Leaving microsoft to change the world

突然ですが、今の仕事は、あなたにとって天職だと思いますか?

十分な報酬に大規模なプロジェクトの運営。周りの人が羨むような仕事に就いていたとしても、その仕事が自身の天職だと言える人は少ないのではないでしょうか?

今回ご紹介する本は、そんな天職について考えさせられる一冊。

『マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった』

世界トップクラスの大企業を辞めて、NGO Room to Readを立ち上げた社会起業家ジョン・ウッドさんのストーリーです。

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人生を変えた、ネパール旅行

マイクロソフトで大きなプロジェクトにいくつも関わっていたジョンウッドさん。久しぶりの長期休暇を使って訪れたネパールで、彼は大きな衝撃を受けました。

ネパールの山奥にある学校には、本が全くなかったのです。幼い頃から本が好きで、本から多くのことを学んできたジョンさんに取って、非常にショックな事実を目の当たりにしました。

「次は本を持って帰ってきてくださると信じています」

学校を去る時、校長先生から言われた一言がジョンさんの心に火をつけました。帰国してすぐに知り合いにメールでネパールの現状を伝え、数千冊の本を集めてネパールの学校に届けました。

これが世界屈指のNGO Room to Readが誕生した始まりの物語です。

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photo credit: Wonderlane via photo pin cc

天職は、自ら作るもの

届けた本を手に取り、心の底から喜んでくれたネパールの子どもたち。彼らの喜ぶ顔がもっと見たくて、ジョンさんはマイクロソフトを離れる決断をします。

誰もが羨むような仕事を手放し、愛する恋人と別れるキッカケにもなったキャリアシフト。それでもジョンさんはRoom to Readが自らの天職であったと主張します。

貧しい子どもたちに本を届けるという「大好きなこと」に、マイクロソフトで磨き上げた戦略立案や仕組みづくりといった「専門性」を掛け合わせることで、自分にしかできない仕事「天職」に出会いました。

Room to Readのユニークなポイント

Room to Readには、ジョンさんがマイクロソフトで培ったノウハウがしっかりと活かされています。

例えば、成果報告のスピード。寄付者の方に対して素早く成果を報告することで、寄付と成果の関係をハッキリさせています。また、世界中からボランティアを募ることで、スピードに加えてコスト削減にも成功しています。

他にも様々な手段で資金を集めていることがRoom to Readの大きな特徴。大企業から一般個人まで幅広い層から寄付を集めている他、チャリティーオークションの開催も手がけ、資金調達の幅を広げています。

従来のNGOとは異なった戦略を突き進めていった結果、Room to Readは2103年現在、780万人以上のこども教育の機会を提供する巨大NGOになりました。ジョンさんが出会った天職は、今、世界を変える大きなムーブメントになっています。

あとがき(本の感想)

この本を読んだ一番の感想は「天職は意外と近くにあるかもしれない」ということでした。

ジョンさんはマイクロソフトを辞めたから天職に出会えたわけではありません。自分の好きなことを発見し、そこに自ら磨き上げてきた専門性を掛け合わせたからこそ、どこにでも存在し得るNGOが天職になったのです。

今の仕事を天職にすることだってできるはずです。仕事の好きな部分を見つめ直し、得意なことに磨きをかければ、仕事はもっと楽しくなるはず。

そんな「働き方」について考え直すキッカケをもらった一冊でした。

『マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった』


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