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一番右がアレックス

みなさん、こんにちは!ルワンダでe-Educationプロジェクトを進めているドガです。

前回の記事では、ルワンダに降り立ち、翌日ぼくが率直に感じたことを話させて頂きました。今回は、僕たちのe-Education Projectルワンダには欠かせない「現地パートナー」の一人である「アレックス」を紹介させてください。

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e-Educationのことは僕より知っていた?

e-Education Projectルワンダは、以前にも書きましたが、僕がルワンダに来る前に、5ヵ月ほど前から代表の税所篤快(アツさん)と現地パートナーのアレックスとでスタートしていました。

そのため、僕よりもアレックスの方が、e-Educationルワンダの経緯を誰よりも知っています。

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アツさんの本に喜ぶアレックス。日本語は分かりません。

アレックスってどんな人?

面白いことに、キリスト教徒が多い小国ルワンダでは、「アレックス」という名前の人が多く存在。実際、プロジェクトにも、3人のアレックスが関わっています。

パートナーのアレックスは、現在ルワンダ最高峰の「National University of Rwanda (NUR:ルワンダ国立大学)」の3年生で、農学部で学んでいます。

彼は、首都キガリからバスで北に3時間ほど行ったところにあるニャガタレ郡の農村出身で、国費でNURへの切符をゲットした努力家です。

ルワンダと日本の大学生の交流クラブのようなものに入っており、そこで昨年アツさんと出会いました。アレックスは自身の体験から、e-Educationのようなプロジェクトを同じような状況下に置かれている人たちに提供したいという思いで、ずっと関わり続けています。

5大陸最弱の現地パートナー?

アツさんがe-Education実施国それぞれの現地パートナーを紹介する時、アレックスは毎回5大陸最弱と言われます。バングラディシュのマヒンは、自らの意志でチームを引っぱり、アツさんのようにガシガシとプロジェクトを進めていくタイプ。

一方のアレックスは、自らの意見は持っているのですが、それを実行に移すことができなく、声も小さい気弱な性格の持ち主です。

いつも「ドガ、俺たちはこのプロジェクトでルワンダの教育事情にイノベーションを起こせる!」などと、ビジョンに関しては、ビッグで壮大なスケールで物事を考えることが出来ます。その反面、たまにロジックに欠けるところがあると感じます。

しかし、そんなアレックスにも得意なことがあります。アレックスは、何か調べものをするのが一番仕事が早く、かつ正確なのです。

そのため、e-Educationのことだけではなく、ルワンダの経済や政治についてもたくさんの書籍を読んでいるとのこと。そのため、豊富な知識を持っていますが、ルワンダから外の話になると弱気になってしまいます。

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現地人から得る、現地の情報

僕は自分のブログでもよく書くのですが、本当に現地で、自分の目で見る光景と教科書やインターネットで得る情報は異なります。

そのため、アレックスから聞いたルワンダの教育事情の話は、自分がこれまで外務省や大使館経由で調べていたよりも「現地化」した、深いナレッジを持っています。

ルワンダの教育事情について

少しルワンダの教育に関して、お話させて下さい。

ルワンダは、教育システムが僕も受けたことのあるイギリスの「A-Level」と呼ばれるシステムを引用しており、僕たちが対象とする高校3年生は、合計3科目しか受験しません。

そこでルワンダプロジェクトでは、農村部と都市部で受験期に特に差が出る、科学の実験授業に特化してコンテンツを提供していきます。

科学の実験は、Practicalと呼ばれ、全体の科学の科目の30%。残りの70%は、Theory(筆記)試験です。さらに、この実験試験では、生徒一人ひとりが実際に器具を使って実験をし、答えを解答用紙に書いていく形式となっています。

そのため、貧しい高校、特に農村部の実験器具を買うお金が無い公立学校の生徒は、科学の実験勉強にはいつも白黒の教科書を使っているだけなのです。つまりぶっつけ本番で、試験に臨みざるを得ない状況となっています。

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アレックス自身とルワンダの教育事情

ここで一つ気になるのが、農村部出身で、カテゴリー的には貧困層に入るアレックスは、どうやってトップ大学の一つでもあるルワンダ国立大学(NUR)に合格できたのでしょうか?

そこで、アレックスに聞いてみました。

ドガ: アレックス、科学で70%のセオリー試験は教科書と先生だけで勉強できるとしても、残りの30%の実験はどうやって勉強したの?

アレックス: そこなんだよねぇ、僕が苦労したのは。どうやっても実験は実験しないと、本番ではもちろんだけど出来ないんだ。だから70%のセオリーを完璧にして、30%を落としても合格ラインに到達できるようにカバーしたのさ。

ドガ: アレックス、すごいね!

アレックス: こんなことをやって成功した僕みたいなのは稀で、他の生徒たちは本当にこの30%を落とさないように苦労しているんだ…。

ちなみに、ルワンダのトップ大学合格ラインは、一教科につき70%だそう。アレックスは、文字通り70%の筆記試験を完璧にしたのです。

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ルワンダには、絶対的なニーズと意義がある

「ルワンダで、この30%のPractical試験をe-Education DVDを利用してとれるようにすれば、大学受験での貧富の差を少しでも減らすことができる」と、僕は思いました。

さらにアレックスいわく、彼のような農村部からの生徒の方が、高額な学費を払って私立高校に通っている生徒たちよりも、「何苦楚魂」が強く、やる気があるそうです。

ルワンダ版e-Educationには絶対的なニーズ意義がある。

道はまだまだ長いですが、今後も登場してくる現地パートナー、アドバイザーの方達との協働により、「このプロジェクトからルワンダに教育イノベーションを起こそう」と、アレックスと誓い合いました。

アレックスのような協力的なパートナーがはじめからいたのは、本当にラッキーだったと思います。

次回はもっと深くe-Educationルワンダに関して話していきたいと思います。最後までお読み頂きありがとうございました。


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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