「地雷って、本当にあるの?」
どこか遠い世界の話のように感じている方も多いのではないでしょうか。日本に住んでいれば、地雷を気にして歩く事はありませんから、このように感じるのも必然です。
しかし、あるんです。世界にはまだ、7000万個も。
地雷は安くて、でも命を奪う。
地雷は1つ300~1000円と、中学生のお小遣いで買う事のできる額です。しかし、ひとつ取り除くためには10万円かかります。
手軽に買える一方で、除去には莫大な費用のかかる地雷は、今現在も年間10万台除去される一方で、新たに200万台埋められています。この増え続ける地雷は、人々の手足のみならず、時には命さえ簡単に奪ってしまいます。
地雷の問題をデザインで解決する!
この問題の解決を試みたのが、アフガニスタン出身のデザイナーであるマッスード・ハッサニ氏。
マッスード氏が幼少期に制作し使用していた、プラスチックや紙などの軽い材料から成る風力で転がる玩具から着想を得て、竹とプラスチックをベースにした球体「Mine Kafon」を作り上げました。
中央部にGPSチップを内蔵しており、そこから竹の”脚”が伸びています。そして風に乗り転がり始めると、コンピューターを通して現在地や軌跡などがわかる仕組み。
風で動くほど軽い一方で、地面とMine Kafonの触れる部分をみてみるとわかるように、地中に埋まっている地雷に刺激を与えるには十分な圧力がしっかりとかかるようになっています。
そして、地雷のある地点を通過すると地面と接触していたMine Kafonの”脚”が爆発。驚くべきは、その耐久性です。
脚が数本壊れた程度では走行に問題はなく、1機あたり3~4台の地雷が除去できるといいます。それにも関わらず制作費用はわずか51ドル、日本円になおしても4000円少々ですから、非常に安価であることがわかるかと思います。
Mine Kafonの脚が壊れれば壊れるほど、無くなれば無くなるほど、自由に歩くことの出来る範囲が広がります。
プロモーションムービーも要チェック!
プロモーションムービーの中で特に印象に残ったのは、地雷警戒地帯の前で”脚”を止める子どもの姿。そして、その中を縦横無尽に走り回るMine Kafonの姿。
このMine Kafonの走りまわる姿こそが、製作者マッスード・ハッサニ氏の夢ではないかと感じました。広い世界中を、Mine Kafonではなく私たちの”脚”で駆けまわることが出来る世界になったら、とても素敵ですね。
KickStarterで立ち上げたプロジェクトも、資金調達成功し勢いにのるMine Kafonに今後も目が離せません。
Mine Kafon | Callum Cooper from Focus Forward Films on Vimeo.
参考:数字で見る地雷問題
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