こんにちは、マニラプロジェクトマネージャーの伊藤聡紀です。現在マニラで大学受験用コンテンツを届けるため日々走り回っています。
前回の記事では、設備やコミュニケーション面などでハプニングが起きつつも、映像授業を開始できたことについてお伝えしました。今回はその後の授業風景について書きたいと思います。
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モチベーション維持のために次の一手を!
様々なハプニングを乗り越えながらも、授業の出だしは大きな問題も無く、最初の1週間を順調に進める事ができました。生徒のコンテンツに対する反応も上々で、一見すると問題なかったです。
しかし、2週目以降のこと。自分の中で何か違和感を感じずにはいられなかったのです。実際の授業を見ていると、初めの頃より少しずつ生徒の顔が退屈そうになっていました。
クラスの雰囲気も、2ヶ月後にUPCAT(フィリピン大学入試)を控えているようには思えず、次第に出席率も悪くなり始めたのです。早くもUPCAT合格という目標の前に大きな試練が立ちはだかりいました。
どうしても映像授業は、一方的なコンテンツになりがち。普段から大勢でインタラクティブに授業を受けている生徒には、我慢強く机に向かい続ける事が苦手でした。
もちろん他のプロジェクトでも同様の課題があったため、ある程度予想はしていました。しかしながら、思いの外早く生徒が飽きてしまい正直焦りを隠せませんでした。
とにかく何か良い案がないか、学校との実施交渉の段階から手伝ってくれていた現役UP生のパトリックに相談することに。2人で生徒がなぜモチベーションを保つ事ができないのか話し合いました。
その中で考えられる理由は、以下の3点でした。
- UP合格という目標をイメージすることが難しいのでは?
- 物理の授業は最終学年でようやく習い始めるため理解するのが少し難しい。
- 個人での勉強に慣れていない。
そして、この3点から生徒達のモチベーションを保つためにいくつか対策を打ちました。
UP生チューター派遣し、イメージを抱いてもらう
まず①と②の問題を解決するためにパトリックを中心に、現役UP生を高校に派遣しようという事になりました。
①の「UP合格という目標をイメージすることが難しい」に関して、自分たちが目指している大学がどういうところなのか、またどういう勉強をすれば合格出来るのかなど大学生から学べる事は多いはずです。
生徒は高校がUP近くに位置しているため、UPキャンパスに何度か行った事があります。しかし、実際にUP生と話したりする機会が無いということで、日本で言うオープンキャンスの先輩対談ような感覚で楽しんでもらえるのではないかという思いがありました。
また②の「物理の授業は最終学年でようやく習い始めるため理解するのが少し難しい」に関しては、撮影段階から物理慣れしていない生徒用に撮影したつもりでした。しかしながら、予想以上に生徒にとっては難しいとのことで、そのサポートが必要だと感じていました。
運良くパトリックは教育学部の生徒であり、将来教師になりたい生徒が集まる団体に所属しているという事で、物理に精通した友達もいるためお願いしてするとなんとか協力してくれる事になりました。
そして最後の③の「個人での勉強に慣れていない」という問題には、シンプルに小テストを実施して集団で勉強できる機会を毎時間取る事にしました。それもUPCAT用のテキストを使って生徒に受験を意識してもらう事に。
なんとかこれで生徒も自信を持って受験勉強に励んでくれる事を期待していましたが、いざやってみると効果は予想以上に大きかったです。実際に現役UP生という事をパトリックが生徒に伝えると「おおっ!」という声が漏れました。
彼らの登場後は生徒の目の色も明らかに変わったのです。分からないところがあればすぐに質問したり、生徒同士で教え合うという良い流れが出来上がって行きました。
何より現地の大学生は、受験への不安や勉強の大変さ理解している分、生徒の心を上手くつかんでクラスをマネジメントしてくれます。
またUPCAT用のテキストによる小テストも、「難しいよ」と言いながらもテストを楽しみにしている様子。「次は図形やりたい!」「サイエンスが良い!」など生徒からの要望も日が立つごとに増えだしました。
一言で言えば、今回の作戦は成功です!
コンテンツや授業を反省し、試行錯誤する
ただ授業を始めてみてコンテンツ内容やDVD授業の弱点など反省することが多くありました。その後も授業が進めば進むほど、改善の余地が見つかりそれに対してトライアンドエラーを繰り返して行くという事になります。
しかし、そんな毎日が授業に大忙しのなか予想だにしないことが起こり、失意のどん底に落ちてしまうのでした。
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