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「タンポンの王様」と呼ばれるインドの起業家をご存知ですか?彼、ムルガナンサムさんは多くの女性の悩みであった生理用ナプキンに関する課題の解決に挑戦してきました。

2009年、インドの大統領から「ベスト・イノベーション・アワード」を受賞した社会起業家のストーリーをご紹介しましょう。

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奥さんが抱える悩みを解決するために

ムルガナンサムさんは、ある日“ボロ布”を使う奥さんにナプキンを買うよう声をかけたところ、「そんな金があるならミルクを買う」と断られてしまいました。当時ナプキンは高級品であり、買う余裕はありませんでした。

この言葉を受け、奥さんのためにナプキン作りを始めます。しかし、高校中退で全く知識のなかったため、彼の挑戦はとにかく手さぐり。若い女の子に新作ナプキンのテストをお願いしたり、自分で身に付けるテストをしたために、周りから非難され、奥さんには家出されてしまいました。

しかし、それでもあきらめず、6年半の歳月を経て、インド中にイノベーションを起こす生理用ナプキン製造機が完成したのです。

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誰でもナプキンを作り、身に着けられる世界を目指して

ムルガナンサムさんは製造機をつくる上で譲れないことがありました。

まず、低コストで質の高いものを作ること。お金がなくて買えないことがないよう、どの村にもある自然な素材を使い、自分の身体にあったサイズを作れるような機械を目指しました。

機械の操作方法もできる限り簡単にしました。誰でも半日あれば覚えることができ、1日約3000個ナプキンを作ることができる機械は、インド中に広まっていったのです。

社会をより良くするために、お金よりも大切にすべきこと

優れたナプキン製造機の開発に成功したムルガナンサムさんには、たくさんの「お金」に関する話が舞い込んできました。知的所有権をうまく活用すれば20億円以上の利益を出すこともできると言われましたが、彼はこの話を断ります。

お金儲けに走ることはしないと決めたムルガナンサムさん。女性の衛生環境を向上し、女性の雇用を考え、長期間で持続可能なモデルづくりを目指しす彼は、TEDカンファレンスの舞台でこう主張します。

「人間は貧困ではなく、“無視”によって命を落とすんだ」

問題から目を背けずに挑み続ける彼の挑戦は今も続いています。

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日本の皆で力を合わせて、このモデルを他の途上国へ

ムルガナンサムさんたちが開発したナプキン製造機は、他の途上国でも展開が進んでおり、先日フィリピンでの事業展開が始まりました。

この事業をサポートするのは、「世界を変えるデザイン展」を運営していた株式会社Granma(グランマ)READYFOR?というクラウド・ファンディングサービスを活用し、300万円近いお金を調達しました。

「もっとグラス・イノベーター(草の根レベルの発明家)の素晴らしい活動を世界中に広めたい」と語るグランマ代表の本村拓人さん。このナプキンのモデルをアジアの途上国各国に展開することを計画しているそうです。

途上国で生まれたアイデアを、日本の皆で力を合わせて他の国に広める。こんな素敵な活動がもっと広まっていって欲しいですね。

参考

もっとムルガナンサムさんのストーリーを詳しく知りたい方は、TEDカンファレンスのプレゼンテーションをご覧下さいませ。

[参考:TEDREADYFOR?]


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