スリランカ | トジョウエンジン https://eedu.jp/blog 途上国のイメージを豊かにするノンストップ・デイリーマガジン Mon, 14 Sep 2015 11:27:36 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.6.15 「できる限り何かしたい」スリランカの人々が豪雨被害地の常総市でカレーの炊き出しを実施 https://eedu.jp/blog/2015/09/14/joso_sri_lanka/ https://eedu.jp/blog/2015/09/14/joso_sri_lanka/#respond Mon, 14 Sep 2015 11:25:13 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=39354 photo from FNN NEWS 先日、東日本を襲った集中豪雨。 特に被害の大きかった茨城県常総市には多くのボランティが駆けつけ、泥出し作業など復旧作業が続いています。 ボランティアとして参加してくれたのは日本人だ […]

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Joso sri lanka

photo from FNN NEWS

先日、東日本を襲った集中豪雨。

特に被害の大きかった茨城県常総市には多くのボランティが駆けつけ、泥出し作業など復旧作業が続いています。

ボランティアとして参加してくれたのは日本人だけではありません。今回は、スリランカの人々の取り組みをご紹介しましょう。

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スリランカ大使館もボランティアに参加!

先日13日、茨城県に住むスリランカの人々が常総市の避難所で、郷土料理であるカレーの炊き出しを行いました。

「できる限りなんかしたい」

このような想いで集まったのスリランカの人々は合計約30人。本格的なスリランカカレーを約500人分振る舞いました。

Joso sri lanka01

photo from FNN NEWS

避難所に駆けつけてくれたスリランカ大使館の臨時代理大使、A・サージ・U・メンディスは次のようにコメントしています。

「日本はスリランカが大変なことになっていた時、常に助けてくれた。2004年のインド洋大津波の時もそうだ。他の時も同様だ」

東日本大震災の時も支援にかけつけてくれたスリランカの人々。日本とスリランカは深い絆で繋がっています。

日本と一番早く外交を結んだ国

以前トジョウエンジンで紹介したスリランカ大統領の名演説

第二次世界大戦敗戦後、日本の領土がアメリカやイギリスによって分割される予定だった中、当時のスリランカ(セイロン)大統領・ジャヤワルダナ氏は、「戦争に負けた日本にもう一度チャンスを与えるべき」「憎しみは何も生み出さない」と戦勝国に対しスピーチを行い、界で一番早く正式に日本と外交関係を結ぶことを決めました。

演説の一部もご紹介しましょう。

何故アジアの諸国民は、日本は自由であるべきだと切望するのでしょうか。それは我々の日本との永年に亘るかかわり合いの故であり、又アジア諸国民が日本に対して持っていた高い尊敬の故であり、日本がアジア緒国民の中でただ一人強く自由であった時、我々は日本を保護者として又友人として仰いでいた時に、日本に対して抱いていた高い尊敬の為でもあります。

国交樹立から60年以上たつスリランカと日本の温かく深い関係。茨城県常総市でまた絆が深まったのではないでしょうか。

[FNN NEWS, 産経ニュース]

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JICAが広島カープ野村前監督をスリランカ派遣!野球を通じて平和な世界を目指す https://eedu.jp/blog/2015/06/24/sri_lanka_baseball_hiroshima/ https://eedu.jp/blog/2015/06/24/sri_lanka_baseball_hiroshima/#respond Wed, 24 Jun 2015 08:10:45 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=38699 photo credit: Hiroshima Manhall 02d.JPG via photopin (license) スポーツを通じた国際貢献活動があることをご存知でしょうか? これまでJICAはスリランカ政府か […]

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Sri lanka baseball hiroshima

photo credit: Hiroshima Manhall 02d.JPG via photopin (license)

スポーツを通じた国際貢献活動があることをご存知でしょうか?

これまでJICAはスリランカ政府からの要請の元、野球を指導する青年海外協力隊を派遣してきましたが、この度広島カープの前監督である野村謙二郎さんをスリランカへ送ることを決めました。

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スリランカと広島の意外な共通点

スリランカと広島には「平和」という共通のテーマがあります。

スリランカは数年前まで内戦が続いていた国。2012年に日本の支援で作られた野球場は言わば平和の象徴であり、第二次大戦後の広島にプロ野球球団と市民球場が作られた歴史と重なるものがあります。

戦後70年、復興を成し遂げた広島だから伝えられることを、野球を通じて自分なりに伝えていきたい

こう語るのは今回JICAのなんとかしなきゃ!プロジェクトの一環としてスリランカへ渡航することが決まった広島カープの野村前監督。広島カープは通称「なんプロ」の著名人メンバーに野球球団として初めて就任した球団になります。

「野球というスポーツを通じて、誰にもチャンスがやってくる平和な世界を一緒に作っていきたい」

これは以前、野球隊員として派遣された青年海外協力隊の方から伺った言葉ですが、野球は1番から9番まで平等にチャンスが回ってくるスポーツであり、誰もがヒーローになれる可能性があります。

近年スリランカは野球への人気が高まっており、競技人口は5000人を超えたとのこと。この人数がもっと増え、日本や海外の人たちとスポーツを通じて平和な世界を一緒に目指していくことを願ってやみません。

今回の野村前監督のスリランカ渡航で、野球を通じた2つの国の新しい繋がりが生まれることを期待しましょう!

[JICAプレスリリース]

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甲子園に新しい風が吹く!スリランカ出身のスジーワ・ウィジャヤナーヤカさんが春選抜高校野球の審判員に https://eedu.jp/blog/2015/03/08/koshien_sri_lanka/ https://eedu.jp/blog/2015/03/08/koshien_sri_lanka/#respond Sun, 08 Mar 2015 00:47:51 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=37525 photo credit: DSC_0741 via photopin (license) 野球をしている人にとって憧れの場所といえば甲子園。そんな甲子園に新しい風が吹きそうです。 スリランカ出身のスジーワ・ウィジャヤナ […]

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Koshien sri lanka

photo credit: DSC_0741 via photopin (license)

野球をしている人にとって憧れの場所といえば甲子園。そんな甲子園に新しい風が吹きそうです。

スリランカ出身のスジーワ・ウィジャヤナーヤカさんが2015年春選抜高校野球の審判員として選ばれたのです。

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すべての人に恩返しを

毎日新聞によると、スジーワ・ウィジャヤナーヤカさんが野球をはじめたのは高校生の頃。クリケットが人気なスリランカでは珍しく、国の代表選手として国際大会にも出場されました。

その後日本に留学して、さらに野球に打ち込み、審判をはじめたのが8年前。これまで高校生から社会人まで約500試合の審判を務めてきました。

2013年には全日本大学選手権の審判を務めたほか、母国スリランカで球場建設に貢献するなどアジア全体の野球の発展に力を入れてきたことなどを福岡県高校野球連盟が評価し、今回春選抜の審判委員として推薦されました。

今までやってきたことを全部発揮して誰もが納得するジャッジをしたい。それがお父さん、お母さん、応援してくれたすべての人への恩返しになる

春の選抜へ参加する意気込みをこのように語るスジーワ・ウィジャヤナーヤカさん。今年の甲子園の楽しみが一つ増えました。

[毎日新聞]

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【スリランカ教育開発Vol.9】提携団体が決定!新たな仲間が増えて、どんどん加速していくプロジェクト https://eedu.jp/blog/2014/12/16/dragon_srilanka_09/ https://eedu.jp/blog/2014/12/16/dragon_srilanka_09/#respond Mon, 15 Dec 2014 23:30:07 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=35362 こんにちは! e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。 前回はプロジェクトパートナー「マノジ」との出会いについてお話しさせていただきました。 […]

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こんにちは!

e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。

前回はプロジェクトパートナー「マノジ」との出会いについてお話しさせていただきました。

今回は新たな協力団体「サホダラピヤパット」との出会いについてお話ししたいと思います。

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プロジェクトの方向性が決定!

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紹介してもらったうちの1校

前々回の記事でご紹介したサマンさん。中央州教育局訪問の際に学校訪問をしたい旨を伝えると、いくつか大学周辺の小規模校を紹介してくださいました。

その学校を訪問して学校の先生方の意見をうかがいつつ、マノジとのミーティングでプロジェクトの方向性を探ります。前回Aレベル塾の訪問についてもお話ししましたが、Aレベル試験対策の可能性もふまえて話し合いました。

そして多くの話し合いの結果、スリランカプロジェクトでは「Oレベル試験受験生」向けのコンテンツを作成し授業を実施することになったのです。

Oレベル試験を対象とした理由は以下4点です。

  1. 試験自体はそれほど難しくないにも関わらず合格率が60%程度であること
  2. 要点をおさえれば最低でもパスするだけの点数は取れること
  3. Oレベル(Grade11)をパスしてGrade13まで学校へ行けば、Aレベルがなくても待遇の良い仕事を見つけられること
  4. 大学生たちが既に活動して現状を把握しており、協力を得やすいこと

スリランカの人たちにとって、本当に求められているものがやっと見えてきた気がしました。

サホダラピヤパットとの協力

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左から、私、ヌワン、マノジ、サミーラ

マノジに紹介してもらったサホダラピヤパットという学生団体の現代表のSameera(サミーラ)とNuwan(ヌワン)に時間をつくってもらい、4人でミーティングをすることになりました。

彼らもマノジと同じ地域の出身で、地方の学生をサポートしたいという熱い想いを持っていました。Oレベルの学生向けに行っている授業について詳しく話を聞かせてもらうと、彼らは授業もだがモチベーションを上げることに重点を置いて活動をしているとのこと。マノジの話していたことと同じです。

例えば、大学生活の紹介やゲームを取り入れた楽しめる学習を行うことで学生たちのやる気を引き出す工夫をしているそうです。

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サホダラとの全体ミーティング

彼らもe-Educationとの協力に対して前向きな答えをくれました。あとはサホダラの他のメンバーたちからの賛成を得るだけです。どのような活動をしたいのか私も再度整理し、ミーティングに挑みました。

今回のミーティングには15人ほどの学生が集まり、e-Educationの活動の紹介、Oレベル学生向けの活動をしたいこと、コンテンツ作成や授業の実施をサホダラと一緒に進めたいことなどを話しました。彼らも真剣です。そして話し合いの結果、彼らと正式に協力することが決まったのです!

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コアメンバーたちと

マノジと出会ってとんとん拍子に進むプロジェクト。さらにニーズを探るためマノジと彼の出身地の学校を訪問し、先生方と学生たちの意見を集めることになりました。

次回はマノジとの学校訪問とOレベル試験対策コンテンツのトライアル実施に向けた準備についてお話ししたいと思います。

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【スリランカ教育開発Vol.8】ついに現る!探し続けていたスリランカプロジェクトのキーパーソン https://eedu.jp/blog/2014/11/25/dragon_srilanka_08/ https://eedu.jp/blog/2014/11/25/dragon_srilanka_08/#respond Mon, 24 Nov 2014 23:00:00 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=34603 こんにちは! e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。 前回は学校訪問と教育局訪問についてお話しさせていただきました。 今回は新たな「出会い […]

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こんにちは!

e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。

前回は学校訪問と教育局訪問についてお話しさせていただきました。

今回は新たな「出会い」についてお話ししたいと思います。

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ルームメイトの友人「マノジ」

現在私は大学の寮で暮らしています。ルームメイトのチェカには生活全般のことから、プロジェクトのアドバイスまでいろいろな面でサポートしてもらっていました。

プロジェクトを一緒に進めてくれる「仲間」を探している、と相談すると、「この前友達に話をしたら興味を持ってくれる友人がいた」と話してくれました。早速連絡先を教えてもらい話をすることになりました。

連絡先を聞いた次の日に早速アポを取り、会いに行きました。そして出会ったのがManoj(マノジ)です。自己紹介を済ませ、早速プロジェクトについて話します。e-Educationの活動、現在ニーズ調査の段階であること、Aレベル試験もしくはOレベル試験を対象にしたいと考えていること、そして、興味を持ってくれる学生やプロジェクトパートナーを探していることを伝えました。

地方出身という境遇

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マノジと一緒に

マノジはルームメイトのチェカと同じ学年で数学を専攻しており、現在は数学科のジュニアスタッフとして授業を教えていました。彼は理工学部に所属しており、理工学部にはSahodara Piyapath(サホダラピヤパット:以下サホダラ)と呼ばれる学生団体があるということを紹介してくれました。

サホダラでは、大学周辺の小規模校や大学から離れた地方の学校に出向き、Oレベル(Grade10,Grade11)の学生向けにサイエンスの授業を教えるという活動をしています。ペラデニヤ大学には既に地方の学生向けのプログラムを実施している団体が存在したのです!しかも詳しく話を聞くと、なんとサホダラの活動を始めたのはマノジと彼の友人たちだったのです。

マノジは比較的「地方」と呼ばれる地域の出身です。

自分は大学まで来ることが出来たけれども、スリランカ全体を見るとまだまだ教育の格差は大きい。地方という自分と同じ境遇にある子どもたちのサポートをしたくて始めたんだ。

そう語ってくれたマノジ。彼の言葉の中で印象に残っているのが、「モチベーション」というキーワードです。

学生たちは試験をパスする能力は十分にある。だけど、みんな出来ないと思ってしまっているんだ。だから勉強に積極的に取り組まない。もしこのプロジェクトを通して彼らのモチベーションさえ上げることができたら、学生たちは絶対に合格できる!

これは一緒に活動をするチャンスだ!

そう思った私は、地方での教育環境の改善に関わりたいという自分の想いをマノジにぶつけました。「一緒にプロジェクトをつくらない?」という私の問いに対して、「もちろん!」との答え。ここまできてようやく共感してくれる「仲間」が見つかったのです。

そこからマノジとプロジェクトについて話し合う日々が始まりました。

Aレベル試験対策の重要性

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JWAの学生たち

前回の記事でOレベル試験対策コンテンツ作成の可能性が大きくなったことをお伝えしましたが、それでもやはりAレベルの重要性も無視できません。Aレベル試験はかなり競争が激しく、最初の大学生向けアンケートでも判明した通り、ほぼ100%の学生が塾に通っていたという事実があります。そのため、引き続きAレベル試験対策についても可能性を探ることにしました。

そこで訪問したのが、JWAと呼ばれるAレベルの塾です。この塾は、キャンディーと呼ばれるスリランカ第二の都市にある最も有名なところです。大学生向けのアンケートからこの塾が有名であることがわかったため、飛び込みで話を聞かせてもらうことにしました。

突然の訪問にも関わらず事務の方が丁寧に対応してくださいました。ここでもe-Educationについての紹介をし、Aレベル試験について教えていただくことにしました。この塾の学生はキャンディー周辺だけではなく、バスで4時間以上離れた地域からも来ています。またこの塾のオーナーが経済的に厳しい家庭の学生も学べるようにと、一部の学生に「フリーカード」と呼ばれる授業料を無料もしくは半額にするカードを提供していることがわかりました。

通常塾では1科目あたり月に1000ルピー(日本円で800円ほど)かかります。これは日本だととても安いように感じますが、「経済的に厳しい家庭」というと月の収入は5000ルピーから10000ルピーほどになります。その中で全てをまかなわなければならないため、子どもの塾代は家計にとってかなりの負担になっているのです。

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たくさんの学生

事務の方もオーナーもプロジェクトに対して興味を持ってくださり、塾での授業の様子を見学させていただくことが出来ました。そこには1つの大ホールで勉強する1000人はいるのではないかと思われる学生たちの姿がありました。皆とても真剣です。私が塾を訪問したのはAレベル試験3ヶ月前で、学生にとってはこれからが勝負という時期でした。

この授業を受けるためにかなり離れた地域から学生が通っていること、そして高い塾代。これはつまり、塾に通いたくても通えない、もしくは近くの塾で我慢せざるを得ない学生たちが地方にいるということでした。Aレベル試験対策コンテンツのニーズも大きい、そう実感した訪問でした。

このAレベル塾の訪問もふまえ、パートナーのマノジとさらにプランを練ることにしました。

次回はさらにプロジェクトを加速させることとなる学生団体との出会いについてお話しさせていただきます。

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【スリランカ教育開発Vol.7】紅茶プランテーションに教育課題あり?学校訪問と新たな出会いによってプロジェクトが動きだす! https://eedu.jp/blog/2014/11/18/srilanka_dragon_07/ https://eedu.jp/blog/2014/11/18/srilanka_dragon_07/#respond Tue, 18 Nov 2014 04:39:24 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=33367 植民地時代の雰囲気の残る町 こんにちは! e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。 前回はプロジェクトに興味を持ってくれた大学生についてお話 […]

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植民地時代の雰囲気の残る町

こんにちは!

e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。

前回はプロジェクトに興味を持ってくれた大学生についてお話しさせていただきました。

今回は学校訪問と教育局訪問についてお話ししたいと思います。

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地方の学校

スリランカは紅茶で有名な国ですが、ヌワラエリヤはその産地として最も名前の知られている地域です。紅茶の栽培は元々イギリスの植民地時代に、南インドから労働者としてタミル人をつれてきたことから始まります。現在でも紅茶プランテーションで働いているのは主にタミル人です。彼らは植民地時代に「搾取」され、現在でも基本的な構造は変わっていません。

多くの問題を抱えていると言われている紅茶プランテーションにニーズがあるのではないかと考え、ヌワラエリヤのタミル系の学校を中心に学校訪問をすることにしました。

プランテーション出身の学生たち

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訪問先の学校

訪問した学校の学生たちは、ほとんどが紅茶プランテーション出身の子どもたちでした。先生たちは「学生たちが家に帰って勉強する環境が整っていない」と話します。彼らは紅茶プランテーションで生まれ、紅茶プランテーションで育ちます。両親も高い教育を受けている訳ではなく、子どもたちの勉強を家でサポートすることが出来ないそうです。

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訪問校の理科室

また学校の設備は十分とは言えず、数少ない使用可能な器材でなんとか授業を行っているのです。また、ヌワラエリヤには日本の高校にあたるAレベルの学校の中でも、理系を勉強できる学校がとても少なく、また文系に比べて難しいことからも理系を選択する学生がとても少ないのです。

「自分が勉強したいから文系を選ぶ」という理由ではなく、進路を選択している現状がありました。

いくつかの学校訪問を通して見えた現状は主に以下の3点です。

  • 実験室などの設備が十分でない
  • 理系の先生は年によって学校に1人もいないことがある
  • 政府からのサポートを受けづらい

教育局を訪問

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キャンディーにある中央州教育局

政府による取り組みを知るために、プロジェクト紹介資料を携え、中央州教育局を訪問しました。

政府機関に対して飛び込み訪問をしたため、きっと門前払いされるだろうと思いきやすぐに英語科目担当部署へ案内していただきました。そこで今後のプロジェクトを大きく動かす重要な人物と出会うことが出来たのです。

心強い協力者

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教育局オフィスにて

そこで出会ったのがサマンさんという女性です。彼女は「English as a Life Skill Programme」というプログラムの中央州管轄担当をされています。「English as a Life Skill Programme」とは、主にOレベルまでの学生向けに実施されている、リスニングやスピーキングなど英語を使って生活するために必要なスキルを全体的に学ぶ授業のことです。

プロジェクトについて説明すると、興味を持ってくださり一緒にスリランカでのプロジェクト実施の可能性を探ることが決まりました。

特にサマンさんの担当する英語科におけるOレベル試験の結果を見てみると、年々試験結果は改善されているもののいまだ半分ほどの学生しか合格しておらず、なんとかこの現状を変えたいという熱い想いを語ってくださいました。

情熱あふれるサマンさんをプロジェクトにむかえ、スリランカプロジェクトは徐々に加速し始めました。

更なる出会い

サマンさんとの出会いのほんの数日後、私はプロジェクトの鍵を握る重要な人物との出会いを果たすことになりました。

次回はその「出会い」についてお話ししたいと思います。

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【スリランカ教育開発Vol.06】プロジェクトパートナー現れる!?大きすぎた期待の先に待っていたものは… https://eedu.jp/blog/2014/10/21/dragon_srilanka_06/ https://eedu.jp/blog/2014/10/21/dragon_srilanka_06/#respond Tue, 21 Oct 2014 06:51:26 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=32791 こんにちは!e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。 前回は大学教授に対して行ったインタビューと最初の学校訪問についてお話しさせていただきま […]

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こんにちは!e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。

前回は大学教授に対して行ったインタビューと最初の学校訪問についてお話しさせていただきました。

今回はアンケートの時に興味を持ってくれた大学生との話についてお伝えできればと思います。

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興味を持ってくれた社会人へ再度インタビュー

スリランカの教育事情・ICT事情が見えてくる中で、まだ確信が持てるニーズを見つけ出すことができずにいました。

アンケートをした段階で何人か興味を持ってくれた学生と社会人の方がいたので、さらにニーズを探りプロジェクトを詳しく知ってもらうため、「パートナー候補」である彼らと再度話をすることになりました。

まず話をしたのは、政府機関で働く男性と学校で先生をしている女性の社会人のお二人。とても関心を持ってくださり、プロジェクトをサポートすると約束してくれました。その日は地方の学校訪問のアポ取りと学校での案内をしてもらう約束をし、後日訪問することになりました。

北部地域出身の学生の話

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Elephant PassにあるArmy Memorial

スリランカは2009年の終結まで26年間内戦が続いていた国です。その中でも北部地域は終戦直前まで激戦区となっていた地域です。その発端は16世紀に始まった植民地時代にまでさかのぼります。

植民地支配が終わり国家独立後には「シンハラ人優遇政策」が行われ、それに反発したタミル人との間で衝突が続くようになったのです。分離独立を目指す少数派のタミル人とこれを認めまいとする政府軍との間の内戦で、死者は7万人以上と言われています。内戦終結以降は復興が進められています。

北部地域のキリノッチとジャフナから進学してきている大学生二人に話を聞くことが出来ました。北部地域では復興が進んでいるとはいえ、ジャフナのように都市部と地方や被害のひどかった地域ではまだまだ教育の質に差があるそうです。

Oレベル学生が対象に?

彼らもやはり大学に進学するためには塾に通う方が有利であり、Aレベル(大学入試)試験前の学生はほとんどが塾へ通っていると話していました。

しかし、それ以前に北部地域ではOレベル(高校進学)試験に問題があることもわかりました。というのも、他地域での合格率が60%前後であるのに対して、北部地域では受験者の50%ほどが合格できないのです。

二人の学生も「地元の学生たちのために何かしたい」という思いはあるものの、この段階ではまだプロジェクトに積極的に関わるという話までは出来ませんでした。

「北部地域」、そして受験生たちの間で差のついてしまう「Oレベル試験」というキーワード。少しずつですが、問題意識を持つ学生も見つかり、e-Educationスリランカプロジェクトで向かうべき方向性が見えてきたような気がしました。

期待と絶望

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約束をしていた社会人の人との学校訪問のため、何度かテキストメッセージを送って進捗を確認していました。(電話だと意思疎通が難しいため基本的にテキストメッセージを利用しています。)

「やっと学校に行って学生たちに会える!」

私は期待でいっぱいでした。

学校訪問には校長先生からの許可が必要なため、知り合いの先生に話しをするということだったのでお願いをしていました。しかし、何度目からかメッセージへの返事が一切返ってこなくなったのです。電話もしてみますが、出ません。

同じように北部地域の学生二人にも電話とメッセージを送り、連絡を取ろうとしますが返事は返ってきません。何度も試みるもののそれ以来、アンケートで興味を持ってくれた学生たちの誰とも連絡を取れなくなってしまったのです。

「このプロジェクトおもしろいね!」と言ってくれた学生たち。順調に思えたパートナー探しでしたが、ここに来て振り出しに戻ってしまいました。

難航するパートナー探しですが、やはり中学校・高校に行かなければ学生たちの考え=ニーズはわからない、ということで別の知り合いからの紹介と飛び込みで学校を視察させてもらうことにしました。

次回は学校訪問と教育局訪問についてお話しさせていただきます。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。

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【スリランカ教育開発Vol.05】現地NGOを訪問してぶつかったコミュニケーションの壁。その壁を超えるために必要なものとは? https://eedu.jp/blog/2014/09/16/dragon_srilanka_05/ https://eedu.jp/blog/2014/09/16/dragon_srilanka_05/#respond Mon, 15 Sep 2014 22:30:03 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=32611 訪問先の学校 こんにちは! e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。 前回はアンケート調査から見えてきたスリランカの教育事情についてお話しさ […]

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訪問先の学校

こんにちは!

e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。

前回はアンケート調査から見えてきたスリランカの教育事情についてお話しさせていただきました。

今回は大学教授に対して行ったインタビューと最初の学校訪問についてお話ししたいと思います。

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「コミュニケーション」の壁

一週間ものお正月休みが明け、プロジェクト再開です。

お正月に入る前にプロジェクトについて紹介とインタビューをしていた現地NGOの支部を通して、地方の学校訪問をすることが決まっていました。

口頭での説明とメールでのやり取りによって、「学校訪問」を依頼していたのですが、当日同行してくれるスタッフのいる事務所に行ってみると、「幼稚園訪問」の手配がされていたのです。プロジェクトの対象はあくまでも中学生・高校生であり、想定外の事態に驚きました。

原因はコミュニケーション不足でした。私も相手がわかっているだろうと思い、念押しをしていませんでした。なんとか幼稚園の近くの小学校を訪問させていただき、先生方の話を聞くことはできましたが、本来の目的であるOレベル、Aレベルの学校を訪問することはできませんでした。

事前準備の大切さ

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この失敗は単純に連絡不足のみが原因ということではありません。その前の準備不足が原因でした。

私は英語が苦手です。相手が話していることは何度か繰り返してもらってやっと理解できるレベル。自分の話したいことは電子辞書を必死に使いながらでないと伝えられません。

だからこそ、「準備」がとても大切です。インタビューの相手にプロジェクトの簡単な紹介をすることも、それは相手に「協力」という行動を求めるためのプレゼンテーションであり、いかに「事前準備」に時間をかけるかということが重要になってきます。

私はこの事前準備が全くできていませんでした。そのため、自分のプロジェクトをわかりやすく説明するどころか、相手に対して何を求めるのかそれすらも自分の中で整理できていなかったのです。

この準備不足がNGOとの「すれ違い」を生んだのでした。

スリランカのICT事情

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photo credit: Student Sri Lanka

現地の教育事情を探るため、現地NGOだけでなくスリランカの大学No.1と言われるコロンボ大学の教授にもインタビューを行いました。プロジェクトの紹介と教育事情の調査をしていることなどを伝えると、多くのアドバイスをくださいました。

教授へのインタビューを通して、スリランカの教育省や他の機関におけるICT教育の取り組みについて知ることができました。

  • ICTA(Information and Communication Technology Agency in Sri Lanka):地方のコミュニティのICTへのアクセスを高めるため数百か所のICTセンターを設立している
  • 教育省:Oレベル/Aレベル向けに学習番組をTVで放送している

すでにスリランカ政府はICTを広めること、ICTを使った教育に積極的に取り組んでいたのです。

使われていないパソコン

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学校訪問をした際、校長室の片隅に使われていないパソコンが一台ありました。

「これは何ですか?」とたずねると、「政府から公立の学校に最低1台ずつパソコンが配られるんだ。1台じゃ生徒たち全員が勉強することはできないし、結局使い道がなくてここに置きっぱなしだよ」との返事。映像授業のプロジェクトを紹介すると、非常に関心を持ってもらえました。

スリランカ政府はICT教育やパソコンを使った教材の利用を推進しようとしているものの、それを受け取る側の学校の先生が効果的に利用する方法を知らなかったり、機材だけ提供されOfficeなどのソフトも入っておらず、インターネットにも接続できないため利用できないという現状があります。

まさに「宝の持ち腐れ」状態だったのです。基本的にどの学校にも1台は設置されているとのこと。まだまだ確認が必要ですが、もしどの学校にもパソコンがあるならば1から機材を準備するよりも圧倒的に進めやすいと言えます。

学校訪問と教授へのインタビューから、政府が教育環境の改善に積極的であることがわかり、スリランカでのプロジェクトの可能性をさらに感じました。

プロジェクトパートナー現れる!?

学校を訪問したり、大学の教授へのインタビューと平行して実施していた大学生へのアンケート調査。

そのアンケートを取った際に、プロジェクトに興味を持ってくれた学生が何人かいたので、もっと詳しく話をするため一度会うことになりました。

次回はその時の大学生たちとの話をご紹介させていただきたいと思います!

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【スリランカ教育開発Vol.04】「塾文化」はここにもあった!アンケートから見えてきたニーズと、その先に待っていた大きな葛藤 https://eedu.jp/blog/2014/08/26/dragon_srilanka_04/ https://eedu.jp/blog/2014/08/26/dragon_srilanka_04/#respond Mon, 25 Aug 2014 23:00:15 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=32498 こちらのポスターは一体何の広告でしょう? こんにちは! e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。 前回は留学先の大学で実施したアンケート調査 […]

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こちらのポスターは一体何の広告でしょう?

こんにちは!

e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。

前回は留学先の大学で実施したアンケート調査についてお話しさせていただきました。

今回はアンケート調査から見えてきたスリランカの教育事情についてお話ししたいと思います。

SPONSERD LINK

スリランカの教育制度とは?

まず、アンケートの結果をお伝えする前に、スリランカの教育制度について簡単にご説明します。

スリランカはイギリスやルワンダと同じ教育システムを導入しています。Grade1からGrade11が義務教育であり、学生たちは3つの大きな試験を突破しなけなければなりません。

【スリランカの三大試験】

  • Grade5:  シッシャッタと呼ばれる全国一斉の奨学金試験
  • Grade11: 中学卒業試験と高校入試試験を兼ねたO-level試験
  • Grade13: 高校卒業試験と大学入試試験を兼ねたA-level試験

この中でも近年重要視されているのがシッシャッタ。なぜなら、シッシャッタの成績によって、Grade6からどの学校に行けるかが決まるからです。良い成績を取れば都市部の有名校へ進み、優秀な先生のもとで大学受験の年まで勉強することができます。

とは言え、小さな子どもたちの学力に大きな差はありません。だから近年、親は必死になってシッシャッタ対策に向けて多くの学習費を払っており、「保護者の競争」などとも呼ばれているそうです。

アンケートの結果から見えてきたニーズ

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話を戻します。

大学生に協力してもらったアンケートを集計したところ、以下のことがわかりました。

  • 大学生の9割以上はAレベル(Grade12~13)の時に塾に通っている
  • 学校の授業ではシラバスが終わらないことも多く、全範囲を網羅できない
  • 地域によって数学、サイエンス(生物・物理・化学)など理系の先生が不足している
  • 学校によって先生や設備の質に差がある
  • 学校は全て無料なので成績や進路は努力次第

スリランカにはバングラデシュと同様「塾文化」があるということがわかりました。公立学校の学費が全て無料のスリランカでは、皆同じように基礎教育を受けることができるため、大学に合格するためには塾へ通い、とにかく人より勉強量を増やす必要があるのです。

もちろん、学校にもレベル差があります。有名な学校は都市部に多く存在するため、農村部から通うためには家を離れて生活する必要があるのです。

このアンケートのおかげで、貧しい農村部の家庭と裕福な都心部の家庭において、学校の差と塾の有無という2重の教育格差があることが見えてきました。

「地方の学校では、Aレベル試験の受験対策コンテンツに対するニーズが大きいかもしれない!」

バングラデシュと同じように、地方の大学受験生向けのコンテンツが求められている可能性が高いと考えられました。

見えてきたニーズの先に待っていた葛藤

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ビルの窓は塾の広告がビッシリ!

Aレベル試験対策コンテンツへのニーズが見えた一方で、アンケートの中に何人もの学生が書いていた気になる回答がありました。

「塾が学生たちにとって、かなりの負担になっている」

スリランカは非常に教育熱あふれる国です。その理由として、スリランカが学歴社会であることが挙げられ、学歴がなければ就きたい仕事に就くことができません。

しかし、学歴を掴むのも非常に険しい道のり。国立大学は15校しか存在せず、私立大学はほとんどないため、対象年齢の約2%しか大学に進むことは出来ないのです。その数少ない入学枠をめぐって、熾烈な受験戦争が繰り広げられるのはきっと簡単に想像できるでしょう。

「もし、地方の学生がAレベル試験対策コンテンツを必要としていたとして、自分がそのコンテンツを作って提供すれば目の前の学生たちは喜んでくれるかもしれない。でも、もっと大きな視点で考えると、Aレベル対策はスリランカの受験戦争を後押しすることに繋がるのではないか?学生たちが負担になっていると感じているその塾に重きを置くことは、果たして正しいことだろうか?」

疑問がどんどん頭の中に浮かんできます。「教育」という人の一生に関わる問題であるという意識が、プロジェクトを進めるうえで大きな壁となりました。

「受験戦争を助長するようなことはしたくない…」

その一方で、学生にとって塾が大きな意味をなすことは紛れもない事実であり、この葛藤に苦しみました。

答えを探して学校へ!と思ったら・・・

日本人へのインタビューと学生へのアンケートから、スリランカの教育事情が徐々に見えてきました。

次のステップは自分の目で確認すること。つまり、実際に試験に向けて勉強している学生たちの考えや、そこで教える先生たちの考えを聞くということです。この学校訪問は、今後のプロジェクトの方向性を決める大事なものであり、しっかりと準備をしていかなければなりません。

しかし、気合いとは裏腹に、次の週はスリランカのお正月。お正月は日本と同じで皆が休みを取ります。プロジェクトは一旦ストップとなるため、私もお正月を楽しむことにしました。

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スリランカの正月については、こちらの記事にまとめました

そして正月が明け、プロジェクトが再開。エンジンを入れ直します。

次回は、大学教授に対して行ったインタビューと最初の学校訪問についてお話ししたいと思います。

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【スリランカ教育開発Vol.03】大学生の問題意識はどこに?ニーズ調査の第一歩「学食アンケート」を実施! https://eedu.jp/blog/2014/08/19/dragon_srilanka_3/ https://eedu.jp/blog/2014/08/19/dragon_srilanka_3/#respond Mon, 18 Aug 2014 23:00:38 +0000 https://eedu.jp/blog/?p=31981 こんにちは! e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。 前回は日本人会でのニーズ調査のためのインタビューについてお話しさせていただきました。 […]

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こんにちは!

e-Education Projectスリランカ担当の大水希望です。地方学生の可能性を広げることを目標に活動しています。

前回は日本人会でのニーズ調査のためのインタビューについてお話しさせていただきました。

今回は留学先の大学で実施したアンケート調査についてお話ししたいと思います。

いざキャンパスへ!

私の交換留学先であるペラデニヤ大学は、一般にはスリランカの大学のNo.2であると言われています。ペラデニヤ大学でニーズ調査を兼ねたパートナー探しのアンケート調査を実施した理由は、今後プロジェクトを進めていくうえで同じ大学の学生であることで、距離感を縮めやすく、活動しやすいと考えたからです。

「アンケートを通して学生に何を求めるのか?」
「どんなニーズがあるのか?」

試行錯誤しながら作成したアンケートを印刷し、意気込んで大学へ出かけました。大学生がいそうな場所を探して歩きまわりますが、その日は土曜日だったため、大学内を歩いている学生はちらほらとしかいません。大学の学食をのぞいてみるとほんの数人ですが学生がいます。

「ここで声をかけなければ…!」

しかし、引っ込み思案な私はなかなか声をかけることができませんでした。歩き回ること1時間。これでは何も進まないと思い、大学にいくつかある寮の学食でアンケートをすることにしました。

最初の壁を越える

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理学部の食堂

お昼過ぎの学食には勉強をしに来た学生たちが何組かいます。まずは一組目の学生に声をかけて、調査開始です。

「スリランカの教育について教えて!」
「どんな問題があると思う?」

ドキドキしながら一番最初に話をした女子学生二人に「このプロジェクト、スリランカで役に立つかな?」と聞くと、「いいんじゃないかな?」との返事。声をかける、という最初の壁を乗り越えられました。

このアンケート調査は、ニーズ調査の一貫としてe-Educationの新規プロジェクト立ち上げで恒例となっているものです。正直に言うと、他の国のプロジェクトのトジョウエンジン連載記事を読んで、すぐ集められるだろうと思っていましたが、実際にしてみると学生に声をかけるということは、そう簡単なものではありませんでした。

「で、何がしたいの?」

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最初の女子学生二人組に声をかけられたことで、要領をつかめたことと学生が増え始めたことでアンケート調査は順調に進みました。学生たちは真剣に質問に答えてくれます。

しかし、学生と話をする中で何度となく返された質問があります。

「いいと思うけど、結局何がしたいの?」

このアンケートの目的は主に二つありました。まずスリランカでの映像授業へのニーズを見つけること。スリランカの教育の中のどこに問題があり、どのように映像授業を取り入れられるかを調査することが一つ目の目的でした。

そしてもう一つが、今後プロジェクトを実施する上でパートナーとなる学生を探すことです。問題意識を持っていてその解決のために何かしたい、そう思っている学生からプロジェクトに対して共感を得ることを目的に、アンケートをしながら学生たちの考えや想いを聞く予定でした。

しかし、アンケートを集めることに必死だった私は「このプロジェクトを通して一緒に問題を解決していこう!」という自分の思いを学生たちにうまく伝えることができず、ただの調査だと思われていました。

「ぜひやってほしい!」

そんな中でも何人か興味を持ってくれる学生がいました。

「自分たちも田舎から出てきたんだ。地方の学生たちは勉強したくても先生がうまく教えられないせいで勉強できなかったり、勉強なんてどうでもいいと思っている学生たちがとても多い。彼らにも出来るってことに気づいてほしいんだ。」

大学生たちの中にも何かを変えたいと思っている人たちがいる。その気付きは、スリランカに来るまでプロジェクトの必要性を確信できなかった私にとって、とても大きく意味のあるものでした。

一番の理解者、ルームメイトのチェカ

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大学の女子寮

スリランカの大学に交換留学をしている私は基本的に寮で生活しています。私のルームメイトはScience学部で教授のサポートをするスタッフをしているチェカ(Chekha)です。英語がうまく話せない私の話を理解しようと努力してくれ、生活そのもののサポートもしてくれました。スリランカの文化や言葉の多くは彼女から学びました。

最初にプロジェクトのことを話して理解してくれたのも彼女です。アンケートを作るときも英語の添削やスリランカの学生が理解しやすい聞き方を教えてくれるなど、プロジェクト開始当初から強力なサポーターであるチェカはプロジェクトを進めるうえで、とても重要な役割を果たすことになるのでした。

来週は大学生へのアンケート調査から見えてきた、スリランカの教育の現状についてお話ししたいと思います。

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