e-Education Projectがバングラデシュで始まったのは2010年。以来、現地リーダー・マヒン(アブドゥル・シェイク マヒン)は夢を追う高校生に教育を届けるため走り続けてきました。
今回はe-Education最強のパートナーであるマヒンの新しい挑戦についてお話しさせてください。
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バングラデシュに映像教育革命を!
僕はマヒンに心から、すまない、ありがとう、とつぶやいた(税所篤快『「最高の授業」を、世界の果てまで届けよう』より引用。2013年、飛鳥新社)
バングラデシュでのe-Educationプロジェクトは、今でこそ500人以上の卒業生を世に送り出し、年間15人のダッカ大学(バングラデシュの東大)合格者を輩出する事業へと成長していますが、その道のりは平たんではありませんでした。
2011年、生徒から授業料を徴収しビジネス化に挑戦したものの、失敗。社会的な信用に関わる自体に奔走する中、マヒンは現地でプロジェクトを前へ前へ進め続けたのです。
その年、11人の生徒全員が志望大学に合格。自分の学業も生活も放り出してひたすら自分の生徒の面倒と見続けたマヒンの汗が実を結んだのでした。バトンは、翌年の2012年、そして昨年2013年につながったのです。
バングラデシュでの成功は、マヒンの活躍なくしてありえませんでした
さて、今回チームe-Educationバングラデシュはその映像授業のノウハウを生かし、バングラデシュの中心産業であり、最も深刻な課題である「農業」分野に革命を起こすべく立ち上がります。
川や河口にある浮島で暮らす貧しい農家の人たちに最高の授業を届ける、e-Farmingプロジェクトです。
なぜ、e-Farmingを?
ハムチャー(Haimchor)村は首都ダッカからボートで6時間ほどの距離にある田舎町です。町の中心部にはお店がいくつも並んでいますが、少し外れると畑ばかり。村で暮らすほとんどの人が農業を仕事にしています。
さらに村を離れ、1時間ほどボートを進ませるとメゾーチョー(Mezor Chor)に着きます。チョー(Chor)とは浮島のことを指し、ここで暮らす人たちのほとんどは農業を営んでいますが、中心部へのアクセスが悪く、貧しい生活を強いられています。
バングラデシュの8割以上の人が農業を営んでいます
問題は深刻です。
浮島には小学校しかなく、中学校や高校に進学するためにはボートで通う必要があります。しかし、一家庭の平均収入は75ドル程度しかなく、ほとんどの子どもたちは経済的な理由で高校・大学に進学することができません。
これまでe-Education Projectは村の高校生たちが一流大学に進学できるようサポートをしてきましたが、メゾーチョーたちの子どもたちはその入り口にすら立てません。浮島で暮らす子どもたちの夢を叶えるためは、島の中心産業である農業から変える必要があるのです。
農家の一番の課題は知識不足。解決するには「最高の授業」が必要!
浮島で暮らす農家の課題はシンプルです。
一言で言えば「知識不足」であり、彼らは良い農作物をつくり、儲けを増やす方法を知らないのです。無理もないでしょう。彼らのほとんどは中学校に進学しておらず、基礎的な教育をうけていないのです。
もちろん農業技術にかかる教育も受けておらず、彼らは伝統的な技術や道具を用いながら、農業を続けています。これでは、いつまでたっても彼らの生活は改善されません。
一方、首都ダッカ周辺で暮らす農家たちの収入はどんどん増えています。なぜなら、市役所を初めとした地方行政機関が農家向けの研修をしており、彼らは最新の農業技術を積極的に取り入れているからです。
「この問題をDVDの力で解決できないか?」
マヒンはe-Educationプロジェクトを進める傍ら、大学で農業を研究している先生に聞き込みを行い、世界銀行で働かれている方々からアドバイスを頂きながら、農家向けの新しいプロジェクトを考え続けてきました。そして2013年2月。最高の授業を貧しい農家の人たちに届けるe-Farmingプロジェクトがはじまりました。
故郷の村の人たちの生活を変えたいと語るマヒン
e-Farmingプロジェクトとは?
e-Farmingプロジェクトは単に農業技術をDVDで教えるプロジェクトではありません。たとえ、良い農作物を作ることができたとしても、それによって儲けを作る方法をしなければ、彼らの生活は改善されないのです。そこでe-Farmingプロジェクトでは主に2種類のDVD教材を作ることを目指しています。
【1】新技術の導入
優秀な農業科学者や専門家の授業をDVDに収録し、農家の人たちに届けます。できれば日本の企業とも連携を図り、有機農産物の作り方も伝えていきたいと考えています。
DVDはいつでも・どこでも・何回でも見ることができ、効率的に新技術を導入することができます。
【2】農業同士の連携強化
農業は一人でするものではありません。農家同士が連携しあって農協等の組織を形成して、地域全体の力が問われるものです。
DVDでは、機械の共同購入や銀行口座解説の容易化といった組織づくりの必要性を伝えていきます。
トライアルセミナー開催!
2013年2月、DVD授業作成に先立ち、ハムチャー(Haimchor)村の農業課と協力し、チョー(Chor)地域で農業セミナーを2回実施しました。
200人を超える農業従事者が参加し、農家の人たちから好評をもらいました。リアルなセミナーはやはり非常に効果的です。しかし、今後もセミナーを継続して実施し、さらに国全体に広めていくためには、いくら予算があっても足りません。
そこでDVD教材を作り、どんな農家の人たちでも「最高の授業」を受けられるようにしようと考えました。。これがバングラデシュに農業革命を起こすe-Farmingプロジェクトです。
いつか全ての子どもたちが「最高の授業」を!
マヒンは言います。
e-Farmingプロジェクトによってチョーで暮らす農家の収入が増え、彼らの子どもたちが高校へ進学し、e-Educationプロジェクトによって難関大学へ進学していき、自らの可能性を切り開いていく社会をつくりたい。これが僕の夢です。
マヒンの夢は、もう動き出しています。
彼の夢を叶えるには、皆さんの協力が必要です。クラウドファンディングサービス「READYFOR?」で協力者を募集していますので、良かったらぜひご覧下さい!
皆さんの力で始めることができたDVD教育。この教育をバングラデシュ中に広め、国内すべての問題を解決していきたいです!
もっとe-Farmingについて知りたいという方へ
マヒンのことを、e-Farmingプロジェクトのことを知りたいという方は以下のイベントにぜひご参加ください!
明日1月18日(土)、夜18時からのイベントにて、e-Education共同代表の三輪が、これまでの道のりとマヒンやe-Farmingの魅力について熱く語ります。ぜひご参加宜しくお願いします!
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