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こんにちは。e-Educationフィリピン担当の秦大輝です!フィリピンの首都マニラのスラム街に住む高校生たちに大学受験対策の映像授業を提供するため、日々走り回っています。

政府の許可をなんとか取得できたことは前回の記事でご紹介しました。今回はその続きを書き綴りたいと思います。

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想いのバトンは新しい仲間へ

アイルランドとフィリピンをつなぐスカイプが終わった。

僕は、3月に大学を卒業が決まっていて、4月から社会人として働かなければならないことは決まっていました。ですので、プロジェクトを現場で引っ張っていってくれる後任の仲間を2月から募集していて、今日のスカイプでその後任が決定したのでした。

新しい仲間の名前は伊藤聡紀、通称“アキ”。立命館大学の4年生で1年休学し、アイルランドに語学留学をしていた時にホームページの募集記事を見て、応募してくれたのです。

教育と途上国というものに想いを持っていた彼の情熱は顔を会わせて話したことはないにしても、ひしひしと伝わってきました。彼なら、信頼できる。

「これからよろしくね!」と言った時に、悩みがとれたというか、しらない間にたまっていた荷物がおりたような、そんな感覚になりました。基盤が整った。それをしみじみと感じていました。

ああ、全て無事に終わったなと思っていました・・・・このときは・・

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撮影日確定!しかし、まさかの…

「5月に50時間、教室をおねがいします。」

先生の予定を調整したので、授業を撮影する教室を外国資本の語学学校に頼むために電話しました。そこは、ずっと僕にアドバイスをくれたアテネオ大学(フィリピンの私立の1位)のティムの紹介で格安での提供を約束してくれた語学学校。

オーナーは僕たちの苦労をねぎらって、他の施設の5分の1の費用での利用を認めてくれていたのでした。それが1ヶ月前に決まっていて、授業の日程が決まったことを伝えるために連絡しました。

しかし、スムーズに終わることを、ゆるしてくれないのは、最後まで続くのでした。そこで、またまさかの言葉。

「使っていいよ!・・ただ、値段はアンフェアだよ。やっぱり。少なくとも500ペソはもらわないと。

それは、当初の約束の10倍以上の値段だったのでした。以前の約束について、僕はオーナーに懸命に主張していました。

「たしかにそうだ。でも状況は変わったんだ。俺たちはビジネスでやってるんだ。そのくらい分かってくれ。」

理不尽とした言いようのないようなことでした。頼る人がいないことを知っているオーナーはつけ込んで“金”を要求したのでしたのでした。

「ふざけんな」

また信じた人に裏切られて、時間もないことにつけこまれて、ばかばかしいな。もう何でいつもこうなのか。

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くやしくて、くやしくて。人間にがっかりして、僕は考えることが嫌になりました。半年間過ごした部屋の天井をみながら、あきらめにも近い気持ちを感じていました。

誰かにこのつらさを聞いてほしくて

このつらい想いを、誰かに聞いてほしくて、一緒に怒ってほしくて、1階にいた借りている家の住人のデイビッドに話にいきました。話を聞き終えた、デイビッドは、共感してくれて、一緒に悩んでくれました。

「で、いま何が必要なの?」との質問に僕は「授業に使えるホワイトボードについた部屋が必要」と答えました。

ちょっとした沈黙。そして、デイビッドはこう言いました。

「なら、うちの空き部屋改造して、教室つくろうぜ!それなら安く押さえられるじゃん!」

最初、急なことで、理解することができませんでした。目の前には奇跡がおきていました。半年間一緒の屋根の下で過ごした、友情を感じました。1人で部屋に入ってガッツポーズしました。

3時間前の失望は、どこにいったのか。こんな幸せなことはないと思いました。

最後の仕事。ただ1つの教室

あの奇跡から3日経ちました。そして今ホワイトボードが取り付けられ、僕の教室ができました。世界に1つだけの教室。ここから希望が生まれる。

深夜2時、ホワイトボードを眺めながら、ここまで来たんだ・・そう思いました。僕のやれることは終わった。僕の半年間の仕事は終わりました。「俺、頑張ったな・・・」と思いました。

今日は窓から涼しい風が吹いていました。

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途上国の教育課題を若者の力で解決する

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