皆さんこんにちは!東アフリカの小国ルワンダでe-Education Projectを進めているドガです。
前回の記事では、頼りになる欠かせない現地パートナー「アレックス」について話させて頂きました。今回は、e-Educationがこの国でどれだけのポテンシャルを持っているかについて説明します。また、ルワンダという国の「今」を少しでも知って頂ければと思います。
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ルワンダの教育事情について
これまでe-Educationプロジェクトは主に、バングラディシュやフィリピンなど東南アジアで行なわれてきました。大まかなプロジェクトモデルはルワンダでも同じなのですが、何しろアフリカと言うだけあり、バックグラウンドはかなり異なってきます。
ルワンダプロジェクトでは、科学の実験授業に特化したビデオコンテンツを作成し、それを農村部や他の実験器具が整っていない高校生に届けることを目標に、活動を始めました。
そして、大学入学を決める試験で、農村部と都市部の生徒で大きな差が出てしまう理由は大きく3つあります。
- ルワンダでは、教員免許を持っている先生が全体の60%ほどしかいない(1994年の大虐殺で多くの労働人口、主に男性が殺されました)
- 全学校の約50%は科学の実験道具が整っていない
- 特に公立校の場合は、予算が限られており実験器具を買うより、施設の拡大などを優先してしまう
前回もお伝えしたように、科学の実験試験は、全体の科目の30%に当たります。しかし、2015年からその割合が50%となり、科学では実験とセオリーがそれぞれ50%ずつとなることも既に発表され、その重要性を見てとることができます。
教育ギャップを埋めるe-Education
ここまで見てみると、「e-Educationがルワンダでイノベーションを起こすことができるのか」という問いに対する答えが出てきます。
- 色の変化や音など、五感を使って学ぶ科学の実験で、実際に実験できる環境が整っていないなら、映像でその部分を賄うことができる
- 学校も公共機関も過小評価している科学の実験授業で、現地の人と一緒にボトムアップで進めていくe-Educationは、地域ニーズにうまく答えるためにはもってこい
e-Educationはルワンダで、政府や大きな国際機関等からは出来そうにない教育ギャップをうまくうめることができます。つまり、活躍できる可能性は満ちあふれているのです。
ルワンダ教育省との交渉
少し話が飛びますが、以前からお伝えしているように、ルワンダe-Educationは2012年4月に代表のアツさんが政府の許可をもらう前にスタートさせてしまった経緯から、自分がルワンダに来たときはマイナスからの立ち上げでした。
前任の難波泉さんからも「政府もe-Educationに対しては普通よりも過剰に反応しているから、交渉には時間がかかると思う」と言われていました。
そして、この政府、ルワンダ教育省の交渉担当長官が、4月にe-Educationに待ったをかけました。長官は、海外への留学経験もあり、ルワンダの教育事情を熟知しており、さらにICTに長けていることから「ICTx教育のスペシャリスト」と呼ばれています。
プロジェクトに対しても、的確なアドバイスを常時頂いていました。
自分もルワンダに降り立ったらまず最初にこの長官にお会いして、お話を聞きたいと考えていました。しかし、このお方にお会いするために数々の難所を乗り越えなければいけなかったということをその時は想像もしていませんでした。
次回の記事もお楽しみに!
【ルワンダを知る〜パート1〜】
みなさんは、「ルワンダ」と聞いてまず何を思い浮かべますか?
一番多くはやはり「1994年ルワンダ大虐殺」だと思います。映画ホテルルワンダも全世界で公開され、約100日間で80万人が殺された事実は今も変わりません。
そして僕も当たり前のように、1994年当時のルワンダのイメージのままにルワンダに降り立ちました。しかし現実は全く違うもので、一歩外に出れば高層ビルが立ち並ぶ通りもいくつかあり、車の数も多い発展中の国でした。
ルワンダに来た人は口を揃えて、「ここで約20年前にジェノサイドが起きたなんて信じられない」と言うそうです。
決して風化させてはならない出来事ですが、現在ルワンダは「アフリカの奇跡」と呼ばれるほどの経済成長をしています。そのため、町を歩く度に成長している国のリアリティが目に飛び込んできます。
今後もアフリカ、ルワンダの「今」をお伝えしていければと思います。
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