再会

気づけば、3年生も終わりに近づき、私の耳には「就活」「大学院」「教採」という言葉が頻繁に聞こえるようになり、もれなく私も決断を迫られていました。決断の時が刻々と迫っている中、Facebookをぼーっと眺めていた時です。「e-Education海外インターン生募集」という言葉が私の視界に入りました。

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その時、私の頭の中では大学2年生の時、税所さんの本を読んで心に火が灯ったこと、そのあとフィリピンで挫折し大学を退学しかけたこと、今再びe-Educationと出会ったことが一直線につながった感覚がありました。

「これが最後のチャンスなのかもしれない」

とは言うものの、あと半年で卒業できるのに休学するのは勇気のいることでした。

「自分にとっての幸せってなんだろう?」

大学院進学が最有力だったため、私は自分にこんな問いを投げかけてみました。

「大学院に進学したらあと2年は学生として過ごすことになる。もしあと2年で死ぬとしたら自分はどういう選択をするだろうか。

私の答えは「とりあえず好きなこと、満足することだけして生きたい」でした。しかしこの答えに納得がいかなかったので、もう一つの問いを自分自身に投げかけました。

「自分は1年と364日の寿命を使い果たした。今は病院のベットに横になり愛する家族、親友、恋人に囲まれながら死期を待つのみ。死ぬ直前になってテレビの画面に目を向けると、そこにはフィリピンの路上で暮らす子どもたちの姿。そんな子供たちの姿を死に際に見たとき、果たして自分は満足して死にきれるだろうか。

私の答えは「死にきれない」でした。

「世界全体の幸福無くして、個人の幸福はありえない」

岩手の誇る宮沢賢治が残した名言です。私はこの精神を心に刻み、自分の人生の決定軸にしようと決心しました。そしてe-Educationの門を叩く事に決めました。

生まれた環境、育った環境に関係なく、人は可能性を秘めている

e-Educationの海外インターン選考で1番自分が考えたことは「自分にしか生み出せない価値とは何だろう?」ということです。

田野畑村の観光名所「北山崎」

田野畑村の観光名所「北山崎」

私は岩手県田野畑村という人口3000人余りの小さな村で生まれ育ちました。塾もない、コンビニもない、まさに「無い無い尽くし」の村でした。そんな環境で育ったためか、高校・大学と進むにつれて田舎コンプレックスは高まるばかりでした。自分が失敗するといつも「田舎で生まれたから、自分は何もできないのだ」と生まれた環境や育った環境のせいにしていました。

退学を取り消し、がむしゃらに行動していた大学3年のある日、「夜と霧」という本と出会いました。その本に書かれていた言葉によって私の考え方は180度変わりました。

あなたが経験したことは、この世のどんな力も奪えない

この言葉と出会った時、「生まれた環境や育った環境は確かに悪かったかもしれない。しかしこの経験をしたのは自分だけだ。この経験こそが自分にしか生み出せない価値を作り出すのかもしれない」と思いました。インターン選考では「生まれた環境、育った環境になく人は可能性を秘めている。それを証明したい。」と宣言し、海外インターンとしてネパールで活動させていただける事になりました。

与えられる人生から与える人生へ

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2年前私はフィリピンで大きな挫折を経験しました。あの時は、助けてくれる仲間もいなければ、困難な状況を突破する力もありませんでした。しかし今は一緒にネパールで活動する大竹浩貴e-Educationの心強い仲間がいます。

22年間の人生を思い返すと私の人生は様々な人から何かを「与えられる」人生でした。ネパールでの1年間は今まで与えられた分を倍にして「与える」ことができるように、仲間とともに頑張っていきます!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ネパールフィールドワーク参加者募集中!

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現在、私が活動するネパールのフィールドワークの参加者を募集しています。ご関心のある方はぜひ以下も御覧ください!
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プログラム概要

現地活動期間
2018年3月3日(土)~3月16日(金)(現地13泊14日)
※2週間の参加が難しい方のために、3月10日(土)までの前半1週間のプログラムもご用意しております。ご興味のある方は下記連絡先まで、お気軽にお問合せください。

活動場所
カトマンズ、カブレ、バクタプール

参加資格
18歳以上(未成年の方は保護者の同意が必要です)

参加費用
149,800円
<費用に含まれるもの>
現地での宿泊費、朝食費、ネパール国内交通費、研修・コーディネート費
<費用に含まれないもの>
航空券、ビザ申請費、海外旅行保険、各自お土産等の費用、昼食、夕食

推奨フライト
【往路】
・大韓航空(KE706,KE695)
・3月3日(土) 9時10分成田発
→(インチョンにてトランジット)
→3月3日(土)18時05分カトマンズ着
【復路】
・大韓航空(KE696、KE703)
→3月16日(金)20時30分カトマンズ発
→(インチョンにてトランジット)
→3月17日(土)12時30分成田着

定員
20名
*定員に達し次第、受付を締め切らせて頂きます。

申し込み〆切
2018年1月28日(日)

スケジュール

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※スケジュールは変更の可能性があります。

お申込み

フィールドワークへのお申込みは、こちらの申込みフォームからお願いします。

お申込み後の流れ

申込フォームをご記入いただいた方へ、e-Educationスタッフよりメールにて「プログラム申込書」及び「参加費のお支払い方法のご案内」をお送りいたします。プログラム申込書の提出と参加費のお支払いをもって、申込完了となります。

申し込み完了後、担当スタッフと一度面談の機会を設けさせていただき、諸注意やフライトスケジュールなどについて(遠方の方はスカイプ等を活用して)ご連絡させていただきます。
※参加手続き完了後のキャンセルは、現地コーディネートの手配等の都合上、キャンセル料が発生する場合がございますので、ご了承ください。

本プログラムへの疑問・質問がございましたら、下記連絡先までお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先:info [at] eedu.jp (担当:椎木)
※上記 [at] の部分を@マークに変えて送信ください。

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新しい波を起こせ!新プロジェクト『Live the Dream』始動(後編) 〜Live the Dreamの全容を公開〜 https://eedu.jp/blog/2017/11/12/live_the_dream/ Sun, 12 Nov 2017 09:15:22 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=45552 どうもこんにちは。e-Educationミャンマー担当の佐々翔太郎です。前回は新プロジェクト『Live the Dream』を立ち上げるまでの軌跡をご紹介しました。 今回の記事では『Live the Dream』の内容に […]

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どうもこんにちは。e-Educationミャンマー担当の佐々翔太郎です。前回は新プロジェクト『Live the Dream』を立ち上げるまでの軌跡をご紹介しました。

今回の記事では『Live the Dream』の内容についてご紹介します。

SPONSERD LINK

新プロジェクト『Live the Dream』

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立ち上がった『Live the Dream』

前回はミャンマーのチン州で出会った高校生たちのやる気不足と、それを解決するために新しいプロジェクトを立ち上げるまでのストーリーについてご紹介しました。

プロジェクトを立ち上げるに当たって、僕たちがこのプロジェクトを成功させた先にどんな未来を作りたいのか、仲間たちと徹底的に話し合いました。そして決まったビジョンとミッションがこちらです。

【Vision】

  • To the society every youth can live the dream with pride of yourself(すべての若者が胸を張り、生き生きと夢に向かって頑張ることができる社会)

【Mission】

  • To provide opportunities for every youth to find dream(若者全員が夢を見つけられる機会を提供する)
  • To clear the way to the dream, mainly education(教育を軸にその夢への道を明らかにする)

ビジョンとミッションが固まることで、プロジェクトの具体的な内容が決まっていきました。この記事では『Live the Dream』を通じて、「誰に」「どんなものを」「どうやって届けるか」についてご紹介します。

誰に届けるのか

私たちが応援したいと思っているのは、ミャンマーの高校生や大学1,2年生(キャリアを決める年齢と言われる15歳〜18歳(ミャンマーは15~16歳が高校生、基本的に16歳から大学生)の生徒たちであり、特に情報が限られている地方や都市部にいるけども機会が少ない生徒たちを応援したいです。

前回の記事でもご紹介した通り、ミャンマーの地方で暮らす生徒たちには夢や目標を持つためのきっかけが少なく、そんな彼らが夢を持って胸を張って生きることができるようになることが私たちの目標です。

届けたい相手は、彼らだけではありません。最終的には、子どものキャリア決定の主導権を握るステークホルダーである親や家族、そして落第者にも最終的には届けたいと考えています。

もちろん簡単な道ではないと思いますが、良いコンテンツを生徒たちに届けていれば、その周りにいる親や家族ににも届くと信じています。

どんなものを提供していくのか

私たちが、そんな彼らに届けたいと思っているコンテンツは3種類あります。

1つ目は、カッコよく働く大人の人生にスポットライトを当てたインタビュー動画です。遠い目標ではなく、もっと身近な「先輩」だと感じてほしいという想いを込めて『Senior’s footprint』と呼んでいます。

インタビューに登場する大人たちは誰もが何かしら共通点のある「先輩」であり、親近感の沸く「先輩」と名付けることによって、「自分もあの人みたいになりたい!」と思ってもらえるようコンテンツ制作を進めています。

2つ目は仕事の概要とその仕事にたどり着くまでのサポート情報です。

その仕事はどんな仕事なのか?給料はどれくらいか?勤務時間は?男女比は?どんな資格が必要?どんな学校に行けばその職業に近づけるのか?

こういった質問に答えるべく、わかりやすく箇条書き、図を用い提供しています。格好良い大人のストーリーにただ触れるだけではなく、具体的な職業像がイメージできるよう工夫と重ねています。

最後はキャリア情報です。仕事のイメージやストーリーを持つことができた若者に対して、具体的なキャリア情報を提供しています。

どのような大学・専門学校があるか?どうやって学校・学部を選ぶのか?そもそも自分に向いてる職業とは?

こういった情報を記事形式で提供し、それ以外にキャリアに対する小ネタや仕事への適性検査も提供したいと考えています。

将来的には仕事やインターンを紹介したり、キャリアカウンセリングプラットフォームを目指したりと、やりたいことはまだまだありますが、まずは一つ一つ丁寧にコンテンツ制作を進めています。

どうやって届けるか

私たちがこだわっているのポイントは「オンライン」と「動画」です。

まず、オンラインにこだわる理由ですが、ミャンマーではものすごいスピードでインターネットやスマートフォンが普及しており、多くの若者がFacebookをはじめ自由に世界と繋がることができるようになってきているからです。

もちろん、まだ地方ではインターネットが普及しておらず、オフラインで届けた方が良い地域もあります。ただ、昨年までインターネットの届いていなかったチン州にもSkypeを中継するのに十分なネット環境が整備されるようになってきており、日本のように全土の高校生が所持するような社会も間近に迫っているように感じます。

もちろん現時点でコンテンツが届かない地域にもビデオを持っていき、生徒に見せて反応を調査する予定ですが、インターネットが普及していく未来に見据えてしっかり準備を進めていきたいと感がています。

次に、動画にこだわる理由ですが、格好良い大人のストーリーを紹介するためには、記事よりも動画の方がインパクトが大きいと思ったからです。

動画には臨場感があり、人の心を動かす力があると信じています。僕自身もテレビのドキュメンタリーや映画を見て感動しましたし、ミャンマーの若者たちの未来を変える力があると信じています。

参加型のメディアにしたい

私がこだわっている最後のポイントは「参加型」です。一方的な情報提供とならず、絶えず双方向のやりとりが生まれるようなサービスにしたいと考えています。アイデアとして、以下のような構想があります。

  1. キャリアセミナーや一般開放型のインタビュー等のイベントの開催
  2. ファンコミュニティ・同窓会(Facebookグループなどを活用)の形成
  3. 若者自身によるカッコよく働く大人へのインタビュー
  4. Facebookライブ配信を利用したリアルタイムインタビュー
  5. 『Live the Dream』内でのキャスターの育成

特に挑戦してみたいのは、若者自身によるカッコよく働く大人へのインタビューです。『Live the Dream』をよく見てくれている若者の中から数名を選抜し、取材に加えて職場見学や食事の機会を作ることで、将来のキャリアに繋がると信じています。

新しい波を起こせ!

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最高の仲間たち

文字どおり0から始まったプロジェクトですが、最高の仲間たちに恵まれ、先日ようやく動画第一弾が完成しました。こちらになります!(ミャンマー語ですが現在英語バージョンも作成検討中です)

【ေရွးဦးေျခရာ – Vol.1 ေနဦးလႈိင္】

第一弾のインタビュアーは俳優ということで、早速「この動画を見て俳優になりたくなったんだけどどうしたらいいでしょう?」などの問い合わせを頂くなど、たくさんの反響をもらっています。若者全員が胸を張り、生き生きと何かに向かって頑張ることができる社会に少しだけ近づけたような気がしました。

まだ最初の動画を公開したばかりですが、ここにたどり着くまで色んなことがありました。

「そんなの必要ない」
「ミャンマーに今必要なのは情報なんかじゃない、環境だ」
「夢とか希望とか綺麗こと言うなよ」

企業へプレゼンにいっても、学生という理由で軽くあしらわれたり、話も聞いてくれなかったり。それでも理解してくれて「一緒にやろう!」と最後に言ってくれたのはジョセフであり、スーザンであり、e-Educationの仲間や先輩たちでした。

そして今はMinとMayというボランティアの新しい仲間も共に、プロジェクトをどんどん加速させていっています。何よりターゲットである若者からの良い反応が聞けて本当に今楽しいです。最高です!

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いいコンテンツ作りに向け話し合う様子

それでもメンバーと分裂寸前まで喉が枯れるほど言い合いをしたり、今も悩みは課題は多いですが、これからも新しい波を起こせるよう頑張ります!

皆さんへのお願い

『Live the Dream』を立ち上げるに当たって、ボランティアスタッフのMinとMayはアイデアだけで何もない状態の時から無給で付いて来てくれました。

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ボランティアスタッフのMinとMay

そんな彼らに少しでも恩を返したくて、今、僕個人名義でpolcaというサイトで小規模クラウドファンディングをしています。

この記事を読んで少しでも共感いただけたら、ぜひ1口300円からの応援をよろしくお願いいたします!

polcaで応援する »

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新しい波を起こせ!新プロジェクト”Live the Dream”始動(前編) 〜プロジェクト立ち上げまでの軌跡〜 https://eedu.jp/blog/2017/10/13/new_project_live_the_dream/ https://eedu.jp/blog/2017/10/13/new_project_live_the_dream/#respond Fri, 13 Oct 2017 11:27:16 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=45447 どうもこんにちは。e-Educationミャンマー担当の佐々翔太郎です。 今日は、ミャンマーの地方出張でのある気づきから生まれた新しいプロジェクト『Live the Dream』立ち上げに至るまでの軌跡をお伝えできたらと […]

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どうもこんにちは。e-Educationミャンマー担当の佐々翔太郎です。

今日は、ミャンマーの地方出張でのある気づきから生まれた新しいプロジェクト『Live the Dream』立ち上げに至るまでの軌跡をお伝えできたらと思います。

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チンでの気づき「みんなやる気なくない?」

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どこか覇気のないチンの生徒たち

僕はe-Educationの活動地であるチン州のハカという街で3週間プロジェクトに取り組む中で気づいたことがありました。

「チンの生徒たちって、セーダン試験(=高校卒業試験)を突破するかしないかの前に、そもそも勉強する気がないんじゃないか?なんで受験生なのに授業中落書きしてるの?なんで日中ふらふらしてるの?」

確かに劣悪な学習環境ということもあるかもしれません。しかし、やる気のない生徒たちがたくさんいることもまた事実でした。

セーダン試験突破率が10%前後なのは“劣悪な学習環境”だからじゃなくて“やる気がない”ことが大きな理由なんじゃないか?

e-Educationはこれまで「やる気のある学生」の勉強をサポートし、教育格差の是正に取り組んできました。

しかし、本当の教育格差は、この勉強するやる気そのものじゃないのか?やる気のない子を応援することも教育格差是正への道なんじゃないのか?そんなことを毎日のように考えました。

やる気がない原因は、夢の欠如と道のりの不透明感

「やる気がないのは、一体どうしてなんだろう?」

何度も考えてみたところ、僕もやる気がない生徒だったことを思い出しました。

僕がやる気がない時。失敗した時。何か壁にぶつかった時。親にガミガミ言われた時。

逆に、僕がやる気がある時。好きな女の子と席が隣になった時。好きな女の子がランクが一つ上のクラスにいた時(すみません。女の子ばかりでした)。周りにバカにされた時。ライバルが頑張っている時。テレビで同い年が活躍しているのを見た時。カッコいい人を見つけた時。

色々ありますが、私のこれまでの経験から、やる気がない人がやる気が出る時は①誰からから認められたい・評価されたい時、②こうなりたいという目標ができた時のどちらか、もしくは両方なんじゃないかと思います。

特にチン州の生徒たちは、こうなりたいという目標を持てていないがためにモチベーションが低いのではないか。目標があったとしてもそこまでの道のりもはっきりとしておらずモチベーションが維持できていないのではないか。このような仮説を立てました。

そして、その仮説を裏づけようとチン州の数校でアンケート調査を実施します。

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チンの学校でのアンケート調査

尋ねた項目は主に以下3つ。

  1. 夢はありますか(あればその夢は何か)
  2. (夢がある場合)その夢への道のりは明らかですか
  3. 行きたい大学、学部はありますか

結果は概ね予想通り。

夢(目標)がある生徒は少なく、あったとしてもそこまでの道のりも明らかではない、という結果が得られました。また、「英語教師になりたい」という生徒が大学では「土木を勉強したい」と言うなど、夢への道のりが描けていない具体的事例も実際に見受けられました。

そこで、夢がなかったり、夢への道のりがはっきりしていないから、やる気が出ず、勉強にも力が入らない、という仮説にもある程度確信が持てるようになってきました。

そうであるならば、生徒たちのやる気がない原因である夢の欠如・夢への道のりの不透明感という根本問題を解決することで、若者が生き生きと何かに向かって頑張るという状況を作り出したい、と考えるようになりました。

もちろん、このようなミャンマーの厳しい環境にいる子どもたちは明日を生きることが精一杯で未来に夢や希望など見出せと言うことなんて単なる綺麗事かもしれません。

でも、「何かやりたい!」と思った時に踏み出せる土壌は必要だと思うし、その「何かやりたい!」を僕は応援したい。こう強く思いました。

過去の自分と重なって見えたチンの子どもたち

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下ばかり向く過去の僕

彼らが厳しい環境下で未来に対して希望を見出せず彼らが厳しい環境下で未来に対して希望を見出せず、ダラダラと過ごす毎日。そんな彼らの様子はいつかの僕に、国は違えど似て重なりました。

今まで一緒に暮らしていたはずの父親が突如消え、家族同士が法廷で戦い続けることになってしまった複雑な家庭環境。失った大人への信頼、未来への希望。僕は一時期学校にも行きたくない、部活にも行きたくない、誰とも、スーパーのおばちゃんとも会話したくない、そんな日々がありました。

しかし、僕は今ここに居ます。荒削りとよく言われますが、ここミャンマーという未開の地で何とかやってます。なぜ、ここまでやってこれたのか。冷静に振り返って大きく分けて要因は3つあると思っています。

①周りの人たち

家族、友達、学校の先生。特別な言葉をかけてくれたわけではないですが、言葉なんてなくても伝わってきました。

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祖父と僕

②野球

野球は自分にとって大きな心の拠り所でした。もちろん部活に行きたくない、そんな時期もありましたが目の前に一生懸命に、我武者羅になれるものがあったから気も紛れました。

辛くても、悲しくても、バットを振っていれば何とかなりました。厳しい監督の下、悲しんでいる暇なんてなかったのかもしれません。見返してやる・お世話になった人に恩返しをする、そんなチャンスをくれたのも野球でした。野球には本当に感謝しているし、スポーツって素晴らしいと思います。

現実に疲れてしまった時、少し休憩させてくれる場所であると同時にまた、明日の現実に力を与えてくれるものです。そんなスポーツの力はここミャンマーでも同じであると思うし、将来はスポーツに関わるビジネスに興味を持っているのも事実です。

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高校野球に熱中した佐々少年

③先人のカッコイイストーリー

僕はテレビやYoutubeなどでドキュメンタリーをよく見ていました。その中で、自分と似たような境遇にある先人たちの挑戦を知ることができました。

例えば、プロサッカー選手の長友佑都や本田圭佑。彼らは片親です。

ソフトバンクの孫正義社長。彼は在日韓国人と差別されていました。彼に関しては少し状況は異なるものの、少年時代に変えることのできない困難を抱えていたという点でとても共感しました。

そんな、自分と何かしら似通った過去をもつ彼らは今、この世界で僕たちに大きな感動を与えてくれています。

「僕と同じような状況にいた彼らでもこんなかっこよく生きているんだ。こんなに多くの人に希望を届けることができるんだ。じゃあ、俺にもできるんじゃないか?」

同じ境遇にいた先輩たちが「君にもできる!」と励ましてくれていたのです。次の日には、そんな彼らを夢見て頑張ることができました。

ミャンマーで今、取り組むべきことは?

これらの要因により僕はここまでやってこれました。ではミャンマーの子どもたちにとってはどうか。

家族を大切にするミャンマーの人たちにとって、人の繋がりはとても強いです。もちろん恵まれていない家庭環境の子たちもいますが、僧院をはじめ孤児を受けれている教育機関もたくさん存在します。

次に、スポーツです。ミャンマーでは体育の授業がなく学校が多く、部活動といった文化も聞いたことがありません。ただ、普段から外で遊んでいますし、放課後になるとサッカーを楽しんでいる生徒たちもいました。

最後に、格好いい先人のストーリーについてですが、これは日本と比べて決定的に不足しているように感じます。伝記などの書物は少なく、テレビ業界もまだまだ発展途上で、そもそもテレビがない家庭も多いです。つまり、カッコイイ先人がいたとして、そのストーリーを伝える手段がないのです。

これを踏まえ、僕たちe-Educationとしてアプローチするべき課題を格好いい先人のストーリーの伝達不足に絞りました。

ミャンマーには書物やテレビは十分に無いけれど、実はほとんどの人たちがスマホを持っています。そしてFacebookに夢中です。

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Facebookに夢中なミャンマー人

「スマホやFacebookを通じて、若者たちを応援することができないか?」

カッコイイ先人たちが画面を通して若者を励まし、若者が夢を抱く。そして、その若者が今度は次の世代の若者をモチベートしていく、循環型の社会。それはきっと昔はできませんでした。

でも今なら、どんなに世界の果てに住んでいる人でもスマホを手に入れることでき、世界の最先端と繋がることができます。

「これだ!」と直感し、新しいプロエジェクトを立ち上げようと決めました。

新プロジェクト”Live the Dream”

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立ち上がった”Live the Dream”

『Live the Dream』

これが新しいプロジェクトの名前です。日本語訳は『夢を生きろ』。

僕らが目指している未来、そしてこのプロジェクトの全容は次回の記事でご紹介します!

どうぞお楽しみに!

皆さんへのお願い

『Live the Dream』を立ち上げるに当たって、ボランティアスタッフのMinとMayはアイデアだけで何もない状態の時から無給で付いて来てくれました。

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ボランティアスタッフのMinとMay

そんな彼らに少しでも恩を返したくて、今、僕個人名義でpolcaというサイトで小規模クラウドファンディングをしています。

この記事を読んで少しでも共感いただけたら、ぜひ1口300円からの応援をよろしくお願いいたします!

polcaで応援する »

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本気で頑張る人たちを一番近くで支えたい。私がe-Education国内インターンを経てシアトルへ飛び立つ理由(上智大学3年・Saori) https://eedu.jp/blog/2017/10/11/saori_origin_seattle/ https://eedu.jp/blog/2017/10/11/saori_origin_seattle/#respond Wed, 11 Oct 2017 07:08:48 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=45094 こんにちは!e-Education国内インターンのSaoriです。 私は9月からソーシャルビジネスを学ぶためにシアトルに留学しています。今回は、私がe-Education国内インターンの経験を通して、なぜシアトルへ行こう […]

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saorifujimoto

こんにちは!e-Education国内インターンのSaoriです。

私は9月からソーシャルビジネスを学ぶためにシアトルに留学しています。今回は、私がe-Education国内インターンの経験を通して、なぜシアトルへ行こうと決意したのかをご紹介します。

SPONSERD LINK

運命の出会い

大学2年生の春、友達の紹介でたまたまe-Educationのイベントを知りました。途上国、国際協力、そして教育というキーワードに魅力を感じた私は、そのイベントに行ってみることにしました。

そこで出会ったのが、私の前任にあたる、国内インターンの高橋かのんでした。

私は当時、教育に対する興味から北欧への留学を考えていたのですが、彼女は三ヶ月後からスウェーデンへ留学することが決まっていました。教育への問題意識や留学への気持ちなどの共通点がたくさんあり、出会ってすぐに意気投合しました。

「じゃあさ、国内インターンやってみない?」

インターンなんていう言葉は正直全くピンと来ませんでした。しかし、イベントに参加してe-Educationのメンバーにとても魅力を感じたので、「この人たちと同じフィールドで何かできたら楽しそう」という軽い気持ちから、私は国内インターンとしてe-Educationに関わることを決めました。

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高橋かのん(左)と私(右)

“教育”を学ぶ?届ける?

私がe-Educationに興味を持った理由の1つに“教育”というテーマがありました。私自身が今まで経験してきた日本の教育の、授業に対する生徒の受け身の姿勢や、テストがゴールになっている勉強に違和感があったからです。

私は国内インターンを通して、「日本の教育をもっとよくしたい」という漠然とした理想を実現するために、途上国の教育支援という文脈の中で“良い教育”につながるヒントを得ようと思っていました。

国内インターンという立場だからこそ、海外インターンの一人一人とコミュニケーションをとりながら、中立的な視点で、それぞれの国の教育にどんなところに問題があるのか、どんなアプローチを取るべきなのか、幅広く教育課題についてインプットをすることができると思ったのです。

meeting

ミーティングの様子

国内インターンとして活動をしながら、私の頭の片隅にはいつも「この経験をどう留学へつなげればいいだろう」という悩みがありました。大学3年生の秋から留学に行きたいと思っていたので、北欧で「主体性教育」を学ぶことをとりあえずの目標と決めて2年生を過ごしていました。

しかし、「北欧留学」「主体性教育」という、魅力的だけど表面的なキーワードがあるだけで満足して、留学先での1日1日をどんなふうに過ごしたいとか、帰国後にどんな形で教育に関わりたいとか、具体的なイメージが全くできませんでした。

そんな時に、e-Educationではインターン採用が始まりました。私は海外インターンと一緒にアイデアを出し合い、協力して動画メッセージキャンペーンを行いました。

海外インターン生メッセージ from ネパール担当 中尾知美 – YouTube

当時のネパール担当だった中尾知美のこの動画を見て、とても感動して胸が熱くなり、何回も再生したのを今でも覚えています。

教育を変えることは、簡単ではありません。大きな成果を出すためには、50年も100年も時間がかかります。それでも小さな変化を積み重ねていくことが大切です。

自分がやるんだという覚悟を持って、自分の生み出す小さな変化がいつか大きな成果につながると信じて、海外で挑戦しているメンバーが、素直にかっこいいと思いました。

帰国したメンバーは自分よりもずっと大人に見えて、羨ましかったです。また、北欧で違う文化の教育を学ぶのではなく、途上国に自分が教育を届けることで、自分にしかできない形で教育に関われるのではないか、という思いもありました。

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ネパールで現地の子どもたちに慕われるインターン生の大竹浩貴

「私も途上国に行って教育支援をしたい!」

そんな衝動的な気持ちに突き動かされて、2017年1月に海外インターンに応募してみました。

将来、誰のために働きたいんだろう

結果的に私は海外インターンにはなりませんでした。しかし、海外インターンに応募して、考えて、泣いて、悩んで、悩み抜いた経験は、今の私の糧になっています。

「将来、誰のために働きたいの?」

最終面接でe-Education代表の三輪開人さんに言われた言葉が、ずっと心に残っています。あの時は、開人さんの投げかけるいくつもの問いに答えられず、答えられない自分が悔しくて、ただ涙が溢れるばかりでした。生まれて初めて、自分の将来を本気で考えた時間でした。

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イベントでプレゼンテーションをするe-Education代表の三輪開人

開人さんに「誰のために働きたいの?」と聞かれて一番に思い浮かんだのは、途上国の子どもたちではありませんでした。日本の教育に問題意識はあるけれど、日本の中学生や高校生でもありませんでした。

「誰のため?」と聞かれて一番に思い浮かんだのは、海外インターン生たちの顔でした。私は海外インターン生たちのためにいつも頑張っていたんだ、ということに気が付きました。

e-Educationの国内インターンを通して、私は自分が先頭に立って何かを進めていくことよりも、誰かの支えになったり、一歩を踏み出そうか迷っている人の後押しをしたりすることが好きなんだ、と改めて感じました。

彼らのために頑張ろうと思えたのは、彼らが社会課題を解決しようと本気で活動しているからです。言葉も文化も違う途上国で、自分の生み出す小さな変化が大きな成果につながると信じて、日々現地の発展のために活動を続けることは簡単ではないと思います。そういう人たちを一番近くで支え、力になれる存在でありたいと思いました。

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e-Educationの仲間たち

「私にしかできないことって何だろう?」

国内インターンとして活動する中で、いつも考えていたことです。最初は言われた仕事を覚えて、できるようにすることに必死でした。しかし、活動していく中で、「もっとこうしたい」という私なりの問題意識を持つようになりました。

国内インターンとしての私の仕事はSNSの運用でしたが、私はインターン生と職員、海外と国内のメンバーのコミュニケーションをとても大事にしていました。また、海外インターン生にとって活動しやすいように私ができることは何かを考えながら活動してきました。

メンバー同士のコミュニケーションを活性化させたいと思って同期LINEや定期的にビデオ通話する機会を作ったこと、途上国の魅力をもっと発信したいと思ってinstagramを始めたことは、私にしかできないことだと思っています。「私にしかできないこと」は「私だから感じる問題意識」から始まるのだと実感しました。

insta.philippines

instagramでは現地メンバーが撮った写真を紹介しています。こちらはフィリピン担当のインターン生の繋奏太郎が撮影しました。

そして、今の私の問題意識は、NPOが社会課題を解決するために、どう人々を巻き込み、他のセクターと協力していくか、ということです。これは特に、2016年11月に行ったミャンマークラウドファンディングを通して、NPOが資金調達することの難しさ、周りの大人や友人を巻き込むことの難しさを知ったことがきっかけでした。

最終的に、多くの方々の協力があって成功に終わったクラウドファンディングでしたが、私にとっては、NPOが資金を調達し活動していくことについて多くのことを考えたクラウドファンディングでした。

私は、社会課題を解決するためにはNPOに関わる人だけでなく、自分の周りの人々、そして大きなお金を動かしている企業や他の組織と協力していくことが重要だと感じました。

「誰のために働きたいの?」

この1年間を振り返って出た答えは、“社会課題を解決しようと行動する人たちのため”でした。私が将来やりたいこと、それは「こんな社会課題を解決したい」という熱い気持ちを持って頑張っている人や組織を支え、応援し、活動の幅を広げることだと気付きました。

北欧でも、ネパールでもなく、シアトルでしかできないこと

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シアトルへ向かう飛行機の中から

1年間の国内インターンを通して、私の興味は教育というテーマから、社会課題をどう解決するかということへ変化しました。そして今、社会課題の解決をするために存在するNPOに大きな可能性を感じています。

しかし、活動するためには必ず資金が必要です。利益を生み出すことが目的でないNPOにとって、持続的に活動を続けること、活動の幅を広げること、そのための資金調達をすることはとても難しいのだと気付きました。

社会課題を解決するためには1つの組織の力だけでなく、他の組織と協力すること、またNPOというソーシャルセクター単体の力だけでなく、企業や市民の理解を得て協力してもらうことが必要だと感じました。ソーシャルセクターが持続的なモデルを構築して、市民や企業を巻き込んでいくことは、今後さらに重要になっていくのだと思います。

そこで、私はこれから「ソーシャルイノベーションのシリコンバレー」と呼ばれるシアトルで、人々がどんなふうに社会課題の解決に向けて人々を巻き込み、持続的に活動ができるような取り組みをしているのかを学びます。

シアトルには、Fare StartStreet beanのようにホームレスの人々に職業訓練の機会を提供し、社会に関わるサポートをするレストランや、Theo chocolateのようにフェアトレードのカカオを使用したチョコレートを販売するチョコレートショップなど、地域社会に貢献する数多くの組織があります。

持続的に、そして地域コミュニティを巻き込んで活動を行っている組織が数多く存在するシアトルという街に、これからソーシャルセクターがさらに発展していくためのヒントがあると感じています。

また、AmazonやMicrosoftといった世界的に有名な大企業や、ビル&メリンダゲイツ財団、SVPといった団体が存在するシアトルで、様々なセクターの観点からソーシャルビジネスについて学べることにわくわくしています。

社会問題の解決に貢献するシアトルのNPOや企業を訪れ、留学中にこのトジョウエンジンでもみなさんにご紹介したいなと考えているので、楽しみにしていてくださいね!

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