フィリピンプロジェクトを立ち上げた大学生たち。(左)秦、(右)伊藤
皆さん、こんにちは!
先週、トジョウエンジンの運営団体e-Education Projectから新規プロジェクトリーダー募集の告知をさせて頂きました。現在、フィリピンとインドネシアのプロジェクトを引っ張っていく新しい仲間を探しております。
しかし、半年近く途上国の教育プロジェクトにチャレンジするイメージはなかなか掴めないのではないでしょうか?
そこで今回は、貧しい高校生に大学受験対策の映像授業を届けてきたフィリピンプロジェクトメンバー2人、秦大輝(当時青山学院大学4年)と伊藤聡紀(立命館大学4年)にインタビューしてみました。
大学生たちが語る、e-Educationの海外プロジェクトにチャレンジすることの困難や魅力、どうぞお聞きください。
フィリピンの首都マニラの貧しい高校生に、最高の映像授業を届ける!
────早速ですが、二人は現地でどんなことに挑戦したのですか?
秦:僕は、プロジェクトをゼロから立ち上げるためにニーズ調査から始め、実施する高校・政府や許可を取り、最高の先生探しまで担当しました。ニーズ調査では、まずアンケートや飛び込みインタビューを敢行しました。その中で首都マニラの中に教育格差が存在し、スラム街に住む高校生への映像教育を届けるプロジェクトを構想しました。
そして実施するにあたって、施設を確保するために高校や政府と交渉をし、最後は予備校街を走り回って最高の先生を探しました。いわば、最初の方向性を創った形です。その後は後任の伊藤が担当しました。
伊藤:僕は前任の秦くんの後を引き継いで、撮影と編集を含むコンテンツの作成から、その後の受験勉強のサポートまでに取り組みました。最初は、授業の内容を先生と一緒に考えながら収録を行い、その日のうちに休む事なく夜に編集する、という毎日の繰り返しでした。
その後は、いよいよ授業の実施。生徒達のモチベーションの維持に努めながら、現地の大学生ボランティアメンバーと力を合わせて毎日授業を実施し、受験本番まで生徒約80名と一緒に走り抜きました。先月8月の半ばに大きな受験が終わったばかりです。
相次ぐトラブルを乗り越えた方法
実際の授業風景
────大変だったことはなんだったんでしょうか?
秦:ずばり英語です。僕はお恥ずかしながら、TOEIC250点という壊滅的な語学力しかありませんでした・・・。最初、ニーズ調査をしている時は英語が全く分からず、聞こえるふりをしていましたが、毎回部屋で泣きそうになっていました。実際に現地で僕の英語を聞いた代表の税所も「想像以上にひどかった」と言っていました(笑)
伊藤:それは、ひどいですね。確かに秦君の英語力はひどかった・・(笑)僕もいろいろ悩んだことはありますが、一番大変だったのは生徒たちのモチベーションを保つことでした。授業開始当初は「絶対合格するぞ!」と皆意気込んでいましたが、時間が経つにつれてやる気が段々なくなるということは誰でも経験があると思います。
現地の学生達も真面目なのですが、合格出来るか分からないという半信半疑の気持ちからモチベーションを保てずにいました。そういった中で、試行錯誤を重ねながらフィリピン大学合格に向かってどうすれば本気になってくれるかばかり考えていました。ずっと試行錯誤でしたね。
────どうやって、そこを改善したんですか?
伊藤:現地の学生のことは現地の人が一番分かるだろう!と、大学生や先生に助けをひたすら求めました(笑)いろいろ試したのですが、一番有効だったのはビデオレターを創ったことでした。憧れのフィリピン大学生からの応援メッセージを集めたんです。メッセージを見せると、生徒たちの表情が一気に明るくなり、勉強に打ち込むようになりました。生徒に必要なものを考えるのは大変でしたが、その分生徒が喜んでくれた時は、本当にやって良かったなという気持ちになりました。
秦:すごいね!現地の人の協力でいうと、僕がはじめてフィリピンに来たときも、人脈ゼロかつ見知らぬ土地という何も分からない状況からのスタートだったので、すごく現地の人には救われました。特に「俺の国のためにありがとう」といって先生や現地の大学生が快く協力してくれたのは本当に嬉しかったです。生まれて初めて、信頼できる仲間が外国にできたな〜って帰国の前日にしみじみなりました。そういった出会いがこのプロジェクトの醍醐味の一つかもしれません。
生徒たちからの感謝の声が、最高の宝物
現地の協力してくれる大学生と共に
────嬉しかったことを一つ上げるとしたらなんですか?
伊藤:嬉しかったことは、苦労して作ったコンテンツを必死に勉強してくれたことです。走りきったさいごのお別れの時、一緒に戦ってきた生徒から「映像授業があって本当に良かった」 「僕もe-Educationメンバーに入りたい」と言ってもらえただけで、頑張った甲斐があったと感じられたのと同時に、映像授業の持つ力を再確認しました。
秦:そう言ってもらえるなんて、嬉しいよね。僕が出会ったスラム街の高校生は、予備校に通いたいと親に相談したら「いける訳ないでしょ」と厳しい現実をつきつけられたそうです。そうやってあきらめていた若者たちが、僕たちの持って来た映像授業という魔法のランプで解決することができるんです。「諦めていた予備校の授業がうけられて本当に幸せ者だ!」といった声を聞いて、僕たちは希望を創っているんだと思いました。大げさですが、生きててよかったなあ〜としみじみ思う時がよくありました。
当事者意識が芽生え、ゼロから創ることが好きになった
初めての授業の様子
────プロジェクトで、二人はどんな風に変わりましたか?
伊藤:変わったことと言えば、物事に対する「考え方」だと思います。正直、途上国という場所がどういうところかも知りませんでした。自分の勝手なイメージの中でいろんな問題を抱えているのだろうと思いを巡らせていました。いわば机上の空論です。
しかし、このプロジェクトを通して体験したのは「自分は何も知らない」ということでした。現地の人の生活や考え方など挙げれば切りがないくらい日々勉強でした。そんな状況の中で自然と「知る」ことの重要性と「当事者意識」を持つことの必要性を学びました。
秦:なんか深いね。難しいなあ(笑)周りから何か言われたりする?
伊藤:帰国後、友達にいろいろと話をするとまじめになったと驚かれます(笑)以前よりいろんな事に対して知りたいという欲求が強くなりました。それは現地で絶対的に自分のインプットの少なさを思い知らされたからだと思います。秦君はどうですか?
秦:英語力が上がりました(笑)あれだけひどかった英語も、最後には政府の方にプレゼンするまでに上達していました。行動力とか計画力とかサバイバル能力とか、スキル面での成長はたくさんあります。
伊藤:なるほど。スキル面に関しては、僕も実感しています。心境の変化とかはありました?
秦:心境の変化で言えば、「ゼロから創ること」が好きになりましたね。ゼロから創ることは大変ですが、その分大きな喜びがある。僕は今まで人の先頭にたっていく人間というよりも、後ろをついていく人間でした。1年前まであんなに抵抗のあったこのことが、好きになったのは大きな変化ではないかと思います。e-Educationに参加しなければ、きっとこんな変化は起こらなかったと断言できます。
希望の火を灯すために、ぜひ失敗を恐れず挑戦して欲しい
入試直前に激励をするアキ
────最後に、これから挑戦する仲間へ、何か一言あればお願いします。
伊藤:僕が現地で心がけてたのは「とにかくやってみること」でした。現地では、動かなければ状況は変わりません。さらに一生懸命動いたとしても、いつも自分の努力が必ずしも良い形になって見える訳ではありませんでした。
ただ、それでもやってきた最後には最高の感謝の言葉がありました。失敗を恐れないで、チャレンジし続けることが一番大事だと思います。変なスキルはいらないです。これだけはぜひ忘れないで取り組んで欲しいです。
秦:マニラプロジェクトの2年目はきっと更に大きな挑戦になります。現在4校舎、80人の生徒に映像授業を実施をしましたが、さらに多くの生徒に機会を提供していく予定です。つまり、新しいチャンスを創る挑戦になります。一人でも多くの人に、フィリピンの若者達に希望の火をともしていくことへの挑戦はきっと一生の財産になるでしょう。
僕たちもまだまだプロジェクトのサポートをし続けていきますので、ぜひ一緒に頑張りましょう!
────2人とも、インタビューへの協力、ありがとうございました。
現地で一緒に頑張った仲間と生徒
新しい物語をつくる「最高の仲間」を探しています!
現在、e-Education Projectは、上で紹介したフィリピンのプロジェクトリーダーと、インドネシアのプロジェクトリーダーを募集しています。途上国の教育課題を、若者の力で解決しいく物語を一緒につくりませんか?
少しでも興味を持って頂いた方はぜひ以下の人財募集記事もご覧下さい。
共に走り、悩み、笑いあえる、そんな「最高の仲間」と!
ぜひ一緒に、最高の授業を世界の果てまで届けましょう!
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