トジョウエンジンが今年の8月にお伝えした、IKEA(イケア)の難民用スマートシェルターが、正式にレバノンのシリア人難民キャンプで使用されることが決定しました。
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あまりに「よく出来すぎていた」シェルター
IKEA創設者が運営するIEKA財団、UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)、RHU(難民用住宅ユニット)の提携によって開発されたこの難民用スマートシェルターは、かなり早い段階からレバノンにおけるシリア人難民への提供が検討されていました。
しかし、難民が定住することを恐れたレバノン政府は、スマートシェルターが「あまりによく出来すぎている」ことを理由に採用を躊躇。6ヵ月にも及ぶ国連との交渉の末、ようやく正式な採用が決定しました。
使用は許可されたものの・・・
レバノンにはいまだに、12万5000人もの難民が生活に十分な住居を得られないまま、生活していると言います。それにも関わらず、レバノン政府が頑なにスマートシェルターの使用を拒否し続けた理由について「Time Magazine」は次のように説明しています。
現在、シリア人難民の数は、レバノン全体の人口の25%以上を占めるまでに膨れ上がっている。彼らは、ただでさえ不十分なレバノンの教育や医療といった公共サービスに対して、さらなる負担を強いているのだ。(中略)パレスチナ人が1948年にイスラエルから逃れてきた際に、確かにレバノンは彼らを暖かく出迎えた。
しかし、それから60年以上たった今、レバノンにおけるパレスチナ人の人口は50万人以上に達している。レバノン政府としては、同じ失敗を繰り返したいとは思っていないだろう。
4時間足らずで組み立てられるにもかかわらず、3年ほど持つというこのスマートシェルターは現在、世界中から大きな関心を集めています。
レバノン政府が使用を許可したとは言え、シェルターがレバノンに届くには、あと6ヵ月ほどかかる見通し。その間シリア人難民がレバノンの厳しい冬を超えることができるのか、不安が広がっています。
UNHCRではシリア人難民に対する緊急の支援を募っています。支援の詳細はこちらからご確認ください。
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