こんにちは、マニラプロジェクトマネージャーの伊藤聡紀です。現在マニラで大学受験用コンテンツを届けるため日々走り回っています。
前回の記事では、生徒をモチベートするため、現役UP生からの応援メッセージを撮影し生徒に見せるという試みを紹介しました。そして、いよいよUPCAT(フィリピン大学入試試験)が直前に迫り、最後の追い込みをかける時期にやって来ました。今回はその様子について書かせて頂きたいと思います。
UPCAT直前対策、4校で競う小テスト
いよいよUPCAT直前の追い込みの時期。生徒たちも本番が近づいていることを実感しているのか、少しずつソワソワしています。そんな中、最後の追い込みとして、実施校4校対抗で、小テストの点数を競争する事にしました。
いつもなら、小テストをして答え合わせと解説で終わるのですが、それだけだけでは何も合格への実感が湧かないと思っていました。というのも、UPの試験は日本のように競争倍率何倍というライバルに勝つという受験ではなく、各UPキャンパスの合格点を取った生徒が、合格点上位から志望している学部に入れるという仕組みだからです。
しかしながら、自分がどの位置に今いて、どのくらいの勉強をしなければ合格出来ないだろうという見通しが立たない状況では、生徒もモチベージョンを保てません。
日本なら模擬試験があって偏差値と大学のレベルを見ながら、ある程度合格出来るかどうかという見通しを付ける事が出来ます。しかし、こっちの生徒はそのようなツールを使った事がありませんでした。
そこでせっかくなので、4校で同時実施しているという状況を利用し、最後の追い込みとして小テスト大会を実施していきました。そして、匿名で他の学校の生徒の点数を公開したり、全体的で一番平均点の高い点数を取った学校には、賞をあげることに。
これで生徒が自分の位置を掴んでくれることを期待していました。しかし、生徒にとってはどこも同じ公立高校でなじみのある高校という事で、やはり他の学校の生徒の点数が気になるようでした。
「今回はどこの高校が一番?」「最高点は何点?」といった質問が、毎回聞こえてきます。そして、それが自分のたちの学校であると大喜び。一見全てが上手く行っているように見え、全員が主体的に勉強してくれるだろうとと思っていましたが、そうは上手く行かないものです。
点数が毎回低い生徒は、たとえ他の学校に勝っても自分の点数が他の学校の生徒と比べても低いため、受験への自信を失いつつありました。
誰かが良い点を取れば、一方で誰かが不満を持っているもの。今回のように、万人が満足出来る結果が毎回望めるわけではないため、全員をマネジメントする大変さ実感していました。しかし、UPCATまで時間もありません。どうしてもこの生徒達にも最後まで諦めてほしくありません。
最後はチーム力で合格を目指す!
点数が悪く伸び悩む生徒に、何が必要かということを考えても、なかなか良い案が浮かびません。しかし、そのヒントは本当に未身近な場面に隠されていたのです。例えば、自分が何かに困った時どうするだろうか。そんな事を考えているとシンプルな答えが出てきました。
誰でも困ったときは、誰かに相談します。それは分からない問題に出会ったときも同じで、最終的に誰かから解き方を教えてもらいます。当たり前の事を徹底して行っただけですが、答案チェック後に友達同士で「教え合う」ための時間を多目に取るだけで、以前よりも楽しんで問題を解くようになりました。
やはり、先生から教えられよりも同じ生徒同士の方が、「なぜ」そういう風な解き方や選択肢になるのかをフランクに聞けて楽しんでいる様子。何回か時間のある先生にも協力してもらって、生徒に分からない問題を説明してもらっていたのですが、理解はするものの、聞くだけでは、また一方向の詰め込むだけになっていました。
その原因には、臨時の先生と生徒の間で深い関係が構築出来ていないため、生徒が先生への質問を躊躇している事が挙げられました。しかし、友達同士なら質問しやすく教える側はよりその問題を理解することが出来、分からない生徒には「?」が消えるまで聞くように促しました。
たったこれだけで、以前よりも見違えて問題を理解しようとしてくれるようになったのです。
これまで何度も何度も、修正・トライを続けて、なんとかDVD授業を行ってきました。そして、いよいよ生徒にとって大事な大事なその日がやってくるのでした。
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