Jane Chen

開発者のジェーン・チェンと寝袋型保育器「Embrace」

大人の手のひらに収まるほど小さな体で生まれる未熟児は、体温を維持するだけの脂肪がありません。

保育器がない環境では生まれてから低体温症と闘い、たとえ生き抜くことができたとしても臓器が正常に発達しないのです。その結果、糖尿病や心臓病、知能の低さなど様々な健康問題を抱えながら生きていかなければなりません。

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赤ちゃんを温かく保つだけで問題解決につながる

保育器は元々、自然環境で生存が難しい未熟児や新生児のために開発されました。しかし、電気が必要不可欠で高価であるために、僻地や途上国では普及していないのが現状です。

そのため。湯たんぽや電球のぬくもりで赤ちゃんを温めようとしますが、危険で効果がなく新しい解決策が必要とされていました。

Embrace

寝袋のような保育器「Embrace」

今回紹介する「Embrace」の特徴は、寝袋の後ろポケットに入っている相変化物質です。この物質はある一定の温度で状態変化する物質で、状態変化をするときに熱を吸収したり熱を放出する効果を持っています。

このロウのような物質でお湯に溶かすと一定の温度を4〜6 時間保つことができるのです。取り外しが可能で再び温めれば何度も使用できるので、継続して赤ちゃんを温めることができます。

Embrace-2

インドで発売予定、価格は25ドル

シンプルな作りの「Embrace」には、現地医師や母親たちと考えた工夫が詰まっています。

電気を必要せず、自宅出産を想定し母親や助産師が簡単に使えるシンプルな作り。そして内側に縫い目を作らないことで簡単に殺菌ができることから何人もの赤ちゃんに使い回しが可能で、なにより安価です。

まずは、インドで発売される予定で価格は25ドルとなっています。

乳幼児死亡率の低下は人口増加を防ぐ

乳幼児の死亡率が低く正常に育つ環境であれば、母親は乳児が死亡することを想定しないため、 子どもの数が減ると考えられています。

そうすれば人口増加を防ぐことができるかもしれないのです。「Embrace」は小さな命を救うだけでなく、私たちの大きな問題にも良い影響を与えることが期待されています。

ぜひ開発者ジェーン・チェンさんのTEDプレゼンもご覧になってみてください。

[TED]


途上国の教育課題を若者の力で解決する

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