
社会問題の改善において、デザインの力が以前と比べて注目されるようになってきました。
今回ご紹介する「Ideas Box」は、NGOとデザイナーが手を組んで実現した取り組みです。
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難民に必要なのは「地域コミュニティを作ること」
人道支援物資と言えば、水、食料、シェルターなどが挙げられます。これらを確保した後に必要なことはなんでしょうか?
それは「地域コミュニティを作ること」。そのためには、情報にアクセスできることが重要だと言われています。
しかし、情報を収集し、まとめ、別の場所に送るという流れでは、その工程で多くの困難がつきまといます。この課題を理解しているフランスのNGO「国境なき図書館(Libraries Without Borders)」が注目したのが、まさに「デザイン」だったのです。

多忙なデザイナーを動かした一通の手紙
デザインの手助けをしてほしい。でもデザイナーは多忙だから返事はないだろう…。
会長のウェイル氏はこれまでデザイナーと仕事をしたことはありませんでしたが、知っていたデザイナーにだめもとで手紙を送ってみました。
すると依頼を引き受けてくれただけでなく、プロボノとして関わってくれることになったのです。そして生まれたのが「Ideas Box」だったのです。
簡単に組み立て、持ち運べる
Ideas Boxは5種類の箱と荷役台からできています。黄色の箱は作業机やチェックインの場などハブの役割を果たすなど、色によって機能が異なります。

オレンジ:本やボードゲーム、工作用具を収納したライブラリーの箱

青:ディスプレイと音響装置が組み込まれ映画を上映できるシネマの箱。箱の囲いは椅子に変身

緑:タブレット、電子書籍リーダー、ビデオカメラが入ったITの箱。囲いは子供用のテーブルに変身

グレー:折り畳み椅子が収納されておりテーブルに変身する箱。USBハブとWi-fiを利用可能
4600万人以上の難民のもとへ
現在、世界には4600万人以上の人が強制移動を強いられているそうです。
Ideas Boxはコンゴからの難民が暮らしているブルンジ共和国に初めて導入され、現在ルワンダやレバノン、シリアなどアフリカ大湖地域の他の4つの難民キャンプでも活用されています。
そして近いうちに中央アフリカ共和国やフィリピン、パレスチナ、コンゴ、南ダルフールへと広げていく予定とのこと。今後の展開に注目したいですね。
最後にIdeas Boxを考え出したデザイナーの言葉をご紹介します。
When one has lost everything and there is nothing else left, the only thing that cannot be taken away is the ability to dream(全てを失い何も残っていなくても、夢見ることだけは奪われない)ーーPhilippe Starck
どんな状況であっても夢は持ち続けていたい、そう感じさせてくれますね。
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